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「お主を罰せれるのは私しかおらぬ。王族に近しいお主を罰せれるのはこの国の王である私しか出来ぬのだ。 そこに姪など関係ない」
「それでもわたくしには護るだけの価値がありますわ。わたくしは王族で唯一の女性ですのよ。他国へ嫁ぐ事も出来ますわ」
「お主に価値などない」
「ど、どうしてですの」
「お主を他国へ嫁がせたら直ぐに戦になる」
「どうしてですの」
「お主は何も分かっておらぬ。お主は母の様に自分も王女だと思ってるかも知れぬが、王女の役割はこの国を他国から護る為の犠牲なのだぞ。国と国を結ぶ為の架け橋と言っても、国が違えば文化も違う。側室や妾を持てる国に嫁げば、それを認めなければならぬ。もし認めなければ夫に楯突いたと嫁いだ者は酷い扱いを受けるだろう。そしてこの国に正当な権利で戦をおこせる。戦が始まれば己の身体を盾にこの国を護らねばならぬ。一人の命で済むのなら己の命を差し出すのだ。己の命でこの国に手出しさせない為にな。
お主の母は運が良かっただけだ。この国の貴族に嫁ぎ命を捨てずに済んだ。だが、本来ならお主の母も歴代の王女同様、他国へ嫁ぎこの国を護る為に犠牲になるのだ。
お主は自分は愛される、自分の言う事は皆が聞いてくれると思っているが、他国へ嫁いだら誰がお主の話を聞くのだ。夫には愛されぬかも知れぬ。他国でも暴言を吐けばお主は直ぐに処刑されるだろう。お主の亡骸はそこら辺の野に放たれ獣の餌になるだろう。 愚行や暴言を吐く者を他国へ嫁がせる事はこの国の破滅だ。お主を嫁がせた責任で私を初め、王族の血を受け継ぐ者は皆首を落とされ見せしめの様に王宮前に並べられるだろう。怒り狂った民により死んでも尚、石を投げられ罵声を浴びるのだ。
お主はこの国にとって何一つとして価値がない。あるとすれば娼婦として性奴隷になるだけだ」
「ひ、ひどい……」
「お主の現実だ」
「そんな……」
「お主は修道院で腹の子を育てながら己の罪を認め反省し一生を修道院で過ごせ。良いな」
「そうですわ、セシム様はどこですの?」
「セシムか。牢屋に入れた。偽ってはならぬ身分を偽ったからだ。あ奴は鉱山送りになった」
「セシム様が平民なんて嘘ですわよね?あの方は隣国の大公の隠し子ですのよね?」
「あ奴はセイリーン孤児院で育った平民だ。大公の息子と身分を偽ったがために罪を問い鉱山送りになった」
「では、腹の子は」
「平民との間の子だ。お主が下賤の者と言い家畜と見下す平民のな。お主も穢れた家畜で獣だったな」
「え?」
「お主がチャーリーに言った事だ。そうであろう」
「た、確かに言いましたわ。ですが、わたくしは違いますわ」
「何も違わぬ。お主は穢れた家畜で獣だ。獣の様に快楽を楽しんだのであろう、違うか? 夫とは初夜もまだだったのであろう。毎日あ奴に抱かれに会いに行っていたのではないのか? お主は穢れた家畜で獣だ。王宮が穢れるのだったか?ならお主は直ぐに王宮から出て行って貰わねばな。お主も所詮ただの獣だったのだな」
「そんな…おじ様あんまりです……」
「お主が発言した言葉であろう。お主がチャーリーを見下し罵ったのではないか。 自分が言われれば傷つき、他人に言うには正当だと思うのか? チャーリーもお主の言葉でお主の様に傷ついたのだ。
お主だけが特別ではない。お主が言われて傷つく言葉なら他人も同様に傷つくと何故思えぬ。
この国に何でも許される特別な者などおらぬ。 私とて特別ではない。政策を間違えれば皆から罵声を浴びるだろう。愚王になれば即処刑されるだろう。例えこの国の王であっても、自分勝手に好きな様には出来ぬのだ。
お主は自分勝手な考え方で他人を好きな様に扱ってきた。お主の発言で傷ついた者はこの国に住まう民皆だ。見下し、罵り、蔑ろにしたこの国の民皆だ。その罪を認め反省するべきだ」
「おじ様はわたくしを責めるのですのね」
「今のお主に何を言っても無駄だ。どれだけ諭し教えても聞くお主が聞く耳を持たない以上、何を言っても無駄だ。お主は修道院で己を見つめ直すのだな」
「おじ様、お待ち下さいませ。わたくしを見捨てないで下さいませ」
「他人を直ぐ見捨てるお主に差し伸べる手はない」
「子は?腹の子はどうすれば……」
「腹の子を自分で育てる事が出来る修道院へ送る。厳しい規律のある所だ、お主の立場など通用する所ではない。愚行や暴言を吐けば吐くほどお主には厳しい罰が下される。だが、産まれた子には優しい所だ。お主の罪と子は関係ない」
「そんな……」
エステル様は騎士により布で口を塞がれた。
「お主に掛ける最後の言葉だ。
己の罪を認め悔い改める事を心から願う。
他に最後の言葉を掛ける者がいれば声を掛ける事を認めよう」
「では私から」
と、アーサー父様が前に出た。
「エステル譲、貴女には言いたい事は沢山あるが今は何を言っても無駄の様だ。貴女が悔い改めた時に言わせて貰うとしよう。だが一つだけ、
妻を侮辱した事は一生許すつもりはない。
陛下、ありがとうございました」
「嫌、すまぬな。 ローラよ、気にするでない。此奴にローラの気持ちもローラの母の気持ちも一生分からずとも良い。お主達の愛は綺麗な物だ。傷つかずとも良いのだ。 此奴の心が醜いのだ。醜い心には分かるまい」
「はい、陛下」
「それでもわたくしには護るだけの価値がありますわ。わたくしは王族で唯一の女性ですのよ。他国へ嫁ぐ事も出来ますわ」
「お主に価値などない」
「ど、どうしてですの」
「お主を他国へ嫁がせたら直ぐに戦になる」
「どうしてですの」
「お主は何も分かっておらぬ。お主は母の様に自分も王女だと思ってるかも知れぬが、王女の役割はこの国を他国から護る為の犠牲なのだぞ。国と国を結ぶ為の架け橋と言っても、国が違えば文化も違う。側室や妾を持てる国に嫁げば、それを認めなければならぬ。もし認めなければ夫に楯突いたと嫁いだ者は酷い扱いを受けるだろう。そしてこの国に正当な権利で戦をおこせる。戦が始まれば己の身体を盾にこの国を護らねばならぬ。一人の命で済むのなら己の命を差し出すのだ。己の命でこの国に手出しさせない為にな。
お主の母は運が良かっただけだ。この国の貴族に嫁ぎ命を捨てずに済んだ。だが、本来ならお主の母も歴代の王女同様、他国へ嫁ぎこの国を護る為に犠牲になるのだ。
お主は自分は愛される、自分の言う事は皆が聞いてくれると思っているが、他国へ嫁いだら誰がお主の話を聞くのだ。夫には愛されぬかも知れぬ。他国でも暴言を吐けばお主は直ぐに処刑されるだろう。お主の亡骸はそこら辺の野に放たれ獣の餌になるだろう。 愚行や暴言を吐く者を他国へ嫁がせる事はこの国の破滅だ。お主を嫁がせた責任で私を初め、王族の血を受け継ぐ者は皆首を落とされ見せしめの様に王宮前に並べられるだろう。怒り狂った民により死んでも尚、石を投げられ罵声を浴びるのだ。
お主はこの国にとって何一つとして価値がない。あるとすれば娼婦として性奴隷になるだけだ」
「ひ、ひどい……」
「お主の現実だ」
「そんな……」
「お主は修道院で腹の子を育てながら己の罪を認め反省し一生を修道院で過ごせ。良いな」
「そうですわ、セシム様はどこですの?」
「セシムか。牢屋に入れた。偽ってはならぬ身分を偽ったからだ。あ奴は鉱山送りになった」
「セシム様が平民なんて嘘ですわよね?あの方は隣国の大公の隠し子ですのよね?」
「あ奴はセイリーン孤児院で育った平民だ。大公の息子と身分を偽ったがために罪を問い鉱山送りになった」
「では、腹の子は」
「平民との間の子だ。お主が下賤の者と言い家畜と見下す平民のな。お主も穢れた家畜で獣だったな」
「え?」
「お主がチャーリーに言った事だ。そうであろう」
「た、確かに言いましたわ。ですが、わたくしは違いますわ」
「何も違わぬ。お主は穢れた家畜で獣だ。獣の様に快楽を楽しんだのであろう、違うか? 夫とは初夜もまだだったのであろう。毎日あ奴に抱かれに会いに行っていたのではないのか? お主は穢れた家畜で獣だ。王宮が穢れるのだったか?ならお主は直ぐに王宮から出て行って貰わねばな。お主も所詮ただの獣だったのだな」
「そんな…おじ様あんまりです……」
「お主が発言した言葉であろう。お主がチャーリーを見下し罵ったのではないか。 自分が言われれば傷つき、他人に言うには正当だと思うのか? チャーリーもお主の言葉でお主の様に傷ついたのだ。
お主だけが特別ではない。お主が言われて傷つく言葉なら他人も同様に傷つくと何故思えぬ。
この国に何でも許される特別な者などおらぬ。 私とて特別ではない。政策を間違えれば皆から罵声を浴びるだろう。愚王になれば即処刑されるだろう。例えこの国の王であっても、自分勝手に好きな様には出来ぬのだ。
お主は自分勝手な考え方で他人を好きな様に扱ってきた。お主の発言で傷ついた者はこの国に住まう民皆だ。見下し、罵り、蔑ろにしたこの国の民皆だ。その罪を認め反省するべきだ」
「おじ様はわたくしを責めるのですのね」
「今のお主に何を言っても無駄だ。どれだけ諭し教えても聞くお主が聞く耳を持たない以上、何を言っても無駄だ。お主は修道院で己を見つめ直すのだな」
「おじ様、お待ち下さいませ。わたくしを見捨てないで下さいませ」
「他人を直ぐ見捨てるお主に差し伸べる手はない」
「子は?腹の子はどうすれば……」
「腹の子を自分で育てる事が出来る修道院へ送る。厳しい規律のある所だ、お主の立場など通用する所ではない。愚行や暴言を吐けば吐くほどお主には厳しい罰が下される。だが、産まれた子には優しい所だ。お主の罪と子は関係ない」
「そんな……」
エステル様は騎士により布で口を塞がれた。
「お主に掛ける最後の言葉だ。
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他に最後の言葉を掛ける者がいれば声を掛ける事を認めよう」
「では私から」
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「エステル譲、貴女には言いたい事は沢山あるが今は何を言っても無駄の様だ。貴女が悔い改めた時に言わせて貰うとしよう。だが一つだけ、
妻を侮辱した事は一生許すつもりはない。
陛下、ありがとうございました」
「嫌、すまぬな。 ローラよ、気にするでない。此奴にローラの気持ちもローラの母の気持ちも一生分からずとも良い。お主達の愛は綺麗な物だ。傷つかずとも良いのだ。 此奴の心が醜いのだ。醜い心には分かるまい」
「はい、陛下」
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