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夕食が終わり、チャーリーの部屋の中…。
チャーリーの膝の上、もう定位置になっている。
「ようやくエミリーヌに触れられる。良い?」
「……うん」
「嫌?嫌なら何もしないよ?」
「嫌じゃないよ?」
「本当?」
「うん」
チャーリーは私の髪を愛おしそうに撫でている。髪を一房取り口付けし、額に、頬に、口に、口付けをした。
「嫌だった?」
「ううん。何で?」
「何か嫌そうだったから」
「そんな事ない」
「なら良いけど。嫌なら言ってね?エミリーヌの嫌がる事はしたくないから」
「うん」
「それと暫く家に滞在する事になったから」
「チャーリーが?」
「俺もだけどエミリーヌも」
「私も?」
「そう」
「何で?」
「あのご両親と同じ邸の中で過ごさせたくないから」
「え?」
「前侯爵も邸に留まりご両親と邸に居る」
「え?」
「エミリーヌ」
「何?」
「もう少し父上に任せよう。ね?」
「うん……でも……」
「父上と前侯爵で話し合ってエミリーヌを家で預かる事にしたんだって」
「お祖父様も知ってるの?」
「前侯爵も知ってる。だからね、父上と前侯爵にご両親の事は任せよ?」
「分かった。けど…」
「大丈夫だよ?」
「迷惑じゃないの?」
「迷惑?あの父上と母上見ても迷惑って思う?」
「う、そうね……」
「だからエミリーヌは遠慮せずこの邸で過ごせば良いからね?」
「うん。ありがとう」
「俺はエミリーヌと寝る間近まで一緒にいれて幸せだよ?」
「……うん」
「俺が怖い?」
「え?何で?」
「だって、エミリーヌと側に居たい。触りたいって思ってるから……」
「ううん。チャーリーがじゃない……」
「どうしたの?」
「……私が……」
「ん?」
「……私が……穢れてる……から……」
「誰がそんな事言った!!」
チャーリーが突然怒り出した。
「誰がエミリーヌを穢れてるなんて言った!!」
「……お父様…が……」
「あのろくでなしが!! ろくでなしが何て言った?」
「……忌…み…子……って……」
「は?エミリーヌの何処が忌み子なんだよ」
「婚姻前に…宿った子だから……」
「あのろくでなしが。
エミリーヌ、聞いて。さっきも言ったけど、子は勝手に宿らない。宿る行為をしたから子が出来たんだ」
「うん」
「宿った子が穢れてるんじゃない」
「うん」
「己の意思で宿る行為をして、それで出来た子のせいにしたエミリーヌの両親が、穢れ醜い心を持っている両親の方が穢れてるんだ。エミリーヌじゃない」
「うん」
「エミリーヌは綺麗だ。心も身体も綺麗だ。穢れてなんていない」
「うん」
「穢れてるのはむしろ俺の方だよ」
「チャーリーは穢れてない」
「俺はエミリーヌの両親と同じ、結婚する前に身体を繋げてた。だから穢れてるのは俺の方」
「それは……」
「エミリーヌは穢れてない。
エミリーヌは綺麗だ。
子が宿るって神聖な事だ。
宿った子も神聖な子だ。
エミリーヌは神聖な子だ」
「それならチャーリーも……」
「エミリーヌは綺麗だ」
「チャーリー?」
「エミリーヌの心は綺麗だ」
「チャーリー」
「エミリーヌの身体も綺麗だ」
「ねえチャーリー」
「エミリーヌは綺麗だ」
「ちょっとチャーリー?」
「エミリーヌは綺麗だ」
「チャーリー!!」
私は大声をあげてチャーリーを止めた。
「チャーリー、聞いて」
「うん」
「チャーリーが私を綺麗って言うならチャーリーも綺麗なの。良い?」
「違うよ。エミリーヌは綺麗だ。心の中も身体も何一つ穢れてない。エミリーヌは綺麗だ」
「チャーリー、ローラ母様が前に言ってたでしょ?身体を繋げるのは恥ずべき事じゃないって」
「そうだけど」
「私も神聖な愛の行為だと思う」
「うん」
「子が宿る事もチャーリーが言うように神聖な事だと思う」
「うん」
「子は神からの贈り物なんでしょ?」
「そうだ」
「確かに私は婚姻前に出来た。お父様は私を忌み子だと、穢れだと言った」
「ああ。あのろくでなしが」
「でもチャーリーは私を綺麗って言う」
「当たり前だよ。エミリーヌは綺麗なんだから」
「私もね、忌み子って、望まれず産まれた穢れの子って言われて自分は汚れてる汚い者って思った」
「違う!」
「でもチャーリーの言葉がいつも醜くなる私の心を綺麗にしてくれるの」
「エミリーヌは醜くない。綺麗だ。綺麗な心だ」
「うん。チャーリーの言葉で私は綺麗なんだって思えるの」
「なら良いけど。でも本当にエミリーヌは綺麗なんだよ?」
「うん。だからね、チャーリーも綺麗なの」
「俺は……」
「チャーリーは恋人に子が出来たら責任取るんでしょ?」
「当たり前だよ。俺の子を宿してくれた女性に感謝しないと」
「うん。チャーリーは私の両親とは違う」
「でも……」
「責任が取れない行為ならしない方が良い」
「当たり前だよ」
「子を愛せないから産まなきゃ良い」
「そうだね」
「でもね、私も子を愛せない親になるかも知れない。両親と同じ」
「エミリーヌは両親と同じじゃない。だって俺が居る。エミリーヌが愛せないなら俺が沢山愛す。両親は二人共エミリーヌを犠牲にした。けど俺は俺の子をエミリーヌが産んでくれるならそれだけでエミリーヌに感謝するよ。俺がエミリーヌの分まで可愛がり愛する」
「うん。チャーリーの言葉を信じられるから身体を繋げる事も怖くない」
「本当は?本当の気持ちは?」
「お父様とお母様の話を聞いて身体を繋げるの汚いって思った。けどね、チャーリーが俺の為に産まれて来てくれてありがとうって言ってくれたでしょ?」
「本当に俺の為に産まれて来てくれて嬉しかったから」
「それでね、宿った子は神聖な子で神からの贈り物って聞いてね、身体を繋げないと子は宿らないし神からの贈り物も貰えないって思ったの。汚いと思った行為だけど、チャーリーならチャーリーとなら神の贈り物を受け取りたいって思った」
「本当に?無理してない?」
「それがね、可笑しい事に早くチャーリーとの神からの贈り物が待ち遠しいの」
「本当?」
「本当。生きる意味も生かされた意味もチャーリーの為って思ったら、生きてて良かったって思ったの。チャーリーと出会えて良かったって思った」
「俺もエミリーヌと出会えて良かった」
「うん」
チャーリーの膝の上、もう定位置になっている。
「ようやくエミリーヌに触れられる。良い?」
「……うん」
「嫌?嫌なら何もしないよ?」
「嫌じゃないよ?」
「本当?」
「うん」
チャーリーは私の髪を愛おしそうに撫でている。髪を一房取り口付けし、額に、頬に、口に、口付けをした。
「嫌だった?」
「ううん。何で?」
「何か嫌そうだったから」
「そんな事ない」
「なら良いけど。嫌なら言ってね?エミリーヌの嫌がる事はしたくないから」
「うん」
「それと暫く家に滞在する事になったから」
「チャーリーが?」
「俺もだけどエミリーヌも」
「私も?」
「そう」
「何で?」
「あのご両親と同じ邸の中で過ごさせたくないから」
「え?」
「前侯爵も邸に留まりご両親と邸に居る」
「え?」
「エミリーヌ」
「何?」
「もう少し父上に任せよう。ね?」
「うん……でも……」
「父上と前侯爵で話し合ってエミリーヌを家で預かる事にしたんだって」
「お祖父様も知ってるの?」
「前侯爵も知ってる。だからね、父上と前侯爵にご両親の事は任せよ?」
「分かった。けど…」
「大丈夫だよ?」
「迷惑じゃないの?」
「迷惑?あの父上と母上見ても迷惑って思う?」
「う、そうね……」
「だからエミリーヌは遠慮せずこの邸で過ごせば良いからね?」
「うん。ありがとう」
「俺はエミリーヌと寝る間近まで一緒にいれて幸せだよ?」
「……うん」
「俺が怖い?」
「え?何で?」
「だって、エミリーヌと側に居たい。触りたいって思ってるから……」
「ううん。チャーリーがじゃない……」
「どうしたの?」
「……私が……」
「ん?」
「……私が……穢れてる……から……」
「誰がそんな事言った!!」
チャーリーが突然怒り出した。
「誰がエミリーヌを穢れてるなんて言った!!」
「……お父様…が……」
「あのろくでなしが!! ろくでなしが何て言った?」
「……忌…み…子……って……」
「は?エミリーヌの何処が忌み子なんだよ」
「婚姻前に…宿った子だから……」
「あのろくでなしが。
エミリーヌ、聞いて。さっきも言ったけど、子は勝手に宿らない。宿る行為をしたから子が出来たんだ」
「うん」
「宿った子が穢れてるんじゃない」
「うん」
「己の意思で宿る行為をして、それで出来た子のせいにしたエミリーヌの両親が、穢れ醜い心を持っている両親の方が穢れてるんだ。エミリーヌじゃない」
「うん」
「エミリーヌは綺麗だ。心も身体も綺麗だ。穢れてなんていない」
「うん」
「穢れてるのはむしろ俺の方だよ」
「チャーリーは穢れてない」
「俺はエミリーヌの両親と同じ、結婚する前に身体を繋げてた。だから穢れてるのは俺の方」
「それは……」
「エミリーヌは穢れてない。
エミリーヌは綺麗だ。
子が宿るって神聖な事だ。
宿った子も神聖な子だ。
エミリーヌは神聖な子だ」
「それならチャーリーも……」
「エミリーヌは綺麗だ」
「チャーリー?」
「エミリーヌの心は綺麗だ」
「チャーリー」
「エミリーヌの身体も綺麗だ」
「ねえチャーリー」
「エミリーヌは綺麗だ」
「ちょっとチャーリー?」
「エミリーヌは綺麗だ」
「チャーリー!!」
私は大声をあげてチャーリーを止めた。
「チャーリー、聞いて」
「うん」
「チャーリーが私を綺麗って言うならチャーリーも綺麗なの。良い?」
「違うよ。エミリーヌは綺麗だ。心の中も身体も何一つ穢れてない。エミリーヌは綺麗だ」
「チャーリー、ローラ母様が前に言ってたでしょ?身体を繋げるのは恥ずべき事じゃないって」
「そうだけど」
「私も神聖な愛の行為だと思う」
「うん」
「子が宿る事もチャーリーが言うように神聖な事だと思う」
「うん」
「子は神からの贈り物なんでしょ?」
「そうだ」
「確かに私は婚姻前に出来た。お父様は私を忌み子だと、穢れだと言った」
「ああ。あのろくでなしが」
「でもチャーリーは私を綺麗って言う」
「当たり前だよ。エミリーヌは綺麗なんだから」
「私もね、忌み子って、望まれず産まれた穢れの子って言われて自分は汚れてる汚い者って思った」
「違う!」
「でもチャーリーの言葉がいつも醜くなる私の心を綺麗にしてくれるの」
「エミリーヌは醜くない。綺麗だ。綺麗な心だ」
「うん。チャーリーの言葉で私は綺麗なんだって思えるの」
「なら良いけど。でも本当にエミリーヌは綺麗なんだよ?」
「うん。だからね、チャーリーも綺麗なの」
「俺は……」
「チャーリーは恋人に子が出来たら責任取るんでしょ?」
「当たり前だよ。俺の子を宿してくれた女性に感謝しないと」
「うん。チャーリーは私の両親とは違う」
「でも……」
「責任が取れない行為ならしない方が良い」
「当たり前だよ」
「子を愛せないから産まなきゃ良い」
「そうだね」
「でもね、私も子を愛せない親になるかも知れない。両親と同じ」
「エミリーヌは両親と同じじゃない。だって俺が居る。エミリーヌが愛せないなら俺が沢山愛す。両親は二人共エミリーヌを犠牲にした。けど俺は俺の子をエミリーヌが産んでくれるならそれだけでエミリーヌに感謝するよ。俺がエミリーヌの分まで可愛がり愛する」
「うん。チャーリーの言葉を信じられるから身体を繋げる事も怖くない」
「本当は?本当の気持ちは?」
「お父様とお母様の話を聞いて身体を繋げるの汚いって思った。けどね、チャーリーが俺の為に産まれて来てくれてありがとうって言ってくれたでしょ?」
「本当に俺の為に産まれて来てくれて嬉しかったから」
「それでね、宿った子は神聖な子で神からの贈り物って聞いてね、身体を繋げないと子は宿らないし神からの贈り物も貰えないって思ったの。汚いと思った行為だけど、チャーリーならチャーリーとなら神の贈り物を受け取りたいって思った」
「本当に?無理してない?」
「それがね、可笑しい事に早くチャーリーとの神からの贈り物が待ち遠しいの」
「本当?」
「本当。生きる意味も生かされた意味もチャーリーの為って思ったら、生きてて良かったって思ったの。チャーリーと出会えて良かったって思った」
「俺もエミリーヌと出会えて良かった」
「うん」
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2021/06/17
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