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食堂に付き、手を繋いだまま食堂の中へ入った。繋いでたチャーリーの手がギュッと力強く握った。
「父上、母上、 いえ、すみませんでした。 ブラウニー侯爵、侯爵夫人……」
「チャーリー、元気にしてたの?母様に顔を見せて?」
チャーリーのお母上様は涙を流していました。
「ごめん。俺…やっぱり…」
「チャーリー? ねぇチャーリー、私はずっと側に居る。この手も離さない。ね?」
「あ!手!ごめん」
チャーリーは手を離そうとした。
「駄目。離さない」
「おい!」
「私は離さない。だから大丈夫。お母様に顔を見せてあげよ? 怒られたら私が盾になる。だからね?」
「馬鹿か。盾にならなくても良い。俺が受けなきゃいけない事だ」
「私は味方って言った。見捨てないって言った」
「分かってる」
チャーリーは私の手を引いてお母上様の前に立った。
「チャーリー、元気にしてた?」
「はい」
「貴方を見捨てた母様を許してくれる?」
「許すなんて。俺が親不孝したんです。許されないのは俺の方です」
「母様は貴方を助けれなかった。愛する我が子を護れなかったわ」
「それは俺が…」
「それでも愛する我が子を護るのが親だわ。例え成人してても愛する我が子には変わらないもの」
「はは、侯爵夫人…」
「母様はもう貴方の母親ではない?」
「え?」
「母様は貴方の母親にもう一度なれない?」
「俺は縁を切られた愚息です」
私はチャーリーの手を引っ張った。
「ねぇチャーリー、もう良いじゃない。罰は受けたわ。もう一度この国へ来れたのはチャーリーの努力の結果。償いだってチャーリーの功績が物語ってるわ。もう償った。 チャーリーは何十人何百人の人の人生を導いた。これ以上何を償うの? 罪は私が許したじゃない」
「それとこれは違うだろ?」
「一緒よ。もう貴方は罰も罪も受ける事も償う事もしなくて良いの。 元婚約者?そんなの放おっておきなさい。あの人は何も変わらない。変わらない人の為にこれ以上償う罰も罪もないわ」
「だけど…」
「もう良いの。終わり! 貴族籍は戻せなくても親子は親子よ? そうですよね?侯爵夫人」
「ええ。母様とチャーリーは親と子。変わらないわ。あなたも良いわよね?」
「ああ」
「良いんですか?」
「ああ。お前は私の息子だ。誰に何を言われてもな」
「父上、母上、迷惑かけてすみませんでした」
「ああ。私もお前を護れなかった。すまん」
「いえ」
「チャーリー、ああ、私の可愛いチャーリー」
侯爵夫人はチャーリーを抱き寄せた。私はそっと手を離した。
夫人はチャーリーの額に口付けした。
「母上、俺はもう子供ではありません。恥ずかしいのでやめて下さい」
「可愛い子供にするのに駄目なの?」
「可愛い子供って俺もう24ですよ」
「知ってるわよ?」
「はぁぁ。何でもないです」
「そう? エミリーヌちゃん、ありがとう。チャーリーを助けてくれて。貴女には感謝しかないわ。本当にありがとう」
夫人に抱き寄せられ額に口付けを落とされた。私は、
「母上!エミリーヌが固まってるではないですか。おいエミリーヌ、大丈夫か?」
「あら、ごめんなさい」
「え?」
「エミリーヌ大丈夫か?」
「え?あっ、大丈夫」
私は額に手をかざし、大人の女性に抱き寄せられた事がなかった為、嬉しいような恥ずかしいような…。
私が固まっている為かチャーリーはお父上様とお母上様と3人で話していた。それをそっと離れて見ていた。
(チャーリーってお母さん譲りの髪色なんだ。へぇ~。 瞳はお父さん譲りの紫なんだ。ふ~ん。 でもお父さんの方がチャーリーより少し深い紫色? チャーリーも深い紫色だけど、お父さんと並ぶと明るく見えるんだ~。 そういえばチャーリーの髪の色とか瞳の色って気にして見た事ないかも…。え?グレンも私気にした事ないや。 私って案外、人の外見って見てなかったのね。 ん?紫?ん?あれ?お茶会用は淡い紫色だったけど、確かディーナが夜会用のドレスは深い紫色に銀色の糸で刺繍がしてあるって言ってたような…。 銀色?チャーリーの髪の色? え?どういう事? 自分の色を贈るのは婚約者にだけのはず……。だけどチャーリーは結婚しないって言ってた。 あれ?確かグレンも私が気付かないならそれまでって言ってた。ドレスを見たから?ディーナも何か言いたそうだった。 チャーリーは自分の髪の色と瞳の色のドレスを私に贈った。アクセサリーも確か……)
「あ!」
「エミリーヌ?どうした?」
「何でもないの」
「本当か?」
「うん。本当に何でもないの」
(アクセサリーも紫色とあれはダイヤね。ダイヤを銀色に見立てたって事? 銀色の髪って光の加減で白っぽく見えるものね。 髪飾りは銀細工に紫の宝石がはめ込んであった。 私、全身チャーリーの色を纏ってたって事? 宰相様、気がつかなかったのかしらね。 きっと宰相様も色恋に鈍いのね)
暫く私は3人を見つめ、話が少しおさまった所で4人で夕食を食べた。 夕食では私も話に加わり、とても楽しい食事になった。
幼い頃は使用人に混ざって食べてたけど話に混ざる事は無かったし、学園に通ってた時は仕事をしながら執務室で簡単に食べれる物を食べながらだったし、卒業してからは執務室か部屋で食べてたし、あの人達が出掛けてお祖父様が邸に帰って来て初めて食堂できちんとした食事を食べたかも。 お祖父様とも少し話しながら食べたけど、お祖父様食べるの早いから。
大勢と話ながら食事するって楽しいのね。初めて知ったわ。ご飯も美味しく感じる。 料理長はいつも美味しいご飯を栄養を考えて作ってくれてた。それさえも私は味わい食べてこなかった。 料理長も私を思ってご飯を毎日作ってくれてたのね。
本当だ。私が気付かなかっただけで、見ようとしなかっただけで、私の事を思って、私の為に作ってくれてる。 私は愛されてる。
「父上、母上、 いえ、すみませんでした。 ブラウニー侯爵、侯爵夫人……」
「チャーリー、元気にしてたの?母様に顔を見せて?」
チャーリーのお母上様は涙を流していました。
「ごめん。俺…やっぱり…」
「チャーリー? ねぇチャーリー、私はずっと側に居る。この手も離さない。ね?」
「あ!手!ごめん」
チャーリーは手を離そうとした。
「駄目。離さない」
「おい!」
「私は離さない。だから大丈夫。お母様に顔を見せてあげよ? 怒られたら私が盾になる。だからね?」
「馬鹿か。盾にならなくても良い。俺が受けなきゃいけない事だ」
「私は味方って言った。見捨てないって言った」
「分かってる」
チャーリーは私の手を引いてお母上様の前に立った。
「チャーリー、元気にしてた?」
「はい」
「貴方を見捨てた母様を許してくれる?」
「許すなんて。俺が親不孝したんです。許されないのは俺の方です」
「母様は貴方を助けれなかった。愛する我が子を護れなかったわ」
「それは俺が…」
「それでも愛する我が子を護るのが親だわ。例え成人してても愛する我が子には変わらないもの」
「はは、侯爵夫人…」
「母様はもう貴方の母親ではない?」
「え?」
「母様は貴方の母親にもう一度なれない?」
「俺は縁を切られた愚息です」
私はチャーリーの手を引っ張った。
「ねぇチャーリー、もう良いじゃない。罰は受けたわ。もう一度この国へ来れたのはチャーリーの努力の結果。償いだってチャーリーの功績が物語ってるわ。もう償った。 チャーリーは何十人何百人の人の人生を導いた。これ以上何を償うの? 罪は私が許したじゃない」
「それとこれは違うだろ?」
「一緒よ。もう貴方は罰も罪も受ける事も償う事もしなくて良いの。 元婚約者?そんなの放おっておきなさい。あの人は何も変わらない。変わらない人の為にこれ以上償う罰も罪もないわ」
「だけど…」
「もう良いの。終わり! 貴族籍は戻せなくても親子は親子よ? そうですよね?侯爵夫人」
「ええ。母様とチャーリーは親と子。変わらないわ。あなたも良いわよね?」
「ああ」
「良いんですか?」
「ああ。お前は私の息子だ。誰に何を言われてもな」
「父上、母上、迷惑かけてすみませんでした」
「ああ。私もお前を護れなかった。すまん」
「いえ」
「チャーリー、ああ、私の可愛いチャーリー」
侯爵夫人はチャーリーを抱き寄せた。私はそっと手を離した。
夫人はチャーリーの額に口付けした。
「母上、俺はもう子供ではありません。恥ずかしいのでやめて下さい」
「可愛い子供にするのに駄目なの?」
「可愛い子供って俺もう24ですよ」
「知ってるわよ?」
「はぁぁ。何でもないです」
「そう? エミリーヌちゃん、ありがとう。チャーリーを助けてくれて。貴女には感謝しかないわ。本当にありがとう」
夫人に抱き寄せられ額に口付けを落とされた。私は、
「母上!エミリーヌが固まってるではないですか。おいエミリーヌ、大丈夫か?」
「あら、ごめんなさい」
「え?」
「エミリーヌ大丈夫か?」
「え?あっ、大丈夫」
私は額に手をかざし、大人の女性に抱き寄せられた事がなかった為、嬉しいような恥ずかしいような…。
私が固まっている為かチャーリーはお父上様とお母上様と3人で話していた。それをそっと離れて見ていた。
(チャーリーってお母さん譲りの髪色なんだ。へぇ~。 瞳はお父さん譲りの紫なんだ。ふ~ん。 でもお父さんの方がチャーリーより少し深い紫色? チャーリーも深い紫色だけど、お父さんと並ぶと明るく見えるんだ~。 そういえばチャーリーの髪の色とか瞳の色って気にして見た事ないかも…。え?グレンも私気にした事ないや。 私って案外、人の外見って見てなかったのね。 ん?紫?ん?あれ?お茶会用は淡い紫色だったけど、確かディーナが夜会用のドレスは深い紫色に銀色の糸で刺繍がしてあるって言ってたような…。 銀色?チャーリーの髪の色? え?どういう事? 自分の色を贈るのは婚約者にだけのはず……。だけどチャーリーは結婚しないって言ってた。 あれ?確かグレンも私が気付かないならそれまでって言ってた。ドレスを見たから?ディーナも何か言いたそうだった。 チャーリーは自分の髪の色と瞳の色のドレスを私に贈った。アクセサリーも確か……)
「あ!」
「エミリーヌ?どうした?」
「何でもないの」
「本当か?」
「うん。本当に何でもないの」
(アクセサリーも紫色とあれはダイヤね。ダイヤを銀色に見立てたって事? 銀色の髪って光の加減で白っぽく見えるものね。 髪飾りは銀細工に紫の宝石がはめ込んであった。 私、全身チャーリーの色を纏ってたって事? 宰相様、気がつかなかったのかしらね。 きっと宰相様も色恋に鈍いのね)
暫く私は3人を見つめ、話が少しおさまった所で4人で夕食を食べた。 夕食では私も話に加わり、とても楽しい食事になった。
幼い頃は使用人に混ざって食べてたけど話に混ざる事は無かったし、学園に通ってた時は仕事をしながら執務室で簡単に食べれる物を食べながらだったし、卒業してからは執務室か部屋で食べてたし、あの人達が出掛けてお祖父様が邸に帰って来て初めて食堂できちんとした食事を食べたかも。 お祖父様とも少し話しながら食べたけど、お祖父様食べるの早いから。
大勢と話ながら食事するって楽しいのね。初めて知ったわ。ご飯も美味しく感じる。 料理長はいつも美味しいご飯を栄養を考えて作ってくれてた。それさえも私は味わい食べてこなかった。 料理長も私を思ってご飯を毎日作ってくれてたのね。
本当だ。私が気付かなかっただけで、見ようとしなかっただけで、私の事を思って、私の為に作ってくれてる。 私は愛されてる。
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