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33 チャーリー視点
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ドレスを作り始めた時、俺はエミリーヌ嬢へ年に1回ドレスを贈った。淡い色や中々手に入らない生地でレイに作って貰った。勿論俺の働いて得たお金でだ。 今の俺が存在するのはエミリーヌ嬢のお陰だ。そのお礼にドレスを贈った。 普段着るワンピースは商会から贈っている。
ドレスで「ミリー商会の右に出る者はいない」と言われる様になった。 貴族が居る以上、ドレスの供給は無くならない。夜会へ出るのに同じドレスは着ない。新しくドレスを作り、夜会が終われば仕立て直したり、刺繍を刺してお茶会へ着て行く。ミリー商会をお抱え商会と指名してくれる貴族が増え、また違う貴族を紹介される。 ドレスは順調だ。
次にアクセサリーと思ったが宝石こそツテが無ければ開拓出来ない。とりあえず資金繰りの厳しい宝石商と契約したが…。
商会は、国で数本の指に入る様になり、貴族の男性達が集まるサロンへ出入り出来る様になった。 俺も元侯爵令息、そこは上手く立ち回った。貴族の女性陣の噂話は男と女の色恋の話が多いが、男性陣は他家の噂話ばかりだ。それも他家を下げる様な噂話を大袈裟に言う。何処の国も変わらないな、と思った。
俺は噂話を聴き逃す事のない様に相槌をしながら別のグループの話も聴いていた。 「成金商会が」とか「平民風情がこの様なサロンに来ようとは」とか、俺の話もしていたが、商会を経営してる殆どが平民だ。そして馬鹿にする商会で貴族は商品を買う。結局自分も馬鹿だと何故気が付かないのか。 俺は気にする事なくサロンへ足繁く通った。
俺は何人かの情報屋に声を掛け、噂話ではなく本当の事を調べる情報屋を探した。 中には噂話を如何にも本当の話の様に言ってくる者やそのまま流す者も居たが、俺も独自で調べてる。だから本当の話をしてきた3人を商会と契約させて情報を仕入れて貰っている。その中の1人は隣国、俺の故郷にも通い情報を仕入れていて、かかる費用は全て出している。
サロンへ出向き噂話を聞いて情報屋に話を聞く。又詳しく知りたい時は情報屋の知り合いに邸へ潜入して貰う事もある。
サロンで貴族の男性達が投資に失敗したと話していた。俺は気づかれない様に話を聴いた。 何でも金が取れると言われて投資したが、取れるのは石や砂だけ。儲け話だと言われたが騙されたと。
(あの人は確か侯爵だったはず)
俺は急ぎ情報屋に侯爵が投資した鉱山を調べさせた。 確かに取れるのは石や砂だけ、昔は金が少量採れたらしいが今は全く採れないと。 昔、エミリーヌ嬢が他国で石や砂の需要があり、実践する為、安価な鉱山を買ったって言っていた事を思い出し、俺は売りに出てたその鉱山を買い取った。 石と砂を他国へ売る為に他国へ渡り、取引先を探した。
結果、掘り進めていき金を採掘出来た。 確かに初めは石と砂だけだった。他国へ売る為、石と砂だけで良かったが、過去に金が採掘されたならいずれ金が出る可能性も僅かだかある。 掘り進め、奥から金が出た時は嬉しかった。 俺の読みが当たったからだ。 サロンでは「金も出ない鉱山を買った阿呆だ。だから平民上がりは馬鹿なんだ」と散々言われたが、俺の感が「買うべきだ」と言っていた。 自分を信じて良かった。 俺の資産で買ったが権利を商会にした。エミリーヌ嬢には怒られたが…。
俺がこの国へ来てから何度も孤児院を周り少額だが寄付をしていたのは、子供達の才能を見つける為だ。 頭の賢い子は直ぐに見分けられた。常に絵本を読んでる子達には徐々に小説を読ませ、感想を聞く。感想を聞く事によって物の見方、考え方、捉え方。状況の判断を見分ける為だ。 その中で数人に個人的に話をし、働きに出る時に働く所がない時は商会へ来る様に声を掛けた。
女の子はアンネとリンに任せたが、アンネもリンも数人に声を掛けたらしい。リン曰く、「見た目は良くても雑な刺し方の子は今後も雑にしか出来ず、今は綺麗に見えなくても丁寧に刺してる子は上達すれば綺麗に刺せる子になる」と。
孤児院に居る子達は早めに働きに出る。リンが声を掛けた子も数人商会へやって来た。今はリンの元で修行中だ。 アンネも2人デザイナーの卵として育ててる。 俺の元にも数人来た。その中でも俺が気に掛けた2人は俺の片腕として俺の下で育ててる。残りは商会の管理を任せる為に教育中だ。
情報屋から隣国の情報を貰った。
エミリーヌ嬢がマルボール伯爵の次男、今は嫡男が爵位を受け継いだから弟か。婚約破棄したらしい。
(馬鹿な男だな。エミリーヌ嬢程良い女は居ないのに)
俺は年に1度贈っていたドレスを今年はお茶会用と夜会用と贈る事にした。 エミリーヌ嬢は色恋には鈍いから気付かないだろうが、俺の色のドレスを贈っている。 支店のギルにドレスに合うアクセサリーと髪飾りを頼んだ。 俺は別に恋人になりたいと思ってる訳ではない。いや、少しは思っているが、平民になった俺に侯爵になったエミリーヌ嬢では無理な話だ。それに俺は隣国へ入る事も出来ない。 だから勝手に俺が思ってるだけだ。告げる事はないが、自分で贈るドレスぐらい、俺の色を贈っても良いだろ?
アクセサリーも順調にいっている。 宝石選びは伯爵家の次男、今は平民になったが、その男に任せてる。 色々な国へ周り宝石を探し出し、大量に購入し帰ってくる。 石集めが趣味で伯爵家でも穀潰しだったらしい。元々他国を巡り回りたいと思っていたが貴族の令息、好き勝手出来ず、宝石商を呼び出し珍しい石を探していたらしい。 俺が声を掛けたら直ぐに平民になって商会へやって来た。 石を見る目は確かだ。貴族の令息だったから騙される事もない。だから好き勝手やって貰ってる。
アクセサリー職人も数人雇い、レース編みの小物まで今は取り扱っている。
今度は靴と鞄だな。そうすればミリー商会で全て揃う事になる。ちなみに男性の服も取り扱っている。
今では国一番か二番の商会になった。 3人で始めた商店だったが、俺は今、とても楽しい。生きてて良かったと思う。 あの時、エミリーヌ嬢が俺を探してくれなかったら俺は道端で死んでいただろう。 一生掛けても返しきれない恩が出来た。
気の合う仲間達、やり甲斐のある仕事。俺は今、幸せだ。
ドレスで「ミリー商会の右に出る者はいない」と言われる様になった。 貴族が居る以上、ドレスの供給は無くならない。夜会へ出るのに同じドレスは着ない。新しくドレスを作り、夜会が終われば仕立て直したり、刺繍を刺してお茶会へ着て行く。ミリー商会をお抱え商会と指名してくれる貴族が増え、また違う貴族を紹介される。 ドレスは順調だ。
次にアクセサリーと思ったが宝石こそツテが無ければ開拓出来ない。とりあえず資金繰りの厳しい宝石商と契約したが…。
商会は、国で数本の指に入る様になり、貴族の男性達が集まるサロンへ出入り出来る様になった。 俺も元侯爵令息、そこは上手く立ち回った。貴族の女性陣の噂話は男と女の色恋の話が多いが、男性陣は他家の噂話ばかりだ。それも他家を下げる様な噂話を大袈裟に言う。何処の国も変わらないな、と思った。
俺は噂話を聴き逃す事のない様に相槌をしながら別のグループの話も聴いていた。 「成金商会が」とか「平民風情がこの様なサロンに来ようとは」とか、俺の話もしていたが、商会を経営してる殆どが平民だ。そして馬鹿にする商会で貴族は商品を買う。結局自分も馬鹿だと何故気が付かないのか。 俺は気にする事なくサロンへ足繁く通った。
俺は何人かの情報屋に声を掛け、噂話ではなく本当の事を調べる情報屋を探した。 中には噂話を如何にも本当の話の様に言ってくる者やそのまま流す者も居たが、俺も独自で調べてる。だから本当の話をしてきた3人を商会と契約させて情報を仕入れて貰っている。その中の1人は隣国、俺の故郷にも通い情報を仕入れていて、かかる費用は全て出している。
サロンへ出向き噂話を聞いて情報屋に話を聞く。又詳しく知りたい時は情報屋の知り合いに邸へ潜入して貰う事もある。
サロンで貴族の男性達が投資に失敗したと話していた。俺は気づかれない様に話を聴いた。 何でも金が取れると言われて投資したが、取れるのは石や砂だけ。儲け話だと言われたが騙されたと。
(あの人は確か侯爵だったはず)
俺は急ぎ情報屋に侯爵が投資した鉱山を調べさせた。 確かに取れるのは石や砂だけ、昔は金が少量採れたらしいが今は全く採れないと。 昔、エミリーヌ嬢が他国で石や砂の需要があり、実践する為、安価な鉱山を買ったって言っていた事を思い出し、俺は売りに出てたその鉱山を買い取った。 石と砂を他国へ売る為に他国へ渡り、取引先を探した。
結果、掘り進めていき金を採掘出来た。 確かに初めは石と砂だけだった。他国へ売る為、石と砂だけで良かったが、過去に金が採掘されたならいずれ金が出る可能性も僅かだかある。 掘り進め、奥から金が出た時は嬉しかった。 俺の読みが当たったからだ。 サロンでは「金も出ない鉱山を買った阿呆だ。だから平民上がりは馬鹿なんだ」と散々言われたが、俺の感が「買うべきだ」と言っていた。 自分を信じて良かった。 俺の資産で買ったが権利を商会にした。エミリーヌ嬢には怒られたが…。
俺がこの国へ来てから何度も孤児院を周り少額だが寄付をしていたのは、子供達の才能を見つける為だ。 頭の賢い子は直ぐに見分けられた。常に絵本を読んでる子達には徐々に小説を読ませ、感想を聞く。感想を聞く事によって物の見方、考え方、捉え方。状況の判断を見分ける為だ。 その中で数人に個人的に話をし、働きに出る時に働く所がない時は商会へ来る様に声を掛けた。
女の子はアンネとリンに任せたが、アンネもリンも数人に声を掛けたらしい。リン曰く、「見た目は良くても雑な刺し方の子は今後も雑にしか出来ず、今は綺麗に見えなくても丁寧に刺してる子は上達すれば綺麗に刺せる子になる」と。
孤児院に居る子達は早めに働きに出る。リンが声を掛けた子も数人商会へやって来た。今はリンの元で修行中だ。 アンネも2人デザイナーの卵として育ててる。 俺の元にも数人来た。その中でも俺が気に掛けた2人は俺の片腕として俺の下で育ててる。残りは商会の管理を任せる為に教育中だ。
情報屋から隣国の情報を貰った。
エミリーヌ嬢がマルボール伯爵の次男、今は嫡男が爵位を受け継いだから弟か。婚約破棄したらしい。
(馬鹿な男だな。エミリーヌ嬢程良い女は居ないのに)
俺は年に1度贈っていたドレスを今年はお茶会用と夜会用と贈る事にした。 エミリーヌ嬢は色恋には鈍いから気付かないだろうが、俺の色のドレスを贈っている。 支店のギルにドレスに合うアクセサリーと髪飾りを頼んだ。 俺は別に恋人になりたいと思ってる訳ではない。いや、少しは思っているが、平民になった俺に侯爵になったエミリーヌ嬢では無理な話だ。それに俺は隣国へ入る事も出来ない。 だから勝手に俺が思ってるだけだ。告げる事はないが、自分で贈るドレスぐらい、俺の色を贈っても良いだろ?
アクセサリーも順調にいっている。 宝石選びは伯爵家の次男、今は平民になったが、その男に任せてる。 色々な国へ周り宝石を探し出し、大量に購入し帰ってくる。 石集めが趣味で伯爵家でも穀潰しだったらしい。元々他国を巡り回りたいと思っていたが貴族の令息、好き勝手出来ず、宝石商を呼び出し珍しい石を探していたらしい。 俺が声を掛けたら直ぐに平民になって商会へやって来た。 石を見る目は確かだ。貴族の令息だったから騙される事もない。だから好き勝手やって貰ってる。
アクセサリー職人も数人雇い、レース編みの小物まで今は取り扱っている。
今度は靴と鞄だな。そうすればミリー商会で全て揃う事になる。ちなみに男性の服も取り扱っている。
今では国一番か二番の商会になった。 3人で始めた商店だったが、俺は今、とても楽しい。生きてて良かったと思う。 あの時、エミリーヌ嬢が俺を探してくれなかったら俺は道端で死んでいただろう。 一生掛けても返しきれない恩が出来た。
気の合う仲間達、やり甲斐のある仕事。俺は今、幸せだ。
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