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数日後、サラの貴族籍の抹消手続きが終わり、私は書類を手にし、
「これでようやくサラを平民に出来るわね」
「お嬢様、これからお出掛けに?」
「ええ。とりあえず行ってくるわ」
「でしたら此方も一緒にお持ち下さい」
ジムに一枚、紙を渡された。
私はグレン率いる数人の護衛と、平民街から少し離れた所で馬車を降り、グレンだけ連れてサラの住む長屋の部屋の前に居る。
コンコン
「は~い」
ドアが開き、
「お姉様……」
「サラ、久しぶりね。家の中に入れて貰えるかしら」
「あっ、中に入って」
サラの後から家の中に入り、居間らしき部屋に通された。ソファー等なくどうしようか迷っていると、
「お姉様、お座りになって」
ってサラに声掛けられたけど、何処に座るのかしら?サラを見たら直に床に座っていた。
えっ?もしかして私も床に座れと?私、侯爵令嬢よ?今は当主だけど。貴族の令嬢に床に座れと?
私は後ろに控えてるグレンに目配せした。数分後グレンは何処からか椅子を持って来て、私は椅子に腰掛けた。サラを見下ろす形になったけど仕方ないわよね。
「今日は貴女に話があって来ましたの」
「お父様に言われて来たのね!私帰らないから!」
「違いますわ」
私は今朝ジムに貰った一枚の紙をサラの前に置いた。
「まず先に此方からね。これは何かしら」
サラは私が置いた一枚の紙を見て、
「食料品ぐらい買っても別に良いじゃない」
「貴女自分の意思で家を出たのよね?」
「そうだけど、別にこれくらい端金でしょ」
「端金ね…。端金なら侯爵家のお金を使っても構わないと?」
「お父様なら出してくれるわ」
「そのお父様達に何も言わず、何も書き置きも残さず出て行ったのは貴女よ?それなのに侯爵家のお金を使っても構わないと?」
「確かに黙って出て来たのは悪いと思ってるわ。だけど正直に言ったらお父様が反対するでしょ?家に閉じ込められたら彼に会えなくなるわ。それに別の人と婚約させられるのは嫌よ」
「それなら彼と同じ様に平民になれば良かったじゃない。貴女はもう成人したのよ?」
「彼の事調べたのね!」
「当たり前でしょ?貴女が突然家から居なくなったら探すでしょ。伝言もない、書き置きもない状況で家出か誘拐か分からなかったのよ?」
「そうだけど、なにも調べなくても良いじゃない」
「お父様達は知らないわ。私が個人的に調べただけよ。貴女の居場所を知る為にね」
「お父様達は知らないのね。良かった」
「それはどうでもいいわ。それより貴女も成人してるんだから、自分の意思で家を出て行く時に平民になれば此処まで大事にならなかったのよ?」
「え?私平民にはならないわよ」
「何を言ってるの?」
「どうして私が平民にならないといけないの?」
「彼と一緒になりたいのよね?」
「そうよ。だから侯爵家に離れを建てて貰ってそこで暮らすつもりよ」
「はぁぁ。 仮に離れを建てるとしてお金はどうするつもりなの?」
「お父様が出してくれるわ」
「生活費はどうするつもりなの?」
「勿論お父様が出してくれるわ」
「平民になるつもりがないのにどうして軽率な行動をしたのよ」
「軽率?彼と一緒に暮らす為よ?軽率な行動なんてしてないわ」
「黙って行方をくらますって事が軽率な行動なの。貴女も貴族の令嬢でしょ?」
「誘拐されたら分かるけど、私は彼の所に来ただけよ」
「それが軽率な行動なのよ。学園で何を学んでいたの?はぁぁ、もう良いわ。 貴女が軽率な行動をしたお陰でお父様達は貴女を探しに出掛けたわ」
「え?じゃあ此処にも来るの?」
「此処には来ないわ。 話を戻すけど、今後侯爵家のお金を使う事は出来ないわ。貴女のサインでは物を買う事は出来ないの。良いわね」
「どうして?食料が買えないと生きていけないじゃない」
「働いてお金を稼ぎなさい。自分達でお金を稼いで生活をするの。家を出たってそういう事なのよ」
「そんな、酷いわ。酷いわお姉様」
「貴女はもう成人した一個人なの。成人した以上自分の行動に責任を持ちなさい。知らなかったは通らないのよ。貴女の意思で家を出た以上、貴女は侯爵家とは関係なくなるの」
「なら直ぐに彼と戻るわ。それなら良いでしょ?」
「残念だけどそれはもう出来ないわ」
「私がお父様に頼むわ。お父様なら喜んで受け入れてくれるはずよ。可愛い娘とずっと一緒に暮らせるんだもの」
「お父様に頼んでも無理よ。出来ないわ」
「お姉様には頼んでないわ。お姉様が頼んでも無理に決まってるでしょ。私がお父様に頼むから。私が頼んだらお父様も良いと言ってくれるわ」
「お父様に権限はないわ」
「お父様は侯爵家の当主よ。確かにお祖父様が権限を持っててもお父様は当主なのよ。現当主の方が偉いのよ」
「現当主の方が偉いのよね?」
「ええ、そうよ」
「これでようやくサラを平民に出来るわね」
「お嬢様、これからお出掛けに?」
「ええ。とりあえず行ってくるわ」
「でしたら此方も一緒にお持ち下さい」
ジムに一枚、紙を渡された。
私はグレン率いる数人の護衛と、平民街から少し離れた所で馬車を降り、グレンだけ連れてサラの住む長屋の部屋の前に居る。
コンコン
「は~い」
ドアが開き、
「お姉様……」
「サラ、久しぶりね。家の中に入れて貰えるかしら」
「あっ、中に入って」
サラの後から家の中に入り、居間らしき部屋に通された。ソファー等なくどうしようか迷っていると、
「お姉様、お座りになって」
ってサラに声掛けられたけど、何処に座るのかしら?サラを見たら直に床に座っていた。
えっ?もしかして私も床に座れと?私、侯爵令嬢よ?今は当主だけど。貴族の令嬢に床に座れと?
私は後ろに控えてるグレンに目配せした。数分後グレンは何処からか椅子を持って来て、私は椅子に腰掛けた。サラを見下ろす形になったけど仕方ないわよね。
「今日は貴女に話があって来ましたの」
「お父様に言われて来たのね!私帰らないから!」
「違いますわ」
私は今朝ジムに貰った一枚の紙をサラの前に置いた。
「まず先に此方からね。これは何かしら」
サラは私が置いた一枚の紙を見て、
「食料品ぐらい買っても別に良いじゃない」
「貴女自分の意思で家を出たのよね?」
「そうだけど、別にこれくらい端金でしょ」
「端金ね…。端金なら侯爵家のお金を使っても構わないと?」
「お父様なら出してくれるわ」
「そのお父様達に何も言わず、何も書き置きも残さず出て行ったのは貴女よ?それなのに侯爵家のお金を使っても構わないと?」
「確かに黙って出て来たのは悪いと思ってるわ。だけど正直に言ったらお父様が反対するでしょ?家に閉じ込められたら彼に会えなくなるわ。それに別の人と婚約させられるのは嫌よ」
「それなら彼と同じ様に平民になれば良かったじゃない。貴女はもう成人したのよ?」
「彼の事調べたのね!」
「当たり前でしょ?貴女が突然家から居なくなったら探すでしょ。伝言もない、書き置きもない状況で家出か誘拐か分からなかったのよ?」
「そうだけど、なにも調べなくても良いじゃない」
「お父様達は知らないわ。私が個人的に調べただけよ。貴女の居場所を知る為にね」
「お父様達は知らないのね。良かった」
「それはどうでもいいわ。それより貴女も成人してるんだから、自分の意思で家を出て行く時に平民になれば此処まで大事にならなかったのよ?」
「え?私平民にはならないわよ」
「何を言ってるの?」
「どうして私が平民にならないといけないの?」
「彼と一緒になりたいのよね?」
「そうよ。だから侯爵家に離れを建てて貰ってそこで暮らすつもりよ」
「はぁぁ。 仮に離れを建てるとしてお金はどうするつもりなの?」
「お父様が出してくれるわ」
「生活費はどうするつもりなの?」
「勿論お父様が出してくれるわ」
「平民になるつもりがないのにどうして軽率な行動をしたのよ」
「軽率?彼と一緒に暮らす為よ?軽率な行動なんてしてないわ」
「黙って行方をくらますって事が軽率な行動なの。貴女も貴族の令嬢でしょ?」
「誘拐されたら分かるけど、私は彼の所に来ただけよ」
「それが軽率な行動なのよ。学園で何を学んでいたの?はぁぁ、もう良いわ。 貴女が軽率な行動をしたお陰でお父様達は貴女を探しに出掛けたわ」
「え?じゃあ此処にも来るの?」
「此処には来ないわ。 話を戻すけど、今後侯爵家のお金を使う事は出来ないわ。貴女のサインでは物を買う事は出来ないの。良いわね」
「どうして?食料が買えないと生きていけないじゃない」
「働いてお金を稼ぎなさい。自分達でお金を稼いで生活をするの。家を出たってそういう事なのよ」
「そんな、酷いわ。酷いわお姉様」
「貴女はもう成人した一個人なの。成人した以上自分の行動に責任を持ちなさい。知らなかったは通らないのよ。貴女の意思で家を出た以上、貴女は侯爵家とは関係なくなるの」
「なら直ぐに彼と戻るわ。それなら良いでしょ?」
「残念だけどそれはもう出来ないわ」
「私がお父様に頼むわ。お父様なら喜んで受け入れてくれるはずよ。可愛い娘とずっと一緒に暮らせるんだもの」
「お父様に頼んでも無理よ。出来ないわ」
「お姉様には頼んでないわ。お姉様が頼んでも無理に決まってるでしょ。私がお父様に頼むから。私が頼んだらお父様も良いと言ってくれるわ」
「お父様に権限はないわ」
「お父様は侯爵家の当主よ。確かにお祖父様が権限を持っててもお父様は当主なのよ。現当主の方が偉いのよ」
「現当主の方が偉いのよね?」
「ええ、そうよ」
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