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宰相様がサロンへやって来て、
「陛下、お呼びとお伺いしましたが」
「宰相お主も話を聞いた方が良い。エミリーヌ嬢もう一度良いか」
「はい。先程、陛下にもお話しましたが、宰相様の元息子のチャーリー様は私の庇護下におります」
「何だと。愚息は国外追放したはずだが」
「はい。追放された時にお声掛けしましたの」
「愚息をか。では愚息はこの国に居るのか?」
「いいえ、国外追放されたのですから隣国におりますわよ。隣国のミリー商会の代表を任せておりますの」
「愚息が代表?だが…」
「チャーリー様が不貞を働き公爵令嬢と婚約破棄したのは存じておりますが、チャーリー様も反省しております。元婚約者の公爵令嬢に申し訳無い事をしたと。家族との離縁、国外追放と事の重大さが分かり、今では紳士ですわよ。それにチャーリー様は次期宰相候補だけあって頭の賢さは勿論の事、頭の回転も早く代表を任せるに値する方ですわ」
「そうだが。 愚息は…息子は元気にしていますか。それにミリー商会の代表など務まりますか」
「チャーリー様は元気に走り回って商会の為、尽力して貰っておりますわ。元々、ミリー商会は私の服を作る為に隣国で私が立ち上げた私個人の資産です。そして侯爵家とは何ら関係のない私個人の商会です。皆様にお願いがございます。ミリー商会の事は侯爵家は知らぬ事。これからも家族には言うつもりはありません。ですから皆様もこの事は他言無用でお願い致します」
「分かった。皆、他言無用だ。良いな」
皆様が頷いた。
「陛下、ありがとうございます」
「キャメル侯爵令嬢、息子を救って頂きありがとうございます」
宰相様は深々と頭を下げた。
「宰相様、頭を上げて下さい。私もチャーリー様に助けられておりますわ。ミリー商会は隣国に本店がございますの。先程も言った様に私の服を作る為に作った元はただの商店。優秀なデザイナーと優秀なお針子の方々に支えられ、そこに優秀なチャーリー様が加わり、経営を代わりにしてくれてるおかげでここまで立派な商会にして頂いたのです。本店をチャーリー様が、この国にある支店をエディーナ嬢が支えてくれてるからこそですわ。私の方こそ皆様方に頭を下げなくてはいけません。
それに、宰相様に置かれましても、優秀な息子様を商会の代表にしてしまい申し訳ないと思っております」
私は宰相様に頭を下げた。
「貴女様に頭を下げられては私はどうすればよろしいですかな。 本来なら隣国で命を落とす可能性もあったのです。貴族として育った息子が平民として自分で稼ぎ暮らす、その事がどれたけ大変か。 ですが貴女様が息子を救って頂き仕事まで与えてくれた。感謝しかありません。 これからも息子をよろしくお願いします」
宰相様はまた深々と頭を下げた。
「宰相様、頭を上げて下さいませ。 チャーリー様も父上様と母上様の事を心配しております。もし隣国へ行く時はミリー商会へ訪ねて下さいませ」
「いえ、勘当し国外追放した息子です。私とは関係ない者です」
「会いに行けば良いではないか」
「陛下、それは出来ません」
「そうか?私もサムに会いに行くぞ?」
「サム?サフェムですか?」
「そうだ。今は侯爵領におるらしい。エミリーヌ嬢が侯爵になった暁には領地に招待して貰う様約束したぞ。お主も息子に会いに隣国へ行けば良い」
「サフェムは鉱山送りだったはず」
「エミリーヌ嬢が身請けした」
「身請け?身請け金など高額ですよ」
「だが、支払ったそうだ」
「まさか!」
「そのまさかだ」
「エミリーヌ嬢、貴女様には驚かされてばかりです。確かに先程から気付いてましたが、サフェムの娘のエディーナ嬢も修道院送りになったはず。 息子とサフェムとエディーナ嬢と、貴女様には本当に感謝しかありません」
「皆、優秀な方々ですわ。私は優秀な方々に投資をしただけの話です。そして皆私を支えてくれる大事な方々です」
「宰相、お主も息子に会いに隣国へ行けば良い」
「はい。陛下のお許しが頂けるのであれば妻と共に参ります。陛下がサフェムに会いに行く時は私もご一緒させて頂きます」
「お主にとっても友だ。一緒に行こう」
陛下と宰相様はサロンを出て行った。「王妃よ、後はお主らで話を咲かせれば良い」と言い残して。
「陛下、お呼びとお伺いしましたが」
「宰相お主も話を聞いた方が良い。エミリーヌ嬢もう一度良いか」
「はい。先程、陛下にもお話しましたが、宰相様の元息子のチャーリー様は私の庇護下におります」
「何だと。愚息は国外追放したはずだが」
「はい。追放された時にお声掛けしましたの」
「愚息をか。では愚息はこの国に居るのか?」
「いいえ、国外追放されたのですから隣国におりますわよ。隣国のミリー商会の代表を任せておりますの」
「愚息が代表?だが…」
「チャーリー様が不貞を働き公爵令嬢と婚約破棄したのは存じておりますが、チャーリー様も反省しております。元婚約者の公爵令嬢に申し訳無い事をしたと。家族との離縁、国外追放と事の重大さが分かり、今では紳士ですわよ。それにチャーリー様は次期宰相候補だけあって頭の賢さは勿論の事、頭の回転も早く代表を任せるに値する方ですわ」
「そうだが。 愚息は…息子は元気にしていますか。それにミリー商会の代表など務まりますか」
「チャーリー様は元気に走り回って商会の為、尽力して貰っておりますわ。元々、ミリー商会は私の服を作る為に隣国で私が立ち上げた私個人の資産です。そして侯爵家とは何ら関係のない私個人の商会です。皆様にお願いがございます。ミリー商会の事は侯爵家は知らぬ事。これからも家族には言うつもりはありません。ですから皆様もこの事は他言無用でお願い致します」
「分かった。皆、他言無用だ。良いな」
皆様が頷いた。
「陛下、ありがとうございます」
「キャメル侯爵令嬢、息子を救って頂きありがとうございます」
宰相様は深々と頭を下げた。
「宰相様、頭を上げて下さい。私もチャーリー様に助けられておりますわ。ミリー商会は隣国に本店がございますの。先程も言った様に私の服を作る為に作った元はただの商店。優秀なデザイナーと優秀なお針子の方々に支えられ、そこに優秀なチャーリー様が加わり、経営を代わりにしてくれてるおかげでここまで立派な商会にして頂いたのです。本店をチャーリー様が、この国にある支店をエディーナ嬢が支えてくれてるからこそですわ。私の方こそ皆様方に頭を下げなくてはいけません。
それに、宰相様に置かれましても、優秀な息子様を商会の代表にしてしまい申し訳ないと思っております」
私は宰相様に頭を下げた。
「貴女様に頭を下げられては私はどうすればよろしいですかな。 本来なら隣国で命を落とす可能性もあったのです。貴族として育った息子が平民として自分で稼ぎ暮らす、その事がどれたけ大変か。 ですが貴女様が息子を救って頂き仕事まで与えてくれた。感謝しかありません。 これからも息子をよろしくお願いします」
宰相様はまた深々と頭を下げた。
「宰相様、頭を上げて下さいませ。 チャーリー様も父上様と母上様の事を心配しております。もし隣国へ行く時はミリー商会へ訪ねて下さいませ」
「いえ、勘当し国外追放した息子です。私とは関係ない者です」
「会いに行けば良いではないか」
「陛下、それは出来ません」
「そうか?私もサムに会いに行くぞ?」
「サム?サフェムですか?」
「そうだ。今は侯爵領におるらしい。エミリーヌ嬢が侯爵になった暁には領地に招待して貰う様約束したぞ。お主も息子に会いに隣国へ行けば良い」
「サフェムは鉱山送りだったはず」
「エミリーヌ嬢が身請けした」
「身請け?身請け金など高額ですよ」
「だが、支払ったそうだ」
「まさか!」
「そのまさかだ」
「エミリーヌ嬢、貴女様には驚かされてばかりです。確かに先程から気付いてましたが、サフェムの娘のエディーナ嬢も修道院送りになったはず。 息子とサフェムとエディーナ嬢と、貴女様には本当に感謝しかありません」
「皆、優秀な方々ですわ。私は優秀な方々に投資をしただけの話です。そして皆私を支えてくれる大事な方々です」
「宰相、お主も息子に会いに隣国へ行けば良い」
「はい。陛下のお許しが頂けるのであれば妻と共に参ります。陛下がサフェムに会いに行く時は私もご一緒させて頂きます」
「お主にとっても友だ。一緒に行こう」
陛下と宰相様はサロンを出て行った。「王妃よ、後はお主らで話を咲かせれば良い」と言い残して。
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