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数日後、領地に送った手紙の返事が返ってきて、
「厄介ね」
「どうされますか?」
「此方の条件は受け入れて貰えるけど、やっぱり此方の視察もしたいみたいね」
「あちらの国は不作が三年続いていますからね」
「天候だけではないって事?」
「勿論天候もあるでしょう。ですが不作続きだと天候以外もと考えているのでしょう」
「だと土壌の確認が必要ね。此方から出向きましょう。土壌の調査数人と指導を数人、人選はダンに任せるわ。期間が長期になる事も想定して、此方が手薄になる事がないようにお願いしましょう。後、護衛はあちらの公爵家に頼みましょう」
「承知しました。視察はどうされますか?」
「そうね。護衛を頼む以上、視察も致し方ないわ。但し視察は3日。早く土壌を調べて改善しないと来年度の種蒔きに間に合わないもの。あちらだって来年度まで不作だと困るでしょう?」
「ではそのように付け加えて公爵家に手紙を出す様手配します」
「お願いね。後、視察に来る予定の人数は把握したいわ。護衛の分も含めてね。その事もお願いね。迎える以上、準備があるもの」
「承知しました。後、此方も先程届きました」
一枚の手紙を受け取る。印を見て、
「国王陛下から?」
「その様です」
「ミリー商会宛ね」
私は封を開け手紙を読んだ。
「ディーナが私に送る訳だわ」
「手紙には何と」
「王妃様がミリー商会に依頼したいと。初めて依頼する為、陛下も同席して代表者と顔合わせをしたいと。ただ、私的な事の為、王妃様のサロンでの顔合わせになるみたいだわ」
「どうなさいますか?」
「行くしかないわね。サロンでもやっぱりドレス?」
「左様です」
「そう。仕方ないわね」
私は返信の手紙と、商会にドレス2着用意する旨の手紙を書いた。
「ジム、これ急ぎでお願い」
「承知しました」
「明後日王宮に行くから、その間、此方は任せたわ。急ぎの書類はジムに任せるから」
「承知しました」
「後、当日グレンは私とディーナの護衛をして貰うからそのつもりでお願いするわ」
「承知しました」
私は目の前にある書類を片付けた。
王宮へ行く当日。
私とグレンは商会へ行き、頼んであったドレスに着替えて、商会の所有する馬車にディーナと乗った。
「あの、エミリー様、私まで一緒に行かなくても良いのではないでしょうか」
「ディーナが代表なのよ?私はただの経営者。あちらは代表者をご指名なの。私は付き添い」
「ですが、経営者と言われますが、それって代表と言う事ですよね?」
「まぁそうなんだけど、私はいつも商会に居ないし、連絡取る為に侯爵家に連絡が来るのも困るもの」
「エミリー様の事情も充分存じておりますが…」
「ディーナ、貴女は商会の代表なの。堂々としてれば良いわ」
「それが出来たら良いのですが」
「それより材料は揃ったかしら」
「はい。ギル様の事、申し訳ありません」
「それは仕方ないわ」
「もし商会の職人にするのであれば手配しますが」
「ねぇ、ディーナ、正直に言って良い?」
「はい」
「正直、私は商会の職人にしたくないの。細々生活出来るだけの稼ぎがあれば良いと思っているのよ。その為に環境は整えるつもりだけど、その後は彼の頑張り次第だわ。 私が隣国でミリー商会を立ち上げたのも、自分の服を仕立て直す為だしね。 運良く腕の良いお針子さんやデザイナーを雇えた事はミリー商会が急成長出来た一因だわ」
「はい」
「だけどね、ミリー商会はあくまで私個人の商会なの。自分の為に立ち上げたね。 そこに侯爵家は関係ないの。 妹に対して家族の情もないしね。妹の為私が協力出来るのは細々生活できるだけの稼ぎを得る為の環境まで。その後にまで手を貸すつもりはないの。薄情な姉だけど」
「いえ。私や父に取ってエミリー様は薄情な方ではありません。温情のあるお方です」
「だけど商会の皆がお抱え職人にしたいと思ったら私は皆の意見に従うわ。あくまで個人的な意見なだけだから」
「はい。先ずは商品がどの様な出来か見てみませんと」
「そうね。商会からの依頼で相場の賃金の支払いもお願いね」
「承知しました。帰ったら直ぐに手配します」
「お願いね」
私とディーナはその後も商会への依頼の話や、新商品の話を続けた。
「厄介ね」
「どうされますか?」
「此方の条件は受け入れて貰えるけど、やっぱり此方の視察もしたいみたいね」
「あちらの国は不作が三年続いていますからね」
「天候だけではないって事?」
「勿論天候もあるでしょう。ですが不作続きだと天候以外もと考えているのでしょう」
「だと土壌の確認が必要ね。此方から出向きましょう。土壌の調査数人と指導を数人、人選はダンに任せるわ。期間が長期になる事も想定して、此方が手薄になる事がないようにお願いしましょう。後、護衛はあちらの公爵家に頼みましょう」
「承知しました。視察はどうされますか?」
「そうね。護衛を頼む以上、視察も致し方ないわ。但し視察は3日。早く土壌を調べて改善しないと来年度の種蒔きに間に合わないもの。あちらだって来年度まで不作だと困るでしょう?」
「ではそのように付け加えて公爵家に手紙を出す様手配します」
「お願いね。後、視察に来る予定の人数は把握したいわ。護衛の分も含めてね。その事もお願いね。迎える以上、準備があるもの」
「承知しました。後、此方も先程届きました」
一枚の手紙を受け取る。印を見て、
「国王陛下から?」
「その様です」
「ミリー商会宛ね」
私は封を開け手紙を読んだ。
「ディーナが私に送る訳だわ」
「手紙には何と」
「王妃様がミリー商会に依頼したいと。初めて依頼する為、陛下も同席して代表者と顔合わせをしたいと。ただ、私的な事の為、王妃様のサロンでの顔合わせになるみたいだわ」
「どうなさいますか?」
「行くしかないわね。サロンでもやっぱりドレス?」
「左様です」
「そう。仕方ないわね」
私は返信の手紙と、商会にドレス2着用意する旨の手紙を書いた。
「ジム、これ急ぎでお願い」
「承知しました」
「明後日王宮に行くから、その間、此方は任せたわ。急ぎの書類はジムに任せるから」
「承知しました」
「後、当日グレンは私とディーナの護衛をして貰うからそのつもりでお願いするわ」
「承知しました」
私は目の前にある書類を片付けた。
王宮へ行く当日。
私とグレンは商会へ行き、頼んであったドレスに着替えて、商会の所有する馬車にディーナと乗った。
「あの、エミリー様、私まで一緒に行かなくても良いのではないでしょうか」
「ディーナが代表なのよ?私はただの経営者。あちらは代表者をご指名なの。私は付き添い」
「ですが、経営者と言われますが、それって代表と言う事ですよね?」
「まぁそうなんだけど、私はいつも商会に居ないし、連絡取る為に侯爵家に連絡が来るのも困るもの」
「エミリー様の事情も充分存じておりますが…」
「ディーナ、貴女は商会の代表なの。堂々としてれば良いわ」
「それが出来たら良いのですが」
「それより材料は揃ったかしら」
「はい。ギル様の事、申し訳ありません」
「それは仕方ないわ」
「もし商会の職人にするのであれば手配しますが」
「ねぇ、ディーナ、正直に言って良い?」
「はい」
「正直、私は商会の職人にしたくないの。細々生活出来るだけの稼ぎがあれば良いと思っているのよ。その為に環境は整えるつもりだけど、その後は彼の頑張り次第だわ。 私が隣国でミリー商会を立ち上げたのも、自分の服を仕立て直す為だしね。 運良く腕の良いお針子さんやデザイナーを雇えた事はミリー商会が急成長出来た一因だわ」
「はい」
「だけどね、ミリー商会はあくまで私個人の商会なの。自分の為に立ち上げたね。 そこに侯爵家は関係ないの。 妹に対して家族の情もないしね。妹の為私が協力出来るのは細々生活できるだけの稼ぎを得る為の環境まで。その後にまで手を貸すつもりはないの。薄情な姉だけど」
「いえ。私や父に取ってエミリー様は薄情な方ではありません。温情のあるお方です」
「だけど商会の皆がお抱え職人にしたいと思ったら私は皆の意見に従うわ。あくまで個人的な意見なだけだから」
「はい。先ずは商品がどの様な出来か見てみませんと」
「そうね。商会からの依頼で相場の賃金の支払いもお願いね」
「承知しました。帰ったら直ぐに手配します」
「お願いね」
私とディーナはその後も商会への依頼の話や、新商品の話を続けた。
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