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お父様とお母様がサラを探しに出て1ヶ月。
「何なの!この請求書の額!あの馬鹿達は!」
「お嬢様どうされますか?」
「払うしかないでしょ!」
「仕方ありません」
「ねぇ、あの人達って馬鹿なの?馬鹿だと思ってたけど、ここまで馬鹿だとは思って無かったわ」
「だからお手上げだと以前申し上げました」
「ええ聞いたわよ。だけどここまでとは思って無かったの。ジムも見たでしょ?この請求書!どうして毎日高級ホテルに泊まって、一番高い部屋に泊まって、高級ディナーを食べる必要があるの?サラを探してるのよね?旅行じゃないわよね?」
「一応サラフィスお嬢様を探す旅ですね。旅ですが旅行では無いはずです」
「なのに観光地でお土産買って、しまいにはドレスまで買ってるってどういう事なの?どこの馬鹿が家出した娘が観光地にいるのよ。お金も持ってない子が高級ホテルになんか泊まる訳ないでしょ?泊まっても安い宿よ。おまけに昼食もこんな高級な所で食べてないで下町の食堂とかに行けば良いのに。本当に役立たずの穀潰しなんだから!」
「あのお二人には無理ですね」
コンコン
「誰?」
扉が開いてグレンが顔を出した。
「エミー大声出してどうした?廊下まで聞こえたぞ」
「グレン見てよ!あの人達本当にやってくれるわ!」
「わお!これは凄いな。ここまで使えるのはあの人達だけだろうな」
「関心してる場合?これを何ヶ月続けるとおもってるの?」
「サラが見つかるまで?」
「見当違いな所ばっかり探しててみつかる訳ないわよ!で、グレンの方はどうなの?」
「サラ見つけたぞ。俺も確認した」
「そう。で?」
「結論から言うと家出と言うより駆け落ちだな」
「やっぱりね」
「エミーは知ってたのか?」
「まさか。ただサラの部屋のワンピースが数枚無くなってるのと、大事にしてた安い髪飾りが無くなってる事からその可能性もあるだろうなって思ってただけよ」
「そっか。相手知りたい?」
「早く報告して」
「貴族下がりの平民でな、その髪飾りを作った本人だと思う。作った髪飾りやイヤリング、ネックレスを露天商に売ってそれで生活してる」
「貴族下がり?」
「サラと同じ歳で学園の同級生。どうやら学園の時から恋人同士だったらしい。男の方は男爵の一人息子だったけど、本人はアクセサリー職人になりたかった。親に反対され家出同然でサラと駆け落ちをした。男爵の方にも探りを入れたら、もう勘当した息子だから知らないと」
「そう。我が家から抗議が来ない様にする為かしら」
「それは知らなかったらしい。勘当したのも職人になると言ったからだと」
「そう。それでサラは今どうしてるの?」
「長屋の一部屋に住んで細々と暮らしてる。アクセサリーが売れないと金は入らないからな。材料費もかかるし、男の方が夜は酒場で働いてたよ」
「そう。あの子、料理も洗濯も出来ないのに暮らせてるの?」
「周りの奥様方に聞きながらやってたよ。ご飯もたまにおかずを貰ったりするみたいだぞ」
「あの子なら周りが手助けしてくれるわね。サラは幸せそう?」
「幸せそうに暮らしてる。で、どうする?」
「幸せそうならそっとしておくわ。露天商からアクセサリー何店か購入してきて」
「売上に貢献するのか?」
「違うわよ。アクセサリーの出来を知りたいだけよ」
「あ~、分かった。適当に買ってくるよ」
「お願いね」
グレンが執務室から出て行き、
「お嬢様、どうするおつもりで?」
「物を見てから考えるけど、腕が良いなら投資するつもりよ」
「またですか」
「またってやめてよ。腕が良いならそれだけで価値があるわ。売れる場所を提供すれば職人として食べていける。そしたらサラを平民にするわ」
「そうするしかありませんね」
「貴族のままでは無理矢理でも連れ帰らないと。今でも危ない状況だわ」
「そうですね」
「サラはきちんと現実を見てそれに合った暮らしをしてるわ。現実を見てないのはあの人達だけよ」
「本当に。大旦那様にご報告しますか?」
「う~ん、ちょっと待って。アクセサリーの出来を見てから判断するわ」
「承知しました」
とりあえずサラの問題は片付きそう。問題はあの馬鹿二人よ。頭が痛いわ。
「何なの!この請求書の額!あの馬鹿達は!」
「お嬢様どうされますか?」
「払うしかないでしょ!」
「仕方ありません」
「ねぇ、あの人達って馬鹿なの?馬鹿だと思ってたけど、ここまで馬鹿だとは思って無かったわ」
「だからお手上げだと以前申し上げました」
「ええ聞いたわよ。だけどここまでとは思って無かったの。ジムも見たでしょ?この請求書!どうして毎日高級ホテルに泊まって、一番高い部屋に泊まって、高級ディナーを食べる必要があるの?サラを探してるのよね?旅行じゃないわよね?」
「一応サラフィスお嬢様を探す旅ですね。旅ですが旅行では無いはずです」
「なのに観光地でお土産買って、しまいにはドレスまで買ってるってどういう事なの?どこの馬鹿が家出した娘が観光地にいるのよ。お金も持ってない子が高級ホテルになんか泊まる訳ないでしょ?泊まっても安い宿よ。おまけに昼食もこんな高級な所で食べてないで下町の食堂とかに行けば良いのに。本当に役立たずの穀潰しなんだから!」
「あのお二人には無理ですね」
コンコン
「誰?」
扉が開いてグレンが顔を出した。
「エミー大声出してどうした?廊下まで聞こえたぞ」
「グレン見てよ!あの人達本当にやってくれるわ!」
「わお!これは凄いな。ここまで使えるのはあの人達だけだろうな」
「関心してる場合?これを何ヶ月続けるとおもってるの?」
「サラが見つかるまで?」
「見当違いな所ばっかり探しててみつかる訳ないわよ!で、グレンの方はどうなの?」
「サラ見つけたぞ。俺も確認した」
「そう。で?」
「結論から言うと家出と言うより駆け落ちだな」
「やっぱりね」
「エミーは知ってたのか?」
「まさか。ただサラの部屋のワンピースが数枚無くなってるのと、大事にしてた安い髪飾りが無くなってる事からその可能性もあるだろうなって思ってただけよ」
「そっか。相手知りたい?」
「早く報告して」
「貴族下がりの平民でな、その髪飾りを作った本人だと思う。作った髪飾りやイヤリング、ネックレスを露天商に売ってそれで生活してる」
「貴族下がり?」
「サラと同じ歳で学園の同級生。どうやら学園の時から恋人同士だったらしい。男の方は男爵の一人息子だったけど、本人はアクセサリー職人になりたかった。親に反対され家出同然でサラと駆け落ちをした。男爵の方にも探りを入れたら、もう勘当した息子だから知らないと」
「そう。我が家から抗議が来ない様にする為かしら」
「それは知らなかったらしい。勘当したのも職人になると言ったからだと」
「そう。それでサラは今どうしてるの?」
「長屋の一部屋に住んで細々と暮らしてる。アクセサリーが売れないと金は入らないからな。材料費もかかるし、男の方が夜は酒場で働いてたよ」
「そう。あの子、料理も洗濯も出来ないのに暮らせてるの?」
「周りの奥様方に聞きながらやってたよ。ご飯もたまにおかずを貰ったりするみたいだぞ」
「あの子なら周りが手助けしてくれるわね。サラは幸せそう?」
「幸せそうに暮らしてる。で、どうする?」
「幸せそうならそっとしておくわ。露天商からアクセサリー何店か購入してきて」
「売上に貢献するのか?」
「違うわよ。アクセサリーの出来を知りたいだけよ」
「あ~、分かった。適当に買ってくるよ」
「お願いね」
グレンが執務室から出て行き、
「お嬢様、どうするおつもりで?」
「物を見てから考えるけど、腕が良いなら投資するつもりよ」
「またですか」
「またってやめてよ。腕が良いならそれだけで価値があるわ。売れる場所を提供すれば職人として食べていける。そしたらサラを平民にするわ」
「そうするしかありませんね」
「貴族のままでは無理矢理でも連れ帰らないと。今でも危ない状況だわ」
「そうですね」
「サラはきちんと現実を見てそれに合った暮らしをしてるわ。現実を見てないのはあの人達だけよ」
「本当に。大旦那様にご報告しますか?」
「う~ん、ちょっと待って。アクセサリーの出来を見てから判断するわ」
「承知しました」
とりあえずサラの問題は片付きそう。問題はあの馬鹿二人よ。頭が痛いわ。
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