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悪役令嬢?現る
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階段事件?でお尻お尻と連発して恥ずかしく、最近は裏庭でこそっとしてる。
昼食を裏庭で食べていたら、所謂、悪役令嬢?の御三方が私の所まで来て、
「ちょっと貴女、少しよろしくて?」
「エイミーナ様…」
「貴女!わたくしは貴女に名前を呼ぶ事を許した覚えはありません事よ!流石平民の女は男に擦り寄る事だけは上手です事」
「発言よろしいでしょうか」
「何かしら?」
「勝手に名前を呼んだ事、申し訳御座いません」
「分かればよろしくてよ。貴女みたいな男に擦り寄る事しか能のない女は目障りだわ。ジルベーク様だけではなくセドリック殿下にも色目を使って、流石平民の女だわ。貴女消えて下さらない?」
「男に擦り寄る事しか能のない平民の女から一つよろしいでしょうか」
「何よ!貴女、わたくし達に口答えなさるの!?」
「おやめなさい。エイミーナ様」
「ですが!」
「わたくしはエスティーヌと申しますわ。貴女がキャロライン男爵令嬢ね?」
「はい。エスティーヌ公爵令嬢様」
「エイミーナ様が声を荒らげて申し訳なかったわ。許して下さる?」
「はい」
「そう。ありがとう。それで貴女はわたくし達に何か仰る事がおありなのかしら?」
「はい。忠告?助言?を」
「ふふっ、何やら物騒だこと。何かしら?」
「はい。先に謝ります。申し訳ありません。私は貴族になったばかりの元平民です。先程、エイミーナ様が仰った様に、男に擦り寄る事しか出来ない平民の女ですので、淑女の嗜みでしょうか、それ等は自信がありません。なので話しやすい話し方で話させて頂きます。
まず、エスティーヌ公爵令嬢様、エスティーヌ様はセドリック王子殿下の婚約者ですよね?」
「ええ、そうよ」
「エスティーヌ様はセドリック様を好きですか?」
「わたくしの気持ちが貴女に何か関係するのかしら」
「いえ、何も関係しません」
「では貴女にお答えするつもりはありませんわ」
「そうですか。残念です。もし少しでも好きな気持ちがあるのなら、二人の仲を良く出来たのですが」
「仲良くですか。残念ながらセドリック様とは政略結婚ですわ」
「政略結婚だったら愛は必要ありませんか?セドリック殿下は将来国王になられる方。そして、エスティーヌ様は王妃になられる方。国を背負うお二人に愛は必要ありませんか?」
「なら、貴女は必要だと仰るの?」
「必要だと思います。例え政略結婚だとしても愛を育む事は出来ます」
「愛がそんなに大事かしら」
「では、エスティーヌ様は跡継ぎを産むだけで満足ですか? これから何十年と共に暮らし、子を作る為に床を一緒にして、子が出来たら終わりですか?殿下が他に愛する人を側に置いても心が傷まないと?」
「それが貴族ですわ。平民とは違いますの」
「確かに貴族と平民は違います。貴族は家と家の繋がりを大事にする。ですが、そこに愛を育てようとする歩み寄りは何故しないのですか? 私は平民出です。父は貴族で一緒に暮した事はありませんでした。ですが父は母を愛してました。父は他に妻も子供もいました。母は愛人です。 もし父が政略結婚だったとしても妻と愛を育む努力をしてたら?そしたら母みたいな愛人を作らなかったでしょう。そしたら母も私も寂しい思いをしなくて済んだ。どうして貴族は政略結婚だからって諦めて愛を育む努力をしないのです?」
「それは理想論ですのよ」
「そうですか。分かりました。では、仮に、私がセドリック殿下と愛を育んでも文句言いませんか? 私は愛人で良いから側に居たいと、エスティーヌ様が王妃で良いから、私はセドリック殿下の愛だけを頂ければ政治に口出す事も、私が産んだ子を跡継ぎにする気も王位継承もいらないと言っても文句言いませんか?
エスティーヌ様の子が跡継ぎですが、セドリック殿下は可愛いがると思いますか?跡継ぎだけの為に産まれた子を。 抱き上げ、一緒に遊び、寝かし付ける。可愛いと愛おしいと口付けする。親が子にする愛情表現です。 それ等をすると思いますか?
愛人の私が産んだ子は跡継ぎにもなれません。 ですが、私の子だけに親として子へ向ける愛情表現をし可愛いがっても耐えられますか? 何十年とセドリック殿下と私と子が仲良くしている姿を見せられる事になるのです。 セドリック殿下も人です。政略結婚で妻になった女と自分が愛した愛人の女とでは相手に対する態度も変わると思います。 愛してない妻は他人と同じです。その子供も自分の子ではあるけど他人の子と同じです。そんな相手に愛を注ぎますか? それに対して自分が愛する愛人もその子供も唯一自分の物だと、子だと思えるのです。だからこそ惜しむことなく愛情を注げるのです。
エスティーヌ様は殿下の態度が、自分とは政略結婚だから、愛人と違うからと気にしませんか?心が痛みませんか?考えてみて下さい。」
「確かに、貴女と子を恨むかもしれませんわ」
「はい。それが人というものです。もう一度聞きます。エスティーヌ様、愛は必要ありませんか?」
「例え政略結婚だとしても愛は必要ですわね。でも、今更どうすればよろしいの?」
「愛を育む努力をするって事でいいですか?」
「ええ。教えて下さるかしら」
「はい!」
昼食を裏庭で食べていたら、所謂、悪役令嬢?の御三方が私の所まで来て、
「ちょっと貴女、少しよろしくて?」
「エイミーナ様…」
「貴女!わたくしは貴女に名前を呼ぶ事を許した覚えはありません事よ!流石平民の女は男に擦り寄る事だけは上手です事」
「発言よろしいでしょうか」
「何かしら?」
「勝手に名前を呼んだ事、申し訳御座いません」
「分かればよろしくてよ。貴女みたいな男に擦り寄る事しか能のない女は目障りだわ。ジルベーク様だけではなくセドリック殿下にも色目を使って、流石平民の女だわ。貴女消えて下さらない?」
「男に擦り寄る事しか能のない平民の女から一つよろしいでしょうか」
「何よ!貴女、わたくし達に口答えなさるの!?」
「おやめなさい。エイミーナ様」
「ですが!」
「わたくしはエスティーヌと申しますわ。貴女がキャロライン男爵令嬢ね?」
「はい。エスティーヌ公爵令嬢様」
「エイミーナ様が声を荒らげて申し訳なかったわ。許して下さる?」
「はい」
「そう。ありがとう。それで貴女はわたくし達に何か仰る事がおありなのかしら?」
「はい。忠告?助言?を」
「ふふっ、何やら物騒だこと。何かしら?」
「はい。先に謝ります。申し訳ありません。私は貴族になったばかりの元平民です。先程、エイミーナ様が仰った様に、男に擦り寄る事しか出来ない平民の女ですので、淑女の嗜みでしょうか、それ等は自信がありません。なので話しやすい話し方で話させて頂きます。
まず、エスティーヌ公爵令嬢様、エスティーヌ様はセドリック王子殿下の婚約者ですよね?」
「ええ、そうよ」
「エスティーヌ様はセドリック様を好きですか?」
「わたくしの気持ちが貴女に何か関係するのかしら」
「いえ、何も関係しません」
「では貴女にお答えするつもりはありませんわ」
「そうですか。残念です。もし少しでも好きな気持ちがあるのなら、二人の仲を良く出来たのですが」
「仲良くですか。残念ながらセドリック様とは政略結婚ですわ」
「政略結婚だったら愛は必要ありませんか?セドリック殿下は将来国王になられる方。そして、エスティーヌ様は王妃になられる方。国を背負うお二人に愛は必要ありませんか?」
「なら、貴女は必要だと仰るの?」
「必要だと思います。例え政略結婚だとしても愛を育む事は出来ます」
「愛がそんなに大事かしら」
「では、エスティーヌ様は跡継ぎを産むだけで満足ですか? これから何十年と共に暮らし、子を作る為に床を一緒にして、子が出来たら終わりですか?殿下が他に愛する人を側に置いても心が傷まないと?」
「それが貴族ですわ。平民とは違いますの」
「確かに貴族と平民は違います。貴族は家と家の繋がりを大事にする。ですが、そこに愛を育てようとする歩み寄りは何故しないのですか? 私は平民出です。父は貴族で一緒に暮した事はありませんでした。ですが父は母を愛してました。父は他に妻も子供もいました。母は愛人です。 もし父が政略結婚だったとしても妻と愛を育む努力をしてたら?そしたら母みたいな愛人を作らなかったでしょう。そしたら母も私も寂しい思いをしなくて済んだ。どうして貴族は政略結婚だからって諦めて愛を育む努力をしないのです?」
「それは理想論ですのよ」
「そうですか。分かりました。では、仮に、私がセドリック殿下と愛を育んでも文句言いませんか? 私は愛人で良いから側に居たいと、エスティーヌ様が王妃で良いから、私はセドリック殿下の愛だけを頂ければ政治に口出す事も、私が産んだ子を跡継ぎにする気も王位継承もいらないと言っても文句言いませんか?
エスティーヌ様の子が跡継ぎですが、セドリック殿下は可愛いがると思いますか?跡継ぎだけの為に産まれた子を。 抱き上げ、一緒に遊び、寝かし付ける。可愛いと愛おしいと口付けする。親が子にする愛情表現です。 それ等をすると思いますか?
愛人の私が産んだ子は跡継ぎにもなれません。 ですが、私の子だけに親として子へ向ける愛情表現をし可愛いがっても耐えられますか? 何十年とセドリック殿下と私と子が仲良くしている姿を見せられる事になるのです。 セドリック殿下も人です。政略結婚で妻になった女と自分が愛した愛人の女とでは相手に対する態度も変わると思います。 愛してない妻は他人と同じです。その子供も自分の子ではあるけど他人の子と同じです。そんな相手に愛を注ぎますか? それに対して自分が愛する愛人もその子供も唯一自分の物だと、子だと思えるのです。だからこそ惜しむことなく愛情を注げるのです。
エスティーヌ様は殿下の態度が、自分とは政略結婚だから、愛人と違うからと気にしませんか?心が痛みませんか?考えてみて下さい。」
「確かに、貴女と子を恨むかもしれませんわ」
「はい。それが人というものです。もう一度聞きます。エスティーヌ様、愛は必要ありませんか?」
「例え政略結婚だとしても愛は必要ですわね。でも、今更どうすればよろしいの?」
「愛を育む努力をするって事でいいですか?」
「ええ。教えて下さるかしら」
「はい!」
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