3 / 23
3
しおりを挟む
私は今、畑の野菜の収穫をしている。
「俺も手伝います」
「クロード、悪いわね」
今日はじゃがいもを一本一本引っ張って抜いている。クロがスコップで土を掘り起こし引っ張り、私は土の中に残ったじゃがいもを取り、根に付いてるじゃがいもを取る。
「今回は大量に出来たわね」
「はい」
私達は畑に座りじゃがいもを取っている。
「お嬢様、」
「何かしら?」
「土が顔に、」
「気にしないわ。気にしてたら土いじりなんて出来ないもの」
クロは汚れてない服の裾で私の頬の土を拭いた。その時、服の下、お腹が見えて…、
「クロ!」
「何?」
「急にビックリするでしょ!」
「俺が気になったんだ」
「それでも……」
「何」
「肌が見え、た、わ…」
「肌?」
「お腹が、」
「お腹ぐらい」
私は真っ赤になった顔を俯けた。男性の肌なんて見た事ないもの。それに鍛えられたお腹が何か大人の男性に思えた。勿論クロは大人の男性って分かってるわよ?それでもどこか子供の頃のままって勝手に思ってたの…。
「見るか?」
「ばか!」
「何顔を赤くしてるんだよ」
「そんなの、そんなの…男性の肌なんて、見た、事、ないもの…」
「ローラ」
「何?」
「顔上げて」
私は俯いてた顔を上げた。
「照れてるローラ、可愛いな」
「もう!ばかにしないでよ!」
「ばかにしてないだろ?」
「子供扱いして!」
「実際子供だろ?」
「成人してるもの」
この国は16歳が成人で、私は先月16歳になった。
「そういう意味じゃないんだけどな」
「何?」
「何でもない」
「そう?」
「それより早く取るぞ」
「え?うん」
私達は黙々と土の付いたじゃがいもを収穫し、軽く土を落とし、籠に入れる。
「クロード、お客様~」
クロードが顔を上げて声のする方へ顔を向けた。メイドのアニーが呼んでいた。
「誰だろ?ちょっと行ってくる」
「分かった」
クロードの代わりにアニーが籠にじゃがいもを入れてくれ、
「お嬢様、クロードのお客様気になりません?」
「アニーが言いたいだけでしょ?」
「分かります?」
「で、誰だったの?」
「女性でした」
「女性?」
「クロードもすみに置けませんね」
「そう、」
「お嬢様、見に行きません?」
「アニー、流石にクロードも見られたら怒るわよ?」
「大丈夫ですって。このじゃがいも置きに行くフリして見に行きましょうよ~」
「アニー」
「お嬢様~行きましょうよ~。立って立って!」
「もう。こっそりよ?」
「分かってます」
私とアニーは一応じゃがいもの入った籠を持って使用人出入口へ向かった。物陰からこっそりのぞき、
「ここへは来るなって言っただろ!」
「だってこの頃来てくれないから」
「俺は雇われてる使用人なんだ。この家に迷惑をかけるだろ!」
「なら会いに来てよ」
「何度も邸を留守に出来るわけないだろ!」
「ねえ、クロード、」
女性はクロードの耳に何か言ってるみたい。クロードの顔が冷めてる?
「ね?早く会いに来てくれるでしょ?」
「都合がついたらな。早く帰ってくれ」
女性はクロードの唇に口付けして帰って行った。
クロードは口付けされた口を服で拭いて、顔を上げた。
クロードと目が合い…、
「どうして、お前、」
クロードが怒った顔?何で?
クロードが私の持ってる籠を持ち小屋へ運んでいる。私はもう一つ籠を取り、
「お嬢様、何か揉め事でしょうか?」
「そう、みたいね」
私とアニーは小声で話し、
「私は戻りますね?」
「アニー、私一人残して行くつもり?」
「だってクロード怒ってますもん。正直近寄りたくないです」
「そんなの私もよ」
「お嬢様、頑張って」
アニーはそそくさと邸の中に入って行った。
残された私は、クロードを待つべきか、先に行くべきか…。 私だって怒ってるクロードは怖いわよ!背中から怒気が…。
「俺も手伝います」
「クロード、悪いわね」
今日はじゃがいもを一本一本引っ張って抜いている。クロがスコップで土を掘り起こし引っ張り、私は土の中に残ったじゃがいもを取り、根に付いてるじゃがいもを取る。
「今回は大量に出来たわね」
「はい」
私達は畑に座りじゃがいもを取っている。
「お嬢様、」
「何かしら?」
「土が顔に、」
「気にしないわ。気にしてたら土いじりなんて出来ないもの」
クロは汚れてない服の裾で私の頬の土を拭いた。その時、服の下、お腹が見えて…、
「クロ!」
「何?」
「急にビックリするでしょ!」
「俺が気になったんだ」
「それでも……」
「何」
「肌が見え、た、わ…」
「肌?」
「お腹が、」
「お腹ぐらい」
私は真っ赤になった顔を俯けた。男性の肌なんて見た事ないもの。それに鍛えられたお腹が何か大人の男性に思えた。勿論クロは大人の男性って分かってるわよ?それでもどこか子供の頃のままって勝手に思ってたの…。
「見るか?」
「ばか!」
「何顔を赤くしてるんだよ」
「そんなの、そんなの…男性の肌なんて、見た、事、ないもの…」
「ローラ」
「何?」
「顔上げて」
私は俯いてた顔を上げた。
「照れてるローラ、可愛いな」
「もう!ばかにしないでよ!」
「ばかにしてないだろ?」
「子供扱いして!」
「実際子供だろ?」
「成人してるもの」
この国は16歳が成人で、私は先月16歳になった。
「そういう意味じゃないんだけどな」
「何?」
「何でもない」
「そう?」
「それより早く取るぞ」
「え?うん」
私達は黙々と土の付いたじゃがいもを収穫し、軽く土を落とし、籠に入れる。
「クロード、お客様~」
クロードが顔を上げて声のする方へ顔を向けた。メイドのアニーが呼んでいた。
「誰だろ?ちょっと行ってくる」
「分かった」
クロードの代わりにアニーが籠にじゃがいもを入れてくれ、
「お嬢様、クロードのお客様気になりません?」
「アニーが言いたいだけでしょ?」
「分かります?」
「で、誰だったの?」
「女性でした」
「女性?」
「クロードもすみに置けませんね」
「そう、」
「お嬢様、見に行きません?」
「アニー、流石にクロードも見られたら怒るわよ?」
「大丈夫ですって。このじゃがいも置きに行くフリして見に行きましょうよ~」
「アニー」
「お嬢様~行きましょうよ~。立って立って!」
「もう。こっそりよ?」
「分かってます」
私とアニーは一応じゃがいもの入った籠を持って使用人出入口へ向かった。物陰からこっそりのぞき、
「ここへは来るなって言っただろ!」
「だってこの頃来てくれないから」
「俺は雇われてる使用人なんだ。この家に迷惑をかけるだろ!」
「なら会いに来てよ」
「何度も邸を留守に出来るわけないだろ!」
「ねえ、クロード、」
女性はクロードの耳に何か言ってるみたい。クロードの顔が冷めてる?
「ね?早く会いに来てくれるでしょ?」
「都合がついたらな。早く帰ってくれ」
女性はクロードの唇に口付けして帰って行った。
クロードは口付けされた口を服で拭いて、顔を上げた。
クロードと目が合い…、
「どうして、お前、」
クロードが怒った顔?何で?
クロードが私の持ってる籠を持ち小屋へ運んでいる。私はもう一つ籠を取り、
「お嬢様、何か揉め事でしょうか?」
「そう、みたいね」
私とアニーは小声で話し、
「私は戻りますね?」
「アニー、私一人残して行くつもり?」
「だってクロード怒ってますもん。正直近寄りたくないです」
「そんなの私もよ」
「お嬢様、頑張って」
アニーはそそくさと邸の中に入って行った。
残された私は、クロードを待つべきか、先に行くべきか…。 私だって怒ってるクロードは怖いわよ!背中から怒気が…。
4
お気に入りに追加
385
あなたにおすすめの小説

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
おかえりなさい。どうぞ、お幸せに。さようなら。
石河 翠
恋愛
主人公は神託により災厄と呼ばれ、蔑まれてきた。家族もなく、神殿で罪人のように暮らしている。
ある時彼女のもとに、見目麗しい騎士がやってくる。警戒する彼女だったが、彼は傷つき怯えた彼女に救いの手を差し伸べた。
騎士のもとで、子ども時代をやり直すように穏やかに過ごす彼女。やがて彼女は騎士に恋心を抱くようになる。騎士に想いが伝わらなくても、彼女はこの生活に満足していた。
ところが神殿から疎まれた騎士は、戦場の最前線に送られることになる。無事を祈る彼女だったが、騎士の訃報が届いたことにより彼女は絶望する。
力を手に入れた彼女は世界を滅ぼすことを望むが……。
騎士の幸せを願ったヒロインと、ヒロインを心から愛していたヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:25824590)をお借りしています。
お飾り王妃の愛と献身
石河 翠
恋愛
エスターは、お飾りの王妃だ。初夜どころか結婚式もない、王国存続の生贄のような結婚は、父親である宰相によって調えられた。国王は身分の低い平民に溺れ、公務を放棄している。
けれどエスターは白い結婚を隠しもせずに、王の代わりに執務を続けている。彼女にとって大切なものは国であり、夫の愛情など必要としていなかったのだ。
ところがある日、暗愚だが無害だった国王の独断により、隣国への侵攻が始まる。それをきっかけに国内では革命が起き……。
国のために恋を捨て、人生を捧げてきたヒロインと、王妃を密かに愛し、彼女を手に入れるために国を変えることを決意した一途なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:24963620)をお借りしております。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。

麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる