不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う

らる

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4.初めまして

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僕はそのまま動けないでいた


ニャァ


励ます様に黒猫が顔をスリスリしてくる。
その時ようやく現実世界に戻った様な感覚になった。


「こ、怖かった」


こんなに怖い思いをしたのは生まれて初めての事で僕は不思議な感覚だった。
これが不良、これがあの漫画で見た世界。
かっこいいと思ったかと言われると怖いの方が勝ってしまう。
まだ僕の不良生活は1時間も経っていないのに挫けそうになっていた。


ニャァ


元気だせよと言わんばかりに黒猫さんは堂々と毛繕いを始めた。
この猫さん強くないか??こんなに怖い事が起きたのに動じない強さ…!今日からこの子は僕のにゃん先輩と呼ばせていただこう。


「あの…」

ビクッ!

急に声をかけられてびっくりしてしまい、その勢いでにゃん先輩も逃げてしまった…


「あ、にゃん先輩」


「え?…えっーとここで何を?」


目の前には黒髪で黒縁メガネをかけた優しそうな男の子が立っていた。


「あ、僕今日転校してきて、そのえっと」


こんな隠れてるところを見られて悪い事をしている気分になり少し慌ててしまう


「落ち着いて?僕は平気だから。転校生なんだね。こんな時期に珍しい」


「はい職員室行きたくて」


「じゃあ着いてきて?今日は休日で人もほぼいないし僕が連れてくよ」


ここにきて青年の優しさが沁みる。心細かった僕にはヒーローでしかなかった


「こんな時期に転校なんて君相当凄い人なんだね」


「ん?何で?僕は極々普通の高校生だよ」


「ふふ、この学園の生徒になるにしては可愛いけどね」


可愛い?とかは良く言われるけど別に何とも思わない。へーって感じで捉えている。


「あの名前なんていうの?」


「あぁ!ごめんね僕は佐藤みのる。風紀委員で雑用とか会計とかをやってるんだ。君は?」


「僕は七瀬透。よろしくね」


「うん、七瀬君とは仲良くなれそうだよ。なんせこの学校物騒だからね」


「そこが良いんじゃないですか!」


僕は憧れの不良高校に来れてウキウキだ。
さっきのは怖かったけど良く考えれば漫画の世界に入ったモブとして見てる分には面白かったと思う。


「へーー七瀬君こう見えて意外と強いタイプなの?」


ギクッ


「いやぁーまぁーふ、普通だし」


よし誤魔化せた


「いやいや顔に出まくりでしょ。まぁ僕も全然強くないんだけどさ、ここの学園は何か強みがあれば生きていけるから僕だってちょっと勉強出来るから風紀の会計とか雑用押し付けられてるんだよね」


たしかにみつる君は体格も雰囲気も不良っぽくは無い。温厚な顔をしていて僕のお母さんを思い出させる雰囲気だ



「ほら着いたよ。右奥にいる人に話しかければ多分どうにかなるから」


話しているとあっという間に職員室の目の前になっていた


「ありがとうみつる君!この恩は忘れないよ」


「そんな最後の別れみたいに言わないでよ」


笑いながら早く行きなと言って僕を送り出してくれた。
なんて優しい人だ。それに有力な情報も手に入れた。この学園では何か強みがないと生きていけない。僕のにはその強みがある。

きっと生き抜いていける!!!






佐藤みのるside

面白い子だなぁ、あの子絶対危ないタイプでしょ。
生徒会とか絶対ほっとかないだろうな
僕には関係ないし…


関係ないけど、、気にはなる
なんかこう庇護欲を掻き立てるというかなんか危なっかしいんだよね
これが母性か…








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