宵闇の夏色

古井論理

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黎明の空色

エンドロールの詩情論

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「便箋の上の花」(アヤナ)

私が書いた便箋は
届くはずもないでしょう
あなたといつも話していた
あの日が今も愛おしい

花は種と根を残して
私の中で春を待つ
さよならばかりが人生で
だから出会いは美しい

教えておくれ、あの日の宵よ
私は宵に酔っていた
覚めたる酔いはいつまでも
幻想だけを残している

愛しい日々は過ぎ去って
荒波の中を駆け抜ける
暗い それでも道は続く
あなたが語ったそのままに

演じる虚構も実際も
流れの中で救われる
降りかかる雨を今浴びる
二度とは会えぬこの時を

幸せの色は宵の色
不幸の色も宵の色
茜の空に目をやれば
長い手紙が届いている





「朝焼け空に手紙を託して」(チヒロ)

夜半託した手紙の色は
昼に輝く空の色
あなたをここで見送って
私は今から夢の中

暗い恵みの続く道でも
きっとあなたは止まらない
選んだ道は一つだけ
途切れず続く道だから

手紙はきっとすぐ朽ちる
眩しい朝は続かない
それでもあなたが大好きな
花は枯れずに残るから

涼しい風と夕焼けに
私の想いは溶けていく
忘れていくにはあまりにも
記憶はきっと重すぎる

ああ消えないでこの気持ち
これが錯誤といわれても
ずっと過ごしたあなたへの
本当の気持ちは消えないで

あなたに渡した手紙には
書いてはいないものがある
だからここで言っておく
あなたはずっと消えないで 




「ストーリー・テラーの心得」(コウ)

ものを語るとモノガタリ
結んだ夢はカナウユメ
生きてくれればそれでいい
未来はそこにあるはずだ
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