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第4話 冒険者登録
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フラウのミッションをクリアするべく、俺は冒険者ギルドへとやってきた。
冒険者というのは要するに何でも屋のような仕事だ。ただ、町の外に出て採取をしたり魔物を狩ったり、商隊の護衛をしたりすることになるため荒事をこなせるだけのギフトやスキルを持っている場合が多い。
俺の場合はガチャで神引きした【剣術】と【体術】があるので、これから頑張って鍛えていけば問題ないはずだ。
「いらっしゃい。ようこそ冒険者ギルドへ。ご用件をお伺いいたします」
金髪に青い目のものすごい美人な受付嬢のお姉さんが応対してくれた。
「登録をお願いします」
「かしこまりました。身分証明書はお持ちですか?」
「はい」
俺は自分の市民カードを提示した。これが無くても登録はできるそうだが、確認が面倒になるらしい。
「ディーノさん、ありがとうございました。こちらはお返しいたします。それではこちらの宝玉を触って頂けますか? ディーノさんの魂の情報を登録いたします」
「はい」
俺は差し出された透明の宝玉を触り、そしてそのまま十秒くらい待った。
「はい。もう結構です。ありがとうございます。それではすぐにタグを発行して参りますのでこのままお待ちください」
そう言ってお姉さんはぱたぱたと奥へと走っていき、そしてものの数分で戻ってきた。
「はい。こちらがタグとなります。こちらは冒険者としての身分証にもなっておりますので紛失にはお気を付けください。再発行が必要となった場合、手数料として百マレがかかってしまいますのでどうぞお気を付けください」
「わかりました」
そうして俺はタグを受け取った。タグには俺の名前と性別、年齢、種族、所属ギルド支部名、それと冒険者ランクが記載されている。
俺のランクは現在Fらしい。
「冒険者ギルドのシステムをご説明いたしましょうか?」
「お願いします」
「かしこまりました。冒険者ギルドはですね――」
このお姉さんの説明をかいつまんでまとめるとこんな感じだ。
・依頼は掲示板に貼り出されているものを見るか、受付で相談することで確認できる
・依頼を受注する場合はギルド支部の受付で受注し、結果の報告も受付に報告する必要がある
・依頼に失敗すると罰金がかかる場合があり、勝手に依頼を放棄するとペナルティがある
・冒険者はF~Sのランク付けがされており、ランク毎に受けられる依頼が決められている
・依頼の達成率や顧客の評価などを総合的に判断し、ギルド側が妥当と認めた場合に限りランクが昇格、降格する。また、昇格の場合は試験が行われる。
「ありがとうございます。よくわかりました」
「どういたしまして。それと、依頼は早い者勝ちですので割りの良い依頼はすぐに受注されてしまいますので頑張ってくださいね」
「わかりました。ちなみに、俺が受けられる依頼だとどういうものが良いんですか?」
「そうですね。Fランクの場合は町の外に出ることができませんので、衛兵の手伝いや店番などが人気ですね。逆にきついわりに報酬の低い街壁修復の作業員や下水道の掃除、ゴミ収集の手伝いなどはあまり人気がありません」
「な、なるほど。ありがとうございます」
「どういたしまして。他に質問はございますか?」
「いえ、大丈夫です」
「それでは、良い冒険者ライフを」
受付のお姉さんはニッコリと営業スマイルを浮かべたのだった。
俺はその笑顔に少しドキリとしながらも歩き出す。
「ディーノ。登録完了だねっ。これでミッションクリアだからチケットが受け取れるよ」
「おっと、そうだった」
俺がスクリーンを開くと「達成済みのミッションがあります。クリア報酬を受けとりますか?」と出てきたので[OK]をタップした。
すると、ガチャ画面の保有チケット数が十枚へと増えた。
「よし、じゃあさっそく」
「ちょっと。こんなところで引く気?」
「何だ。ダメなのか?」
「ダメじゃないけど、あたしの姿もそのスクリーンも他の人には見えないから、ディーノ完全に怪しい人だよ?」
「え?」
俺が慌てて辺りを見回すと周りの人達がサッと俺から目をそらした。
「も、もしかして……」
「うん。ディーノ、何も無いところに話しかけている不審者だって思われてるはずだよ?」
ぐぬぬぬぬ。
「それはそうとして、次のミッションはこれだよ」
そう言ってフラウの差し出したスクリーンにはこう書かれていた。
『冒険初心者ミッション2:冒険者ギルドの依頼を一つ受注しよう』
今回もクリア報酬は、冒険者ガチャチケット十枚だ。
そう、だな。よし、せっかく冒険者ギルドに登録をしたんだから少し依頼を見てみよう。
そう思った俺は依頼の貼り出されている掲示板を眺める。たしかに俺の受注できる依頼はあまりないが、その中に見慣れた内容の依頼を発見した。
『街壁修復の日雇い建設作業員:日当八マレ(昼食付)』
今の俺の日当が九マレなので差額の一マレは冒険者ギルドの徴収している手数料という事なのだろう。
そして俺たちの現場監督が担当している場所が完工したので次の仕事は一週間後からだ。であれば、小遣い稼ぎも兼ねて今のうちにこれをやっておいても良いだろう。
そう考えた俺は明日の分の街壁修復の仕事を受注すると帰宅したのだった。
冒険者というのは要するに何でも屋のような仕事だ。ただ、町の外に出て採取をしたり魔物を狩ったり、商隊の護衛をしたりすることになるため荒事をこなせるだけのギフトやスキルを持っている場合が多い。
俺の場合はガチャで神引きした【剣術】と【体術】があるので、これから頑張って鍛えていけば問題ないはずだ。
「いらっしゃい。ようこそ冒険者ギルドへ。ご用件をお伺いいたします」
金髪に青い目のものすごい美人な受付嬢のお姉さんが応対してくれた。
「登録をお願いします」
「かしこまりました。身分証明書はお持ちですか?」
「はい」
俺は自分の市民カードを提示した。これが無くても登録はできるそうだが、確認が面倒になるらしい。
「ディーノさん、ありがとうございました。こちらはお返しいたします。それではこちらの宝玉を触って頂けますか? ディーノさんの魂の情報を登録いたします」
「はい」
俺は差し出された透明の宝玉を触り、そしてそのまま十秒くらい待った。
「はい。もう結構です。ありがとうございます。それではすぐにタグを発行して参りますのでこのままお待ちください」
そう言ってお姉さんはぱたぱたと奥へと走っていき、そしてものの数分で戻ってきた。
「はい。こちらがタグとなります。こちらは冒険者としての身分証にもなっておりますので紛失にはお気を付けください。再発行が必要となった場合、手数料として百マレがかかってしまいますのでどうぞお気を付けください」
「わかりました」
そうして俺はタグを受け取った。タグには俺の名前と性別、年齢、種族、所属ギルド支部名、それと冒険者ランクが記載されている。
俺のランクは現在Fらしい。
「冒険者ギルドのシステムをご説明いたしましょうか?」
「お願いします」
「かしこまりました。冒険者ギルドはですね――」
このお姉さんの説明をかいつまんでまとめるとこんな感じだ。
・依頼は掲示板に貼り出されているものを見るか、受付で相談することで確認できる
・依頼を受注する場合はギルド支部の受付で受注し、結果の報告も受付に報告する必要がある
・依頼に失敗すると罰金がかかる場合があり、勝手に依頼を放棄するとペナルティがある
・冒険者はF~Sのランク付けがされており、ランク毎に受けられる依頼が決められている
・依頼の達成率や顧客の評価などを総合的に判断し、ギルド側が妥当と認めた場合に限りランクが昇格、降格する。また、昇格の場合は試験が行われる。
「ありがとうございます。よくわかりました」
「どういたしまして。それと、依頼は早い者勝ちですので割りの良い依頼はすぐに受注されてしまいますので頑張ってくださいね」
「わかりました。ちなみに、俺が受けられる依頼だとどういうものが良いんですか?」
「そうですね。Fランクの場合は町の外に出ることができませんので、衛兵の手伝いや店番などが人気ですね。逆にきついわりに報酬の低い街壁修復の作業員や下水道の掃除、ゴミ収集の手伝いなどはあまり人気がありません」
「な、なるほど。ありがとうございます」
「どういたしまして。他に質問はございますか?」
「いえ、大丈夫です」
「それでは、良い冒険者ライフを」
受付のお姉さんはニッコリと営業スマイルを浮かべたのだった。
俺はその笑顔に少しドキリとしながらも歩き出す。
「ディーノ。登録完了だねっ。これでミッションクリアだからチケットが受け取れるよ」
「おっと、そうだった」
俺がスクリーンを開くと「達成済みのミッションがあります。クリア報酬を受けとりますか?」と出てきたので[OK]をタップした。
すると、ガチャ画面の保有チケット数が十枚へと増えた。
「よし、じゃあさっそく」
「ちょっと。こんなところで引く気?」
「何だ。ダメなのか?」
「ダメじゃないけど、あたしの姿もそのスクリーンも他の人には見えないから、ディーノ完全に怪しい人だよ?」
「え?」
俺が慌てて辺りを見回すと周りの人達がサッと俺から目をそらした。
「も、もしかして……」
「うん。ディーノ、何も無いところに話しかけている不審者だって思われてるはずだよ?」
ぐぬぬぬぬ。
「それはそうとして、次のミッションはこれだよ」
そう言ってフラウの差し出したスクリーンにはこう書かれていた。
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そう、だな。よし、せっかく冒険者ギルドに登録をしたんだから少し依頼を見てみよう。
そう思った俺は依頼の貼り出されている掲示板を眺める。たしかに俺の受注できる依頼はあまりないが、その中に見慣れた内容の依頼を発見した。
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そして俺たちの現場監督が担当している場所が完工したので次の仕事は一週間後からだ。であれば、小遣い稼ぎも兼ねて今のうちにこれをやっておいても良いだろう。
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