10 / 182
第10話 ロックアウト
しおりを挟む
どうすれば安全にゾンビを退治できるかを思案していると、ザックスさんが声をかけてきた。
「ホリーちゃん、ちょっと手伝ってもらえるかい?」
「はい、ザックスさん。何をお手伝いすればいいんですか?」
どうやらザックスさんには何かやりたいことがあるようだ。
「これから町会館を急いで改築するから、その間だけ奇跡で守ってくれないかい?」
「改築ですか?」
「そうだよ。このままじゃゾンビに入られて、またさっきみたいなことになりかねないからね」
「今やるんですか?」
「そうだよ。ホリーちゃんの奇跡で退治すれば、燃やすのと違ってゾンビが寄ってこないんだよね?」
「はい。そうですね」
「そっか。なら、やっぱりやるべきだね」
「え? 何をですか?」
「ゾンビが少ない今のうちに出入口を全部塞いでしまうんだ」
「え? それなら中から塞げば外に出なくていいんじゃないですか?」
「うーん、そうもいかないんだよ。最後の仕上げ加工をするときって、裏側をきっちり固くするのって結構難しいんだ。それに外側のほうが硬い素材を使って建てているからね。だから強い壁を作りやすいんだ」
何を言っているのかいまいちよく分からないが、大工であるザックスさんがそう言うならきっとそうに違いない。
「そうなんですね。でもそうしたら逃げ場が無くなっちゃいませんか?」
「それはそうだね。だけど町の中に入られたってことは、もう逃げ場はないってことだと思うんだよ」
「たしかに……」
「だからゾンビの少ない今のうちに、せめて一階の窓だけでも外から塞いでしまおうと思うんだ。あとはもう神様に祈るしかないね」
「わかりました」
こうして私たちは避難していた他の大工さん、そして作業中の大工さんたちを護衛してくれるという有志の人たちと一緒に町会館の外へと向かう。
「あ゛ー」
私たちが外に出るとすぐに、鹿のゾンビが私たちに向かってにじり寄ってきた。
「ホリーちゃん、任せたよ。窓を塞ぐのには一ヵ所につき大体一分くらいかかるからね」
「はい」
ザックスさんたちは窓枠に手を突くと、すぐさま魔法を発動した。すると徐々に窓枠が変形し、少しずつ窓が建物と同じ石で埋められていく。
「ホリーちゃん、ゾンビはどうしたらいいんだい?」
有志の一人がそう質問してきた。
「火は他のゾンビを引き寄せてしまうので使わないでください。なるべく近づかれないようにして、もし近づかれたら足を狙って動けなくしてください」
「ああ。任せてくれ」
有志の人たちは協力して向かってくるゾンビに向かって突風を吹かせる。
すると動きの鈍いゾンビたちは突然の風にバランスを崩し、その場で派手に転んだ。
「よしっ!」
有志の人たちが小さくガッツポーズをした。
こうやって近寄れないようにしておけばしばらくは大丈夫そうだ。
そうこうしているうちに窓がすっかり塞がった。
「終わったよ。次に行こう」
「はい」
こうして私たちはぐるりと一周し、すべての窓を塞いだ。
「こっちもいいぞー!」
上のほうから声が聞こえ、ふと見上げてみるとなんと二階と三階の間の部分に大きな庇のようなものが設置されていた。
「あれは?」
「あれはネズミ返しといってね。ネズミのゾンビが二階より上へ上がれないようにするんだ。本当は倉庫なんかに設置して生きているネズミなんかから穀物を守るためのものなんだけどね。でも生きてるネズミだって登れないんだから、ゾンビならもっと登れないよ」
「へえ、すごいですね。知りませんでした。あれ? 二階の窓はどうするんですか?」
「二階はそんなに来ないだろうからね。一階と違って内側からでも大丈夫だと思うよ。あとは入口だけだね」
「はい!」
そうして町会館のエントランスのほうへと戻ってきた私たちが見たのは、大きな熊のゾンビとそれに追われて町会館へと走ってくる人の姿だった。
その人はちらりとこちらを見たものの、私たちを無視してそのまま町会館へと駆け込んだ。そして勢いよく扉が閉じられる。
熊のゾンビとの距離を考えるとまだまだ追いつかれるまでに余裕があるように見えるが、追いかけられていて冷静に判断する余裕がなかったのだろう。
それから少しして、追いかけてきた熊のゾンビがそのまま扉に体当たりをした。
ずちゃっという嫌な音と共に腐肉が扉にこびりつき、腐臭が周囲に漂い始める。
「うっ」
気持ち悪さからか、誰かが呻き声を上げた。
すると熊のゾンビはこちらに顔を向け、獲物がいると見るや否や私たちのほうへと向かってきた。
「ひっ」
誰かが悲鳴を上げた。扉に激突して顔の崩れた熊のゾンビはなんというか、すごくホラーだ。
「ホリーちゃん!」
「はい。誰か、あいつを動けなくしてください!」
「あ、ああ」
有志の一人が尖った石を作り出し、熊のゾンビに向けて飛ばした。それは熊のゾンビの肩口あたりに命中し、その部分の腐肉がはじけ飛ぶ。
「や、やった?」
「もっとです! 転ぶまでお願いします! 皆さんも!」
「ああ」
「わかった。あれくらいなら俺たちだって!」
次々に石が放たれ、やがて熊のゾンビはバランスを崩して倒れた。
私はすぐさま駆け寄り、浄化の奇跡を発動させた。金色の光に包まれ、熊のゾンビは瞬く間に灰となって消滅する。
するとザックスさんが感心した様子で声をかけてきた。
「いやぁ、やっぱり奇跡ってすごいね」
「ありがとうございます。でも私、魔法は使えないですから、魔法を使えるザックスさんのほうがすごいと思いますよ」
「ないものねだりってやつかな」
「そうですね」
そうして私たちの間にふっと緩い空気が流れる。
「おいおい。そんなことより早く入ろうぜ。ゾンビどもが……」
有志の一人にそう言われてあたりを見回すと、向こうのほうからゾンビの群れがこちらにやってきているのが目に入った。
「そうでした。中に入りましょう。あ! ちょっと待ってくださいね」
町会館の扉は熊のゾンビの腐肉で汚染されていたため、すぐさま扉を浄化する。
そしてキレイになった扉を有志の人が開けようとしたのだが……。
「お、おい! どうなってんだ! 鍵を開けろ! ふざけるな!」
「え?」
もしかして、締め出された?
そんな!
外で危険な作業をした私たちが締め出されるなんて!
「ホリーちゃん、ちょっと手伝ってもらえるかい?」
「はい、ザックスさん。何をお手伝いすればいいんですか?」
どうやらザックスさんには何かやりたいことがあるようだ。
「これから町会館を急いで改築するから、その間だけ奇跡で守ってくれないかい?」
「改築ですか?」
「そうだよ。このままじゃゾンビに入られて、またさっきみたいなことになりかねないからね」
「今やるんですか?」
「そうだよ。ホリーちゃんの奇跡で退治すれば、燃やすのと違ってゾンビが寄ってこないんだよね?」
「はい。そうですね」
「そっか。なら、やっぱりやるべきだね」
「え? 何をですか?」
「ゾンビが少ない今のうちに出入口を全部塞いでしまうんだ」
「え? それなら中から塞げば外に出なくていいんじゃないですか?」
「うーん、そうもいかないんだよ。最後の仕上げ加工をするときって、裏側をきっちり固くするのって結構難しいんだ。それに外側のほうが硬い素材を使って建てているからね。だから強い壁を作りやすいんだ」
何を言っているのかいまいちよく分からないが、大工であるザックスさんがそう言うならきっとそうに違いない。
「そうなんですね。でもそうしたら逃げ場が無くなっちゃいませんか?」
「それはそうだね。だけど町の中に入られたってことは、もう逃げ場はないってことだと思うんだよ」
「たしかに……」
「だからゾンビの少ない今のうちに、せめて一階の窓だけでも外から塞いでしまおうと思うんだ。あとはもう神様に祈るしかないね」
「わかりました」
こうして私たちは避難していた他の大工さん、そして作業中の大工さんたちを護衛してくれるという有志の人たちと一緒に町会館の外へと向かう。
「あ゛ー」
私たちが外に出るとすぐに、鹿のゾンビが私たちに向かってにじり寄ってきた。
「ホリーちゃん、任せたよ。窓を塞ぐのには一ヵ所につき大体一分くらいかかるからね」
「はい」
ザックスさんたちは窓枠に手を突くと、すぐさま魔法を発動した。すると徐々に窓枠が変形し、少しずつ窓が建物と同じ石で埋められていく。
「ホリーちゃん、ゾンビはどうしたらいいんだい?」
有志の一人がそう質問してきた。
「火は他のゾンビを引き寄せてしまうので使わないでください。なるべく近づかれないようにして、もし近づかれたら足を狙って動けなくしてください」
「ああ。任せてくれ」
有志の人たちは協力して向かってくるゾンビに向かって突風を吹かせる。
すると動きの鈍いゾンビたちは突然の風にバランスを崩し、その場で派手に転んだ。
「よしっ!」
有志の人たちが小さくガッツポーズをした。
こうやって近寄れないようにしておけばしばらくは大丈夫そうだ。
そうこうしているうちに窓がすっかり塞がった。
「終わったよ。次に行こう」
「はい」
こうして私たちはぐるりと一周し、すべての窓を塞いだ。
「こっちもいいぞー!」
上のほうから声が聞こえ、ふと見上げてみるとなんと二階と三階の間の部分に大きな庇のようなものが設置されていた。
「あれは?」
「あれはネズミ返しといってね。ネズミのゾンビが二階より上へ上がれないようにするんだ。本当は倉庫なんかに設置して生きているネズミなんかから穀物を守るためのものなんだけどね。でも生きてるネズミだって登れないんだから、ゾンビならもっと登れないよ」
「へえ、すごいですね。知りませんでした。あれ? 二階の窓はどうするんですか?」
「二階はそんなに来ないだろうからね。一階と違って内側からでも大丈夫だと思うよ。あとは入口だけだね」
「はい!」
そうして町会館のエントランスのほうへと戻ってきた私たちが見たのは、大きな熊のゾンビとそれに追われて町会館へと走ってくる人の姿だった。
その人はちらりとこちらを見たものの、私たちを無視してそのまま町会館へと駆け込んだ。そして勢いよく扉が閉じられる。
熊のゾンビとの距離を考えるとまだまだ追いつかれるまでに余裕があるように見えるが、追いかけられていて冷静に判断する余裕がなかったのだろう。
それから少しして、追いかけてきた熊のゾンビがそのまま扉に体当たりをした。
ずちゃっという嫌な音と共に腐肉が扉にこびりつき、腐臭が周囲に漂い始める。
「うっ」
気持ち悪さからか、誰かが呻き声を上げた。
すると熊のゾンビはこちらに顔を向け、獲物がいると見るや否や私たちのほうへと向かってきた。
「ひっ」
誰かが悲鳴を上げた。扉に激突して顔の崩れた熊のゾンビはなんというか、すごくホラーだ。
「ホリーちゃん!」
「はい。誰か、あいつを動けなくしてください!」
「あ、ああ」
有志の一人が尖った石を作り出し、熊のゾンビに向けて飛ばした。それは熊のゾンビの肩口あたりに命中し、その部分の腐肉がはじけ飛ぶ。
「や、やった?」
「もっとです! 転ぶまでお願いします! 皆さんも!」
「ああ」
「わかった。あれくらいなら俺たちだって!」
次々に石が放たれ、やがて熊のゾンビはバランスを崩して倒れた。
私はすぐさま駆け寄り、浄化の奇跡を発動させた。金色の光に包まれ、熊のゾンビは瞬く間に灰となって消滅する。
するとザックスさんが感心した様子で声をかけてきた。
「いやぁ、やっぱり奇跡ってすごいね」
「ありがとうございます。でも私、魔法は使えないですから、魔法を使えるザックスさんのほうがすごいと思いますよ」
「ないものねだりってやつかな」
「そうですね」
そうして私たちの間にふっと緩い空気が流れる。
「おいおい。そんなことより早く入ろうぜ。ゾンビどもが……」
有志の一人にそう言われてあたりを見回すと、向こうのほうからゾンビの群れがこちらにやってきているのが目に入った。
「そうでした。中に入りましょう。あ! ちょっと待ってくださいね」
町会館の扉は熊のゾンビの腐肉で汚染されていたため、すぐさま扉を浄化する。
そしてキレイになった扉を有志の人が開けようとしたのだが……。
「お、おい! どうなってんだ! 鍵を開けろ! ふざけるな!」
「え?」
もしかして、締め出された?
そんな!
外で危険な作業をした私たちが締め出されるなんて!
1
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
【完結】竜王に嫁いだら、推しの半竜皇子の継母になりました〜冷酷な夫には興味ありませんが、闇落ち予定の皇子は私が全力で幸せにします!〜
せりもも
恋愛
転生したのは、web小説の世界だった。物語が始まる前の時間、隣国の竜王へ嫁ぐ薄幸の王女、デジレに。
結婚相手である竜王ワッツァは、冷酷非道で人間を蔑む恐ろしい竜人だ。彼はデジレを、半竜(半分竜で半分人間)である息子の養育係としかみていない。けれどその息子バートラフこそ、前世の「わたし」の最オシだった。
この世界のバートラフはまだ5歳。懸命に悪ガキぶっているけど、なんてかわいいの!? 小説のバートラフは、闇落ちして仲間の騎士たちに殺されてしまうけど、そんな未来は、絶対に許さないんだから!
幼いバートラフに対する、愛情いっぱいの子育ての日々が始まる。やがて彼の成竜への通過儀礼を経て、父の竜王は、デジレに対して執着を見せ始める。
ところが、竜と人間の戦争が始まってしまう。おとなになったバートラフは人間側につき、聖女の騎士団に入った。彼は、父の竜王に刃を向けられるのか? そして、転生者デジレに与えられたスキル「プロットを破断する者」を、彼女はどう発動させるのか。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~
ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。
絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。
彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。
営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。
「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」
転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。
だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。
ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。
周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。
「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」
戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。
現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。
「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」
これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる