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第45話 収益化
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2022/10/16 誤字を修正しました
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ベッドで眠りについたと思ったのだが、気が付けば真っ白な場所にいた。上下の感覚もない。
ああ、これはあのときと同じだ。ということは……。
「そうよ。アンタ、思ったよりも頑張ってるじゃない」
声がしたほうを振り向くと、そこにはあの駄女神の姿があった。
「すでに何人かからは祈りが届いているし、いい感じよ。あれだけセックスしたがってたアンタだからてっきり乱れた生活を送っているかと思っていたけど、真面目に生活してるみたいじゃない」
「なっ! それはっ!」
慌てて反論しようとするものの、駄女神は聞く耳を持たずにそのまま話を続ける。
「アタシが記録の女神になるなんてね。予想外だったわ。この調子でもっともっとアタシに祈りを捧げる者を増やすのよ。いいわね?」
そう言ってくる自信満々のドヤ顔が妙に腹立たしい。
「何? アンタが頑張ったから、朱里ちゃんと剛君のことでいい話を持ってきてあげたんだけどな。要らないんだ。ふーん」
「話しってなによ!」
「でもアタシのこと駄女神とか思ってるしなぁ。ちゃんとこの記録の女神アルテナ様に心からの感謝と祈りを捧げなさい? そうすれば教えてあげるわ」
「くっ……」
なんという……いや、ここは朱里と剛のためだ。我慢せねば!
「い、偉大なる記録の女神アルテナ様。朱里と剛に仕送りをする機会をお与えいただき、ありがとうございます。どうか、朱里と剛のことを教えてください」
「……ま、いいわ。アタシは別に悪魔じゃないもの。話しって言うのはね。アンタのGodTubeチャンネル、収益化の基準を突破したわ。あとでアタシがやっておくけど、朱里ちゃんと剛君のどっちに仕送りを渡せばいいのかしら?」
「え? あ! 朱里でお願いします!」
「分かったわ。朱里ちゃんの口座は……ああ、郵便貯金が一つだけね。じゃあそこに振り込むように設定しておくわ。これからが本番よ。動画投稿、しっかり頑張りなさい」
「は、はい!」
すると視界は暗転し、気が付けば俺はホテルのベッドの上で寝転んでいた。
と、次の瞬間、再生ボタンが配置されたあのメッセージウィンドウが目の前に表示されたので、俺はすぐに再生ボタンをタップする。
「そうそう、言い忘れてたけど、アンタに記録の女神アルテナ様が再生の宝珠を授けるわ。アタシに捧げられた祈りの量が増えれば増えるほど、たくさんアンタに与えてあげられるわ。うまく活用しなさい」
駄女神のメッセージが流れるとすぐにウィンドウが消え、ビー玉くらいの大きさの透明な玉が現れた。
「再生の宝珠、ねぇ」
俺はそれを右手の親指と人差し指で摘まみ、じっと観察してみる。
……うん。なんの変哲もないただの玉だ。
どうやって再生ってことは動画を再生できるのだろうか? となるとやはり設定はGodTubeのダッシュボードだろうか?
そう思ってダッシュボードを開いてみると、何やらメニューに再生の宝珠という項目が追加されていたのでそれを開いてみる。
メニューの中はリストになっており、『再生の宝珠をセットしてください』と書かれている。
セット? これをこのウィンドウに入れればいいのか?
恐る恐る透明な玉をメニューにタッチするとするりとウィンドウの中に再生の宝珠が吸い込まれ、『1.動画が設定されていません』と表示された。
試しにそのリストアイテムをタップすると、『動画を選択してください』と表示され、俺が今までに公開した動画と公開準備をしている動画の一覧が表示された。
どうやらここから選べばいいようだ。
俺は試しにラ・トリエールで働いた様子を紹介する動画を選択した。すると元のリスト画面に戻り、『パン屋で働いてみた』と動画のタイトルなどが表示されている。
俺はその一番右端にある取り出しマークのボタンをタップした。するとウィンドウの目の前に玉が浮かび上がり、サムネ画像が玉の中に映し出されている。
それをベッドの上に置き、触ろうとするとウィンドウが浮かび上がってきた。再生ボタンと音量ボタン、シークバーと設定マークが表示されているので、試しに再生ボタンをタップする。
するとA4くらいの大きさの画面が開き、俺の動画が流れ始める。
おお! これはすごい。
それから色々といじり倒してみたが、どうやらリピート再生ができるほか、再生画面の大きさもかなり自在に操れるうえ、俺以外が勝手に再生したり停止したりできるように設定することもできるようだ。
なるほど。これは便利だ。
……あれ? これ、もしかしてデジタルサイネージの代わりになるのでは?
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ベッドで眠りについたと思ったのだが、気が付けば真っ白な場所にいた。上下の感覚もない。
ああ、これはあのときと同じだ。ということは……。
「そうよ。アンタ、思ったよりも頑張ってるじゃない」
声がしたほうを振り向くと、そこにはあの駄女神の姿があった。
「すでに何人かからは祈りが届いているし、いい感じよ。あれだけセックスしたがってたアンタだからてっきり乱れた生活を送っているかと思っていたけど、真面目に生活してるみたいじゃない」
「なっ! それはっ!」
慌てて反論しようとするものの、駄女神は聞く耳を持たずにそのまま話を続ける。
「アタシが記録の女神になるなんてね。予想外だったわ。この調子でもっともっとアタシに祈りを捧げる者を増やすのよ。いいわね?」
そう言ってくる自信満々のドヤ顔が妙に腹立たしい。
「何? アンタが頑張ったから、朱里ちゃんと剛君のことでいい話を持ってきてあげたんだけどな。要らないんだ。ふーん」
「話しってなによ!」
「でもアタシのこと駄女神とか思ってるしなぁ。ちゃんとこの記録の女神アルテナ様に心からの感謝と祈りを捧げなさい? そうすれば教えてあげるわ」
「くっ……」
なんという……いや、ここは朱里と剛のためだ。我慢せねば!
「い、偉大なる記録の女神アルテナ様。朱里と剛に仕送りをする機会をお与えいただき、ありがとうございます。どうか、朱里と剛のことを教えてください」
「……ま、いいわ。アタシは別に悪魔じゃないもの。話しって言うのはね。アンタのGodTubeチャンネル、収益化の基準を突破したわ。あとでアタシがやっておくけど、朱里ちゃんと剛君のどっちに仕送りを渡せばいいのかしら?」
「え? あ! 朱里でお願いします!」
「分かったわ。朱里ちゃんの口座は……ああ、郵便貯金が一つだけね。じゃあそこに振り込むように設定しておくわ。これからが本番よ。動画投稿、しっかり頑張りなさい」
「は、はい!」
すると視界は暗転し、気が付けば俺はホテルのベッドの上で寝転んでいた。
と、次の瞬間、再生ボタンが配置されたあのメッセージウィンドウが目の前に表示されたので、俺はすぐに再生ボタンをタップする。
「そうそう、言い忘れてたけど、アンタに記録の女神アルテナ様が再生の宝珠を授けるわ。アタシに捧げられた祈りの量が増えれば増えるほど、たくさんアンタに与えてあげられるわ。うまく活用しなさい」
駄女神のメッセージが流れるとすぐにウィンドウが消え、ビー玉くらいの大きさの透明な玉が現れた。
「再生の宝珠、ねぇ」
俺はそれを右手の親指と人差し指で摘まみ、じっと観察してみる。
……うん。なんの変哲もないただの玉だ。
どうやって再生ってことは動画を再生できるのだろうか? となるとやはり設定はGodTubeのダッシュボードだろうか?
そう思ってダッシュボードを開いてみると、何やらメニューに再生の宝珠という項目が追加されていたのでそれを開いてみる。
メニューの中はリストになっており、『再生の宝珠をセットしてください』と書かれている。
セット? これをこのウィンドウに入れればいいのか?
恐る恐る透明な玉をメニューにタッチするとするりとウィンドウの中に再生の宝珠が吸い込まれ、『1.動画が設定されていません』と表示された。
試しにそのリストアイテムをタップすると、『動画を選択してください』と表示され、俺が今までに公開した動画と公開準備をしている動画の一覧が表示された。
どうやらここから選べばいいようだ。
俺は試しにラ・トリエールで働いた様子を紹介する動画を選択した。すると元のリスト画面に戻り、『パン屋で働いてみた』と動画のタイトルなどが表示されている。
俺はその一番右端にある取り出しマークのボタンをタップした。するとウィンドウの目の前に玉が浮かび上がり、サムネ画像が玉の中に映し出されている。
それをベッドの上に置き、触ろうとするとウィンドウが浮かび上がってきた。再生ボタンと音量ボタン、シークバーと設定マークが表示されているので、試しに再生ボタンをタップする。
するとA4くらいの大きさの画面が開き、俺の動画が流れ始める。
おお! これはすごい。
それから色々といじり倒してみたが、どうやらリピート再生ができるほか、再生画面の大きさもかなり自在に操れるうえ、俺以外が勝手に再生したり停止したりできるように設定することもできるようだ。
なるほど。これは便利だ。
……あれ? これ、もしかしてデジタルサイネージの代わりになるのでは?
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