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第66話 冒険者への復帰
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「ここが私の住んでいるラッサという村なんです。あ! レクス様! あそこ! 池のほとりに建っているのが教会で、夕日が差し込むと綺麗なんですよ!」
少女に案内され、彼女が住んでいるという村にやってきた。ここはベルトーニ子爵領の北にある小さな村だ。同じベルトーニ子爵領の北部ではあるが、俺の育ったボアゾ村とは道がつながっていないこともあってあまり近くはない。
「それでですね! あそこには春になると花がたくさん咲くんですよ!」
「そうですか」
彼女の名前はリンダさんと言うらしいのだが、先ほどからやたらと早口でラッサ村のいいところをこれでもかと説明してくる。自分の育った村の自慢をしたい気持ちも分からなくはないが、ボアゾ村も同じようなものなので、これといった感動はない。
「あの」
「はい! なんですか? レクス様」
「冒険者ギルドはありますか?」
「え? 冒険者ギルドですか? ええと……」
なるほど。言いよどむということは、この村には出張所もないようだ。
「ああ、大丈夫です。ということは、近くの町だと領都のオピスタレトですか?」
「えっ? あ……はい……」
リンダさんはなぜか残念そうに答えた。
この反応は一体なんだ?
◆◇◆
俺は村長さんのところに行き、森で狩ったワイルドボア一頭分の毛皮と引き換えに今日の寝床と食事、さらに三日分の干し肉を分けてもらった。
その晩はボアゾ村で食べていたような質素な夕食をいただき、眠りについた。
ベッドは村長さんの家だったこともあって幾分柔らかかったが、それでもなんとなく生まれ育った孤児院を思い出して懐かしい気分になった。
そして翌朝、俺は村長さんにお礼を言い、村を出ようとしたところでなぜかリンダさんが駆け寄ってきた。
「あ、あのっ!」
走ってきたからかリンダさんは息を切らし、顔を真っ赤にしている。
「ああ、リンダさん。おはようございます」
「おはようございます……じゃなくって!」
「え?」
どういうことだろう?
「あの……えっと……」
何か言いづらそうにもじもじしている。
「はい。なんでしょう?」
「その……行かないでください!」
「ほえっ?」
いきなりこの人はどうしたんだろう? なんで昨日会ったばかりの人にそんなことを言われなければいけないのか?
そんな感情がつい乗ってしまったのか、変な声が出てしまった。だがリンダさんは気に留めた様子もなく、顔を真っ赤にしたまま言葉を続ける。
「あの! 私! レクス様に昨日助けていただいて! それでっ! レクス様が本当に格好良くて! だから! だから! 行かないでください! レクス様が好きなんです!」
「はっ?」
完全に予想外の告白に、俺はまたもや変なところから声が出てしまった。
「お願いします!」
リンダさんはそう言って必死に縋ってくる。
「……すみません。好きになってくれたことは嬉しいんですが、俺には心に決めた人がいます。だから、リンダさんの気持ちには応えられません」
「そんな……」
リンダさんはこの世の終わりでも来たかのような表情をしている。可哀想ではあるが、変に情けを掛けるのはかえって残酷だろう。
「すみません。俺は行かなきゃいけないので。どうかお元気で」
俺はそっとリンダさんを引き離し、背を向けて歩きだす。そのまま振り返らなかったので、リンダさんがその後どうしたのかを俺は知らない。
◆◇◆
ベルトーニ子爵領領都オピスタレトに到着すると、俺はすぐさま冒険者ギルドベルトーニ子爵領本部にやってきた。
ちょうど昼間ということもあり、受付に並んでいる人はいない。開いている受付は二つで、一つは空いていたのでそちらに行って受付嬢に話しかける。
「すみません」
「いらっしゃいませ。冒険者ギルドへようこそ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「滞在登録と情報照会をお願いします。俺はDランク冒険者のレクスです」
俺はそう言って自分の冒険者カードを提示した。
「ご提示ありがとうございます。ええと、黒狼の顎所属でらっしゃいますね」
「はい」
「クランの他の方もいらっしゃるご予定ですか?」
「いえ、そのクランのメンバーについての情報照会をしたいのです」
「どういったご事情でしょう?」
「実は――」
俺はスピネーゼでの全滅について説明した。もちろんその後マッツィアーノ公爵領に連れていかれ、ティティのペットをやっていたなんてことは口が裂けても言えないが。
「それはそれは、災難でございましたね。ご確認いたしますので少々お待ちください」
受付嬢はそのまま奥に向かい、十分ほどで戻ってきた。
「大変お待たせしました。当ギルドにはお探しの情報は入ってきておりません。滞在登録の開示については、通常規定どおりでよろしいでしょうか?」
「はい」
規定どおりというのは、ギルド関係者と所属クランのメンバーにのみ無料開示されるという意味だ。裏を返せば、お金を払えば誰でも照会できるという意味でもある。
開示されないための秘匿申請という制度も存在するが、それにはお金を支払う必要がある。だが照会してきた者がより高いお金を支払うことで開示されてしまうため、あまり意味がない制度だったりもする。
「かしこまりました。また、依頼の失敗手続きに関しましては、規定により当ギルドでは受け付けることはできません」
この規定というのは、依頼の失敗手続きはその依頼を受けた領のギルドでしか受け付けられず、しかもクランとして受けた依頼の場合はリーダーかサブリーダーが手続きをする必要があるというものだ。
ただ、依頼には通常期日が設定されている。俺たちが受けた依頼であれば、一年間というのがその期日にあたる。一応まだ失敗という扱いにはなっていないだろうが……。
「はい。大丈夫です。それと、素材の買い取りをお願いします」
「かしこまりました。隣のカウンターに売却を希望される素材をお願いします」
「はい」
俺は魔の森から運んできた毛皮を置いた。
「確認させていただきます」
受付嬢は慣れた手つきで毛皮の状態を確認していく。
「……レクス様、大変申し訳ございませんが、すべてDとなります。理由はお分かりですね?」
「はい。ちょっと場所が場所でしたので」
「もっと新鮮なうちに持ち込んでいただければおそらくすべてAで買い取りができたのですが……」
「分かっています」
「そうですか。かしこまりました。ご用件は以上でしょうか?」
「はい」
「宿についてはお決まりですか?」
「いえ」
「それでしたら、当ギルドで格安の宿泊所をご提供できますが、いかがなさいますか?」
「すぐに発つ予定なんですけど、それでも大丈夫ですか?」
「左様ですか。では、当ギルドで依頼をお受けいただく予定はございますか?」
「いえ」
「申し訳ございません。それですと割引できませんので、町の他の宿泊施設よりも割高となってしまいます」
「わかりました。どこかいい宿泊所はご存じですか?」
「予算はいかほどでしょう?」
「現金はその毛皮の代金だけしかありません」
「それでしたら――」
こうして俺は受付嬢に宿を紹介してもらった。
「本日はお立ち寄りいただきありがとうございました。いってらっしゃいませ」
こうして俺は小銭を受け取り、冒険者ギルドを後にしたのだった。
================
次回更新は通常どおり、2024/01/21 (日) 18:00 を予定しております。
少女に案内され、彼女が住んでいるという村にやってきた。ここはベルトーニ子爵領の北にある小さな村だ。同じベルトーニ子爵領の北部ではあるが、俺の育ったボアゾ村とは道がつながっていないこともあってあまり近くはない。
「それでですね! あそこには春になると花がたくさん咲くんですよ!」
「そうですか」
彼女の名前はリンダさんと言うらしいのだが、先ほどからやたらと早口でラッサ村のいいところをこれでもかと説明してくる。自分の育った村の自慢をしたい気持ちも分からなくはないが、ボアゾ村も同じようなものなので、これといった感動はない。
「あの」
「はい! なんですか? レクス様」
「冒険者ギルドはありますか?」
「え? 冒険者ギルドですか? ええと……」
なるほど。言いよどむということは、この村には出張所もないようだ。
「ああ、大丈夫です。ということは、近くの町だと領都のオピスタレトですか?」
「えっ? あ……はい……」
リンダさんはなぜか残念そうに答えた。
この反応は一体なんだ?
◆◇◆
俺は村長さんのところに行き、森で狩ったワイルドボア一頭分の毛皮と引き換えに今日の寝床と食事、さらに三日分の干し肉を分けてもらった。
その晩はボアゾ村で食べていたような質素な夕食をいただき、眠りについた。
ベッドは村長さんの家だったこともあって幾分柔らかかったが、それでもなんとなく生まれ育った孤児院を思い出して懐かしい気分になった。
そして翌朝、俺は村長さんにお礼を言い、村を出ようとしたところでなぜかリンダさんが駆け寄ってきた。
「あ、あのっ!」
走ってきたからかリンダさんは息を切らし、顔を真っ赤にしている。
「ああ、リンダさん。おはようございます」
「おはようございます……じゃなくって!」
「え?」
どういうことだろう?
「あの……えっと……」
何か言いづらそうにもじもじしている。
「はい。なんでしょう?」
「その……行かないでください!」
「ほえっ?」
いきなりこの人はどうしたんだろう? なんで昨日会ったばかりの人にそんなことを言われなければいけないのか?
そんな感情がつい乗ってしまったのか、変な声が出てしまった。だがリンダさんは気に留めた様子もなく、顔を真っ赤にしたまま言葉を続ける。
「あの! 私! レクス様に昨日助けていただいて! それでっ! レクス様が本当に格好良くて! だから! だから! 行かないでください! レクス様が好きなんです!」
「はっ?」
完全に予想外の告白に、俺はまたもや変なところから声が出てしまった。
「お願いします!」
リンダさんはそう言って必死に縋ってくる。
「……すみません。好きになってくれたことは嬉しいんですが、俺には心に決めた人がいます。だから、リンダさんの気持ちには応えられません」
「そんな……」
リンダさんはこの世の終わりでも来たかのような表情をしている。可哀想ではあるが、変に情けを掛けるのはかえって残酷だろう。
「すみません。俺は行かなきゃいけないので。どうかお元気で」
俺はそっとリンダさんを引き離し、背を向けて歩きだす。そのまま振り返らなかったので、リンダさんがその後どうしたのかを俺は知らない。
◆◇◆
ベルトーニ子爵領領都オピスタレトに到着すると、俺はすぐさま冒険者ギルドベルトーニ子爵領本部にやってきた。
ちょうど昼間ということもあり、受付に並んでいる人はいない。開いている受付は二つで、一つは空いていたのでそちらに行って受付嬢に話しかける。
「すみません」
「いらっしゃいませ。冒険者ギルドへようこそ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「滞在登録と情報照会をお願いします。俺はDランク冒険者のレクスです」
俺はそう言って自分の冒険者カードを提示した。
「ご提示ありがとうございます。ええと、黒狼の顎所属でらっしゃいますね」
「はい」
「クランの他の方もいらっしゃるご予定ですか?」
「いえ、そのクランのメンバーについての情報照会をしたいのです」
「どういったご事情でしょう?」
「実は――」
俺はスピネーゼでの全滅について説明した。もちろんその後マッツィアーノ公爵領に連れていかれ、ティティのペットをやっていたなんてことは口が裂けても言えないが。
「それはそれは、災難でございましたね。ご確認いたしますので少々お待ちください」
受付嬢はそのまま奥に向かい、十分ほどで戻ってきた。
「大変お待たせしました。当ギルドにはお探しの情報は入ってきておりません。滞在登録の開示については、通常規定どおりでよろしいでしょうか?」
「はい」
規定どおりというのは、ギルド関係者と所属クランのメンバーにのみ無料開示されるという意味だ。裏を返せば、お金を払えば誰でも照会できるという意味でもある。
開示されないための秘匿申請という制度も存在するが、それにはお金を支払う必要がある。だが照会してきた者がより高いお金を支払うことで開示されてしまうため、あまり意味がない制度だったりもする。
「かしこまりました。また、依頼の失敗手続きに関しましては、規定により当ギルドでは受け付けることはできません」
この規定というのは、依頼の失敗手続きはその依頼を受けた領のギルドでしか受け付けられず、しかもクランとして受けた依頼の場合はリーダーかサブリーダーが手続きをする必要があるというものだ。
ただ、依頼には通常期日が設定されている。俺たちが受けた依頼であれば、一年間というのがその期日にあたる。一応まだ失敗という扱いにはなっていないだろうが……。
「はい。大丈夫です。それと、素材の買い取りをお願いします」
「かしこまりました。隣のカウンターに売却を希望される素材をお願いします」
「はい」
俺は魔の森から運んできた毛皮を置いた。
「確認させていただきます」
受付嬢は慣れた手つきで毛皮の状態を確認していく。
「……レクス様、大変申し訳ございませんが、すべてDとなります。理由はお分かりですね?」
「はい。ちょっと場所が場所でしたので」
「もっと新鮮なうちに持ち込んでいただければおそらくすべてAで買い取りができたのですが……」
「分かっています」
「そうですか。かしこまりました。ご用件は以上でしょうか?」
「はい」
「宿についてはお決まりですか?」
「いえ」
「それでしたら、当ギルドで格安の宿泊所をご提供できますが、いかがなさいますか?」
「すぐに発つ予定なんですけど、それでも大丈夫ですか?」
「左様ですか。では、当ギルドで依頼をお受けいただく予定はございますか?」
「いえ」
「申し訳ございません。それですと割引できませんので、町の他の宿泊施設よりも割高となってしまいます」
「わかりました。どこかいい宿泊所はご存じですか?」
「予算はいかほどでしょう?」
「現金はその毛皮の代金だけしかありません」
「それでしたら――」
こうして俺は受付嬢に宿を紹介してもらった。
「本日はお立ち寄りいただきありがとうございました。いってらっしゃいませ」
こうして俺は小銭を受け取り、冒険者ギルドを後にしたのだった。
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