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第四章
第四章第19話 論文が投稿されたそうです
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2023/04/03 ご指摘いただいた誤字を修正しました。ありがとうございました。
2023/04/24 ご指摘いただいた誤字を修正しました。ありがとうございました。
================
オリエンテーションが終わったので、あたしは早速職員室へとやってきました。
「失礼します」
扉を開けて中に入ると、すぐ近くにゲラシム先生がいました。
「む? ローザ君か。従魔科の授業の相談かね?」
「はい」
「ふむ。だがラレス先生は授業から戻ってきていないな」
「そうですか……」
「だがそのうち戻ってくる。ラレス先生には私から伝えておこう」
「ありがとうございます」
「ところで、ツェツィーリエ先生には会ったかね?」
「え? ツェツィーリエ先生ですか? いいえ、会っていないです」
「そうか。ローザ君に用があるそうで、戻ってきた私の姿を見るなりローザ君たちの教室に向かったのだが……」
「そうですか。分かりました。あたし、教室に戻ってみます」
「うむ。そうしたまえ」
あたしはこうして慌てて教室に戻ったのですが、大急ぎで戻ってきた教室にはもう誰もいませんでした。
えっと……どうしましょう?
もしかして職員室に戻っちゃったんでしょうか?
仕方がないのであたしはもう一度職員室に戻りましたが、やっぱりツェツィーリエ先生は戻ってきていないみたいです。
えっと、えっと……はい。仕方ないですね。
今日は料理研究会もないので寮に帰ってユキたちにちょっと早めの魔力のご飯をあげましょう。
こうしてあたしは寮に戻ってきたのですが、なんと寮に入るなり寮母のアリアドナさんに声を掛けられました。
「ローザさん」
「あ! アリアドナさん、こんにちは」
「ええ、こんにちは。先ほどツェツィーリエ先生がいらして、ローザさんを探していましたよ」
「えっ? 寮にまで来たんですか!? あたしも探していたのに……」
「あらあら、そうなの。大変でしたね。きっと職員室に行けば会えますよ」
「はい……」
こうしてあたしは今日三度目の職員室へと向かったのでした。
それにしても、ツェツィーリエ先生がこんな風にあたしを探すなんて初めてですよね。もしかして何かあったんでしょうか?
◆◇◆
それから職員室でツェツィーリエ先生にようやく会えたのですが、ここでは話せないと言われてそのままツェツィーリエ先生の個室へと連れてこられました。
「あの、なんでしょうか?」
「今朝、わたしのところに論文が届きました」
「え? 論文? ですか?」
「ええ、そうよ。この内容に覚えはないかしら?」
ツェツィーリエ先生は一束の紙を差し出してきました。えっと、タイトルは……。
「『瀉血の害について: クルージュ終末病院における事例研究』?」
「そうです。この論文にある魔術による治療というのはローザちゃん、貴女の魔法による治療ではないかしら?」
「え? あ! ……えっと、はい。そうだと思います」
「それじゃあ、事情を聞かせてくれるかしら? それでどうしてローザさんが終末病院で治療するなんて話になったの?」
「えっと、はい。実は――」
あたしは事の顛末を説明しました。
「そう。それでマレスティカ公爵領で瀉血が全面禁止されたのね」
「はい」
「それじゃあ、ここに書かれていることは本当のことなのね?」
「はい。たしか、あたしが治療した患者さんの三割が退院できたそうなんですけど、瀉血した人はほとんど死んでしまったらしくって……」
「そう……これはまずいわ」
ツェツィーリエ先生は難しい表情になりました。
「えっ!? だ、ダメだったんですか?」
するとツェツィーリエ先生は困ったような表情で首を横に振りました。
「違うのよ。わたし、この論文の査読を依頼されているの。だから間違いを指摘しなければいけないのだけれど……ローザちゃんが魔法を使えるということはまだ広く公表しているわけではないでしょう?」
「は、はい」
「それにこの論文のように今までの常識を根底からひっくり返すような内容の場合、こちらで検証する場合もあります。でも、わたしの魔術ではこういった結果を出すことはできないのです。その場合、この論文の内容を再現できないとしてリジェクトしなくてはならなくなってしまうのです」
「あ!」
それは……困ります。
「でもそのためにはローザさんの協力が必要ですが、まだ養女の件は公表していないのですよね?」
「はい」
それを聞き、ツェツィーリエ先生は小さくため息をつきました。
「マルセル様がこんな手抜かりをすることはないでしょうから、この論文は著者のノヴァックという医師が独断で投稿したのでしょうね」
えっと、たしかノヴァックさんて手のひら返しがすごかった院長先生ですよね?
ツェツィーリエ先生が今度は大きなため息をつくと、見せてくれていた論文を机の中にしまいました。
「分かりました。この件はマレスティカ公爵閣下と相談しますが、内容が内容だけに早い段階でアクセプトしたいと考えています。それまでは今までどおりに過ごしていてください」
「はい」
こうしてあたしはツェツィーリエ先生の部屋を出て、寮へと向かうのでした。
◆◇◆
ここはとあるマルダキア魔法王国内にある寒村の教会。その中でアレックが涙ながらに神父に謝罪を繰り返していた。
そんなアレックの謝罪を神父は穏やかな表情のまま耳を傾けていたが、やがて諭すような口調で優しく聞き返す。
「謝るばかりではわかりませんよ。一体何があったというのですか?」
「申し訳ありません、申し訳ありません」
「ですから……」
神父は小さくため息をつくと、優しく語り掛ける。
「アレック、私はあなたがどれほどの決意を持って魔法学園に向かったのかを良く知っているつもりです。一体誰に何をされたのですか?」
「う……それが……」
「それが?」
「その……」
神父は優しい表情のまま、辛抱強くアレックの言葉を待つ。
「……ロ、ローザというクラス……メイトが……」
アレックは何かを思い出したのか、ガタガタと震え始めた。
「ローザ? ……たしか光属性を持ち、マレスティカ公爵家が庇護しているというオーデルラーヴァ出身の聖女ですね? たしか従魔を持ってしまっているとか」
「ひっ」
顔面蒼白となったアレックの様子に、神父は怪訝そうな表情を浮かべた。
「アレック、その反応はもしや、あなたのスキルが反応したということですか?」
「は、はいぃ……」
「そうでしたか……」
神父は顎に手を当て、じっと考え込む。
「わかりました。いかに聖女とはいえ、従魔なんぞを持ってしまったせいで穢れてしまったのかもしれません。この件は私のほうから聖都ルクシアに連絡しておきましょう。あなたも一度ルクシアの大聖堂へ行き、身を清めてきたほうが良さそうです」
「は、はい……」
「私が大聖堂にあなたを清める儀式を執り行うように依頼を出しておきますよ」
「あ、ありがとうございます」
「ええ。アレック、大変だったでしょう。さあ、今日は家に戻り、ゆっくり休みなさい」
「はい」
アレックはなんとか立ち上がると、肩を丸めたまま教会を出ていった。アレックが教会から出ていき、扉が閉じられたことを確認した神父はすぐに自室へ戻ると執務机の前に座り、ペンを走らせる。
「聖女であるにもかかわらず【危機察知】が反応するとは……。貴重な聖女、やはり早くなんとかしてやらねば……」
神父は真剣な表情でそう呟いたのだった。
2023/04/24 ご指摘いただいた誤字を修正しました。ありがとうございました。
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オリエンテーションが終わったので、あたしは早速職員室へとやってきました。
「失礼します」
扉を開けて中に入ると、すぐ近くにゲラシム先生がいました。
「む? ローザ君か。従魔科の授業の相談かね?」
「はい」
「ふむ。だがラレス先生は授業から戻ってきていないな」
「そうですか……」
「だがそのうち戻ってくる。ラレス先生には私から伝えておこう」
「ありがとうございます」
「ところで、ツェツィーリエ先生には会ったかね?」
「え? ツェツィーリエ先生ですか? いいえ、会っていないです」
「そうか。ローザ君に用があるそうで、戻ってきた私の姿を見るなりローザ君たちの教室に向かったのだが……」
「そうですか。分かりました。あたし、教室に戻ってみます」
「うむ。そうしたまえ」
あたしはこうして慌てて教室に戻ったのですが、大急ぎで戻ってきた教室にはもう誰もいませんでした。
えっと……どうしましょう?
もしかして職員室に戻っちゃったんでしょうか?
仕方がないのであたしはもう一度職員室に戻りましたが、やっぱりツェツィーリエ先生は戻ってきていないみたいです。
えっと、えっと……はい。仕方ないですね。
今日は料理研究会もないので寮に帰ってユキたちにちょっと早めの魔力のご飯をあげましょう。
こうしてあたしは寮に戻ってきたのですが、なんと寮に入るなり寮母のアリアドナさんに声を掛けられました。
「ローザさん」
「あ! アリアドナさん、こんにちは」
「ええ、こんにちは。先ほどツェツィーリエ先生がいらして、ローザさんを探していましたよ」
「えっ? 寮にまで来たんですか!? あたしも探していたのに……」
「あらあら、そうなの。大変でしたね。きっと職員室に行けば会えますよ」
「はい……」
こうしてあたしは今日三度目の職員室へと向かったのでした。
それにしても、ツェツィーリエ先生がこんな風にあたしを探すなんて初めてですよね。もしかして何かあったんでしょうか?
◆◇◆
それから職員室でツェツィーリエ先生にようやく会えたのですが、ここでは話せないと言われてそのままツェツィーリエ先生の個室へと連れてこられました。
「あの、なんでしょうか?」
「今朝、わたしのところに論文が届きました」
「え? 論文? ですか?」
「ええ、そうよ。この内容に覚えはないかしら?」
ツェツィーリエ先生は一束の紙を差し出してきました。えっと、タイトルは……。
「『瀉血の害について: クルージュ終末病院における事例研究』?」
「そうです。この論文にある魔術による治療というのはローザちゃん、貴女の魔法による治療ではないかしら?」
「え? あ! ……えっと、はい。そうだと思います」
「それじゃあ、事情を聞かせてくれるかしら? それでどうしてローザさんが終末病院で治療するなんて話になったの?」
「えっと、はい。実は――」
あたしは事の顛末を説明しました。
「そう。それでマレスティカ公爵領で瀉血が全面禁止されたのね」
「はい」
「それじゃあ、ここに書かれていることは本当のことなのね?」
「はい。たしか、あたしが治療した患者さんの三割が退院できたそうなんですけど、瀉血した人はほとんど死んでしまったらしくって……」
「そう……これはまずいわ」
ツェツィーリエ先生は難しい表情になりました。
「えっ!? だ、ダメだったんですか?」
するとツェツィーリエ先生は困ったような表情で首を横に振りました。
「違うのよ。わたし、この論文の査読を依頼されているの。だから間違いを指摘しなければいけないのだけれど……ローザちゃんが魔法を使えるということはまだ広く公表しているわけではないでしょう?」
「は、はい」
「それにこの論文のように今までの常識を根底からひっくり返すような内容の場合、こちらで検証する場合もあります。でも、わたしの魔術ではこういった結果を出すことはできないのです。その場合、この論文の内容を再現できないとしてリジェクトしなくてはならなくなってしまうのです」
「あ!」
それは……困ります。
「でもそのためにはローザさんの協力が必要ですが、まだ養女の件は公表していないのですよね?」
「はい」
それを聞き、ツェツィーリエ先生は小さくため息をつきました。
「マルセル様がこんな手抜かりをすることはないでしょうから、この論文は著者のノヴァックという医師が独断で投稿したのでしょうね」
えっと、たしかノヴァックさんて手のひら返しがすごかった院長先生ですよね?
ツェツィーリエ先生が今度は大きなため息をつくと、見せてくれていた論文を机の中にしまいました。
「分かりました。この件はマレスティカ公爵閣下と相談しますが、内容が内容だけに早い段階でアクセプトしたいと考えています。それまでは今までどおりに過ごしていてください」
「はい」
こうしてあたしはツェツィーリエ先生の部屋を出て、寮へと向かうのでした。
◆◇◆
ここはとあるマルダキア魔法王国内にある寒村の教会。その中でアレックが涙ながらに神父に謝罪を繰り返していた。
そんなアレックの謝罪を神父は穏やかな表情のまま耳を傾けていたが、やがて諭すような口調で優しく聞き返す。
「謝るばかりではわかりませんよ。一体何があったというのですか?」
「申し訳ありません、申し訳ありません」
「ですから……」
神父は小さくため息をつくと、優しく語り掛ける。
「アレック、私はあなたがどれほどの決意を持って魔法学園に向かったのかを良く知っているつもりです。一体誰に何をされたのですか?」
「う……それが……」
「それが?」
「その……」
神父は優しい表情のまま、辛抱強くアレックの言葉を待つ。
「……ロ、ローザというクラス……メイトが……」
アレックは何かを思い出したのか、ガタガタと震え始めた。
「ローザ? ……たしか光属性を持ち、マレスティカ公爵家が庇護しているというオーデルラーヴァ出身の聖女ですね? たしか従魔を持ってしまっているとか」
「ひっ」
顔面蒼白となったアレックの様子に、神父は怪訝そうな表情を浮かべた。
「アレック、その反応はもしや、あなたのスキルが反応したということですか?」
「は、はいぃ……」
「そうでしたか……」
神父は顎に手を当て、じっと考え込む。
「わかりました。いかに聖女とはいえ、従魔なんぞを持ってしまったせいで穢れてしまったのかもしれません。この件は私のほうから聖都ルクシアに連絡しておきましょう。あなたも一度ルクシアの大聖堂へ行き、身を清めてきたほうが良さそうです」
「は、はい……」
「私が大聖堂にあなたを清める儀式を執り行うように依頼を出しておきますよ」
「あ、ありがとうございます」
「ええ。アレック、大変だったでしょう。さあ、今日は家に戻り、ゆっくり休みなさい」
「はい」
アレックはなんとか立ち上がると、肩を丸めたまま教会を出ていった。アレックが教会から出ていき、扉が閉じられたことを確認した神父はすぐに自室へ戻ると執務机の前に座り、ペンを走らせる。
「聖女であるにもかかわらず【危機察知】が反応するとは……。貴重な聖女、やはり早くなんとかしてやらねば……」
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