62 / 268
第二章
第62話 お料理をしました
しおりを挟む
あれからリリアちゃんと合流したあたしは料理研究会の調理室にやってきました。眠っているホーちゃんはお留守番ですが、ユキとピーちゃんは一緒です。
「こんにちはー」
リリアちゃんが勢いよく扉を開けると声を掛けました。
「あら、いらっしゃい。見学かしら?」
「はい。普通科一年のリリアです」
「えっと、ローザです」
「そう。よろしくね。私はフロレンティーナ・ニクラエ。普通科の三年で、この料理研究会の会長よ」
「よろしくお願いいたします!」
「よろしくお願いします。えっと、その……」
リリアちゃんは元気よく挨拶したのでそれに続きますが、何となくあたしは偉い人に苦手意識があるんですよね。
「よろしくね。それから、私は子爵家の娘だけど気にしなくていいわよ。そんなに誇るような家柄でもないもの」
「あ、はい」
もしかしたらこういう風な態度を取られ慣れているのかもしれません。
「あら? ローザちゃんは普通科なのに従魔を連れているのね。しかも二匹もだなんて。特にそっちの子の毛並みはすごいわ。これほどの手入れができるなんて……」
「あ。えっと、この子はユキで、この子はピーちゃんです。あと、ホーちゃんもいるんですけど今は眠ってて……」
「そうなの。ユキちゃんにピーちゃん、よろしくね」
「ミャー」
「ピー」
「あら。まるで言葉が分かっているみたい。すごいわね」
先輩はニッコリと笑うとユキを軽く撫でてくれました。
「ただ従魔の子は調理室には入れられないからそっちの控室にいてもらえる?」
「あ、はい……」
「ごめんね。でも、料理をしているときにそこの可愛い猫ちゃんの毛が飛んできて入ったりしたらまずいでしょう?」
そうなんですね。サバイバルのときは気にしたことありませんでした。
「わかりました。あ、でもピーちゃんは料理の時に出た食材の残りを食べてくれます」
「ああ、そうね。じゃあ、ピーちゃんだったかしら? その子には後でお片づけを手伝って貰いましょうね」
「はいっ!」
良かったです。連れて帰れって言われたらどうしようと思っていましたけど、二人ともここにいて良いみたいです。
「はい。それじゃあ二人とも早く中に入って。今日はクッキーを焼くわよ」
「はい」
こうしてあたし達のはじめてのクラブ活動が始まったのでした。
◆◇◆
それからしばらく待って新しい人が来なくなったのでクッキーなるものを作ることになりました。あたしはクッキーという食べ物を食べたことがないのでよく分からないのですが、一体どんな食べ物なんでしょうね?
あたしは借りたエプロンと三角巾をつけて早速調理台の前に立ちました。今日は先輩がマンツーマンでついて指導してくれるそうで、あたしの指導担当は副会長のザビーネ先輩です。赤い髪が特徴的な従魔科の三年生の女性で、平民の出身だそうです。
「そんじゃあ、ローザ。よろしくな」
「はい。よろしくお願いいたします」
さて、いざ調理しようと思うのですが、一体何をすればよいのでしょうか?
あたしの目の前には小麦粉、卵、バター、お砂糖と目も眩むような高級食材が並んでいます。
「ん? ローザ、どうした?」
「あ、えっと。ものすごく高級食材ばかりが並んでいて、その、一体何をどうすればいいか分からなくって……」
「はぁ? ああ、そうか。悪かったな。そういやあたいも料理研究会に入るまではほとんど砂糖なんて食べられなかったもんな。よし、じゃあ、クッキーを焼くのもはじめてか?」
「はい。食べるのもはじめてです」
「そっか。じゃあ、よく見て覚えな。クッキーに限らず、お菓子作りはしっかり量を測って手順通りにやるのが大事だからな」
そう言うとザビーネ先輩は鮮やかな手つきで混ぜていきますが、手際が良すぎてさっぱりわかりません。
そしてそのまま無言で混ぜ終わるとあたしの方を自慢気な表情で見てきました。
「どうだ? こうやるんだぞ?」
「え、えっと。その、すごい鮮やかな手つきで、その、すごいなって思いました」
「ん? そうだろうそうだろう。あたいももうクッキー作りは長いからな。このくらいお手の物だよ。じゃあローザ。真似してやってみな」
「え? えっと……」
「ん? さっき見せた通りにやるだけだぞ?」
「えっと、その、すごすぎて何だか分からなくって……」
「ん? あっ! わりぃ。またやっちまった。いつもあたいはこうなんだよな」
それからあたしはザビーネ先輩に一緒にやってもらって何とか生地なるものを作ることができました。あとはこれを形に整形してオーブンで焼くのだそうです。
「おう。好きな形にしていいからな。最初は色々とやると楽しいもんだ」
「好きな形、ですか……」
難しいです。あたしが好きなものと言えば、そうですね。ユキとピーちゃんとホーちゃんでしょうか? リリアちゃんも好きですけど、ちょっと人の形は難しそうですし、ユキ達の形にしてみましょう。
◆◇◆
クッキーが焼き上がりました。あたしのクッキーも熱々に焼き上がって何だかとても良い匂いが漂ってきます。
「ローザちゃん、どうだった?」
リリアちゃんが自分のクッキーを持ってあたしのところにやってきました。
「えっと、頑張りました」
あたしは自分のクッキーをリリアちゃんに見せました。
「あ、えっと、これは、何の形だろう。うーん? あ、これはお猿さんかな?」
ホーちゃんのつもりで作ったクッキーを指さしてリリアちゃんはそう言います。
「それでこっちのがテーブルで、これは……えっと、ごめん。わかんない」
残念です。一つも正解してもらえませんでした。
「えっと、ホーちゃんと、ユキとピーちゃんです」
「えっ? あ、ああ、確かによく見れば、ホーちゃんとユキとピーちゃんだね。特にこのピーちゃんとかよくできていると思うよ。特徴を捉えているし、うん。そっくりだね」
「ううっ……」
ちなみにリリアちゃんのクッキーはきれいな丸や四角や星型でとっても上手にできています。
「ほら、食べちゃえば一緒だし。ね、食べよ?」
「はい……」
リリアちゃんがそう言って慰めてくれました。
そうですよ。早く食べてしまいましょう。
あたしはお祈りをするとクッキーを口に放り込みます。
えっと、すっごく甘いです。ちょっと固くてぼそぼそしていますけど、先輩が紅茶を振る舞ってくれたのでそれと一緒ならすごく美味しいかもしれません。
「あ、ローザちゃん。取り替えっこしよ! はい、あーん」
リリアちゃんがあたしにきれいな丸型のクッキーを食べさせてくれました。
するとどうでしょうか!
リリアちゃんのクッキーはサクッと滑らかな口当たりで、まるで舌の上でとろけていくようです。
「んー、おいしい」
あたしが両手で自分の頬を抑えてその味を噛みしめていると、リリアちゃんがあたしのユキちゃんクッキーをつまんで口に入れました。
「ん゛……固い……」
知ってました。リリアちゃんの顔が少し引きつっています。
「これはあれだよ。粉を入れてからきっと練りすぎたんじゃないかな。次はもうちょっと少なめで良いと思うよ」
「うん……」
こうしてあたしのはじめてのクッキーはちょっと微妙な結果に終わったのでした。
================
お読み頂きありがとうございます。諸般の事情により明日の更新はスキップさせて頂き、次回の更新は 2021/4/3(土) 20:00 とさせていただきます。何卒ご了承ください。
また、先週ご案内いたしましたアルパ閣下先生によるイラスト作成は順調に進んでおります。ラフの段階ですら鳥肌が立つほどの美麗なイラストとなっておりますので、どうぞご期待ください。
本作の進退をかけて臨むたいあっぷ様のオープニングコンテストもついに日程が決まり、6月からは読者様の投票が開始されるそうです。それまでにはきちんと作品として仕上げられるように作業を進めて参りますので、今後とも「テイマー少女の逃亡日記」をどうぞよろしくお願いいたします。
「こんにちはー」
リリアちゃんが勢いよく扉を開けると声を掛けました。
「あら、いらっしゃい。見学かしら?」
「はい。普通科一年のリリアです」
「えっと、ローザです」
「そう。よろしくね。私はフロレンティーナ・ニクラエ。普通科の三年で、この料理研究会の会長よ」
「よろしくお願いいたします!」
「よろしくお願いします。えっと、その……」
リリアちゃんは元気よく挨拶したのでそれに続きますが、何となくあたしは偉い人に苦手意識があるんですよね。
「よろしくね。それから、私は子爵家の娘だけど気にしなくていいわよ。そんなに誇るような家柄でもないもの」
「あ、はい」
もしかしたらこういう風な態度を取られ慣れているのかもしれません。
「あら? ローザちゃんは普通科なのに従魔を連れているのね。しかも二匹もだなんて。特にそっちの子の毛並みはすごいわ。これほどの手入れができるなんて……」
「あ。えっと、この子はユキで、この子はピーちゃんです。あと、ホーちゃんもいるんですけど今は眠ってて……」
「そうなの。ユキちゃんにピーちゃん、よろしくね」
「ミャー」
「ピー」
「あら。まるで言葉が分かっているみたい。すごいわね」
先輩はニッコリと笑うとユキを軽く撫でてくれました。
「ただ従魔の子は調理室には入れられないからそっちの控室にいてもらえる?」
「あ、はい……」
「ごめんね。でも、料理をしているときにそこの可愛い猫ちゃんの毛が飛んできて入ったりしたらまずいでしょう?」
そうなんですね。サバイバルのときは気にしたことありませんでした。
「わかりました。あ、でもピーちゃんは料理の時に出た食材の残りを食べてくれます」
「ああ、そうね。じゃあ、ピーちゃんだったかしら? その子には後でお片づけを手伝って貰いましょうね」
「はいっ!」
良かったです。連れて帰れって言われたらどうしようと思っていましたけど、二人ともここにいて良いみたいです。
「はい。それじゃあ二人とも早く中に入って。今日はクッキーを焼くわよ」
「はい」
こうしてあたし達のはじめてのクラブ活動が始まったのでした。
◆◇◆
それからしばらく待って新しい人が来なくなったのでクッキーなるものを作ることになりました。あたしはクッキーという食べ物を食べたことがないのでよく分からないのですが、一体どんな食べ物なんでしょうね?
あたしは借りたエプロンと三角巾をつけて早速調理台の前に立ちました。今日は先輩がマンツーマンでついて指導してくれるそうで、あたしの指導担当は副会長のザビーネ先輩です。赤い髪が特徴的な従魔科の三年生の女性で、平民の出身だそうです。
「そんじゃあ、ローザ。よろしくな」
「はい。よろしくお願いいたします」
さて、いざ調理しようと思うのですが、一体何をすればよいのでしょうか?
あたしの目の前には小麦粉、卵、バター、お砂糖と目も眩むような高級食材が並んでいます。
「ん? ローザ、どうした?」
「あ、えっと。ものすごく高級食材ばかりが並んでいて、その、一体何をどうすればいいか分からなくって……」
「はぁ? ああ、そうか。悪かったな。そういやあたいも料理研究会に入るまではほとんど砂糖なんて食べられなかったもんな。よし、じゃあ、クッキーを焼くのもはじめてか?」
「はい。食べるのもはじめてです」
「そっか。じゃあ、よく見て覚えな。クッキーに限らず、お菓子作りはしっかり量を測って手順通りにやるのが大事だからな」
そう言うとザビーネ先輩は鮮やかな手つきで混ぜていきますが、手際が良すぎてさっぱりわかりません。
そしてそのまま無言で混ぜ終わるとあたしの方を自慢気な表情で見てきました。
「どうだ? こうやるんだぞ?」
「え、えっと。その、すごい鮮やかな手つきで、その、すごいなって思いました」
「ん? そうだろうそうだろう。あたいももうクッキー作りは長いからな。このくらいお手の物だよ。じゃあローザ。真似してやってみな」
「え? えっと……」
「ん? さっき見せた通りにやるだけだぞ?」
「えっと、その、すごすぎて何だか分からなくって……」
「ん? あっ! わりぃ。またやっちまった。いつもあたいはこうなんだよな」
それからあたしはザビーネ先輩に一緒にやってもらって何とか生地なるものを作ることができました。あとはこれを形に整形してオーブンで焼くのだそうです。
「おう。好きな形にしていいからな。最初は色々とやると楽しいもんだ」
「好きな形、ですか……」
難しいです。あたしが好きなものと言えば、そうですね。ユキとピーちゃんとホーちゃんでしょうか? リリアちゃんも好きですけど、ちょっと人の形は難しそうですし、ユキ達の形にしてみましょう。
◆◇◆
クッキーが焼き上がりました。あたしのクッキーも熱々に焼き上がって何だかとても良い匂いが漂ってきます。
「ローザちゃん、どうだった?」
リリアちゃんが自分のクッキーを持ってあたしのところにやってきました。
「えっと、頑張りました」
あたしは自分のクッキーをリリアちゃんに見せました。
「あ、えっと、これは、何の形だろう。うーん? あ、これはお猿さんかな?」
ホーちゃんのつもりで作ったクッキーを指さしてリリアちゃんはそう言います。
「それでこっちのがテーブルで、これは……えっと、ごめん。わかんない」
残念です。一つも正解してもらえませんでした。
「えっと、ホーちゃんと、ユキとピーちゃんです」
「えっ? あ、ああ、確かによく見れば、ホーちゃんとユキとピーちゃんだね。特にこのピーちゃんとかよくできていると思うよ。特徴を捉えているし、うん。そっくりだね」
「ううっ……」
ちなみにリリアちゃんのクッキーはきれいな丸や四角や星型でとっても上手にできています。
「ほら、食べちゃえば一緒だし。ね、食べよ?」
「はい……」
リリアちゃんがそう言って慰めてくれました。
そうですよ。早く食べてしまいましょう。
あたしはお祈りをするとクッキーを口に放り込みます。
えっと、すっごく甘いです。ちょっと固くてぼそぼそしていますけど、先輩が紅茶を振る舞ってくれたのでそれと一緒ならすごく美味しいかもしれません。
「あ、ローザちゃん。取り替えっこしよ! はい、あーん」
リリアちゃんがあたしにきれいな丸型のクッキーを食べさせてくれました。
するとどうでしょうか!
リリアちゃんのクッキーはサクッと滑らかな口当たりで、まるで舌の上でとろけていくようです。
「んー、おいしい」
あたしが両手で自分の頬を抑えてその味を噛みしめていると、リリアちゃんがあたしのユキちゃんクッキーをつまんで口に入れました。
「ん゛……固い……」
知ってました。リリアちゃんの顔が少し引きつっています。
「これはあれだよ。粉を入れてからきっと練りすぎたんじゃないかな。次はもうちょっと少なめで良いと思うよ」
「うん……」
こうしてあたしのはじめてのクッキーはちょっと微妙な結果に終わったのでした。
================
お読み頂きありがとうございます。諸般の事情により明日の更新はスキップさせて頂き、次回の更新は 2021/4/3(土) 20:00 とさせていただきます。何卒ご了承ください。
また、先週ご案内いたしましたアルパ閣下先生によるイラスト作成は順調に進んでおります。ラフの段階ですら鳥肌が立つほどの美麗なイラストとなっておりますので、どうぞご期待ください。
本作の進退をかけて臨むたいあっぷ様のオープニングコンテストもついに日程が決まり、6月からは読者様の投票が開始されるそうです。それまでにはきちんと作品として仕上げられるように作業を進めて参りますので、今後とも「テイマー少女の逃亡日記」をどうぞよろしくお願いいたします。
76
お気に入りに追加
976
あなたにおすすめの小説

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。

私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

ドアマット扱いを黙って受け入れろ?絶対嫌ですけど。
よもぎ
ファンタジー
モニカは思い出した。わたし、ネットで読んだドアマットヒロインが登場する作品のヒロインになってる。このままいくと壮絶な経験することになる…?絶対嫌だ。というわけで、回避するためにも行動することにしたのである。

義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました
さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。
私との約束なんかなかったかのように…
それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。
そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね…
分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる