602 / 625
聖女の旅路
第十三章第29話 王都ヴェダ
しおりを挟む
私たちはついにグリーンクラウド王国の王都ヴェダが見える場所までやってきた。ヴェダは大きな川沿いに築かれた町で、町全体をものすごく高く赤褐色の岩壁が囲んでいる。
「あれが……」
「ヴェダのようでござるな」
「シズクさんも来たことはないんですか?」
「ないでござるな。ただ、あの立派な赤い壁の噂はレッドスカイ帝国にも轟いていたでござるよ」
「そんなに有名なんですか?」
「それはもう、色々とすごいでござるよ。たとえば三度の魔物暴走を耐え抜いた難攻不落の城塞都市だとか、魔王の襲撃を跳ね返しただとか、とにかくヴェダが堅牢だという話が多かったでござるな」
「そうなんですね」
「あとは、あの特徴的な壁の色でござるな」
「あの赤色は、塗ったんですか?」
「いや、元々ああいう色合いの岩が取れるのだそうでござるよ」
「へぇ」
車窓から見える赤い城壁を見ながらそんな話をしていると、私たちを乗せた馬車がゆっくりと停車した。
「どうした?」
クリスさんがすぐに御者さんに確認する。
「あ、すみません。大丈夫です。ヴェダから儀仗隊が出てきていまして、警護と先導をしてくれるそうなので、すぐに出発します」
「そうか。わかった」
それからしばらくして私たちを乗せた馬車はゆっくりと動き出した。そしてそれからは一度も馬車が停車することなく、私たちは無事にヴェダへと入ったのだった。
◆◇◆
「聖女様、ようこそお越しくださいました!」
宮殿に到着し、馬車を降りた私たちを豪華な服装をした五十代くらいの男女が出迎えてくれた。その後ろにはチャンドラ王子が控えている。ということは、彼らが国王夫妻なのではないだろうか?
「歓迎いただきありがとうございます。フィーネ・アルジェンタータです」
「私はグリーンクラウド王国国王ラージャ三世、こちらは妻のマリヤムです」
「妻のマリヤムでございます。聖女様にお会いできて光栄です」
「こちらこそ。チャンドラ王子も出迎えに来てくれたのですね」
「はい。息子が是非にと申しまして。息子が一人で戻ってきたときは大変驚きましたが、よくぞ背中を押してくださいました。お知らせいただいたことにつきまして須らく、よしなに対応いたします」
「そうですか。ありがとうございます。チャンドラ王子も、ありがとうございました」
「いえ、当然のことをしたまでです。私はこれよりレッドスカイ帝国に赴くこととなっておりますので、大変残念ではありますが本日の晩餐会でご一緒することはかないません。どうかこのご無礼をお許しください」
「そんな、無礼だなんて。お役目、頑張ってください」
「はっ!」
チャンドラ王子は合掌し、恭しく一礼した。
「ああ、そういえばチャンドラ王子」
「はい、なんでしょう?」
「よかったらこの種を持って行ってください。南部のこともありますし、何かに使えるかもしれません」
私はリーチェの種を三つほどチャンドラ王子に手渡した。
「っ! ありがとうございます! 必ずや有効活用して参ります!」
「よろしくお願いしますね」
「はっ!」
チャンドラ王子はもう一度合掌し、恭しく一礼すると、立ち去っていった。
「さあ、聖女様。どうぞこちらへ」
「はい」
こうして私たちは宮殿の中へと足を踏み入れるのだった。
◆◇◆
私たちは応接室に案内され、そこでラージャ三世と情報交換を行うことになった。
「なるほど。お話は息子から聞いておりましたが……」
私から魔物と瘴気の関係性についての話を聞いたラージャ三世は深刻な表情を浮かべた。
「これを仰ったのが聖女様でなければとても信じなかったでしょう。しかし、人間の歪んだ欲望ですか」
「はい。精霊神様は人間が自ら正に偏り、光り輝くことが必要だと仰っていました。人間はたしかに自らの欲望のため、悪いことをたくさんします。ですがそうでない人もたくさんいます。ですから……」
「……そう、ですな。いやはや、しかしなんとも……」
ラージャ三世は深いため息をついた。
「いや、嘆いている場合ではありませんな。まずはこの事実を知らしめるところから始める必要がありますな」
「はい。お願いします」
するとラージャ三世は大きく頷いた。
「さて、では次の話題ですが、従者殿の妹君の件について息子より報告を受けております」
「はい」
その話題になると、ルーちゃんはすかさず真剣な目でラージャ三世のほうを見た。
「残念ながら、我が国においてご指摘のようなエルフの奴隷が売買されたという記録はございませんでした。我が国の奴隷はすべて登録されており、登録されていない奴隷はすべて違法奴隷ということになります。そのような奴隷を使役していた者は最低十年間、犯罪奴隷として服役することが定められておりますので、奴隷を隠すことはそう簡単なことではありません。ましてや珍しいエルフともなると……」
「レイア……」
ルーちゃんはがっくりと肩を落としてしまった。これでこの世界にあるすべての国を回ったことになるが、それでも見つからなかったということになる。
「イエロープラネットのダルハに仲介という形で引き渡されたことまでは突き止めたのですが……」
「ダルハでしたか。あそこならばたしかにあり得そうですね。ただダルハはもう……」
「はい。ですが仲介ですのでどこかに……」
「わかりました。我々としてもその線でもう少し調査しましょう。ですが現時点での我が国の公式回答としては、我が国にエルフの奴隷は存在しない、ということとなります」
「そうですか……」
「はい。我々は奴隷を適切に管理していると自負しております。ですから外部よりエルフの奴隷が来たとなれば、間違いなく私のところにまで報告が上がってくるはずです。もし密輸されたとしても、噂が立てばすぐに調査の手が入ることになります。ですので……」
「わかりました」
「申し訳ございません」
「いえ、個人的なお願いにご協力いただきありがとうございます」
「とんでもございません」
ラージャ三世は人の良さそうな笑みを浮かべると、話題を切り替えてくる。
「ところで聖女様」
「なんでしょうか?」
「実は我が国にも聖剣アルパラジタと呼ばれるものがございます」
「そうなんですね」
「はい。その担い手を目指す戦士たちも多くおりまして、せっかくの聖女様のご来訪ということで選定の儀を行うこととなりました。よろしければ選定の儀にお立合いいただけませんか?」
「え?」
「というのもですね。我が国の家臣たちから聖女様のご一行は女性のみということもあって、御身を心配する声が上がっておるのです」
「え? ですが……」
「はい。聖女様が新しい騎士を求めていらっしゃらないことは承知しております。ですが私の立場上、何もしないわけにもいかないのです」
あ、なるほど。つまりラージャ三世は選定の儀をやったというパフォーマンスがしたいということかな?
とはいえ、本当に聖剣に選ばれた聖騎士が誕生してしまうと面倒なことになりそうだ。
「わかりました。ただ、その前にちょっとお願いがあります。聖剣、ええと……」
「アルパラジタです」
「はい。聖剣アルパラジタを触らせてもらえませんか?」
「そんなことでよろしいのですか? もちろんです」
こうして私は選定の儀の前に聖剣アルパラジタを見せてもらうことになったのだった。
「あれが……」
「ヴェダのようでござるな」
「シズクさんも来たことはないんですか?」
「ないでござるな。ただ、あの立派な赤い壁の噂はレッドスカイ帝国にも轟いていたでござるよ」
「そんなに有名なんですか?」
「それはもう、色々とすごいでござるよ。たとえば三度の魔物暴走を耐え抜いた難攻不落の城塞都市だとか、魔王の襲撃を跳ね返しただとか、とにかくヴェダが堅牢だという話が多かったでござるな」
「そうなんですね」
「あとは、あの特徴的な壁の色でござるな」
「あの赤色は、塗ったんですか?」
「いや、元々ああいう色合いの岩が取れるのだそうでござるよ」
「へぇ」
車窓から見える赤い城壁を見ながらそんな話をしていると、私たちを乗せた馬車がゆっくりと停車した。
「どうした?」
クリスさんがすぐに御者さんに確認する。
「あ、すみません。大丈夫です。ヴェダから儀仗隊が出てきていまして、警護と先導をしてくれるそうなので、すぐに出発します」
「そうか。わかった」
それからしばらくして私たちを乗せた馬車はゆっくりと動き出した。そしてそれからは一度も馬車が停車することなく、私たちは無事にヴェダへと入ったのだった。
◆◇◆
「聖女様、ようこそお越しくださいました!」
宮殿に到着し、馬車を降りた私たちを豪華な服装をした五十代くらいの男女が出迎えてくれた。その後ろにはチャンドラ王子が控えている。ということは、彼らが国王夫妻なのではないだろうか?
「歓迎いただきありがとうございます。フィーネ・アルジェンタータです」
「私はグリーンクラウド王国国王ラージャ三世、こちらは妻のマリヤムです」
「妻のマリヤムでございます。聖女様にお会いできて光栄です」
「こちらこそ。チャンドラ王子も出迎えに来てくれたのですね」
「はい。息子が是非にと申しまして。息子が一人で戻ってきたときは大変驚きましたが、よくぞ背中を押してくださいました。お知らせいただいたことにつきまして須らく、よしなに対応いたします」
「そうですか。ありがとうございます。チャンドラ王子も、ありがとうございました」
「いえ、当然のことをしたまでです。私はこれよりレッドスカイ帝国に赴くこととなっておりますので、大変残念ではありますが本日の晩餐会でご一緒することはかないません。どうかこのご無礼をお許しください」
「そんな、無礼だなんて。お役目、頑張ってください」
「はっ!」
チャンドラ王子は合掌し、恭しく一礼した。
「ああ、そういえばチャンドラ王子」
「はい、なんでしょう?」
「よかったらこの種を持って行ってください。南部のこともありますし、何かに使えるかもしれません」
私はリーチェの種を三つほどチャンドラ王子に手渡した。
「っ! ありがとうございます! 必ずや有効活用して参ります!」
「よろしくお願いしますね」
「はっ!」
チャンドラ王子はもう一度合掌し、恭しく一礼すると、立ち去っていった。
「さあ、聖女様。どうぞこちらへ」
「はい」
こうして私たちは宮殿の中へと足を踏み入れるのだった。
◆◇◆
私たちは応接室に案内され、そこでラージャ三世と情報交換を行うことになった。
「なるほど。お話は息子から聞いておりましたが……」
私から魔物と瘴気の関係性についての話を聞いたラージャ三世は深刻な表情を浮かべた。
「これを仰ったのが聖女様でなければとても信じなかったでしょう。しかし、人間の歪んだ欲望ですか」
「はい。精霊神様は人間が自ら正に偏り、光り輝くことが必要だと仰っていました。人間はたしかに自らの欲望のため、悪いことをたくさんします。ですがそうでない人もたくさんいます。ですから……」
「……そう、ですな。いやはや、しかしなんとも……」
ラージャ三世は深いため息をついた。
「いや、嘆いている場合ではありませんな。まずはこの事実を知らしめるところから始める必要がありますな」
「はい。お願いします」
するとラージャ三世は大きく頷いた。
「さて、では次の話題ですが、従者殿の妹君の件について息子より報告を受けております」
「はい」
その話題になると、ルーちゃんはすかさず真剣な目でラージャ三世のほうを見た。
「残念ながら、我が国においてご指摘のようなエルフの奴隷が売買されたという記録はございませんでした。我が国の奴隷はすべて登録されており、登録されていない奴隷はすべて違法奴隷ということになります。そのような奴隷を使役していた者は最低十年間、犯罪奴隷として服役することが定められておりますので、奴隷を隠すことはそう簡単なことではありません。ましてや珍しいエルフともなると……」
「レイア……」
ルーちゃんはがっくりと肩を落としてしまった。これでこの世界にあるすべての国を回ったことになるが、それでも見つからなかったということになる。
「イエロープラネットのダルハに仲介という形で引き渡されたことまでは突き止めたのですが……」
「ダルハでしたか。あそこならばたしかにあり得そうですね。ただダルハはもう……」
「はい。ですが仲介ですのでどこかに……」
「わかりました。我々としてもその線でもう少し調査しましょう。ですが現時点での我が国の公式回答としては、我が国にエルフの奴隷は存在しない、ということとなります」
「そうですか……」
「はい。我々は奴隷を適切に管理していると自負しております。ですから外部よりエルフの奴隷が来たとなれば、間違いなく私のところにまで報告が上がってくるはずです。もし密輸されたとしても、噂が立てばすぐに調査の手が入ることになります。ですので……」
「わかりました」
「申し訳ございません」
「いえ、個人的なお願いにご協力いただきありがとうございます」
「とんでもございません」
ラージャ三世は人の良さそうな笑みを浮かべると、話題を切り替えてくる。
「ところで聖女様」
「なんでしょうか?」
「実は我が国にも聖剣アルパラジタと呼ばれるものがございます」
「そうなんですね」
「はい。その担い手を目指す戦士たちも多くおりまして、せっかくの聖女様のご来訪ということで選定の儀を行うこととなりました。よろしければ選定の儀にお立合いいただけませんか?」
「え?」
「というのもですね。我が国の家臣たちから聖女様のご一行は女性のみということもあって、御身を心配する声が上がっておるのです」
「え? ですが……」
「はい。聖女様が新しい騎士を求めていらっしゃらないことは承知しております。ですが私の立場上、何もしないわけにもいかないのです」
あ、なるほど。つまりラージャ三世は選定の儀をやったというパフォーマンスがしたいということかな?
とはいえ、本当に聖剣に選ばれた聖騎士が誕生してしまうと面倒なことになりそうだ。
「わかりました。ただ、その前にちょっとお願いがあります。聖剣、ええと……」
「アルパラジタです」
「はい。聖剣アルパラジタを触らせてもらえませんか?」
「そんなことでよろしいのですか? もちろんです」
こうして私は選定の儀の前に聖剣アルパラジタを見せてもらうことになったのだった。
0
お気に入りに追加
436
あなたにおすすめの小説

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜
シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。
アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。
前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。
一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。
そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。
砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。
彼女の名はミリア・タリム
子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」
542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才
そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。
このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。
他サイトに掲載したものと同じ内容となります。

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる