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正義と武と吸血鬼
第十二章第24話 オオダテの夕餉
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「お食事をお持ちしました」
日も落ちた頃、女将さんと三人の従業員の女性が私たちの部屋に料理を運んできてくれた。
女将さんたちはリビングにかなり大きめのちゃぶ台を四つ並べてくれ、座布団を敷いてくれた。
そして手際よく料理を並べていく。
「お待たせしました。どうぞお掛けください」
言われて私たちは思い思いの座布団の上に座る。
「当館では、オオダテで取れたばかりの海の幸をご用意しております。まず刺身の盛り合わせはホタテ、マグロの赤身と中トロ、マダイ、タラバガニ、ヤリイカ、アワビ、甘エビとなります」
女将さんが紹介してくれたが、見るからに新鮮で美味しそうだ。
「こちらからブリの塩焼き、マグロの煮つけ、マタラの白子、ウニ丼、タラバガニの鍋となっております。鍋は大変お熱いのでお気を付けください。また、こちらに白米がございます。白米はおかわり自由となっておりますので、お気軽にお申し付けください。また、カニ鍋には後ほどうどんもお持ちすることができます」
「ありがとうございます」
なかなか気前のいい旅館だ。ルーちゃんもこれならお腹いっぱい食べられるに違いない。
「いただきます」
私たちは思い思いに食事を楽しむ。
さて、どれから食べようか?
よし。まずはお刺身からいただこう。
私はタイを口に運ぶ。
うん。新鮮でプリプリとした歯ごたえがしっかりとしている。それに臭みはまるでなく、独特の甘みとコクが口いっぱいに広がる。
続いてヤリイカだ。ちょんちょんとわさび醤油に付けて口に運ぶと、まずはわさび醤油の塩味とわさびの香りが、続いてコリコリとした食感と共に上品な甘さが口に広がる。もちろん新鮮で透明なヤリイカに臭みなどあるはずもなく、どこまでもひたすらに上品な甘さが私を包み込む。
次は……よし。ホタテにしよう。
え!? このホタテは!
なんだろう。このまるで口の中でとろけるような食感は!
それに甘みもこの上なく濃厚で、今まで食べたホタテがなんだったのだろうかという疑問を覚えてしまう。
いやはや、こんな濃厚なホタテは今まで食べたことがない。
あっという間に口の中からホタテは消えてしまい、私の箸はいつの間にか残ったもう一切れのホタテに伸びていた。
素晴らしい!
続いてお箸を伸ばしたのは甘エビだ。小ぶりのプリッとした身とその甘さが素晴らしい。やはり新鮮な甘エビは歯ごたえが違う。
うん。あまりにも美味しいのでこの漁港で水揚げされたお魚をすべて買い込んでしまいたくなるくらいだ。
……あれ? それもありなんじゃ?
続いていただくのはアワビだ。うん。コリコリとしたこの食感とほのかな磯の香り、そしてわずかな甘みはまさにアワビだ。やはりアワビを食べるならわさび醤油は少なめがいい。新鮮なアワビ特有の磯の香りと甘みを楽しむことができるのだ。それにやはりこの食感が堪らない。
さて、最後はマグロだろう。赤身は……うん。濃厚だ。濃厚なうま味がぎゅっと濃縮されており、まさに海の王様と言える味だ。
一方の中とろは濃厚なうま味だけでなく程よく乗った脂のうま味も一緒に楽しめる絶品だ。ただ中とろは少し味が濃いため、わさびを多めにして食べる。こうすることで脂の濃さを中和し、すっきりと何枚でも食べられるようになるのだ。
だが、やはりマグロを食べるならご飯も欲しい。
というわけで私は小さなうに丼の中からご飯をほじり、口に運ぶ。
うん。やはりマグロの刺身にはこれがなくちゃ!
よし。せっかくだからこのままウニ丼をいただこう。
私は形のしっかりしたウニを箸でつまみ、わさび醤油を少しつけてからさきほどほじったご飯の上に戻した。
そしてそのウニとご飯をまとめて口に書き込む。
っ!
濃厚なウニの味と香りが口いっぱいに広がり、さらに熱々のご飯の甘みがそれらを包み込む。
うん。これだよこれ! ウニ丼と言えばこうでなくっちゃ!
おっと、そういえばタラバガニのお刺身を忘れていた。
私はお箸を置いてタラバガニの足の先を摘み、わさび醤油を少し付けて頬張る。
うん。これは!
立派なタラバガニの身はプリプリとした歯ごたえがあり、繊維の一本一本を感じることができるほどにしっかりしている。さらに噛めば噛むほど甘みとうま味が解き放たれ、私の口の中はタラバガニのパラダイスへと変貌する。
美味しい!
続いて私はマダラの白子をいただく。ポン酢のかかったプルンとした白子の上には、もみじおろしとあさつきが乗っている。白子を口に含めば舌の上でまるで溶けるようにうま味が広がり、ポン酢の酸味と塩味、そしてもみじおろしとアサツキの香りとわずかな辛みが一体となって口の中を満たしていく。
うん。これも美味しい!
続いてブリの塩焼きをいただく。ふっくらと焼き上がった臭みのない身には脂がしっかりと乗っており、絶妙な塩加減と相まってその美味しさが口いっぱいに広がる。そして大根おろしを口に入れいれば脂とうま味で一杯だった口の中がさっぱりとし、もう一口、もう一口と食べたい気持ちになってしまう。
いやはや、これも素晴らしいね。
続いてマグロの煮つけだ。醤油で煮つけたマグロのカマの上に白髪ねぎが添えられており、見るからに食欲をそそる。
私はそのマグロのカマの肉をほじり、口に運んだ。するとマグロの身から大量の脂とうま味がじゅわりと溢れだし、甘辛い煮汁の味と相まって幸せな洪水となって口内を駆け巡る。そこに白髪ねぎを少し摘まんで入れれば口の中は不思議とさっぱりして、いつまででも食べていられそうな錯覚に陥る。
よし、今度はご飯と一緒にマグロの身をいただこう。
うわっ! これはっ!
やはり煮つけと白米は悪魔的な美味しさだ。もう、お箸が止まらない!
……ふう。あまりの美味しさについ満腹になるまで食べてしまいそうだったが、まだ料理はもう一品ある。
最後はカニ鍋だ。分厚い土鍋からは美味しそうな湯気が立ちのぼっている。
どうやらこのカニ鍋は醤油味のようだ。タラバガニの爪が一つ、足が一つ、そして豆腐や野菜などがたくさん入っている。
私は早速お玉を使って土鍋からお椀によそうと、まずは爪からいただくことにした。食べやすいようにしっかりと切れ込みを入れてくれているのもありがたい。
私は爪の中からカニの身をほじりだし、口へと運ぶ。
うん。タラバガニだね。お刺身同様にしっかりと繊維を感じられ、甘みもある。熱々でなのもいい。しかもスープでしっかり煮てあるおかげでカニのうま味だけでなく、野菜の甘みまでもが一体となっている。
うん。鍋ならではの複雑な味わいが楽しめるのが素晴らしい。
私は夢中で食べてしまい、あっという間に鍋の具を完食してしまった。するとそのことに気付いた女将さんがすっと私の席に寄ってきた。
「おうどんをご用意いたします」
そう言うと、すぐさま私の土鍋を持って下がっていった。
「ありがとうございます」
私はお礼を言ってその姿を見送ると、お新香に手を伸ばす。
大根とキュウリの塩漬けだ。
ここまで濃厚で複雑な味をたっぷりと楽しんできたので、このさっぱりしたお新香が心地よい。
「ルーちゃん、私の分の残り、食べてください。もったいないですから」
「ホントですかっ? ありがとうございますっ!」
すると従業員の人が近寄ってきて、私のちゃぶ台から残った料理をルーちゃんの所へと運んでくれた。ルーちゃんのちゃぶ台の隣にはいつの間にやら米びつが二つ置いてある。
「お待たせしました。おうどんでございます」
運ばれてきたうどんからは鍋の汁の香りだけでなく、柚子の香りも漂ってくる。
うんうん。やっぱり〆はうどんだね。
つるつるして、程よい腰の強さの滑らかなうどんと汁の相性が抜群だ。柚子の香りも相まって、もう満腹なのに食べられてしまう。
やがてうどんをすべて食べきった私は箸を置いたのだった。
「ごちそうさまでした」
日も落ちた頃、女将さんと三人の従業員の女性が私たちの部屋に料理を運んできてくれた。
女将さんたちはリビングにかなり大きめのちゃぶ台を四つ並べてくれ、座布団を敷いてくれた。
そして手際よく料理を並べていく。
「お待たせしました。どうぞお掛けください」
言われて私たちは思い思いの座布団の上に座る。
「当館では、オオダテで取れたばかりの海の幸をご用意しております。まず刺身の盛り合わせはホタテ、マグロの赤身と中トロ、マダイ、タラバガニ、ヤリイカ、アワビ、甘エビとなります」
女将さんが紹介してくれたが、見るからに新鮮で美味しそうだ。
「こちらからブリの塩焼き、マグロの煮つけ、マタラの白子、ウニ丼、タラバガニの鍋となっております。鍋は大変お熱いのでお気を付けください。また、こちらに白米がございます。白米はおかわり自由となっておりますので、お気軽にお申し付けください。また、カニ鍋には後ほどうどんもお持ちすることができます」
「ありがとうございます」
なかなか気前のいい旅館だ。ルーちゃんもこれならお腹いっぱい食べられるに違いない。
「いただきます」
私たちは思い思いに食事を楽しむ。
さて、どれから食べようか?
よし。まずはお刺身からいただこう。
私はタイを口に運ぶ。
うん。新鮮でプリプリとした歯ごたえがしっかりとしている。それに臭みはまるでなく、独特の甘みとコクが口いっぱいに広がる。
続いてヤリイカだ。ちょんちょんとわさび醤油に付けて口に運ぶと、まずはわさび醤油の塩味とわさびの香りが、続いてコリコリとした食感と共に上品な甘さが口に広がる。もちろん新鮮で透明なヤリイカに臭みなどあるはずもなく、どこまでもひたすらに上品な甘さが私を包み込む。
次は……よし。ホタテにしよう。
え!? このホタテは!
なんだろう。このまるで口の中でとろけるような食感は!
それに甘みもこの上なく濃厚で、今まで食べたホタテがなんだったのだろうかという疑問を覚えてしまう。
いやはや、こんな濃厚なホタテは今まで食べたことがない。
あっという間に口の中からホタテは消えてしまい、私の箸はいつの間にか残ったもう一切れのホタテに伸びていた。
素晴らしい!
続いてお箸を伸ばしたのは甘エビだ。小ぶりのプリッとした身とその甘さが素晴らしい。やはり新鮮な甘エビは歯ごたえが違う。
うん。あまりにも美味しいのでこの漁港で水揚げされたお魚をすべて買い込んでしまいたくなるくらいだ。
……あれ? それもありなんじゃ?
続いていただくのはアワビだ。うん。コリコリとしたこの食感とほのかな磯の香り、そしてわずかな甘みはまさにアワビだ。やはりアワビを食べるならわさび醤油は少なめがいい。新鮮なアワビ特有の磯の香りと甘みを楽しむことができるのだ。それにやはりこの食感が堪らない。
さて、最後はマグロだろう。赤身は……うん。濃厚だ。濃厚なうま味がぎゅっと濃縮されており、まさに海の王様と言える味だ。
一方の中とろは濃厚なうま味だけでなく程よく乗った脂のうま味も一緒に楽しめる絶品だ。ただ中とろは少し味が濃いため、わさびを多めにして食べる。こうすることで脂の濃さを中和し、すっきりと何枚でも食べられるようになるのだ。
だが、やはりマグロを食べるならご飯も欲しい。
というわけで私は小さなうに丼の中からご飯をほじり、口に運ぶ。
うん。やはりマグロの刺身にはこれがなくちゃ!
よし。せっかくだからこのままウニ丼をいただこう。
私は形のしっかりしたウニを箸でつまみ、わさび醤油を少しつけてからさきほどほじったご飯の上に戻した。
そしてそのウニとご飯をまとめて口に書き込む。
っ!
濃厚なウニの味と香りが口いっぱいに広がり、さらに熱々のご飯の甘みがそれらを包み込む。
うん。これだよこれ! ウニ丼と言えばこうでなくっちゃ!
おっと、そういえばタラバガニのお刺身を忘れていた。
私はお箸を置いてタラバガニの足の先を摘み、わさび醤油を少し付けて頬張る。
うん。これは!
立派なタラバガニの身はプリプリとした歯ごたえがあり、繊維の一本一本を感じることができるほどにしっかりしている。さらに噛めば噛むほど甘みとうま味が解き放たれ、私の口の中はタラバガニのパラダイスへと変貌する。
美味しい!
続いて私はマダラの白子をいただく。ポン酢のかかったプルンとした白子の上には、もみじおろしとあさつきが乗っている。白子を口に含めば舌の上でまるで溶けるようにうま味が広がり、ポン酢の酸味と塩味、そしてもみじおろしとアサツキの香りとわずかな辛みが一体となって口の中を満たしていく。
うん。これも美味しい!
続いてブリの塩焼きをいただく。ふっくらと焼き上がった臭みのない身には脂がしっかりと乗っており、絶妙な塩加減と相まってその美味しさが口いっぱいに広がる。そして大根おろしを口に入れいれば脂とうま味で一杯だった口の中がさっぱりとし、もう一口、もう一口と食べたい気持ちになってしまう。
いやはや、これも素晴らしいね。
続いてマグロの煮つけだ。醤油で煮つけたマグロのカマの上に白髪ねぎが添えられており、見るからに食欲をそそる。
私はそのマグロのカマの肉をほじり、口に運んだ。するとマグロの身から大量の脂とうま味がじゅわりと溢れだし、甘辛い煮汁の味と相まって幸せな洪水となって口内を駆け巡る。そこに白髪ねぎを少し摘まんで入れれば口の中は不思議とさっぱりして、いつまででも食べていられそうな錯覚に陥る。
よし、今度はご飯と一緒にマグロの身をいただこう。
うわっ! これはっ!
やはり煮つけと白米は悪魔的な美味しさだ。もう、お箸が止まらない!
……ふう。あまりの美味しさについ満腹になるまで食べてしまいそうだったが、まだ料理はもう一品ある。
最後はカニ鍋だ。分厚い土鍋からは美味しそうな湯気が立ちのぼっている。
どうやらこのカニ鍋は醤油味のようだ。タラバガニの爪が一つ、足が一つ、そして豆腐や野菜などがたくさん入っている。
私は早速お玉を使って土鍋からお椀によそうと、まずは爪からいただくことにした。食べやすいようにしっかりと切れ込みを入れてくれているのもありがたい。
私は爪の中からカニの身をほじりだし、口へと運ぶ。
うん。タラバガニだね。お刺身同様にしっかりと繊維を感じられ、甘みもある。熱々でなのもいい。しかもスープでしっかり煮てあるおかげでカニのうま味だけでなく、野菜の甘みまでもが一体となっている。
うん。鍋ならではの複雑な味わいが楽しめるのが素晴らしい。
私は夢中で食べてしまい、あっという間に鍋の具を完食してしまった。するとそのことに気付いた女将さんがすっと私の席に寄ってきた。
「おうどんをご用意いたします」
そう言うと、すぐさま私の土鍋を持って下がっていった。
「ありがとうございます」
私はお礼を言ってその姿を見送ると、お新香に手を伸ばす。
大根とキュウリの塩漬けだ。
ここまで濃厚で複雑な味をたっぷりと楽しんできたので、このさっぱりしたお新香が心地よい。
「ルーちゃん、私の分の残り、食べてください。もったいないですから」
「ホントですかっ? ありがとうございますっ!」
すると従業員の人が近寄ってきて、私のちゃぶ台から残った料理をルーちゃんの所へと運んでくれた。ルーちゃんのちゃぶ台の隣にはいつの間にやら米びつが二つ置いてある。
「お待たせしました。おうどんでございます」
運ばれてきたうどんからは鍋の汁の香りだけでなく、柚子の香りも漂ってくる。
うんうん。やっぱり〆はうどんだね。
つるつるして、程よい腰の強さの滑らかなうどんと汁の相性が抜群だ。柚子の香りも相まって、もう満腹なのに食べられてしまう。
やがてうどんをすべて食べきった私は箸を置いたのだった。
「ごちそうさまでした」
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