498 / 625
欲と業
第十一章第19話 冥龍王の最後(後編)
しおりを挟む
「っ!」
私は思わず結界を張り、ブレスに備える!
だがいくら待っても、ブレスが飛んでくることもなければアンデッドが出現することもなかった。
冥龍王はそのまま崩れ落ち、その体を力なく地面に横たえたのだ。
「あ、あれ?」
「フィーネ様、これは一体?」
「傷口に種を植えなくても効いているでござるな」
よくわからないが、冥龍王は立ち上がることすらできていない。
起き上がろうともがいているようだが、もうそんな力すら残っていない様子だ。
なんというか、呆気ない。
炎龍王との戦いと同じような戦いになることを覚悟していたのだが……。
「……ヴァルガルム様は闇属性じゃからな」
インゴールヴィーナさんが複雑な表情でそう言ってきた。
「どういうことですか?」
「そなたの聖属性の力の前には無力ということなのじゃろう」
んん? 何を言っているのかちょっとわからない。
「ええと、炎龍王と戦ったときはこんなんじゃなかったんです。いくらリーチェの種には瘴気を浄化する力があるとはいえ、傷口に埋め込まないと効きませんでしたよ?」
「じゃから、聖属性は闇属性に強いということじゃ。火に水をかけると消えるのと同じじゃよ」
「はぁ」
やっぱりよくわからない。瘴気って、闇属性なの?
瘴気を【闇属性魔法】でどうこうできる気はしないのだけれど。
だからこそベルードたちは瘴気をどうにかするために進化の秘術を研究しているんじゃないだろうか?
それにそもそも、リーチェの種は聖属性なんだろうか?
聖属性の浄化魔法でできるのは瘴気を散らすことだけだ。リーチェの種による浄化は瘴気を消滅させているのだから、ちょっと違う気がする。
そりゃあ、リーチェには聖属性の魔力を渡しているけどさ。
「フィーネ殿、とどめを刺すでござるよ」
「……そうですね」
「お任せください」
クリスさんが聖剣を抜いて冥龍王の太い首に当てる。それから剣を振り上げ、真っすぐに振り下ろした。
その一太刀は冥龍王の首筋に大きな傷をつけるが、傷口はゆっくりと塞がっていく。
炎龍王とは再生する速さが違うが、それでも同じ特性を持っているらしい。
私は炎龍王にしたのと同じように傷口へ種を埋め込んだ。すると冥龍王の体がビクンと震え、傷の再生がぴたりと止まる。
するとなんと! 今度はその傷口がボロボロと広がり始めるではないか!
「……炎龍王のときとは大分違いますね」
「そうでござるな」
そうしてしばらくすると苔で覆われた冥龍王の体は崩れ落ち、そのまま動かなくなった。
もう、危険はなさそうだ。
そう判断した私はリーチェを召喚した。
「リーチェ、あれの浄化をお願いします」
するとリーチェはいつもと同じようにこくりと頷くと、冥龍王の体の上に次々と花びらを降らせていく。
「おお、これが恵みの花乙女の……」
リーチェの浄化を初めて見たインゴールヴィーナさんが感慨深そうにそう呟いた。
それから戻ってきたリーチェから種を受け取ると、花びらの山にそっと投げ込んだ。
再びリーチェに魔力を渡すが、炎龍王のときのようにものすごい量の魔力が持っていかれる。
きっとかなりの瘴気をため込んでいたに違いない。
だが今回は炎龍王のときと違い、今回はMPにかなり余裕がある。
そうしてしばらく浄化しつづけていると、冥龍王の体は跡形もなく消え去った。
あたり一面には苔がびっしりと生えており、あちこちに白い小さな花を咲かせている。
「地下でもこのような花が咲くのですね」
クリスさんが屈んで小さな花を観察している。
「そうみたいですね。リーチェの種はその場所に合った植物が育つのかもしれませんね」
思えば毒沼を浄化したときは蓮のような植物だったし、トゥカットでは百合のような花が咲いていた。
今回は地下だから、苔だったのかもしれない。
なんとなく白の散りばめられた緑のじゅうたんを見てみると、白い花の隣に小さな黒い宝玉が転がっているのが目に入った。
それを拾って見てみると、まるで夜の闇を凝縮したような不思議な色をしている。
「これが魔石でしょうか?」
「きっとそうでござるな」
だがそんな闇色にもかかわらず、見ていて不安を感じるようなことはない。どちらかというと快眠できそうというか、そう、なんだか安らぐような不思議な感覚を覚える。
この不思議な魔石を観察していると、いつの間にかインゴールヴィーナさんが脇から覗き込んでいた。
「……ヴァルガルム様。これでようやく……」
じっと魔石を見つめていたインゴールヴィーナさんの口から、そんな言葉がこぼれた。誰かに聞かせる言葉ではなく、本当にぽろりと出てきたということがありありと感じ取れる。
それは解放感からだろうか?
安心感、いやそれとも旧知の相手が逝ってしまったことによる虚しさだろうか?
もしかするとそれらの全てがないまぜになり、とても一言では言い表せないのかもしれない。
魔石をじっと見つめるインゴールヴィーナさんの表情にはなんというか、ものすごい重みを感じる。
私は冥龍王がどんな龍で、インゴールヴィーナさんとどんな関係を築いていたのかを知らない。
なぜ冥龍王が瘴気を引き受け、自らを封印するという道を選んだのかも分からない。
だがその口ぶりからして、インゴールヴィーナさんが尊敬していたことは間違いないだろう。
そんな尊敬する相手が瘴気に呑まれて狂っていき、自分のことを忘れてしまう。
しかもそれをずっと近くで見守り続けるという人生を選んだのだ。一体、どれほどの覚悟をすればそのような人生を送る決断ができるのだろうか?
気が付けば私は魔石をインゴールヴィーナさんに差し出していた。
魔石の保管をお願いしようとしていたはずなのに、私の口からは労いの言葉がついて出る。
「お疲れ様でした」
「っ!」
インゴールヴィーナさんはそれを聞くなり目を見開き、息を呑んだ。
それから小さく頷いて魔石を受け取ると大切そうに両手で抱え、胸元でぎゅっと握りしめたのだった。
私は思わず結界を張り、ブレスに備える!
だがいくら待っても、ブレスが飛んでくることもなければアンデッドが出現することもなかった。
冥龍王はそのまま崩れ落ち、その体を力なく地面に横たえたのだ。
「あ、あれ?」
「フィーネ様、これは一体?」
「傷口に種を植えなくても効いているでござるな」
よくわからないが、冥龍王は立ち上がることすらできていない。
起き上がろうともがいているようだが、もうそんな力すら残っていない様子だ。
なんというか、呆気ない。
炎龍王との戦いと同じような戦いになることを覚悟していたのだが……。
「……ヴァルガルム様は闇属性じゃからな」
インゴールヴィーナさんが複雑な表情でそう言ってきた。
「どういうことですか?」
「そなたの聖属性の力の前には無力ということなのじゃろう」
んん? 何を言っているのかちょっとわからない。
「ええと、炎龍王と戦ったときはこんなんじゃなかったんです。いくらリーチェの種には瘴気を浄化する力があるとはいえ、傷口に埋め込まないと効きませんでしたよ?」
「じゃから、聖属性は闇属性に強いということじゃ。火に水をかけると消えるのと同じじゃよ」
「はぁ」
やっぱりよくわからない。瘴気って、闇属性なの?
瘴気を【闇属性魔法】でどうこうできる気はしないのだけれど。
だからこそベルードたちは瘴気をどうにかするために進化の秘術を研究しているんじゃないだろうか?
それにそもそも、リーチェの種は聖属性なんだろうか?
聖属性の浄化魔法でできるのは瘴気を散らすことだけだ。リーチェの種による浄化は瘴気を消滅させているのだから、ちょっと違う気がする。
そりゃあ、リーチェには聖属性の魔力を渡しているけどさ。
「フィーネ殿、とどめを刺すでござるよ」
「……そうですね」
「お任せください」
クリスさんが聖剣を抜いて冥龍王の太い首に当てる。それから剣を振り上げ、真っすぐに振り下ろした。
その一太刀は冥龍王の首筋に大きな傷をつけるが、傷口はゆっくりと塞がっていく。
炎龍王とは再生する速さが違うが、それでも同じ特性を持っているらしい。
私は炎龍王にしたのと同じように傷口へ種を埋め込んだ。すると冥龍王の体がビクンと震え、傷の再生がぴたりと止まる。
するとなんと! 今度はその傷口がボロボロと広がり始めるではないか!
「……炎龍王のときとは大分違いますね」
「そうでござるな」
そうしてしばらくすると苔で覆われた冥龍王の体は崩れ落ち、そのまま動かなくなった。
もう、危険はなさそうだ。
そう判断した私はリーチェを召喚した。
「リーチェ、あれの浄化をお願いします」
するとリーチェはいつもと同じようにこくりと頷くと、冥龍王の体の上に次々と花びらを降らせていく。
「おお、これが恵みの花乙女の……」
リーチェの浄化を初めて見たインゴールヴィーナさんが感慨深そうにそう呟いた。
それから戻ってきたリーチェから種を受け取ると、花びらの山にそっと投げ込んだ。
再びリーチェに魔力を渡すが、炎龍王のときのようにものすごい量の魔力が持っていかれる。
きっとかなりの瘴気をため込んでいたに違いない。
だが今回は炎龍王のときと違い、今回はMPにかなり余裕がある。
そうしてしばらく浄化しつづけていると、冥龍王の体は跡形もなく消え去った。
あたり一面には苔がびっしりと生えており、あちこちに白い小さな花を咲かせている。
「地下でもこのような花が咲くのですね」
クリスさんが屈んで小さな花を観察している。
「そうみたいですね。リーチェの種はその場所に合った植物が育つのかもしれませんね」
思えば毒沼を浄化したときは蓮のような植物だったし、トゥカットでは百合のような花が咲いていた。
今回は地下だから、苔だったのかもしれない。
なんとなく白の散りばめられた緑のじゅうたんを見てみると、白い花の隣に小さな黒い宝玉が転がっているのが目に入った。
それを拾って見てみると、まるで夜の闇を凝縮したような不思議な色をしている。
「これが魔石でしょうか?」
「きっとそうでござるな」
だがそんな闇色にもかかわらず、見ていて不安を感じるようなことはない。どちらかというと快眠できそうというか、そう、なんだか安らぐような不思議な感覚を覚える。
この不思議な魔石を観察していると、いつの間にかインゴールヴィーナさんが脇から覗き込んでいた。
「……ヴァルガルム様。これでようやく……」
じっと魔石を見つめていたインゴールヴィーナさんの口から、そんな言葉がこぼれた。誰かに聞かせる言葉ではなく、本当にぽろりと出てきたということがありありと感じ取れる。
それは解放感からだろうか?
安心感、いやそれとも旧知の相手が逝ってしまったことによる虚しさだろうか?
もしかするとそれらの全てがないまぜになり、とても一言では言い表せないのかもしれない。
魔石をじっと見つめるインゴールヴィーナさんの表情にはなんというか、ものすごい重みを感じる。
私は冥龍王がどんな龍で、インゴールヴィーナさんとどんな関係を築いていたのかを知らない。
なぜ冥龍王が瘴気を引き受け、自らを封印するという道を選んだのかも分からない。
だがその口ぶりからして、インゴールヴィーナさんが尊敬していたことは間違いないだろう。
そんな尊敬する相手が瘴気に呑まれて狂っていき、自分のことを忘れてしまう。
しかもそれをずっと近くで見守り続けるという人生を選んだのだ。一体、どれほどの覚悟をすればそのような人生を送る決断ができるのだろうか?
気が付けば私は魔石をインゴールヴィーナさんに差し出していた。
魔石の保管をお願いしようとしていたはずなのに、私の口からは労いの言葉がついて出る。
「お疲れ様でした」
「っ!」
インゴールヴィーナさんはそれを聞くなり目を見開き、息を呑んだ。
それから小さく頷いて魔石を受け取ると大切そうに両手で抱え、胸元でぎゅっと握りしめたのだった。
0
お気に入りに追加
434
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる