490 / 625
欲と業
第十一章第11話 爆発する岩(前編)
しおりを挟む
突然の爆発に、会場は騒然となった。
「会場の皆さん! どうぞご安心ください! 現在係員が状況を確認しています! 落ち着いてご着席ください!」
司会の人がアナウンスしているが、逃げようとする人々を落ち着かせることはできていない。
「ご安心ください! この会場には聖女様がいらっしゃいます! 歴代最高の聖女であるフィーネ・アルジェンタータ様のいらっしゃるこの会場がもっとも安全な場所です!」
それを聞いた人々は落ち着いて席に戻る……かと思われたが、なんとパニック状態のまま私のいる貴賓室のほうへと押し寄せてきた。
このまま近寄られたら結界を張ることになってしまい、そうなればアイロールの二の舞になってしまうかもしれない。
「ええと、鎮静」
私はパニックになっている人たちに鎮静魔法をかけた。すると人々は一斉に立ち止まる。
「ううん、ここにいると逆に危なかったりしませんか?」
「そうですね。我々も森の中へ向かったほうがいいでしょう。もしかすると怪我人が出ているかもしれません」
「……姉さま、どうするんですか?」
ルーちゃんは買ってきた食べ物と私を交互に見ながら尋ねてきた。
「そうですね。ここにいてもパニックになった人が来たら大変ですし、戻ってきたら食べましょう」
私は収納に食べ物をしまうと、席から立ち上がった。
「出番でござるな」
そう言ってシズクさんはすぐさま貴賓室から会場へと飛び降りた。それに続いて私も飛び降り、クリスさんとルーちゃんが後に続く。
「えっ? 聖女様!?」
着地した先にいた係員の人が私を見て驚いている。
「ちょっと森の様子を見てきますよ」
「ええっ!? 聖女様、いけません!」
そう言って止めようとしてくるが、私のAGIは並みの人間をはるかに上回っている。そんな私を止めることなどできるはずがない。
サッと脇をすり抜けると、シズクさんの後を追って森へと向かうのだった。
◆◇◆
爆発現場に到着したが、どうやらかなりの規模の爆発だったようだ。
爆心地と思われる場所は小さく抉れており、爆発の影響で円状に草木がなぎ倒されている。
「これは一体?」
「どうなっているでござるか?」
ドォォォォン!
わけのわからない状況に困惑していると、再び爆発音が聞こえてきた。
慌てて伏せて爆風をやり過ごすと、クリスさんたちが追いついてきた。
「フィーネ様! ご無事ですか?」
「はい。なんとか」
クリスさんは安堵の表情を浮かべ、周囲を警戒する。
だが爆発を起こした犯人は分からない。
「……え?」
ルーちゃんが一人で困惑した表情を浮かべた。
「ルーちゃん?」
「あ、はい。えっと、魔物がいるみたいなんです。それで、その魔物が自爆してるって精霊が……」
「自爆?」
「はい。たくさんいて、このまま爆発されたら森が……」
自爆する魔物?
「それはもしや、マインロックのことか?」
クリスさんが難しい表情でルーちゃんに尋ねる。
「マインロック?」
ルーちゃんはその言葉に聞き覚えがないのか、キョトンした様子で聞き返す。
「ああ、そうだ。人の顔ほどの大きさの岩の魔物だ。地面の上を転がって移動し、人が近くを通ると自爆するという伝説の魔物だ。大魔王のいた時代に存在したと伝えられていて、てっきり想像上の魔物だと思っていたが……」
「特徴が一致するでござるか?」
「ああ、そうだ」
クリスさんが神妙な面持ちで頷く。
「……えっと、はい。岩の魔物が爆発しているみたいです。人間が近くを通ると、爆発しているみたいです」
な、なんて厄介な魔物なんだ。
「ルーちゃん、どれくらいいるか分かりますか?」
「え? えっと……いっぱいいるみたいです」
な、なるほど。少なくとも一匹や二匹というわけではないようだ。
となると、選手を早く会場に戻さないといけないだろう。
あとはどうやって倒すかだけど……とりあえず結界で包んでおけばいいかな?
「ルーちゃん、その魔物のところに案内してもらえますか?」
「えっ? あたしたちが近づいたら自爆されるんじゃ……」
「結界でどうにかなりますよ」
「……はい。わかりました」
それからルーちゃんに案内してもらい、森の中を進んでいく。やっぱり精霊の助けを借りられるルーちゃんがいると森での移動は本当に楽ちんだ。
そうして歩いている間にも、森のあちこちで爆発が発生する。
きっと犠牲者が出ているのだろう。
だが聞こえてくる声から察するに、どうやら選手たちは自主的に森から避難を始めたようだ。
それに、森の入口のほうからは大声で退避を呼び掛ける係員の声がかすかに聞こえてくる。
全員を助けられるわけではないし、うまく避難してくれることを願うしかない。
そうして森の中を歩いていると、草をかき分け歩く二人の選手を見つけた。
「アニキ、逃げたほうがいいんじゃないっすか?」
「うるせえ。こういうときこそチャンスってなもんだ」
どうやら避難せずに狩りを続けるつもりのようだ。
「姉さま。あいつらの行く先に魔物がいるそうです」
「あ、はい」
私はとりあえず彼らの前に防壁を作り出し、その進路を遮った。
ごつん、という音と共に前を歩いているアニキと呼ばれた男が盛大に顔面をぶつけ、その場に蹲った。
「ア、アニキ?」
「ぐおぉぉぉ、いってぇ。なんだこりゃ? ここになんかあるぞ? こんのっ!」
見えない防壁を触って確認したアニキさんは顔面をぶつけた怒りをぶつけるかのごとく、思い切り防壁を蹴り飛ばした。
「いってぇぇぇぇぇぇ! なんだこりゃ?」
つま先を押さえ、アニキさんは地面をのたうち回る。
「あの、すみません」
「あ゛あ゛!?」
ものすごい形相でアニキさんはこちらを睨んできた。
「すみません。これ以上進むと危険です。この森の中には正体不明の魔物がいるようですので、早く会場に戻ってください」
「なんだぁ? 俺が優勝すんのが気に食わ――」
「アニキ! ヤバいっすよ! この人、聖女様っすよ!」
「あ? はぁぁぁぁぁぁ!? なんでそんな偉い聖女様がこんなとこにいんだよ? おかしいだろうが!」
「せ、聖女様。アニキがすいやせん」
そう言ってブーンからのジャンピング土下座を決めた。
勢いは良かったけど、フォームが崩れすぎている。五点かな。もう少し基礎練習からしっかりやったほうがいいと思う。
「ほら! アニキも!」
「お、おう……」
アニキさんも渋々といった様子でブーンからのジャンピング土下座を決めた。
勢いもなければフォームもダメダメだ。これでは予選落ちだろう。まずはやる気を見せるところからスタートしたほうがいいのではないだろうか?
そうだね。三点かな。
「神の御心のままに」
いつもどおりの言葉で私は彼らを立たせてやるのだった。
「会場の皆さん! どうぞご安心ください! 現在係員が状況を確認しています! 落ち着いてご着席ください!」
司会の人がアナウンスしているが、逃げようとする人々を落ち着かせることはできていない。
「ご安心ください! この会場には聖女様がいらっしゃいます! 歴代最高の聖女であるフィーネ・アルジェンタータ様のいらっしゃるこの会場がもっとも安全な場所です!」
それを聞いた人々は落ち着いて席に戻る……かと思われたが、なんとパニック状態のまま私のいる貴賓室のほうへと押し寄せてきた。
このまま近寄られたら結界を張ることになってしまい、そうなればアイロールの二の舞になってしまうかもしれない。
「ええと、鎮静」
私はパニックになっている人たちに鎮静魔法をかけた。すると人々は一斉に立ち止まる。
「ううん、ここにいると逆に危なかったりしませんか?」
「そうですね。我々も森の中へ向かったほうがいいでしょう。もしかすると怪我人が出ているかもしれません」
「……姉さま、どうするんですか?」
ルーちゃんは買ってきた食べ物と私を交互に見ながら尋ねてきた。
「そうですね。ここにいてもパニックになった人が来たら大変ですし、戻ってきたら食べましょう」
私は収納に食べ物をしまうと、席から立ち上がった。
「出番でござるな」
そう言ってシズクさんはすぐさま貴賓室から会場へと飛び降りた。それに続いて私も飛び降り、クリスさんとルーちゃんが後に続く。
「えっ? 聖女様!?」
着地した先にいた係員の人が私を見て驚いている。
「ちょっと森の様子を見てきますよ」
「ええっ!? 聖女様、いけません!」
そう言って止めようとしてくるが、私のAGIは並みの人間をはるかに上回っている。そんな私を止めることなどできるはずがない。
サッと脇をすり抜けると、シズクさんの後を追って森へと向かうのだった。
◆◇◆
爆発現場に到着したが、どうやらかなりの規模の爆発だったようだ。
爆心地と思われる場所は小さく抉れており、爆発の影響で円状に草木がなぎ倒されている。
「これは一体?」
「どうなっているでござるか?」
ドォォォォン!
わけのわからない状況に困惑していると、再び爆発音が聞こえてきた。
慌てて伏せて爆風をやり過ごすと、クリスさんたちが追いついてきた。
「フィーネ様! ご無事ですか?」
「はい。なんとか」
クリスさんは安堵の表情を浮かべ、周囲を警戒する。
だが爆発を起こした犯人は分からない。
「……え?」
ルーちゃんが一人で困惑した表情を浮かべた。
「ルーちゃん?」
「あ、はい。えっと、魔物がいるみたいなんです。それで、その魔物が自爆してるって精霊が……」
「自爆?」
「はい。たくさんいて、このまま爆発されたら森が……」
自爆する魔物?
「それはもしや、マインロックのことか?」
クリスさんが難しい表情でルーちゃんに尋ねる。
「マインロック?」
ルーちゃんはその言葉に聞き覚えがないのか、キョトンした様子で聞き返す。
「ああ、そうだ。人の顔ほどの大きさの岩の魔物だ。地面の上を転がって移動し、人が近くを通ると自爆するという伝説の魔物だ。大魔王のいた時代に存在したと伝えられていて、てっきり想像上の魔物だと思っていたが……」
「特徴が一致するでござるか?」
「ああ、そうだ」
クリスさんが神妙な面持ちで頷く。
「……えっと、はい。岩の魔物が爆発しているみたいです。人間が近くを通ると、爆発しているみたいです」
な、なんて厄介な魔物なんだ。
「ルーちゃん、どれくらいいるか分かりますか?」
「え? えっと……いっぱいいるみたいです」
な、なるほど。少なくとも一匹や二匹というわけではないようだ。
となると、選手を早く会場に戻さないといけないだろう。
あとはどうやって倒すかだけど……とりあえず結界で包んでおけばいいかな?
「ルーちゃん、その魔物のところに案内してもらえますか?」
「えっ? あたしたちが近づいたら自爆されるんじゃ……」
「結界でどうにかなりますよ」
「……はい。わかりました」
それからルーちゃんに案内してもらい、森の中を進んでいく。やっぱり精霊の助けを借りられるルーちゃんがいると森での移動は本当に楽ちんだ。
そうして歩いている間にも、森のあちこちで爆発が発生する。
きっと犠牲者が出ているのだろう。
だが聞こえてくる声から察するに、どうやら選手たちは自主的に森から避難を始めたようだ。
それに、森の入口のほうからは大声で退避を呼び掛ける係員の声がかすかに聞こえてくる。
全員を助けられるわけではないし、うまく避難してくれることを願うしかない。
そうして森の中を歩いていると、草をかき分け歩く二人の選手を見つけた。
「アニキ、逃げたほうがいいんじゃないっすか?」
「うるせえ。こういうときこそチャンスってなもんだ」
どうやら避難せずに狩りを続けるつもりのようだ。
「姉さま。あいつらの行く先に魔物がいるそうです」
「あ、はい」
私はとりあえず彼らの前に防壁を作り出し、その進路を遮った。
ごつん、という音と共に前を歩いているアニキと呼ばれた男が盛大に顔面をぶつけ、その場に蹲った。
「ア、アニキ?」
「ぐおぉぉぉ、いってぇ。なんだこりゃ? ここになんかあるぞ? こんのっ!」
見えない防壁を触って確認したアニキさんは顔面をぶつけた怒りをぶつけるかのごとく、思い切り防壁を蹴り飛ばした。
「いってぇぇぇぇぇぇ! なんだこりゃ?」
つま先を押さえ、アニキさんは地面をのたうち回る。
「あの、すみません」
「あ゛あ゛!?」
ものすごい形相でアニキさんはこちらを睨んできた。
「すみません。これ以上進むと危険です。この森の中には正体不明の魔物がいるようですので、早く会場に戻ってください」
「なんだぁ? 俺が優勝すんのが気に食わ――」
「アニキ! ヤバいっすよ! この人、聖女様っすよ!」
「あ? はぁぁぁぁぁぁ!? なんでそんな偉い聖女様がこんなとこにいんだよ? おかしいだろうが!」
「せ、聖女様。アニキがすいやせん」
そう言ってブーンからのジャンピング土下座を決めた。
勢いは良かったけど、フォームが崩れすぎている。五点かな。もう少し基礎練習からしっかりやったほうがいいと思う。
「ほら! アニキも!」
「お、おう……」
アニキさんも渋々といった様子でブーンからのジャンピング土下座を決めた。
勢いもなければフォームもダメダメだ。これでは予選落ちだろう。まずはやる気を見せるところからスタートしたほうがいいのではないだろうか?
そうだね。三点かな。
「神の御心のままに」
いつもどおりの言葉で私は彼らを立たせてやるのだった。
0
お気に入りに追加
436
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】慈愛の聖女様は、告げました。
BBやっこ
ファンタジー
1.契約を自分勝手に曲げた王子の誓いは、どうなるのでしょう?
2.非道を働いた者たちへ告げる聖女の言葉は?
3.私は誓い、祈りましょう。
ずっと修行を教えを受けたままに、慈愛を持って。
しかし。、誰のためのものなのでしょう?戸惑いも悲しみも成長の糧に。
後に、慈愛の聖女と言われる少女の羽化の時。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】ゲーム開始は自由の時! 乙女ゲーム? いいえ。ここは農業系ゲームの世界ですよ?
キーノ
ファンタジー
私はゲームの世界に転生したようです。主人公なのですが、前世の記憶が戻ったら、なんという不遇な状況。これもゲームで語られなかった裏設定でしょうか。
ある日、我が家に勝手に住み着いた平民の少女が私に罵声を浴びせて来ました。乙女ゲーム? ヒロイン? 訳が解りません。ここはファーミングゲームの世界ですよ?
自称妹の事は無視していたら、今度は食事に毒を盛られる始末。これもゲームで語られなかった裏設定でしょうか?
私はどんな辛いことも頑張って乗り越えて、ゲーム開始を楽しみにいたしますわ!
※紹介文と本編は微妙に違います。
完結いたしました。
感想うけつけています。
4月4日、誤字修正しました。
悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!
naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』
シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。
そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─
「うふふ、計画通りですわ♪」
いなかった。
これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である!
最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる