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滅びの神託
第十章第43話 絶望と勇気
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竜のブレスが到達した王都南部はパニック状態に陥っていた。ある者は得も知れない恐怖に襲われて我先にと逃げ惑い、ある者は錯乱状態となって暴れ回る。
ジェズ薬草店の前も例外ではない。
「うわぁぁぁぁぁぁ、もうダメだ」
「俺たちは終わりだ」
「もうどうでもいい! 金だ! 金目の物を寄越せ!」
「女はどこだ! どうせ死ぬんだ! ヤるだけヤってやる!」
「ひぃっ! だ、誰か助けて! え、衛兵さん」
「に、逃げろぉぉぉぉ!」
恐怖で震えて叫んでいる男たちがいるかと思えば自暴自棄になって強盗を働く者、行きずりの女性に乱暴を働こうとする者とそれから逃げようとする者、そして恐怖に震えて我先にと逃げ出す衛兵までいる始末だ。
まさに地獄絵図とも言うべき状況だろう。
そんな様子をジェズ薬草店の親方とその妻は店の中で、得も知れない恐怖に震えながら見ていた。
「おいおい。なんだ? こりゃあ?」
「あ、あ、あんた。戸締りを……」
「あ、ああ。そう、だな」
恐怖に震えながらもなんとか戸締りをしたジェズたちは店の奥へ向かうとそこで抱き合い、蹲ったのだった。
◆◇◆
王都南の戦場では、第一騎士団の騎士たちが魔物の手にかかって倒れていく。
本陣にいるシャルロットは相変わらず震えており、一歩、二歩と後退したもののなんとか炎龍王の姿を見据えている。
「ば、馬鹿な……。我々第一騎士団がこうもあっさりと……」
そう呟いたアランも恐怖のあまりに震えている。思考が停止してしまっているのか、指示を出すことすらできずにいる。
「も、もうダメだぁ!」
前線で魔物たちによって一方的に仲間が殺されていく様子を見ていた騎士たちの一人がついに持ち場を放棄して逃げ出し始めた。一人が逃げ出したのを見て、我先にと他の騎士たちも逃げ出し始める。
こうしつてついに戦線は崩壊した。
だが、逃げ出した騎士たちを待っているのは魔物による容赦ない追撃だった。
背を見せたある騎士はすぐさま魔物によって火だるまにされ、またある騎士は鋭い爪によって切り裂かれ、次々と騎士たちは倒れていく。
その様子をアランはただ震えながら見ていることしかできなかった。
やがて本陣を守っていた騎士たちも逃げ出し、あるいは殺されてアランたちの目の前にも魔物がやってきた。
「へ、陛下。申し訳ございませぬ。ユーグも、申し訳ない」
アランは震えながら国王に使命を果たせなかったことを、そして今は亡き甥のユーグに対して彼の愛した女性を守ってやれなかったことを詫びた。
「ひっ」
シャルロットは小さく悲鳴を上げ、一歩、二歩と後ずさる。
そんなシャルロットに魔物がまさに飛びかかろうとした瞬間だった。
なんと、神剣ユグドネソスが眩い光を放った!
「え?」
その光に包まれたシャルロットから急速に恐怖が消えていく。
「あ……ユーグ様」
穏やかな表情となったシャルロットが剣を鞘から抜き放つ。
「そう、ですわ。わたくしは勇者。勇者とは、勇気ある者。わたくしが、負けるわけにはいかないんですわ!」
シャルロットは飛びかかってくる魔物に対して神剣を振るった。それはとても剣技とは呼べないような一撃ではあったが、運よく飛びかかってくる魔物の体をカウンターになるような格好で命中した。
するとなんと! その一撃で魔物の体はいとも簡単に真っ二つとなった。
しかも二つに分かたれた体はなぜか帯電しており、それらが地面に落下するとすぐに塵となって魔石も残さずに消滅する。
「アラン様。今、治して差し上げますわ」
シャルロットは鎮静魔法を発動し、アランを落ち着ける。
「あ、ああ。すまない。いや、すみませんでした。シャルロット様」
「いいえ。わたくしも、この神剣がなければ何もできませんでしたもの」
そう言ってシャルロットは剣を手に前へと歩きだした。
「シャルロット様? 何を?」
「わたくしは勇者ですわ。そう、勇者なんですわ。だから、どんな絶望的な状況でも、勇気を持って立ち向かわなければならないんですわ」
そう強く宣言したシャルロットだったが、その言葉はまるで自分に言い聞かせているかのようにも聞こえる。
「皆が戦えないのでしたら、わたくしが戦いますわ!」
そう言ってシャルロットは魔物たちの群れへと向かって駆けだす。
「なっ!? 皆! 落ち着け! 前を向け! 我々には勇者がついているのだぞ! 勇者を一人で戦わせるな! 私も勇者に続くぞ! 皆も私に続け!」
そう叫んだアランはシャルロットの後をって魔物の群れへと駆けだした。しかしその叫び後も届かず、騎士たちは相変わらず怯えたままの状態だ。
しかし次の瞬間、王都のほうから温かな光が騎士たちに降り注ぐ。
「はっ!? そうだ。俺は一体何を!? みんな! シャルロット様を一人で戦わせるな!」
「お、おう! 俺たちには勇者がついているんだ!」
「シャルロット様に続け!」
「うおぉぉぉぉぉぉ!」
正気を取り戻した者たちが再び魔物たちとの戦いを始めた。なおも光は降り注ぎ、残る騎士たちも次々と正気を取り戻していく。
正気を取り戻した彼らは戦っている仲間の姿に勇気づけられ、魔物との戦いに次々と復帰していく。
こうして一度崩壊した前線は少しずつ立て直されていくのだった。
◆◇◆
シャルロットは、必死に神剣を振り回して魔物と戦っていた。剣術に関しては素人も同然である彼女の剣は拙いものの、神剣の力のおかげで魔物と互角に渡り合えている。
というのも彼女の剣で少しでも傷つけられた魔物は感電し、そのまま塵となって消えてしまうからだ。
また、長年にわたって培ってきた【聖属性魔法】はこの戦場で彼女をしっかりと助けていた。ブラックレインボーで見たフィーネの戦い方を参考にしたのか、自分の死角からの攻撃を結界を張ることで防いでるのだ。その上で防壁を駆使し魔物の進路を限定することで、少しでも彼女にとって戦いやすい状況を作りだしている。
そうして一歩一歩魔物の海を進んでいったシャルロットは、ついに地面に降り立っている巨大な竜の前へと到達した。
「わたくしは勇者シャルロット・ドゥ・ガティルエ。お前を倒し、王都の民を救って見せますわ!」
そう言ってシャルロットは神剣を炎龍王に向けて突きつけた。
そんなシャルロットに対し、炎龍王は問答無用で騎士たちを炭へと変えた火の玉を吐き出した。
「くっ!」
シャルロットは素早く詠唱すると防壁でその火の玉を受け止めようとする。彼女の防壁は数秒間受け止めることに成功したものの、すぐにパリンという音を立てて砕け散ってしまった。
防壁で防ぎきれなかった炎がシャルロットを襲うものの、自身の周りに張ってあった結界がそれをなんとか受け止めきった。
だがすでに結界にはひびが入っており、今にも崩れ落ちそうな状態となっている。
「なんて、威力ですの? こんなものを喰らっては……」
シャルロットの脳裏に最悪のシナリオが現実のものとして浮かんでくる。
「いえ、させませんわ。わたくしは勇者。勇者とは勇気ある者。そうですわよね? ユーグ様」
シャルロットは神剣を強く握りしめ、そう呟いた。
「そう。わたくしは、勝たなければならないのですわ」
まるで自分に言い聞かせるように呟いたシャルロットは神剣を握りしめ、巨大な竜へと向かっていくのだった。
================
次回更新は通常どおり、2022/01/02 (日) 19:00 を予定しております。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
ジェズ薬草店の前も例外ではない。
「うわぁぁぁぁぁぁ、もうダメだ」
「俺たちは終わりだ」
「もうどうでもいい! 金だ! 金目の物を寄越せ!」
「女はどこだ! どうせ死ぬんだ! ヤるだけヤってやる!」
「ひぃっ! だ、誰か助けて! え、衛兵さん」
「に、逃げろぉぉぉぉ!」
恐怖で震えて叫んでいる男たちがいるかと思えば自暴自棄になって強盗を働く者、行きずりの女性に乱暴を働こうとする者とそれから逃げようとする者、そして恐怖に震えて我先にと逃げ出す衛兵までいる始末だ。
まさに地獄絵図とも言うべき状況だろう。
そんな様子をジェズ薬草店の親方とその妻は店の中で、得も知れない恐怖に震えながら見ていた。
「おいおい。なんだ? こりゃあ?」
「あ、あ、あんた。戸締りを……」
「あ、ああ。そう、だな」
恐怖に震えながらもなんとか戸締りをしたジェズたちは店の奥へ向かうとそこで抱き合い、蹲ったのだった。
◆◇◆
王都南の戦場では、第一騎士団の騎士たちが魔物の手にかかって倒れていく。
本陣にいるシャルロットは相変わらず震えており、一歩、二歩と後退したもののなんとか炎龍王の姿を見据えている。
「ば、馬鹿な……。我々第一騎士団がこうもあっさりと……」
そう呟いたアランも恐怖のあまりに震えている。思考が停止してしまっているのか、指示を出すことすらできずにいる。
「も、もうダメだぁ!」
前線で魔物たちによって一方的に仲間が殺されていく様子を見ていた騎士たちの一人がついに持ち場を放棄して逃げ出し始めた。一人が逃げ出したのを見て、我先にと他の騎士たちも逃げ出し始める。
こうしつてついに戦線は崩壊した。
だが、逃げ出した騎士たちを待っているのは魔物による容赦ない追撃だった。
背を見せたある騎士はすぐさま魔物によって火だるまにされ、またある騎士は鋭い爪によって切り裂かれ、次々と騎士たちは倒れていく。
その様子をアランはただ震えながら見ていることしかできなかった。
やがて本陣を守っていた騎士たちも逃げ出し、あるいは殺されてアランたちの目の前にも魔物がやってきた。
「へ、陛下。申し訳ございませぬ。ユーグも、申し訳ない」
アランは震えながら国王に使命を果たせなかったことを、そして今は亡き甥のユーグに対して彼の愛した女性を守ってやれなかったことを詫びた。
「ひっ」
シャルロットは小さく悲鳴を上げ、一歩、二歩と後ずさる。
そんなシャルロットに魔物がまさに飛びかかろうとした瞬間だった。
なんと、神剣ユグドネソスが眩い光を放った!
「え?」
その光に包まれたシャルロットから急速に恐怖が消えていく。
「あ……ユーグ様」
穏やかな表情となったシャルロットが剣を鞘から抜き放つ。
「そう、ですわ。わたくしは勇者。勇者とは、勇気ある者。わたくしが、負けるわけにはいかないんですわ!」
シャルロットは飛びかかってくる魔物に対して神剣を振るった。それはとても剣技とは呼べないような一撃ではあったが、運よく飛びかかってくる魔物の体をカウンターになるような格好で命中した。
するとなんと! その一撃で魔物の体はいとも簡単に真っ二つとなった。
しかも二つに分かたれた体はなぜか帯電しており、それらが地面に落下するとすぐに塵となって魔石も残さずに消滅する。
「アラン様。今、治して差し上げますわ」
シャルロットは鎮静魔法を発動し、アランを落ち着ける。
「あ、ああ。すまない。いや、すみませんでした。シャルロット様」
「いいえ。わたくしも、この神剣がなければ何もできませんでしたもの」
そう言ってシャルロットは剣を手に前へと歩きだした。
「シャルロット様? 何を?」
「わたくしは勇者ですわ。そう、勇者なんですわ。だから、どんな絶望的な状況でも、勇気を持って立ち向かわなければならないんですわ」
そう強く宣言したシャルロットだったが、その言葉はまるで自分に言い聞かせているかのようにも聞こえる。
「皆が戦えないのでしたら、わたくしが戦いますわ!」
そう言ってシャルロットは魔物たちの群れへと向かって駆けだす。
「なっ!? 皆! 落ち着け! 前を向け! 我々には勇者がついているのだぞ! 勇者を一人で戦わせるな! 私も勇者に続くぞ! 皆も私に続け!」
そう叫んだアランはシャルロットの後をって魔物の群れへと駆けだした。しかしその叫び後も届かず、騎士たちは相変わらず怯えたままの状態だ。
しかし次の瞬間、王都のほうから温かな光が騎士たちに降り注ぐ。
「はっ!? そうだ。俺は一体何を!? みんな! シャルロット様を一人で戦わせるな!」
「お、おう! 俺たちには勇者がついているんだ!」
「シャルロット様に続け!」
「うおぉぉぉぉぉぉ!」
正気を取り戻した者たちが再び魔物たちとの戦いを始めた。なおも光は降り注ぎ、残る騎士たちも次々と正気を取り戻していく。
正気を取り戻した彼らは戦っている仲間の姿に勇気づけられ、魔物との戦いに次々と復帰していく。
こうして一度崩壊した前線は少しずつ立て直されていくのだった。
◆◇◆
シャルロットは、必死に神剣を振り回して魔物と戦っていた。剣術に関しては素人も同然である彼女の剣は拙いものの、神剣の力のおかげで魔物と互角に渡り合えている。
というのも彼女の剣で少しでも傷つけられた魔物は感電し、そのまま塵となって消えてしまうからだ。
また、長年にわたって培ってきた【聖属性魔法】はこの戦場で彼女をしっかりと助けていた。ブラックレインボーで見たフィーネの戦い方を参考にしたのか、自分の死角からの攻撃を結界を張ることで防いでるのだ。その上で防壁を駆使し魔物の進路を限定することで、少しでも彼女にとって戦いやすい状況を作りだしている。
そうして一歩一歩魔物の海を進んでいったシャルロットは、ついに地面に降り立っている巨大な竜の前へと到達した。
「わたくしは勇者シャルロット・ドゥ・ガティルエ。お前を倒し、王都の民を救って見せますわ!」
そう言ってシャルロットは神剣を炎龍王に向けて突きつけた。
そんなシャルロットに対し、炎龍王は問答無用で騎士たちを炭へと変えた火の玉を吐き出した。
「くっ!」
シャルロットは素早く詠唱すると防壁でその火の玉を受け止めようとする。彼女の防壁は数秒間受け止めることに成功したものの、すぐにパリンという音を立てて砕け散ってしまった。
防壁で防ぎきれなかった炎がシャルロットを襲うものの、自身の周りに張ってあった結界がそれをなんとか受け止めきった。
だがすでに結界にはひびが入っており、今にも崩れ落ちそうな状態となっている。
「なんて、威力ですの? こんなものを喰らっては……」
シャルロットの脳裏に最悪のシナリオが現実のものとして浮かんでくる。
「いえ、させませんわ。わたくしは勇者。勇者とは勇気ある者。そうですわよね? ユーグ様」
シャルロットは神剣を強く握りしめ、そう呟いた。
「そう。わたくしは、勝たなければならないのですわ」
まるで自分に言い聞かせるように呟いたシャルロットは神剣を握りしめ、巨大な竜へと向かっていくのだった。
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