216 / 625
武を求めし者
第五章第38話 クリス遊撃隊
しおりを挟む
私とルミアはフィーネ様とシズク殿に見送られて北西の森へと入った。フィーネ様にあそこまで心配してもらえるのは嬉しい事ではあるが、一方で自分の実力を過小評価されているようでもあり複雑な気分だ。
「クリスさん、早く害獣を全滅させて美味しいものを食べに行きましょうねっ!」
「そうだな。ゴブリンの本隊は南と聞いているからゴブリンロードと戦うようなことにはならないだろうが、ホブゴブリンやメイジ、アーチャーといった上位種とは確実に戦うことになる。くれぐれも油断するなよ」
「はーい。でも、森の中はあたしの庭みたいなものですからね。きっと大丈夫ですよっ!」
「ルミア、それが油断というのだ」
「むぅ」
私はルミアを注意するが、彼女はどこか不満げだ。
実際問題、ルミアは森に入ってから精霊の助けとやらを借りているそうで、ゴブリンの居場所に案内してもらっている。しかも、本来であれば交代で藪漕ぎをしなければいけないはずの場所にもかかわらず、なんと藪のほうが私たちを避けて道を作ってくれている。森でのエルフというのは本当に凄まじい力を秘めているようだ。
「クリスさん、あっちの茂みの向こう側に害獣が 10 匹とおっきい害獣が 1 匹いますっ。他にはいないみたいですっ」
精霊に教えてもらったらしく、ルミアがゴブリンの居場所を教えてくれる。
「よし、一班は左、二班は右へ回り込め。三班は誘引、四班はここで迎え撃ってゴブリンどもを殲滅。五班は迂回して回り込んで退路を塞げ」
「「「「「はっ」」」」」
各班の班長が私の指示に従って動き出す。
私はルゥー・フェィ将軍より預けられた兵 50 を 9 人ずつの班に分け、それぞれに班長と副班長を置いた。残った 5 人は私の直属としてこの部隊唯一の魔術師役であるルミアを守らせる。
ちなみにこの少数の班に分けるやり方はホワイトムーン王国の騎士団が行っている方法だ。レッドスカイ帝国でのやり方だと班の人数がかなり多かったため、森の中での遊撃任務には向かないと判断したのだ。理由を説明したところ、兵たちも納得して私のやり方に従ってくれた。
「ゲギャギャギャギャ」
三班の兵たちに挑発されたゴブリンどもが彼らを追いかけてこちらへと向かってくる。そしてあっさりとキルゾーンに 10 匹のゴブリンと 1 匹のホブゴブリンが侵入してきた。
「やれっ!」
私の合図とともに各班の兵士たちが一斉に矢を射掛ける。ルミアもマシロを呼び出して風の刃を次々と打ち込んでいく。
瞬く間にゴブリンは全滅し、全身に矢の刺さったホブゴブリンだけが憎しみの籠った目で 私たちを睨み付けている。
そしてくるりと回れ右をして逃げようとしたところに回りこんだ五班の兵士たちがその退路を塞ぐ。それを見てパニックになったゴブリンたちは右往左往しては兵士たちに次々と討ち取られその数を減らしていく。
その時だった。
「グゴォォォ」
リーダーであるホブゴブリンが大きな叫び声を上げ、私たちのほうへと突っ込んできた。
「うっ」
私の前に立っている兵士の男がその叫び声に怯んで半歩下がってしまう。それを見た私はすかさずホブゴブリンの前へと踊り出る。そしてセスルームニルを抜き放つとそのまま一撃でホブゴブリンを胴を斬り飛ばした。
そうして上半身と下半身に別れたホブゴブリンはそのまま地面を転がると動かなくなった。
私は怯んだ彼に向き直ると声をかけた。
「ここは既に戦場だ。怯むな! 弱さを見せれば死ぬぞ!」
「は、はいっ!」
「いいか! お前たち! ホブゴブリンなど物の数ではない! 恐れるな! ホワイトムーン王国聖騎士にして聖女フィーネ・アルジェンタータ様の盾、クリスティーナは今、お前たちと共にある。負けることなどあり得ん!」
「うおぉぉぉぉ!」
「さすが聖騎士だ!」
「そうだ! 俺たちだってやれるぞ!」
「クリスティーナ隊長に負けるな!」
口々に兵士たちが気合の入った声を次々と上げる。
どうやら兵士たちの士気を上げることに成功したようだ。
私たちはゴブリンどもの死体を焼却処分すると魔石は回収せずにそのまま次のゴブリンどもを探しに森の奥へと分け入る。魔石を回収しなかったのは、単に荷物になって邪魔だからだ。収納をお持ちのフィーネ様がこの場にいらっしゃるのであれば回収したかもしれないが、今の我々は作戦行動中だ。余計な荷物を増やす余裕はない。
****
こうしてルミアが森に住む精霊の力を借りてゴブリンどもの居場所を教えてもらい、そして私たちが狩るということを 5 ~ 6 回行った。討伐したゴブリンどもの内訳は通常のゴブリンが 70 匹、ホブゴブリンが 3 匹、ゴブリンアーチャーとゴブリンメイジが 1 匹ずつだ。
日も傾いてきたのでそろそろ野営の準備に入ろうと思っていた丁度その時だった。私は凄まじい気配を感じて思わず西へと視線を送る。
「隊長、いかがなさいましたか?」
一班の班長を任せているワン・ヂァンが私に尋ねてきた。
「お前は何も感じないのか? 何か凄まじい気配をあちらに感じたぞ」
「そうなのですか? 私は何も感じませんな。野営を前に隊長も気が立っておられるのでは?」
「……だといいのだが」
私はルミアの方をちらりと見遣る。すると、ルミアは目を見開いて西を見つめていた。その顔はやや青ざめて見え、少し震えているようにも見える。
「おい、ルミア! どうした?」
「と、とんでもなくおっきい害獣がいるって……危ないから逃げろって……」
「なんだと? まさかロードがこちら側に回りこんでいるというのか!?」
「ははは、隊長もルミア殿も気にしすぎですよ。何なら俺たちがちょっと見てきましょうか?」
全く危機感の無いワン・ヂァンがそう言って西の茂みへと歩いていく。
「あ……ダメですっ!」
「待て! ワン・ヂァン!」
私たちの制止も聞かずにワン・ヂァンと一班の兵士 3 人が茂みの中へと入っていく。私はまさかの命令違反に少しの間固まってしまうが、すぐに慌てて追いかける。
「ぎゃあああああ」
しかし、予想通りというか、ワン・ヂァンと兵士たちの悲鳴が聞こえたかと思うとそのまま静かになり、そしてワン・ヂァンたち四人を殺したと思われる複数の足音がこちらへと向かってくる。
「くっ、総員撤退準備!」
「えっ!」
「班長が!」
「黙れ! 撤退準備だ! 五班! 今すぐに森を抜けて街へ行け! ロードはここだ!」
「なっ!」
「早く行け! 早くルゥー・フェィ将軍とフィーネ様を呼んで来い! こいつを潰せば我々の勝利だ!」
「ははっ! かしこまりましたっ!」
五班の班長が弾かれたように走り出す。
「二班から四班、ロードがいるなら周りには多くの上位種がいるはずだ。距離を取りながらメイジとアーチャーを潰せ! ロードは私とルミアで抑えつつ、町へと撤退だ!」
「「「「は、ははっ!」」」」
「一班の残りも町へ行け! 五班の奴らとは別のルートで町へと戻り事態を報せろ!」
「は、はいっ!」
一班の残った 5 人も街へと戻す。これで事態が伝わる可能性が上がるはず。
「ク、クリスさんっ! ダメですっ! 逃げましょう!」
「何を弱気になっている! ロードとてデッドリースコルピよりも個の力は下だ! 決して勝てぬ相手ではないぞ! それに背を見せれば飲み込まれる!」
「グルルルル」
茂みの方を見ると、手を真っ赤に染めた 4 メートル程の巨大なゴブリン、ゴブリンロードが多くの上位種たちを連れて姿を現したのだった。
「クリスさん、早く害獣を全滅させて美味しいものを食べに行きましょうねっ!」
「そうだな。ゴブリンの本隊は南と聞いているからゴブリンロードと戦うようなことにはならないだろうが、ホブゴブリンやメイジ、アーチャーといった上位種とは確実に戦うことになる。くれぐれも油断するなよ」
「はーい。でも、森の中はあたしの庭みたいなものですからね。きっと大丈夫ですよっ!」
「ルミア、それが油断というのだ」
「むぅ」
私はルミアを注意するが、彼女はどこか不満げだ。
実際問題、ルミアは森に入ってから精霊の助けとやらを借りているそうで、ゴブリンの居場所に案内してもらっている。しかも、本来であれば交代で藪漕ぎをしなければいけないはずの場所にもかかわらず、なんと藪のほうが私たちを避けて道を作ってくれている。森でのエルフというのは本当に凄まじい力を秘めているようだ。
「クリスさん、あっちの茂みの向こう側に害獣が 10 匹とおっきい害獣が 1 匹いますっ。他にはいないみたいですっ」
精霊に教えてもらったらしく、ルミアがゴブリンの居場所を教えてくれる。
「よし、一班は左、二班は右へ回り込め。三班は誘引、四班はここで迎え撃ってゴブリンどもを殲滅。五班は迂回して回り込んで退路を塞げ」
「「「「「はっ」」」」」
各班の班長が私の指示に従って動き出す。
私はルゥー・フェィ将軍より預けられた兵 50 を 9 人ずつの班に分け、それぞれに班長と副班長を置いた。残った 5 人は私の直属としてこの部隊唯一の魔術師役であるルミアを守らせる。
ちなみにこの少数の班に分けるやり方はホワイトムーン王国の騎士団が行っている方法だ。レッドスカイ帝国でのやり方だと班の人数がかなり多かったため、森の中での遊撃任務には向かないと判断したのだ。理由を説明したところ、兵たちも納得して私のやり方に従ってくれた。
「ゲギャギャギャギャ」
三班の兵たちに挑発されたゴブリンどもが彼らを追いかけてこちらへと向かってくる。そしてあっさりとキルゾーンに 10 匹のゴブリンと 1 匹のホブゴブリンが侵入してきた。
「やれっ!」
私の合図とともに各班の兵士たちが一斉に矢を射掛ける。ルミアもマシロを呼び出して風の刃を次々と打ち込んでいく。
瞬く間にゴブリンは全滅し、全身に矢の刺さったホブゴブリンだけが憎しみの籠った目で 私たちを睨み付けている。
そしてくるりと回れ右をして逃げようとしたところに回りこんだ五班の兵士たちがその退路を塞ぐ。それを見てパニックになったゴブリンたちは右往左往しては兵士たちに次々と討ち取られその数を減らしていく。
その時だった。
「グゴォォォ」
リーダーであるホブゴブリンが大きな叫び声を上げ、私たちのほうへと突っ込んできた。
「うっ」
私の前に立っている兵士の男がその叫び声に怯んで半歩下がってしまう。それを見た私はすかさずホブゴブリンの前へと踊り出る。そしてセスルームニルを抜き放つとそのまま一撃でホブゴブリンを胴を斬り飛ばした。
そうして上半身と下半身に別れたホブゴブリンはそのまま地面を転がると動かなくなった。
私は怯んだ彼に向き直ると声をかけた。
「ここは既に戦場だ。怯むな! 弱さを見せれば死ぬぞ!」
「は、はいっ!」
「いいか! お前たち! ホブゴブリンなど物の数ではない! 恐れるな! ホワイトムーン王国聖騎士にして聖女フィーネ・アルジェンタータ様の盾、クリスティーナは今、お前たちと共にある。負けることなどあり得ん!」
「うおぉぉぉぉ!」
「さすが聖騎士だ!」
「そうだ! 俺たちだってやれるぞ!」
「クリスティーナ隊長に負けるな!」
口々に兵士たちが気合の入った声を次々と上げる。
どうやら兵士たちの士気を上げることに成功したようだ。
私たちはゴブリンどもの死体を焼却処分すると魔石は回収せずにそのまま次のゴブリンどもを探しに森の奥へと分け入る。魔石を回収しなかったのは、単に荷物になって邪魔だからだ。収納をお持ちのフィーネ様がこの場にいらっしゃるのであれば回収したかもしれないが、今の我々は作戦行動中だ。余計な荷物を増やす余裕はない。
****
こうしてルミアが森に住む精霊の力を借りてゴブリンどもの居場所を教えてもらい、そして私たちが狩るということを 5 ~ 6 回行った。討伐したゴブリンどもの内訳は通常のゴブリンが 70 匹、ホブゴブリンが 3 匹、ゴブリンアーチャーとゴブリンメイジが 1 匹ずつだ。
日も傾いてきたのでそろそろ野営の準備に入ろうと思っていた丁度その時だった。私は凄まじい気配を感じて思わず西へと視線を送る。
「隊長、いかがなさいましたか?」
一班の班長を任せているワン・ヂァンが私に尋ねてきた。
「お前は何も感じないのか? 何か凄まじい気配をあちらに感じたぞ」
「そうなのですか? 私は何も感じませんな。野営を前に隊長も気が立っておられるのでは?」
「……だといいのだが」
私はルミアの方をちらりと見遣る。すると、ルミアは目を見開いて西を見つめていた。その顔はやや青ざめて見え、少し震えているようにも見える。
「おい、ルミア! どうした?」
「と、とんでもなくおっきい害獣がいるって……危ないから逃げろって……」
「なんだと? まさかロードがこちら側に回りこんでいるというのか!?」
「ははは、隊長もルミア殿も気にしすぎですよ。何なら俺たちがちょっと見てきましょうか?」
全く危機感の無いワン・ヂァンがそう言って西の茂みへと歩いていく。
「あ……ダメですっ!」
「待て! ワン・ヂァン!」
私たちの制止も聞かずにワン・ヂァンと一班の兵士 3 人が茂みの中へと入っていく。私はまさかの命令違反に少しの間固まってしまうが、すぐに慌てて追いかける。
「ぎゃあああああ」
しかし、予想通りというか、ワン・ヂァンと兵士たちの悲鳴が聞こえたかと思うとそのまま静かになり、そしてワン・ヂァンたち四人を殺したと思われる複数の足音がこちらへと向かってくる。
「くっ、総員撤退準備!」
「えっ!」
「班長が!」
「黙れ! 撤退準備だ! 五班! 今すぐに森を抜けて街へ行け! ロードはここだ!」
「なっ!」
「早く行け! 早くルゥー・フェィ将軍とフィーネ様を呼んで来い! こいつを潰せば我々の勝利だ!」
「ははっ! かしこまりましたっ!」
五班の班長が弾かれたように走り出す。
「二班から四班、ロードがいるなら周りには多くの上位種がいるはずだ。距離を取りながらメイジとアーチャーを潰せ! ロードは私とルミアで抑えつつ、町へと撤退だ!」
「「「「は、ははっ!」」」」
「一班の残りも町へ行け! 五班の奴らとは別のルートで町へと戻り事態を報せろ!」
「は、はいっ!」
一班の残った 5 人も街へと戻す。これで事態が伝わる可能性が上がるはず。
「ク、クリスさんっ! ダメですっ! 逃げましょう!」
「何を弱気になっている! ロードとてデッドリースコルピよりも個の力は下だ! 決して勝てぬ相手ではないぞ! それに背を見せれば飲み込まれる!」
「グルルルル」
茂みの方を見ると、手を真っ赤に染めた 4 メートル程の巨大なゴブリン、ゴブリンロードが多くの上位種たちを連れて姿を現したのだった。
0
お気に入りに追加
436
あなたにおすすめの小説

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる