170 / 625
巫女の治める国
第四章第37話 キリナギ
しおりを挟む
「シズクさん!」「シズクさんっ!」「シズク殿っ!」
私たち三人の声が重なる。しかし私たちのその声にシズクさんは眉一つ動かさない。
「スイキョウ! シズクさんに何をしたんですか!」
「ほほほ。あの娘に妾の力を与えて在り様を変えてやっただけよ」
「在り様?」
「やはり頭が悪いのう。もはや人間ではなくなった、ただそれだけの事よ」
「なっ!」
こいつ、何という事を!
「さあ、シズクよ。命令じゃ。そこの聖女以外は殺してもよい。こ奴らを倒すのじゃ」
その命令を聞くや否や、シズクさんの体からどす黒いオーラのようなものが立ちのぼる。そしてシズクさんの周りに無数の青白い炎が現れた。
そしてそれらをまるで雨を降らせるかのようにクリスさんへと打ち込んでいく。クリスさんはひらりひらりと躱しているが全てを避けきることはできない。
「防壁」
私はシズクさんとクリスさんの間に防壁を作り狐火を受け止める。
「フィーネ様、助かりました」
しかしシズクさんは攻撃の手を緩めない。防壁を迂回するように左右と上から鬼火の雨を降らせてくる。
「あっ」
クリスさんは避けきれずに一発をまともに被弾してしまった。
「ええい、結界!」
私は自分の周りの結界を解いてクリスさんを守るために結界を作り出す。その結界に無数の狐火が殺到する。辺りは青白い炎に包まれ洞窟の壁が、水面が、祭壇が青白く照らし出される。私のところにもその熱風が伝わり、頬がちりちりと焼けるような感覚を覚える。
どす黒いオーラに包まれたシズクさんが無表情にクリスさんのいた場所を見つめている。
狐火が消えた瞬間、クリスさんは結界から飛び出すと剣を構えてシズクさんに突撃する。一撃を受けているせいかやや動きが鈍いが、それでも十分に早い。クリスさんが渾身の突きをシズクさんに繰り出す。
シズクさんはクリスさんの動きを目で追っているようには見える。だが、微動だにしない。シズクさんに迎撃する術はないはずだ。どうして?
私は息を呑む。そしてクリスさんの突きはシズクさんの脇腹をとらえ、そして貫いた。
・
・
・
いや、貫いていない。
よく見るとシズクさんから立ち昇るどす黒いオーラがそれを受け止めている。
そうか、今のシズクさんにとってクリスさんの剣は躱す必要が無いのだ。マシロちゃんの風の刃をスイキョウが躱す必要がなかったように。
「なっ……」
渾身の一撃が全く通用しなかったショックでクリスさんが動揺しているようだ。そのクリスさんにシズクさんが無数の狐火を至近距離から打ち込んだ。
「がっ、はっ」
クリスさんは吹き飛ばされ、そのまま倒れ込む。剣は手放していないが、動くこともできない様子だ。
「「クリスさんっ!」」
私たちは急いでクリスさんに駆け寄る。
「ひ、ひどい……」
クリスさんは全身に火傷を負っており、一目見ても危険な状態だと分かる。
「く、治癒魔法を」
私が治癒魔法を掛けようとするが、シズクさんが狐火を打ち込んでくる。私はそれを結界を張って受け止める。
「今のうちに」
私は結界を維持しながら治癒魔法をかける。
その間にもシズクさんは結界に向かって狐火を打ち込み続けているが、私の結界はこの程度の攻撃ではびくともしない。
そして狐火では私の結界を破れないと理解したのか、シズクさんは結界まで歩いて近づいてきた。そして無造作に折れた刀を拾い上げるとそこに先ほどの黒いオーラを纏わせる。そしてその刀で力まかせに結界を切り付けてきた。
ガシィィン
私の結界はそれも受け止めたが、そのあまりの威力に私の結界が歪んだのを感じる。シズクさんは無表情のまま結界を折れた刀で何度も何度も切り付ける。
ガシィィン
ガシィィン
ガシィィン
ガシィィン
徐々に私の結界の歪みが大きくなっていく。
「くっ、このままでは」
私は治癒魔法を止めて結界の維持に魔力を注ぎ込む。
「シズクさんっ! あたし達が分からないんですかっ!」
ルーちゃんの必死の呼びかけにもシズクさんは表情を変えない。
「ほほほほほ。無駄よ。その娘の意思は既にない。その娘はもはや妾の命令のみを聞くただの人形よ」
「くっ」
もはやこれまで、そう思った時、どこかからともなく男性の声が聞こえてきた。
『……聖女よ……』
「え?」
『……我を主の元へ……』
「誰?」
私は周囲を見回すが目に入るのは無表情で結界を斬りつけ続けるシズクさん、涙目でシズクさんに訴えているルーちゃん、苦しそうに横たわるクリスさん、そしてニヤニヤと底意地の悪い笑みを浮かべるスイキョウだけだ。男の人なんてどこにもいない。
『……聖女よ……』
私は自分の腰に暖かい存在を感じた。心地よい聖なる力が流れ込んでくるのを感じる。
あ……! これは、キリナギだ。
イッテン流道場で奪い返したシズクさんのキリナギは、何故か私の収納に入れることが出来なかった。そしてクリスさんもソウジさんも持つことが出来なかったため、私が腰にぶら下げてここまで運んできたのだ。
「キリナギ?」
私はキリナギを手で触れながら聞き返す。
『頼む!……我が……主を!』
その必死な声を聞いた私はキリナギを鞘から抜き、そのままシズクさんへと放り投げた。
キリナギは空中で錐揉みしながら緩やかな放物線を描き、私たちからちょうど一メートルちょっとくらいのところで結界を斬りつけているシズクさんへと向かっていく。
そしてシズクさんのすぐそばに到達すると、目も眩むような激しい光を放った!
私たち三人の声が重なる。しかし私たちのその声にシズクさんは眉一つ動かさない。
「スイキョウ! シズクさんに何をしたんですか!」
「ほほほ。あの娘に妾の力を与えて在り様を変えてやっただけよ」
「在り様?」
「やはり頭が悪いのう。もはや人間ではなくなった、ただそれだけの事よ」
「なっ!」
こいつ、何という事を!
「さあ、シズクよ。命令じゃ。そこの聖女以外は殺してもよい。こ奴らを倒すのじゃ」
その命令を聞くや否や、シズクさんの体からどす黒いオーラのようなものが立ちのぼる。そしてシズクさんの周りに無数の青白い炎が現れた。
そしてそれらをまるで雨を降らせるかのようにクリスさんへと打ち込んでいく。クリスさんはひらりひらりと躱しているが全てを避けきることはできない。
「防壁」
私はシズクさんとクリスさんの間に防壁を作り狐火を受け止める。
「フィーネ様、助かりました」
しかしシズクさんは攻撃の手を緩めない。防壁を迂回するように左右と上から鬼火の雨を降らせてくる。
「あっ」
クリスさんは避けきれずに一発をまともに被弾してしまった。
「ええい、結界!」
私は自分の周りの結界を解いてクリスさんを守るために結界を作り出す。その結界に無数の狐火が殺到する。辺りは青白い炎に包まれ洞窟の壁が、水面が、祭壇が青白く照らし出される。私のところにもその熱風が伝わり、頬がちりちりと焼けるような感覚を覚える。
どす黒いオーラに包まれたシズクさんが無表情にクリスさんのいた場所を見つめている。
狐火が消えた瞬間、クリスさんは結界から飛び出すと剣を構えてシズクさんに突撃する。一撃を受けているせいかやや動きが鈍いが、それでも十分に早い。クリスさんが渾身の突きをシズクさんに繰り出す。
シズクさんはクリスさんの動きを目で追っているようには見える。だが、微動だにしない。シズクさんに迎撃する術はないはずだ。どうして?
私は息を呑む。そしてクリスさんの突きはシズクさんの脇腹をとらえ、そして貫いた。
・
・
・
いや、貫いていない。
よく見るとシズクさんから立ち昇るどす黒いオーラがそれを受け止めている。
そうか、今のシズクさんにとってクリスさんの剣は躱す必要が無いのだ。マシロちゃんの風の刃をスイキョウが躱す必要がなかったように。
「なっ……」
渾身の一撃が全く通用しなかったショックでクリスさんが動揺しているようだ。そのクリスさんにシズクさんが無数の狐火を至近距離から打ち込んだ。
「がっ、はっ」
クリスさんは吹き飛ばされ、そのまま倒れ込む。剣は手放していないが、動くこともできない様子だ。
「「クリスさんっ!」」
私たちは急いでクリスさんに駆け寄る。
「ひ、ひどい……」
クリスさんは全身に火傷を負っており、一目見ても危険な状態だと分かる。
「く、治癒魔法を」
私が治癒魔法を掛けようとするが、シズクさんが狐火を打ち込んでくる。私はそれを結界を張って受け止める。
「今のうちに」
私は結界を維持しながら治癒魔法をかける。
その間にもシズクさんは結界に向かって狐火を打ち込み続けているが、私の結界はこの程度の攻撃ではびくともしない。
そして狐火では私の結界を破れないと理解したのか、シズクさんは結界まで歩いて近づいてきた。そして無造作に折れた刀を拾い上げるとそこに先ほどの黒いオーラを纏わせる。そしてその刀で力まかせに結界を切り付けてきた。
ガシィィン
私の結界はそれも受け止めたが、そのあまりの威力に私の結界が歪んだのを感じる。シズクさんは無表情のまま結界を折れた刀で何度も何度も切り付ける。
ガシィィン
ガシィィン
ガシィィン
ガシィィン
徐々に私の結界の歪みが大きくなっていく。
「くっ、このままでは」
私は治癒魔法を止めて結界の維持に魔力を注ぎ込む。
「シズクさんっ! あたし達が分からないんですかっ!」
ルーちゃんの必死の呼びかけにもシズクさんは表情を変えない。
「ほほほほほ。無駄よ。その娘の意思は既にない。その娘はもはや妾の命令のみを聞くただの人形よ」
「くっ」
もはやこれまで、そう思った時、どこかからともなく男性の声が聞こえてきた。
『……聖女よ……』
「え?」
『……我を主の元へ……』
「誰?」
私は周囲を見回すが目に入るのは無表情で結界を斬りつけ続けるシズクさん、涙目でシズクさんに訴えているルーちゃん、苦しそうに横たわるクリスさん、そしてニヤニヤと底意地の悪い笑みを浮かべるスイキョウだけだ。男の人なんてどこにもいない。
『……聖女よ……』
私は自分の腰に暖かい存在を感じた。心地よい聖なる力が流れ込んでくるのを感じる。
あ……! これは、キリナギだ。
イッテン流道場で奪い返したシズクさんのキリナギは、何故か私の収納に入れることが出来なかった。そしてクリスさんもソウジさんも持つことが出来なかったため、私が腰にぶら下げてここまで運んできたのだ。
「キリナギ?」
私はキリナギを手で触れながら聞き返す。
『頼む!……我が……主を!』
その必死な声を聞いた私はキリナギを鞘から抜き、そのままシズクさんへと放り投げた。
キリナギは空中で錐揉みしながら緩やかな放物線を描き、私たちからちょうど一メートルちょっとくらいのところで結界を斬りつけているシズクさんへと向かっていく。
そしてシズクさんのすぐそばに到達すると、目も眩むような激しい光を放った!
0
お気に入りに追加
434
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
【転生先が四天王の中でも最弱!の息子とか聞いてない】ハズレ転生先かと思いきや世界で唯一の氷魔法使いだった俺・・・いっちょ頑張ってみますか
他仲 波瑠都
ファンタジー
古の大戦で連合軍を勝利に導いた四人の英雄《導勝の四英傑》の末裔の息子に転生した天道明道改めマルス・エルバイス
しかし彼の転生先はなんと”四天王の中でも最弱!!”と名高いエルバイス家であった。
異世界に来てまで馬鹿にされ続ける人生はまっぴらだ、とマルスは転生特典《絶剣・グランデル》を駆使して最強を目指そうと意気込むが、そんな彼を他所にどうやら様々な思惑が入り乱れ世界は終末へと向かっているようで・・・。
絶剣の刃が煌めく時、天は哭き、地は震える。悠久の時を経て遂に解かれる悪神らの封印、世界が向かうのは新たな時代かそれとも終焉か────
ぜひ読んでみてください!
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
俺の旅の連れは美人奴隷~俺だって異世界に来たのならハーレムを作ってみたい~
藤
ファンタジー
「やめてください」「積極的に行こうよ」「ご主人様ってそういう人だったんだ」様々な女の子とイチャイチャしながら異世界を旅して人生を楽しんでいこう。
婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています
葉柚
ファンタジー
婚約者の二股により婚約破棄をされた33才の真由は、突如異世界に飛ばされた。
そこはど田舎だった。
住む家と土地と可愛い3匹の猫をもらった真由は、猫たちに囲まれてストレスフリーなスローライフ生活を送る日常を送ることになった。
レコンティーニ王国は猫に優しい国です。
小説家になろう様にも掲載してます。
わたくし、前世では世界を救った♂勇者様なのですが?
自転車和尚
ファンタジー
【タイトル】
わたくし、前世では世界を救った♂勇者様なのですが?
〜魔王を倒し世界を救った最強勇者様だったこの俺が二度目の転生で、超絶美少女貴族に生まれ変わってしまった。一体これからどうなる私のTS貴族令嬢人生!?
【あらすじ】
「どうして俺こんな美少女令嬢に生まれ変わってんの?!」
日本の平凡な男子大学生が転生し、異世界『レーヴェンティオラ』を救う運命の勇者様となったのはもう二〇年も前。
この世界を脅かす魔王との最終決戦、終始圧倒するも相打ちとなった俺は死後の世界で転生させてくれた女神様と邂逅する。
彼女は俺の偉業を讃えるとともに、神界へと至る前に女神が管理する別の異世界『マルヴァース』へと転生するように勧めてきた。
前回の反省点から生まれは貴族、勇者としての能力はそのままにというチート状態での転生を受け入れた俺だが、女神様から一つだけ聞いてなかったことがあるんだ……。
目の前の鏡に映る銀髪、エメラルドグリーンの目を持つ超絶美少女……辺境伯家令嬢「シャルロッタ・インテリペリ」が俺自身? どういうことですか女神様!
美少女転生しても勇者としての能力はそのまま、しかも美少女すぎて国中から讃えられる「辺境の翡翠姫(アルキオネ)」なんて愛称までついてしまって……ちょっとわたくし、こんなこと聞いてないんですけど?
そんなシャルロッタが嘆く間も無く、成長するに従ってかけがえの無い仲間との邂逅や、実はこの世界を狙っている邪悪な存在が虎視眈々と世界征服を狙っていることに気がつき勇者としての力を発揮して敵を打ち倒していくけど……こんな化け物じみた力を貴族令嬢が見せたらまずいでしょ!?
一体どうなるの、わたくしのTSご令嬢人生!?
前世は♂勇者様だった最強貴族令嬢の伝説が、今幕を開ける。
※本作は小説家になろう、カクヨム、アルファポリスに同時掲載を行なっております。
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる