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巫女の治める国
第四章第33話 鉄扉前の攻防
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私はフィーネ様たちを追いかけてイッテン流道場の奥へと進む。フィーネ様たちの通ったあとには衛兵たちが血を流して倒れているので迷うことはない。私はその倒れた衛兵たちを目印にフィーネ様のいる場所を目指して歩を進めていく。
その時だった。突然大きな地響きと共に建物が大きく揺れる。
「こ、これは? フィーネ様! どうかご無事で!」
私はフィーネ様に追いつくべく、急いで駆け出したのだった。
****
姉さまが不思議な力で扉の向こうへと消えるとすぐに、恐ろしい気配が扉の向こうから伝わってきた。
「ル、ルミアちゃん、これは一体何が起こっているでござるか?」
「分かんないですけど、まずそうです。ねえ、この鍵壊せないんですかっ? ほらっ、その刀で切るとか」
「む、無理でござるよ。こんな金属の塊を斬ったら刀が折れてしまうでござるよ」
「むぅ」
こいつ使えないっ! クリスさんやシズクさんなら斬りそうなのにっ!
「マシロっ!」
あたしの合図でマシロが鍵に向かって風の刃を飛ばす。風の刃は寸分たがわず南京錠を捉えた。
ガシィィン
大きな音を立てて炸裂したマシロの風の刃だったかが、残念ながら弾かれてしまい南京錠には傷一つつけられなかった。
「むぅぅ」
すると、あたし達が走ってきた方から大きな声と足音が聞こえてきた。
「何だ! 今の音は!」
そして、ここに来るまでに倒してきた人間たちと同じ服を着た人間たちがやってきた。
「あ、いたでござる! 曲者はこっちだー! であえであえー!」
むぅ、今の音で気付かれてしまったみたいだ。
「ちょ、気付かれたでござるよ! どうするでござるか?」
「どうするも何も、倒すしかないです! マシロっ!」
マシロが再び風の刃を飛ばしてはこちらに向かってくる人間たちを切り裂いていく。ここは袋小路になっているのであたし達に逃げ場はない。
「ぐ、こやつら卑怯にも怪しげな術を使うでござる」
五人ほど風の刃で切り裂いて倒したところで人間たちは無暗にあたし達に近づいてはこなくなった。
睨み合いとなったところで突如、姉さまの入った部屋の中から強烈な衝撃が襲ってきた。
「わっ」
「な、何事でござるかっ!?」
あたしとソウジさんが驚いて尻もちをつく。襲われるかと思って人間たちのほうを見たが、あっちもあっちで尻もちをついている。
「む、チャンス! マシロっ!」
尻もちをついている人間たちに風の刃を打ち込んでいく。
「た、倒れているものを狙うなど卑怯なっ!」
ふんだ。あたし達を襲ってきているくせに卑怯なんて言われても知るもんか。
あたしは矢を番えるとごちゃごちゃと変なことを言ってくる人間の脳天に打ち込む。
「がっ」
それきりその男はそのまま動かなくなった。
「これで静かになりましたねっ」
あたしはソウジさんにそう語りかけるが、ソウジさんはどこか引きつった様な表情をあたしに向けてきた。
「どうしたんですか?」
「あ、いや、容赦がないな、と思っただけでござる」
「え? でもそうしないと殺されちゃいますよ?」
「だ、だが無抵抗な相手を殺さなくても……」
「?」
あたしはソウジさんの言っている意味が分からない。ソウジさんの表情も引きつったままで何だかちょっと怖くなってきた。
ちょうどその時だった。
「フィーネ様! ルミア! ソウジ殿! 無事かっ!?」
向こうから血まみれのクリスさんが走ってきた。
「……あの、クリスさんが無事じゃなさそうなんですけど?」
「ああ、これは返り血だ。私は拳を二発くらっただけで問題はない。それよりもフィーネ様は?」
「姉さまはこの扉の向こうです」
「なぜ三人で入らなかったのだ?」
「鍵を壊せなくて、姉さまがあたしを助けれてくれた不思議な術で扉の隙間から一人で中に」
あたしがクリスさんに説明した瞬間、扉の隙間から眩いばかりの光が漏れてくる。
「む、これはフィーネ様の魔法の光だな。よし、扉を破って中に突入するぞ」
クリスさんが扉の前に歩いていく。そしてその途中で気が付いたように立ち止まり、そしてソウジさんに声をかける。
「ソウジ殿、この鍵をなぜ斬らなかったのだ?」
「え? 金属の鍵は刀で斬れるわけがないでござるよ。そんなことをしたら刀が折れてしまうでござる」
するとクリスさんは少し残念なものを見るような表情を浮かべたがすぐに表情を戻す。
「そうか。では下がっていてくれ。ソウジ殿はよく見ていてくれ」
そう言ってクリスさんがいつものように剣を構え、そして軽くその切っ先を南京錠に触れさせる。そしてゆっくりと剣を振り上げ、そのまま上から下に一閃した。
パキン
クリスさんの剣を受けた南京錠は軽い音と共に真っ二つとなり、そのまま地面に落下した。
「ソウジ殿、このようにスッとしてシュッとすれば鍵など簡単に切れるのだ」
「あ、ああ。そう、でござるな」
ソウジさんはなんだか怪訝そうな、よく分からないと言いたげな顔をしているけど、これきっとシズクさんだってできるやつだよね?
あたしは何を言っているのか全然わからなかったけど、きっとすごい剣士は適当になんかするとできるんだと思う。
「さあ、ルミア、行くぞ。ソウジ殿も」
「はーいっ」
「あ、ああ」
クリスさんが扉を開けると廊下の光が暗い室内に差し込む。その先にはシズクさんのキリナギを手に持つ姉さまの姿があった。
「あ、ようやく来ましたね。キリナギは取り返し……クリスさん酷い格好じゃないですか。大丈夫ですか?」
姉さまはいつもの優しい声でそう話すと、そのままクリスさんに洗浄魔法と治癒魔法をかけた。暖かい光がクリスさんを包み込み、見る見るうちにクリスさんにこびりついていた汚れが落ち、そして少し腫れていた顔が元通りの綺麗な顔に戻る。
「はい。もう大丈夫ですよ。クリスさん。それじゃあソウジさん、龍神洞へ案内してください」
「ありがとうございます、フィーネ様」
「あ、ああ、任せるでござる」
クリスさんはいつも通りの表情でお礼を言い、ソウジさんは何か遠慮がちな様子でそう答えたのだった。
===================
ルーちゃんは人間にされたことを考えると仕方ないのかもしれませんが、人間を殺すことへの抵抗感はゼロのようです。
その時だった。突然大きな地響きと共に建物が大きく揺れる。
「こ、これは? フィーネ様! どうかご無事で!」
私はフィーネ様に追いつくべく、急いで駆け出したのだった。
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姉さまが不思議な力で扉の向こうへと消えるとすぐに、恐ろしい気配が扉の向こうから伝わってきた。
「ル、ルミアちゃん、これは一体何が起こっているでござるか?」
「分かんないですけど、まずそうです。ねえ、この鍵壊せないんですかっ? ほらっ、その刀で切るとか」
「む、無理でござるよ。こんな金属の塊を斬ったら刀が折れてしまうでござるよ」
「むぅ」
こいつ使えないっ! クリスさんやシズクさんなら斬りそうなのにっ!
「マシロっ!」
あたしの合図でマシロが鍵に向かって風の刃を飛ばす。風の刃は寸分たがわず南京錠を捉えた。
ガシィィン
大きな音を立てて炸裂したマシロの風の刃だったかが、残念ながら弾かれてしまい南京錠には傷一つつけられなかった。
「むぅぅ」
すると、あたし達が走ってきた方から大きな声と足音が聞こえてきた。
「何だ! 今の音は!」
そして、ここに来るまでに倒してきた人間たちと同じ服を着た人間たちがやってきた。
「あ、いたでござる! 曲者はこっちだー! であえであえー!」
むぅ、今の音で気付かれてしまったみたいだ。
「ちょ、気付かれたでござるよ! どうするでござるか?」
「どうするも何も、倒すしかないです! マシロっ!」
マシロが再び風の刃を飛ばしてはこちらに向かってくる人間たちを切り裂いていく。ここは袋小路になっているのであたし達に逃げ場はない。
「ぐ、こやつら卑怯にも怪しげな術を使うでござる」
五人ほど風の刃で切り裂いて倒したところで人間たちは無暗にあたし達に近づいてはこなくなった。
睨み合いとなったところで突如、姉さまの入った部屋の中から強烈な衝撃が襲ってきた。
「わっ」
「な、何事でござるかっ!?」
あたしとソウジさんが驚いて尻もちをつく。襲われるかと思って人間たちのほうを見たが、あっちもあっちで尻もちをついている。
「む、チャンス! マシロっ!」
尻もちをついている人間たちに風の刃を打ち込んでいく。
「た、倒れているものを狙うなど卑怯なっ!」
ふんだ。あたし達を襲ってきているくせに卑怯なんて言われても知るもんか。
あたしは矢を番えるとごちゃごちゃと変なことを言ってくる人間の脳天に打ち込む。
「がっ」
それきりその男はそのまま動かなくなった。
「これで静かになりましたねっ」
あたしはソウジさんにそう語りかけるが、ソウジさんはどこか引きつった様な表情をあたしに向けてきた。
「どうしたんですか?」
「あ、いや、容赦がないな、と思っただけでござる」
「え? でもそうしないと殺されちゃいますよ?」
「だ、だが無抵抗な相手を殺さなくても……」
「?」
あたしはソウジさんの言っている意味が分からない。ソウジさんの表情も引きつったままで何だかちょっと怖くなってきた。
ちょうどその時だった。
「フィーネ様! ルミア! ソウジ殿! 無事かっ!?」
向こうから血まみれのクリスさんが走ってきた。
「……あの、クリスさんが無事じゃなさそうなんですけど?」
「ああ、これは返り血だ。私は拳を二発くらっただけで問題はない。それよりもフィーネ様は?」
「姉さまはこの扉の向こうです」
「なぜ三人で入らなかったのだ?」
「鍵を壊せなくて、姉さまがあたしを助けれてくれた不思議な術で扉の隙間から一人で中に」
あたしがクリスさんに説明した瞬間、扉の隙間から眩いばかりの光が漏れてくる。
「む、これはフィーネ様の魔法の光だな。よし、扉を破って中に突入するぞ」
クリスさんが扉の前に歩いていく。そしてその途中で気が付いたように立ち止まり、そしてソウジさんに声をかける。
「ソウジ殿、この鍵をなぜ斬らなかったのだ?」
「え? 金属の鍵は刀で斬れるわけがないでござるよ。そんなことをしたら刀が折れてしまうでござる」
するとクリスさんは少し残念なものを見るような表情を浮かべたがすぐに表情を戻す。
「そうか。では下がっていてくれ。ソウジ殿はよく見ていてくれ」
そう言ってクリスさんがいつものように剣を構え、そして軽くその切っ先を南京錠に触れさせる。そしてゆっくりと剣を振り上げ、そのまま上から下に一閃した。
パキン
クリスさんの剣を受けた南京錠は軽い音と共に真っ二つとなり、そのまま地面に落下した。
「ソウジ殿、このようにスッとしてシュッとすれば鍵など簡単に切れるのだ」
「あ、ああ。そう、でござるな」
ソウジさんはなんだか怪訝そうな、よく分からないと言いたげな顔をしているけど、これきっとシズクさんだってできるやつだよね?
あたしは何を言っているのか全然わからなかったけど、きっとすごい剣士は適当になんかするとできるんだと思う。
「さあ、ルミア、行くぞ。ソウジ殿も」
「はーいっ」
「あ、ああ」
クリスさんが扉を開けると廊下の光が暗い室内に差し込む。その先にはシズクさんのキリナギを手に持つ姉さまの姿があった。
「あ、ようやく来ましたね。キリナギは取り返し……クリスさん酷い格好じゃないですか。大丈夫ですか?」
姉さまはいつもの優しい声でそう話すと、そのままクリスさんに洗浄魔法と治癒魔法をかけた。暖かい光がクリスさんを包み込み、見る見るうちにクリスさんにこびりついていた汚れが落ち、そして少し腫れていた顔が元通りの綺麗な顔に戻る。
「はい。もう大丈夫ですよ。クリスさん。それじゃあソウジさん、龍神洞へ案内してください」
「ありがとうございます、フィーネ様」
「あ、ああ、任せるでござる」
クリスさんはいつも通りの表情でお礼を言い、ソウジさんは何か遠慮がちな様子でそう答えたのだった。
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ルーちゃんは人間にされたことを考えると仕方ないのかもしれませんが、人間を殺すことへの抵抗感はゼロのようです。
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