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巫女の治める国
第四章第29話 道場破り、再び
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2020/05/26 ご指摘頂いた誤字を修正しました。ありがとうございました
2021/10/15 誤字を修正しました
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「頼もう!」
4 月末日の日の傾くころ、私たちはクリスさんを先頭にイッテン流の道場へとやってきた。
「む、貴様は!」
「イッテン流の師範にお会いしたい。先月の道場破りを成し遂げた際、敗者たるあなた方に嘘を言われていたことが発覚した。その落とし前をつけて頂く」
「な、何だと!? 師範が嘘など!」
「フウザンのミエシロ家を知らないと言った。だが、ミエシロ家とはミツルギ家の分家だそうではないか! そして、我らが友の刀であるキリナギを返してもらうぞ」
「何だと!? ということは貴様らがスイキョウ様が未来視なさった国を揺るがすテロリストどもだな! 皆の者、大罪人だ! 出あえ出あえー!」
道場の門番をしている男が大きな声をあげると次々と刀を履いた門下生と思われる人たちが続々と出てきた。
「フィーネ様、ここはただの道場ではなく、衛兵の詰め所も兼ねているそうです」
私の疑問を先取りしたかのように答えてくれる。
おお、なるほど。だからこんなに沢山武器を持った人がいるんだ。
ん? ということは衛兵の詰め所に道場破りを仕掛けていたのか。なんて過激なことを!
「さあ、フィーネ様、突破しますよ。みんな、続け!」
クリスさんを先頭に私たちは力づくで門を突破して押し入る。さすが一皮むけたクリスさんだ。この国の衛兵でもある剣士たち――いや、刀なので侍かもしれない――を全く寄せ付けていない。相当の実力差があるようで、手足だけを正確に斬り、相手を殺さずに戦闘不能状態に追い込んでいる。
私たちのほうに来る人たちはソウジさんが斬ってくれるため、特にやることがない私はその様子を眺めている。
え? 働けって? そんなこと剣の才能ゼロの私に言われても困るな。
あ、もちろんいつでも結界を張れるように準備はしているよ?
****
そのままクリスさんが 50 人くらいをあっさりと戦闘不能にすると、道場の建物内へと突入した。する、私たちの前に一人の大男が立ちはだかった。
「む、ヨシテル殿か」
「くくく。ホワイトムーン王国の聖騎士がこのような無法を働くとはな。やはり所詮はスイキョウ様の庇護を受けられぬ国、愚か者しかいないようだ」
「……キリナギをどこにやった?」
クリスさんは挑発されても冷静に返している。今までなら反応しているところだと思うが、やはりずいぶんと成長しているようだ。
「ふ。知りたければ力ずくで聞き出すのだな。俺はもうひと月前の俺ではない。スイキョウ様のおかげで開眼したこの力で貴様を切り捨ててやる!」
そう言うとこのヨシテルという男が何やらただならぬ気配を放つ。すると何やら黒いものがゆらゆらと漂ってきたかと思うと、それはそのままヨシテルに吸い込まれた。
「ガァァァァァァ!」
ヨシテルが雄たけびを上げると体がどんどんと巨大化していく!
「な、これは!?」
クリスさんが驚きの声をあげる。その間にもヨシテルは巨大化していき、そしてついには二メートル半はあろうかという巨大な鬼へと姿を変えたのだった。
「バカな! この術は!」
ソウジさんが驚きの声をあげる。
「そうだ! ミエシロ家の女にしか使えぬと言われていた【降霊術】だ。スイキョウ様のおかげで俺はこの術を使えるようにして頂いたのだ!」
ヨシテルはもうすでに勝つ事を確信しているかのように勝ち誇った表情で、そして私たちを見下すような口調でそう言った。
「さあ、前回の借りを返させてもらおう!」
そしてヨシテルは地面を蹴り一気にクリスさんのところへと飛び込んできた。
ガキン
クリスさんはヨシテルの刀を聖剣で受け止める。弾き飛ばされはしていないが、力負けしているのだろう。必死の形相を浮かべている。
「そらそらそら、どうした。こんなものか?」
「くぅっ」
単純な力比べなっているせいでクリスさんは苦しそうだ。
「クリスさん! 今援護を――」
「させぬ!」
私たちとクリスさんの間に白髪の老人が素早く割り込んできた。テッサイさんよりは少し若そうだが、それでもあの機敏な身のこなし、ただ者ではなさそうだ。
「な? カンエイ殿? なぜ左足が!?」
「え? 知っている人ですか?」
私はソウジさんのほうへと振り返る。
「あの男はミツルギカンエイ。このイッテン流の師範なのでござる。だが、奴は十年近く前に左足を失い、それ以来一人では歩けない体になったはずでござる」
何だって? そんな昔の傷を治せるなんて! 一度治った傷は【回復魔法】を使ってもそう簡単には治せないはずだ。どうやらこの国にもすごい治癒師がいるらしい。
「くくく。スイキョウ様に治していただいたのじゃ。スイキョウ様に出来ぬことなどないのじゃ!」
おっと、ここでもスイキョウ様か。スイキョウ様は本当に有能なようだが、そんな十年近く前の欠損を治すなんてできるのだろうか?
治癒魔法に限らず、【回復魔法】の本質は正しい状態へと回復させることだ。なので、再生せずに治癒し、それから時間が経ちすぎるとその欠損した状態が正しい状態となってしまう。そのため、それを怪我する以前の状態に回復させるのは並大抵のことではないはずだ。私だってできるかどうかはわからない。
果たして私のようなチートをせずに人間がそこまでの力を得られるものだろうか?
それもたった一人の生贄をたまに捧げるだけで。
病気も貧困も不作も人同士の争いも、そして遥か昔に失った足すらも回復させられる。
それはまるで神の奇跡そのものではないか。
神様といえばあのハゲたおっさんだ。だが、あのおっさんがそんな大それたことするだろうか?
私が会ったあのおっさんはどう見ても小物で、権力も能力もまるでない単なる末端の一人という印象だった。いや、する、しないという話の前に、そもそもあのおっさんにそんな力があるようには見えなかった。
じゃあ、これは一体?
そんな私の思考はカンエイの言葉で遮られることとなった。
2021/10/15 誤字を修正しました
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「頼もう!」
4 月末日の日の傾くころ、私たちはクリスさんを先頭にイッテン流の道場へとやってきた。
「む、貴様は!」
「イッテン流の師範にお会いしたい。先月の道場破りを成し遂げた際、敗者たるあなた方に嘘を言われていたことが発覚した。その落とし前をつけて頂く」
「な、何だと!? 師範が嘘など!」
「フウザンのミエシロ家を知らないと言った。だが、ミエシロ家とはミツルギ家の分家だそうではないか! そして、我らが友の刀であるキリナギを返してもらうぞ」
「何だと!? ということは貴様らがスイキョウ様が未来視なさった国を揺るがすテロリストどもだな! 皆の者、大罪人だ! 出あえ出あえー!」
道場の門番をしている男が大きな声をあげると次々と刀を履いた門下生と思われる人たちが続々と出てきた。
「フィーネ様、ここはただの道場ではなく、衛兵の詰め所も兼ねているそうです」
私の疑問を先取りしたかのように答えてくれる。
おお、なるほど。だからこんなに沢山武器を持った人がいるんだ。
ん? ということは衛兵の詰め所に道場破りを仕掛けていたのか。なんて過激なことを!
「さあ、フィーネ様、突破しますよ。みんな、続け!」
クリスさんを先頭に私たちは力づくで門を突破して押し入る。さすが一皮むけたクリスさんだ。この国の衛兵でもある剣士たち――いや、刀なので侍かもしれない――を全く寄せ付けていない。相当の実力差があるようで、手足だけを正確に斬り、相手を殺さずに戦闘不能状態に追い込んでいる。
私たちのほうに来る人たちはソウジさんが斬ってくれるため、特にやることがない私はその様子を眺めている。
え? 働けって? そんなこと剣の才能ゼロの私に言われても困るな。
あ、もちろんいつでも結界を張れるように準備はしているよ?
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そのままクリスさんが 50 人くらいをあっさりと戦闘不能にすると、道場の建物内へと突入した。する、私たちの前に一人の大男が立ちはだかった。
「む、ヨシテル殿か」
「くくく。ホワイトムーン王国の聖騎士がこのような無法を働くとはな。やはり所詮はスイキョウ様の庇護を受けられぬ国、愚か者しかいないようだ」
「……キリナギをどこにやった?」
クリスさんは挑発されても冷静に返している。今までなら反応しているところだと思うが、やはりずいぶんと成長しているようだ。
「ふ。知りたければ力ずくで聞き出すのだな。俺はもうひと月前の俺ではない。スイキョウ様のおかげで開眼したこの力で貴様を切り捨ててやる!」
そう言うとこのヨシテルという男が何やらただならぬ気配を放つ。すると何やら黒いものがゆらゆらと漂ってきたかと思うと、それはそのままヨシテルに吸い込まれた。
「ガァァァァァァ!」
ヨシテルが雄たけびを上げると体がどんどんと巨大化していく!
「な、これは!?」
クリスさんが驚きの声をあげる。その間にもヨシテルは巨大化していき、そしてついには二メートル半はあろうかという巨大な鬼へと姿を変えたのだった。
「バカな! この術は!」
ソウジさんが驚きの声をあげる。
「そうだ! ミエシロ家の女にしか使えぬと言われていた【降霊術】だ。スイキョウ様のおかげで俺はこの術を使えるようにして頂いたのだ!」
ヨシテルはもうすでに勝つ事を確信しているかのように勝ち誇った表情で、そして私たちを見下すような口調でそう言った。
「さあ、前回の借りを返させてもらおう!」
そしてヨシテルは地面を蹴り一気にクリスさんのところへと飛び込んできた。
ガキン
クリスさんはヨシテルの刀を聖剣で受け止める。弾き飛ばされはしていないが、力負けしているのだろう。必死の形相を浮かべている。
「そらそらそら、どうした。こんなものか?」
「くぅっ」
単純な力比べなっているせいでクリスさんは苦しそうだ。
「クリスさん! 今援護を――」
「させぬ!」
私たちとクリスさんの間に白髪の老人が素早く割り込んできた。テッサイさんよりは少し若そうだが、それでもあの機敏な身のこなし、ただ者ではなさそうだ。
「な? カンエイ殿? なぜ左足が!?」
「え? 知っている人ですか?」
私はソウジさんのほうへと振り返る。
「あの男はミツルギカンエイ。このイッテン流の師範なのでござる。だが、奴は十年近く前に左足を失い、それ以来一人では歩けない体になったはずでござる」
何だって? そんな昔の傷を治せるなんて! 一度治った傷は【回復魔法】を使ってもそう簡単には治せないはずだ。どうやらこの国にもすごい治癒師がいるらしい。
「くくく。スイキョウ様に治していただいたのじゃ。スイキョウ様に出来ぬことなどないのじゃ!」
おっと、ここでもスイキョウ様か。スイキョウ様は本当に有能なようだが、そんな十年近く前の欠損を治すなんてできるのだろうか?
治癒魔法に限らず、【回復魔法】の本質は正しい状態へと回復させることだ。なので、再生せずに治癒し、それから時間が経ちすぎるとその欠損した状態が正しい状態となってしまう。そのため、それを怪我する以前の状態に回復させるのは並大抵のことではないはずだ。私だってできるかどうかはわからない。
果たして私のようなチートをせずに人間がそこまでの力を得られるものだろうか?
それもたった一人の生贄をたまに捧げるだけで。
病気も貧困も不作も人同士の争いも、そして遥か昔に失った足すらも回復させられる。
それはまるで神の奇跡そのものではないか。
神様といえばあのハゲたおっさんだ。だが、あのおっさんがそんな大それたことするだろうか?
私が会ったあのおっさんはどう見ても小物で、権力も能力もまるでない単なる末端の一人という印象だった。いや、する、しないという話の前に、そもそもあのおっさんにそんな力があるようには見えなかった。
じゃあ、これは一体?
そんな私の思考はカンエイの言葉で遮られることとなった。
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