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花乙女の旅路
第三章第33話 名づけ
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「うー、どうしよう……」
借家のリビングでルーちゃんが頭を抱えて悩んでいる。
「どうしたんですか?」
「姉さま、どうしてもいい名前が思いつかないんです」
「名前、ですか?」
「そうです。明日、あたしもこの里の精霊樹で精霊との契約に挑める事になったじゃないですか。その時にあたしの精霊になってくれた子にどんな名前をつけようかずっと考えているんですけど、全然思いつかないんです」
そう言いながら眉間にしわを寄せて困ったアピールをしてくる。
そう、ルーちゃんは明日この里の精霊樹で契約に挑ませて貰えることになったのだ。
シルツァ湖群から戻ってきた私たちは里の皆さんに歓迎の宴を開いてもらった。その席でルーちゃんは契約精霊がまだいないという話になり、そしてそこから「じゃあうちの里で契約して行きなよ」という話の流れとなった。そしてシグリーズィアさんもあっさりと承諾してくれたので、善は急げということで明日にも挑ませて貰えることになったのだ。
ちなみに、白銀の里の精霊樹は気難しいことで有名らしく、精霊との契約も中々成功しないことで有名なのだそうだ。
それに比べてシルツァの里の場合はかなりおおらかだそうで、小さい子供でも普通に成功してきているらしい。
その上失敗しても白銀の里とは違って数年すれば精霊樹に近づけるようになって再チャレンジもできるそうだ。
ただ、それだけ難易度が高いせいで白銀の里の精霊樹から生まれた精霊と契約しているとすごい、的なブランドがあるらしい。
ちなみに生まれてくる精霊の能力に差はなく、白銀の里生まれの精霊のほうが優れている、といったことは一切ないそうだ。
「うーん、姉さま、ソテー、ムニエル、シチューの中だとどれがいいと思いますか?」
「ぶっ」
私は思わず口に含んでいたお茶を吹き出してしまった。
「ちょっと、お茶を吹いちゃったじゃないですか。ルーちゃんは精霊を食べる気ですか?」
私は自分で吹き出したお茶をふき取りながらルーちゃんに尋ねる。
「ええ~? だってぇ、思いつかないんですよぉ」
「もう、それなら会ってから決めたらどうですか? 姿を見たらいい名前が思い浮かぶかも知れませんよ?」
「でもぉ~、じゃあ、マントゥ、ステーキ、じゃがバターはどう思いますか?」
「いや、それもちょっと……」
ひとしきり話を聞いてみたが食べ物の名前しか出てこない。ルーちゃんらしいと言えばそうなのだが、いくら何でもじゃがバターは酷いんじゃないだろうか。
そうこうしているうちに私も眠くなってきた。
「もう夜も遅いので私はそろそろ寝ますね。ルーちゃんも、寝坊しない様に早く寝たほうが良いと思いますよ」
「ううぅ~」
私は唸っているルーちゃんを尻目に自室へと戻りベッドに潜り込んだ。
いい名前が思いつくと良いね! おやすみなさい。
****
「おはようございます、フィーネ様。それに皆様も。おや? ルミア様は随分とお疲れのご様子ですわね。また明日になさいますか?」
「だ、大丈夫です。その、ちょっと精霊と契約できた時の名前をどうしようかと考えていたら眠れなくて……」
朝起きてリビングに行くとルーちゃんがまだうんうん唸っていたので聞いてみると、なんとあのまま徹夜したのだそうだ。
それを聞いたシグリーズィアさんはくすりと笑った。
「ついこの間そこのシエラも同じようなことを言って寝不足でしたのよ」
「じょ、女王様! もう 15 年も前のことですよ? 思い出しただけでも恥ずかしいんですからやめて下さいよぉ」
シエラさんが顔を耳の先まで赤くしてシグリーズィアさんに抗議している。
「15 年などすぐですよ。シエラ」
シエラさんの抗議を軽くスルーしてシグリーズィアさんはそんなことを平然と宣う。15 年がすぐとは、やはり長命なエルフの時間感覚は私たちとは随分と違うようだ。
「さあ、寝不足ぐらいなら問題ございません。参りましょう」
こうして私たちはシグリーズィアさんに連れられて森の奥へと向かったのだった。
****
「我が名はルミア。古の盟約に基づき、今こそ我が盟友を欲さん」
ルーちゃんが精霊樹に跪いて祈りを捧げている。ここの精霊樹も大木ではあるが、白銀の里のものと比べるとかなり小さい。なんでも樹齢 1,000 年ほどの若い精霊樹だそうで、この里の歴史とともに歩んできた精霊樹なのだそうだ。
周りを見渡すと、白銀の里での私の時とは違ってほとんど見物客がいない。
昨日の宴の時に何の精霊と契約するかで賭けているエルフたちがかなりいたのでその確認に来た数人といったところか。
ちなみに賭けの景品は蜂蜜酒の樽一つで、正解を当てた者たちが飲めるのだそうだ。
何とも俗っぽいが森の中に住むエルフたちにとっては数少ない貴重な娯楽となっているようだ。
ちなみに一番人気は風が五割、その次に水が三割、土が残りの二割となっていた。どうせなら、ということで誰も賭けていない火、光、闇にそれぞれクリスさん、シズクさん、そして私が票を入れておいた。
さて、ルーちゃんの方はというと無事に精霊樹に認められたらしい。精霊樹が淡い光を放っている。そして精霊樹の実がルーちゃんの目の前に落ちてきた。
「我が名はルミア。汝との契約を望む」
白く光っているのは分かるが私にはどんな精霊なのかは分からない。
「我、汝に名を授ける。汝の名は、マシロ」
するとルーちゃんの周囲に爽やかな風が巻き起こった。その風はしばらくの間、ルーちゃんの髪を優しく揺らしていた。
「どうやら風の精霊のようですわね。ルミア様、おめでとうございます」
シグリーズィアさんがルーちゃんに声をかける。
「あっ! ありがとうございます。とってもカワイイ子と契約できましたっ!」
「ふふっ。フィーネ様にもお見せして差し上げると良いと思いますわよ?」
「そうだった! ありがとうございます! 姉さまーっ!」
ルーちゃんが私のところに駆け足でやってきた。
「姉さまっ! 見てください! カワイイんですっ!」
そう言って両手を差し出してくる。なんとなく何かの存在がある気はするが姿はやはり見えない。
「ルーちゃん、落ち着いて下さい。私も、クリスさんもシズクさんも、精霊を見ることはできないんです」
「あ、そうでした。ええと、こうかな? マシロ、召喚、出ておいで!」
すると、ルーちゃんの手の中には 10 cm くらいの小さな真っ白の毛玉が現れた。
うん? もしかしてこれ、真っ白だったからマシロ? まさか……ね?
「結局昨日の夜には決められなくて、それで姉さまに言われたとおり見てから決めましたっ! 真っ白だからマシロです。いい名前だと思いませんかっ?」
「え? ええと、はい。そうですね。この子にぴったりな名前だと思いますよ」
「えへへ。姉さまにも褒めてもらえたよ? やったねマシロ」
マシロちゃんがもぞもぞと動くと顔をこちらに向けた。ピンと立った長い耳、それに金色の目も見て取れる。どうやらこの子はどうやらウサギ型の精霊のようだ。
私を見たマシロちゃんがこてんと首を傾げるような仕草をする。
あ、かわいい。うちのリーチェが一番かわいいのは言うまでもないが、その方向性は違えどマシロちゃんも中々だ。
ちょっとウサギにしては丸くてずんぐりむっくりとしているような気もするが……。
「ルミア、おめでとう」
「ルミア殿、良かったでござるな」
「ありがとうございますっ!」
ルーちゃんが満面の笑みを浮かべる。
うん、やっぱりルーちゃんは悩んでいるより元気が一番だね。
借家のリビングでルーちゃんが頭を抱えて悩んでいる。
「どうしたんですか?」
「姉さま、どうしてもいい名前が思いつかないんです」
「名前、ですか?」
「そうです。明日、あたしもこの里の精霊樹で精霊との契約に挑める事になったじゃないですか。その時にあたしの精霊になってくれた子にどんな名前をつけようかずっと考えているんですけど、全然思いつかないんです」
そう言いながら眉間にしわを寄せて困ったアピールをしてくる。
そう、ルーちゃんは明日この里の精霊樹で契約に挑ませて貰えることになったのだ。
シルツァ湖群から戻ってきた私たちは里の皆さんに歓迎の宴を開いてもらった。その席でルーちゃんは契約精霊がまだいないという話になり、そしてそこから「じゃあうちの里で契約して行きなよ」という話の流れとなった。そしてシグリーズィアさんもあっさりと承諾してくれたので、善は急げということで明日にも挑ませて貰えることになったのだ。
ちなみに、白銀の里の精霊樹は気難しいことで有名らしく、精霊との契約も中々成功しないことで有名なのだそうだ。
それに比べてシルツァの里の場合はかなりおおらかだそうで、小さい子供でも普通に成功してきているらしい。
その上失敗しても白銀の里とは違って数年すれば精霊樹に近づけるようになって再チャレンジもできるそうだ。
ただ、それだけ難易度が高いせいで白銀の里の精霊樹から生まれた精霊と契約しているとすごい、的なブランドがあるらしい。
ちなみに生まれてくる精霊の能力に差はなく、白銀の里生まれの精霊のほうが優れている、といったことは一切ないそうだ。
「うーん、姉さま、ソテー、ムニエル、シチューの中だとどれがいいと思いますか?」
「ぶっ」
私は思わず口に含んでいたお茶を吹き出してしまった。
「ちょっと、お茶を吹いちゃったじゃないですか。ルーちゃんは精霊を食べる気ですか?」
私は自分で吹き出したお茶をふき取りながらルーちゃんに尋ねる。
「ええ~? だってぇ、思いつかないんですよぉ」
「もう、それなら会ってから決めたらどうですか? 姿を見たらいい名前が思い浮かぶかも知れませんよ?」
「でもぉ~、じゃあ、マントゥ、ステーキ、じゃがバターはどう思いますか?」
「いや、それもちょっと……」
ひとしきり話を聞いてみたが食べ物の名前しか出てこない。ルーちゃんらしいと言えばそうなのだが、いくら何でもじゃがバターは酷いんじゃないだろうか。
そうこうしているうちに私も眠くなってきた。
「もう夜も遅いので私はそろそろ寝ますね。ルーちゃんも、寝坊しない様に早く寝たほうが良いと思いますよ」
「ううぅ~」
私は唸っているルーちゃんを尻目に自室へと戻りベッドに潜り込んだ。
いい名前が思いつくと良いね! おやすみなさい。
****
「おはようございます、フィーネ様。それに皆様も。おや? ルミア様は随分とお疲れのご様子ですわね。また明日になさいますか?」
「だ、大丈夫です。その、ちょっと精霊と契約できた時の名前をどうしようかと考えていたら眠れなくて……」
朝起きてリビングに行くとルーちゃんがまだうんうん唸っていたので聞いてみると、なんとあのまま徹夜したのだそうだ。
それを聞いたシグリーズィアさんはくすりと笑った。
「ついこの間そこのシエラも同じようなことを言って寝不足でしたのよ」
「じょ、女王様! もう 15 年も前のことですよ? 思い出しただけでも恥ずかしいんですからやめて下さいよぉ」
シエラさんが顔を耳の先まで赤くしてシグリーズィアさんに抗議している。
「15 年などすぐですよ。シエラ」
シエラさんの抗議を軽くスルーしてシグリーズィアさんはそんなことを平然と宣う。15 年がすぐとは、やはり長命なエルフの時間感覚は私たちとは随分と違うようだ。
「さあ、寝不足ぐらいなら問題ございません。参りましょう」
こうして私たちはシグリーズィアさんに連れられて森の奥へと向かったのだった。
****
「我が名はルミア。古の盟約に基づき、今こそ我が盟友を欲さん」
ルーちゃんが精霊樹に跪いて祈りを捧げている。ここの精霊樹も大木ではあるが、白銀の里のものと比べるとかなり小さい。なんでも樹齢 1,000 年ほどの若い精霊樹だそうで、この里の歴史とともに歩んできた精霊樹なのだそうだ。
周りを見渡すと、白銀の里での私の時とは違ってほとんど見物客がいない。
昨日の宴の時に何の精霊と契約するかで賭けているエルフたちがかなりいたのでその確認に来た数人といったところか。
ちなみに賭けの景品は蜂蜜酒の樽一つで、正解を当てた者たちが飲めるのだそうだ。
何とも俗っぽいが森の中に住むエルフたちにとっては数少ない貴重な娯楽となっているようだ。
ちなみに一番人気は風が五割、その次に水が三割、土が残りの二割となっていた。どうせなら、ということで誰も賭けていない火、光、闇にそれぞれクリスさん、シズクさん、そして私が票を入れておいた。
さて、ルーちゃんの方はというと無事に精霊樹に認められたらしい。精霊樹が淡い光を放っている。そして精霊樹の実がルーちゃんの目の前に落ちてきた。
「我が名はルミア。汝との契約を望む」
白く光っているのは分かるが私にはどんな精霊なのかは分からない。
「我、汝に名を授ける。汝の名は、マシロ」
するとルーちゃんの周囲に爽やかな風が巻き起こった。その風はしばらくの間、ルーちゃんの髪を優しく揺らしていた。
「どうやら風の精霊のようですわね。ルミア様、おめでとうございます」
シグリーズィアさんがルーちゃんに声をかける。
「あっ! ありがとうございます。とってもカワイイ子と契約できましたっ!」
「ふふっ。フィーネ様にもお見せして差し上げると良いと思いますわよ?」
「そうだった! ありがとうございます! 姉さまーっ!」
ルーちゃんが私のところに駆け足でやってきた。
「姉さまっ! 見てください! カワイイんですっ!」
そう言って両手を差し出してくる。なんとなく何かの存在がある気はするが姿はやはり見えない。
「ルーちゃん、落ち着いて下さい。私も、クリスさんもシズクさんも、精霊を見ることはできないんです」
「あ、そうでした。ええと、こうかな? マシロ、召喚、出ておいで!」
すると、ルーちゃんの手の中には 10 cm くらいの小さな真っ白の毛玉が現れた。
うん? もしかしてこれ、真っ白だったからマシロ? まさか……ね?
「結局昨日の夜には決められなくて、それで姉さまに言われたとおり見てから決めましたっ! 真っ白だからマシロです。いい名前だと思いませんかっ?」
「え? ええと、はい。そうですね。この子にぴったりな名前だと思いますよ」
「えへへ。姉さまにも褒めてもらえたよ? やったねマシロ」
マシロちゃんがもぞもぞと動くと顔をこちらに向けた。ピンと立った長い耳、それに金色の目も見て取れる。どうやらこの子はどうやらウサギ型の精霊のようだ。
私を見たマシロちゃんがこてんと首を傾げるような仕草をする。
あ、かわいい。うちのリーチェが一番かわいいのは言うまでもないが、その方向性は違えどマシロちゃんも中々だ。
ちょっとウサギにしては丸くてずんぐりむっくりとしているような気もするが……。
「ルミア、おめでとう」
「ルミア殿、良かったでござるな」
「ありがとうございますっ!」
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