94 / 625
花乙女の旅路
第三章第7話 吸血鬼フェルヒ
しおりを挟む
2020/11/13 誤字を修正しました
2021/01/14 誤字を修正しました
================
これはきっと、フェルヒの魔力が私の心を縛ろうと侵入を試みてきている……のだろう。
──── あー、ええと、これは、うん。やっぱりこいつは悪い吸血鬼ってことでいいのかな?
目の前には怪しく輝く縦長の瞳があり、私に魔力を送り込んでいる。私はその瞳を見つめながらどうしたものかと思案していた。
「さて、これで貴女は私の虜になったことでしょう。それでは聖女様の高貴なる血を頂きましょうかね。喜びなさい。あなたはそのまま私の奴隷として飼って差し上げましょう」
フェルヒは悦に入った様子だ。
どうしたものかと考え事をしている間にフェルヒは私の後ろへとゆっくり回り込む。
おっと、こんな考え事をしている場合じゃない。私は【影操術】で影に潜り込むと、するりと拘束を抜け出した。
「な! な、な、な、今のはまさか!」
フェルヒが驚き私を指さしている。
「話す時に他人を指さすのは失礼ですよ?」
「う、う、うるさい! どうして聖女のお前が! なんで!」
こいつ、計画がちょっと狂ったからってちょっと余裕なさすぎじゃないかな。
「行きがかり上こうなってしまったんだから仕方ないじゃないですか」
「どうして! どうして吸血鬼が聖女なんてやっているんだ! おかしいだろう! それに、なんでまだ覚醒していないんだ!」
未だに私を指さしたままのフェルヒは、余裕を失ったのか私に向かって怒鳴り散らす。私の方を指したその指が上下にふるふると揺れ動いているのが何とも小物感を漂わせている。
「さっきまでの慇懃無礼なキャラが崩壊してますよ? それに、ちゃんと行きがかり上って説明したじゃないですか」
「そんな説明があるかっ!」
私は嘘を一つも言っていないのに。言いがかりも甚だしい。なんてわがままな吸血鬼だ。
さて、こいつは捕まえてサフィーヤさんの居場所を聞き出したいわけだが、どうしたものか。夕飯の時の口ぶりだと個別の相手のことは覚えていないように見えたしな。
よし、決めた。交渉して聞き出せる気もしないし、面倒だし。こいつを倒してから魅了を解除して回ればきっと大丈夫だろう。
「じゃあ、フェルヒさん、素直に浄化されてくださいね。浄化!」
フェルヒの立っていた場所に浄化の光が立ち上る。しかしフェルヒは横っ飛びで素早く避けたようだ。だが、左腕の肘から先がない。完全に避けきることは出来なかったようだ。消滅を免れた左腕の先からは血がしたたり落ちるとともにしゅーしゅーと煙が上がっている。
「なぜだ。なぜだ! なぜだ! なぜ吸血鬼であるお前がそんな浄化魔法を使えるんだ!」
「だから、行きがかり上です。浄化!」
私は再び浄化魔法を放つが、フェルヒも間一髪で避ける。だがそのまま転がって窓ガラスに頭を突っ込んで止まった。割れたガラスがフェルヒの頭に突き刺さりホラーになっている。
「ぐ、ううぅ。影よ!」
フェルヒの足元の影がぐにゃりと歪む。そしてその影は黒い大きな爪のような形となって私に襲い掛かってくる。
「防壁」
しかしその爪は冥龍王の分体のブレスを止めた私の防壁の前に呆気なく弾かれる。
「その程度の攻撃は無駄です」
私は歩いて距離を詰めていく。その瞬間、フェルヒがニヤリと笑った。
「かかったな!」
その瞬間、私の足元の影が黒い槍のような形となって突然私のほうに突き出てきた。
「あ」
そしてその槍が私を串刺しにする。
・
・
・
などということはなかった。槍は私の肌を傷つけられず私の着ていたパジャマに穴をあけて止まった。
「あれ? 随分となまくらみたいですね。どうなっているんですか?」
「馬鹿な! なぜ影の槍が通らんのだ!」
ああ、そう言えば! このために【闇属性耐性】を MAX にしておいたんだった。忘れていた。
「ああ、これも行きがかり上でした。じゃあ、今度こそ消えてもらいます。範囲を拡大してっと、浄化!」
逃げられない様に先ほどよりも範囲を広げて浄化魔法をかける。するとフェルヒは今度は窓の外に逃げ出す。
私は慌てて窓を開けてバルコニーに出るがそこにはフェルヒの姿がない。あたりを見回し、そして空を見上げる。するとそこには血を滴らせ煙をあげながらよろよろと飛ぶ蝙蝠の姿があった。
なるほど、あれが吸血鬼の蝙蝠か。確かに前に鏡で見せてもらった私の白い蝙蝠とは全然違うね。
って、感心している場合じゃない。逃がしてしまうじゃないか。
私の浄化魔法は地面から光を立ち上らせるタイプだし、あの高さに届くとは思えない。
うーん、あれを撃ち落とす手段は持っていないし、どうしようか?
そこで私は閃いた。そう、あたり一帯、つまり町をまるごと全部フルパワーで浄化してしまえばいいじゃないか、と。
町全体をイメージして、上空、木陰、建物の中は地下室に至るまで全てに行き渡るように、魔力を最大限注ぎ込んで、【聖属性魔法】を発動!
「この町を、完全にっ! 浄化!」
私を中心に強烈な光が発せられた。それは闇夜をまるで昼間のように明るく照らし出し、町全体を包み込んでいく。そしてその光は天高く立ち上る。
そして数分の時が流れた後、光は終息した。
私の体からはがっくりと力が抜け、膝をついてしまった。
どうやらこの一発で MP を使い切ってしまったようだ。200 以上に増えた私の MP をごっそり持って行くとは。いくらなんでも町全体の浄化はやりすぎたかもしれない。
さて、心配されているだろうし一度宿に戻ろう、そう思ったところで自分がパジャマ姿なうえ、影の槍で刺されてパジャマが穴だらけになっていることを思い出した。
──── あーあ、このパジャマは割とお気に入りだったのに
そんなことを考えながらパジャマを収納にしまい、そして聖女様なりきりコスプレセットと王様からもらったローブを取り出して身に着ける。
この収納はとんでもなく便利なもので、着ているものを収納しようとすればそのまま脱いだ状態で収納できるし、着た状態で出したい思って収納から取り出すと、自動的に着た状態になってくれるのだ。
私は人の気配のないこの屋敷をゆっくりと歩き出した。私のブーツの踵が大理石の床を鳴らす足音が静かな邸内に鳴り響いていた。
そして多少迷いながらも私はエントランスホール二階の踊り場までやってきた。
すると、誰かが外から走ってくる音が聞こえる、そして、勢いよく玄関の扉が開かれた。そして、クリスさん達が駆けこんできた。周囲を警戒するようにあたりを見回している。
「クリスさーん、ルーちゃーん、シズクさーん、こっちですよー」
私は踊り場から声をかけて手を振る。
「フィーネ様!」
クリスさんが脱兎のごとく階段を駆け上がり私のもとへとやってきた。
「フィーネ様、申し訳ございません。私が付いていながら危険な目に!」
「クリスさん、落ち着いてください。私はこの通り無事ですから」
「フィーネ様っ!」
寝ている間とはいえ、ここまで責任を感じさせてしまうとは。何だか私のほうが申し訳ない気分になってくる。
「姉さまっ!」
涙声のルーちゃんが抱きついてきた。
「ルーちゃんも、心配かけてごめんなさい」
「姉さま、姉さま、姉さまーっ!」
「ほら、私は大丈夫ですよ」
抱きついて離れないのを良いことにそのまま頭をぎゅっとしてあげる。そのうち苦しくなって離れるはずだ。
「フィーネ殿、すまなかったでござる。クリス殿だけでなく拙者も起きていたのでござる。クリス殿だけの責任ではござらん」
「え? ええと、はい。大丈夫ですから。ご心配をおかけしました」
「ところで、こちらでは何があったでござるか?」
私は聞かれたのでことのあらましを伝えた。
「つまり、あの凄まじい浄化の光はフィーネ殿の魔法だったでござるか。しかも蝙蝠になって逃げた吸血鬼を浄化するためだけにあそこまでの広範囲を浄化をした、と」
「はい。そうなんです。何かまずかったですか?」
「いや、まずくはござらんが、町から動くものの姿が一切消えたでござるな」
「はい?」
「つまり、町の住人を全て浄化したでござるよ」
「ええと?」
「フィーネ様。町の住人は一人残らずフェルヒの眷属となっておりました。眷属となった者はもう二度と人間には戻れません。それをフィーネ様はお救いになられたのです。お疲れ様でした」
なんと、そんなことになっていたのか。確かに昔、町を丸ごと乗っ取るとか、国を丸ごと乗っ取るとか、そんなような話を聞いた気はするが実際に体験するとその恐ろしさがよくわかる。
うーん、確かにこれは人類の敵だな。吸血鬼、恐るべし。
あ、私もか。
2021/01/14 誤字を修正しました
================
これはきっと、フェルヒの魔力が私の心を縛ろうと侵入を試みてきている……のだろう。
──── あー、ええと、これは、うん。やっぱりこいつは悪い吸血鬼ってことでいいのかな?
目の前には怪しく輝く縦長の瞳があり、私に魔力を送り込んでいる。私はその瞳を見つめながらどうしたものかと思案していた。
「さて、これで貴女は私の虜になったことでしょう。それでは聖女様の高貴なる血を頂きましょうかね。喜びなさい。あなたはそのまま私の奴隷として飼って差し上げましょう」
フェルヒは悦に入った様子だ。
どうしたものかと考え事をしている間にフェルヒは私の後ろへとゆっくり回り込む。
おっと、こんな考え事をしている場合じゃない。私は【影操術】で影に潜り込むと、するりと拘束を抜け出した。
「な! な、な、な、今のはまさか!」
フェルヒが驚き私を指さしている。
「話す時に他人を指さすのは失礼ですよ?」
「う、う、うるさい! どうして聖女のお前が! なんで!」
こいつ、計画がちょっと狂ったからってちょっと余裕なさすぎじゃないかな。
「行きがかり上こうなってしまったんだから仕方ないじゃないですか」
「どうして! どうして吸血鬼が聖女なんてやっているんだ! おかしいだろう! それに、なんでまだ覚醒していないんだ!」
未だに私を指さしたままのフェルヒは、余裕を失ったのか私に向かって怒鳴り散らす。私の方を指したその指が上下にふるふると揺れ動いているのが何とも小物感を漂わせている。
「さっきまでの慇懃無礼なキャラが崩壊してますよ? それに、ちゃんと行きがかり上って説明したじゃないですか」
「そんな説明があるかっ!」
私は嘘を一つも言っていないのに。言いがかりも甚だしい。なんてわがままな吸血鬼だ。
さて、こいつは捕まえてサフィーヤさんの居場所を聞き出したいわけだが、どうしたものか。夕飯の時の口ぶりだと個別の相手のことは覚えていないように見えたしな。
よし、決めた。交渉して聞き出せる気もしないし、面倒だし。こいつを倒してから魅了を解除して回ればきっと大丈夫だろう。
「じゃあ、フェルヒさん、素直に浄化されてくださいね。浄化!」
フェルヒの立っていた場所に浄化の光が立ち上る。しかしフェルヒは横っ飛びで素早く避けたようだ。だが、左腕の肘から先がない。完全に避けきることは出来なかったようだ。消滅を免れた左腕の先からは血がしたたり落ちるとともにしゅーしゅーと煙が上がっている。
「なぜだ。なぜだ! なぜだ! なぜ吸血鬼であるお前がそんな浄化魔法を使えるんだ!」
「だから、行きがかり上です。浄化!」
私は再び浄化魔法を放つが、フェルヒも間一髪で避ける。だがそのまま転がって窓ガラスに頭を突っ込んで止まった。割れたガラスがフェルヒの頭に突き刺さりホラーになっている。
「ぐ、ううぅ。影よ!」
フェルヒの足元の影がぐにゃりと歪む。そしてその影は黒い大きな爪のような形となって私に襲い掛かってくる。
「防壁」
しかしその爪は冥龍王の分体のブレスを止めた私の防壁の前に呆気なく弾かれる。
「その程度の攻撃は無駄です」
私は歩いて距離を詰めていく。その瞬間、フェルヒがニヤリと笑った。
「かかったな!」
その瞬間、私の足元の影が黒い槍のような形となって突然私のほうに突き出てきた。
「あ」
そしてその槍が私を串刺しにする。
・
・
・
などということはなかった。槍は私の肌を傷つけられず私の着ていたパジャマに穴をあけて止まった。
「あれ? 随分となまくらみたいですね。どうなっているんですか?」
「馬鹿な! なぜ影の槍が通らんのだ!」
ああ、そう言えば! このために【闇属性耐性】を MAX にしておいたんだった。忘れていた。
「ああ、これも行きがかり上でした。じゃあ、今度こそ消えてもらいます。範囲を拡大してっと、浄化!」
逃げられない様に先ほどよりも範囲を広げて浄化魔法をかける。するとフェルヒは今度は窓の外に逃げ出す。
私は慌てて窓を開けてバルコニーに出るがそこにはフェルヒの姿がない。あたりを見回し、そして空を見上げる。するとそこには血を滴らせ煙をあげながらよろよろと飛ぶ蝙蝠の姿があった。
なるほど、あれが吸血鬼の蝙蝠か。確かに前に鏡で見せてもらった私の白い蝙蝠とは全然違うね。
って、感心している場合じゃない。逃がしてしまうじゃないか。
私の浄化魔法は地面から光を立ち上らせるタイプだし、あの高さに届くとは思えない。
うーん、あれを撃ち落とす手段は持っていないし、どうしようか?
そこで私は閃いた。そう、あたり一帯、つまり町をまるごと全部フルパワーで浄化してしまえばいいじゃないか、と。
町全体をイメージして、上空、木陰、建物の中は地下室に至るまで全てに行き渡るように、魔力を最大限注ぎ込んで、【聖属性魔法】を発動!
「この町を、完全にっ! 浄化!」
私を中心に強烈な光が発せられた。それは闇夜をまるで昼間のように明るく照らし出し、町全体を包み込んでいく。そしてその光は天高く立ち上る。
そして数分の時が流れた後、光は終息した。
私の体からはがっくりと力が抜け、膝をついてしまった。
どうやらこの一発で MP を使い切ってしまったようだ。200 以上に増えた私の MP をごっそり持って行くとは。いくらなんでも町全体の浄化はやりすぎたかもしれない。
さて、心配されているだろうし一度宿に戻ろう、そう思ったところで自分がパジャマ姿なうえ、影の槍で刺されてパジャマが穴だらけになっていることを思い出した。
──── あーあ、このパジャマは割とお気に入りだったのに
そんなことを考えながらパジャマを収納にしまい、そして聖女様なりきりコスプレセットと王様からもらったローブを取り出して身に着ける。
この収納はとんでもなく便利なもので、着ているものを収納しようとすればそのまま脱いだ状態で収納できるし、着た状態で出したい思って収納から取り出すと、自動的に着た状態になってくれるのだ。
私は人の気配のないこの屋敷をゆっくりと歩き出した。私のブーツの踵が大理石の床を鳴らす足音が静かな邸内に鳴り響いていた。
そして多少迷いながらも私はエントランスホール二階の踊り場までやってきた。
すると、誰かが外から走ってくる音が聞こえる、そして、勢いよく玄関の扉が開かれた。そして、クリスさん達が駆けこんできた。周囲を警戒するようにあたりを見回している。
「クリスさーん、ルーちゃーん、シズクさーん、こっちですよー」
私は踊り場から声をかけて手を振る。
「フィーネ様!」
クリスさんが脱兎のごとく階段を駆け上がり私のもとへとやってきた。
「フィーネ様、申し訳ございません。私が付いていながら危険な目に!」
「クリスさん、落ち着いてください。私はこの通り無事ですから」
「フィーネ様っ!」
寝ている間とはいえ、ここまで責任を感じさせてしまうとは。何だか私のほうが申し訳ない気分になってくる。
「姉さまっ!」
涙声のルーちゃんが抱きついてきた。
「ルーちゃんも、心配かけてごめんなさい」
「姉さま、姉さま、姉さまーっ!」
「ほら、私は大丈夫ですよ」
抱きついて離れないのを良いことにそのまま頭をぎゅっとしてあげる。そのうち苦しくなって離れるはずだ。
「フィーネ殿、すまなかったでござる。クリス殿だけでなく拙者も起きていたのでござる。クリス殿だけの責任ではござらん」
「え? ええと、はい。大丈夫ですから。ご心配をおかけしました」
「ところで、こちらでは何があったでござるか?」
私は聞かれたのでことのあらましを伝えた。
「つまり、あの凄まじい浄化の光はフィーネ殿の魔法だったでござるか。しかも蝙蝠になって逃げた吸血鬼を浄化するためだけにあそこまでの広範囲を浄化をした、と」
「はい。そうなんです。何かまずかったですか?」
「いや、まずくはござらんが、町から動くものの姿が一切消えたでござるな」
「はい?」
「つまり、町の住人を全て浄化したでござるよ」
「ええと?」
「フィーネ様。町の住人は一人残らずフェルヒの眷属となっておりました。眷属となった者はもう二度と人間には戻れません。それをフィーネ様はお救いになられたのです。お疲れ様でした」
なんと、そんなことになっていたのか。確かに昔、町を丸ごと乗っ取るとか、国を丸ごと乗っ取るとか、そんなような話を聞いた気はするが実際に体験するとその恐ろしさがよくわかる。
うーん、確かにこれは人類の敵だな。吸血鬼、恐るべし。
あ、私もか。
0
お気に入りに追加
436
あなたにおすすめの小説

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。


少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる