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白銀のハイエルフ
第二章第17話 弓の腕前
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2020/09/11 誤字を修正しました
================
「エルムデンへ行かれるのでしたら、舟を使われるのが早いと思います」
「舟ですか?」
「ええ、ここリルンからクラウブレッツへ向かっていただき、そこからセムル川を下っていただくとエルムデンでございます。たしかクラウブレッツは今狩猟祭りの時期だったと思いますので、そちらをご観覧いただくのもよろしいかと存じます」
ヨハンナさんが大聖堂への帰り道でそう教えてくれた。そのままもと来た地下道を通って大聖堂に戻った私たちは、何食わぬ顔で馬車に乗って迎賓館へと戻った。
「しかし、まさかハスラングループの会頭が出てくるとは思いませんでした」
「そんなにすごい人なんですか?」
「はい。ハスラングループといえばこの国で一番大きな商会です。私たちがよく泊めてもらうホテルもあの商会の持ち物です」
「でも、お母さんの事を教えてくれたし、良い人だと思います!」
「そうですね……」
単に人気者の聖女様という偶像を利用したいだけな気もするけれど。って、斜に構えすぎかな?
「ともかく、まずはクラウブレッツに向かいましょう」
「「はい!」」
私たちは翌朝の馬車でリルンを旅立つのであった。
****
「聖女様、ようこそクラウブレッツへおいでくださいました。私は当町の町長を務めておりますグーテン・モルゲンと申します」
「お出迎え頂きありがとうございます。フィーネ・アルジェンタータです。こちらはクリスティーナとルミアです。よろしくお願いします」
この国は大歓迎してくれてほとんど旅するのにお金がかからないのは嬉しい。
「おお、これはご丁寧にありがとうございます。ささ、どうぞこちらへ。お宿までご案内いたします」
「ありがとうございます。お世話になります」
私たちは促されてグーテンさんの用意した迎えの馬車に乗り込む。最初は遠慮や恐縮をしていたけれど、我ながら神経が図太くなったものだ。
「そちらがお噂のエルフの従者ルミア様ですな。さすがはハイエルフの血を受け継ぐ聖女様でございますな」
「ほぇ?」
グーテンさんに話を振られたルーちゃんが若干気の抜けた声を上げた。
「いえ、従者ではなく旅の仲間です。極北に住まう白銀のハイエルフの里を目指す連れ合いのようなものです」
「左様でございましたか。そうだ。エルフと言えば精霊と弓でございますな。実は、丁度明日より狩猟祭りが開催されるのですが、ルミア様もこれに参加なさってはいかがでしょう?」
「へ? あたしが?」
「はい。いかがでしょう? 折角お祭りの時期においでになられたのですから、見るよりも参加されたほうが楽しいと思いますよ?」
「うーん、姉さまどうしましょう?」
「ルーちゃんが参加したかったら良いですよ」
「えー、でもなぁ……」
「優勝商品は、我がクラウブレッツ特産の最高級牛肉 10kg で――」
「参加します!」
一瞬で食いついた。さすが食いしん坊ルーちゃん。ただ、知らない人に食べ物で釣られてホイホイ誘拐されないか少し心配ではある。
「あ、でもあたし弓が……」
「じゃあ、折角だし買いに行きましょう」
「おお! それでは当町随一の武器屋にご案内いたしましょう。おい、行き先を変更だ――」
そうして私たちは武器屋にやってきた。
「いらっしゃいませ。聖女様にご来店いただけるとは光栄でございます」
店主さんがもみ手をしながら私たちを迎えてくれる。
「ありがとうございます。この子の弓を見繕ってほしいのですけど」
「おお、お噂のエルフの従者様ですな。お任せください!」
どうやらルーちゃんもかなり有名になっているらしい。
「こちらのロング・ボウなどいかがでしょう? ユーの木を使って作られた最高級の逸品でございます」
「うーん、ちょっとこれは大きすぎてあたしじゃ引けないです」
「それでは、こちらのコンポジット・ボウはいかがでしょうか? ユーの木にブラッドバッファローの角、ビッグボアーの腱を組み合わせた逸品でございます」
「あ、これならいいかも。試射ってできますか?」
ルーちゃんが弦を引っ張りながら店主さんに尋ねる。
「もちろんでございます。裏に的を用意してございます」
お、どうやら気に入った弓が見つかったらしい。何だか私の知っている弓とは形が違う。弓って弓道のやつを想像してたけど、なんかくねくね曲がっていて弓の両端に角のようなものがついている、みたいな感じだ。
****
私たちは店主さんに連れられて射撃場にやってきた。裏庭に弓道場のように的が置いてある。
「こちらをどうぞ」
店主さんがルーちゃんに矢を渡す。
「ルミア、【弓術】のレベルはいくつだ?」
「え? 2 ですよ」
「……わかった」
うん? 何のやり取りですか?
何故か店主さんが柱の陰に隠れる。クリスさんも心なしか緊張している様子だ。
ええと? どういうこと?
「じゃ、撃ちまーす」
ルーちゃんが弓を引き絞る。パシンと小気味のいい音と共に放たれたは見事に的の真ん中に命中する。
「すごい! ルーちゃん、すごいじゃないですか!」
「えへへ。任せてください!」
もう一度弓を引き絞り、矢が放たれる。またしても見事に真ん中に命中する。すごい。さすがエルフだ。ルーちゃんは弓の天才なのかもしれない。
ルーちゃんがもう一度弓を引き絞る。
パシン
小気味よい音を立てて放たれた矢はまっすぐに私の顔面をめがけて飛んできた。
「!?」
そして目の前で矢が叩き落とされる。
──── #$%*!sdfg!!!?!?
「フィーネ様、危ないところでした。ルミア、立ち位置に気をつけろ!」
「あれぇ? この弓もダメみたいです」
クリスさんが叱っているが叱るポイントはそこか? それにルーちゃんの言っていることもわけがわからない。そもそも、何で斜め後ろにいる私のところに矢が飛んできた? 物理的におかしいでしょ?
「ルミア、それは弓がダメなんじゃなくて【弓術】のスキルレベルが足りないのに『必中』を使うからだ」
「ええ? なんですか? それ?」
私も知りたい。なんじゃそりゃ?
「何? 弓使いなのに弓技を知らないのか?」
「クリスさん。私にもわかるように教えてください」
「はい。フィーネ様。弓技というのは、【弓術】のスキルレベルを上げることで取得できる技です。フィーネ様の【回復魔法】に治癒魔法や解毒魔法があるのと同じです。そして、弓技は発動に必要な【弓術】のスキルレベルが決まっているのですが、スキルレベルが足りない状態で強引に発動すると、それなりの確率で『誤射』が発生し、近くにいる味方に飛んでいくのです」
「ええぇ」
店主さんが柱の陰に隠れたのはそういう事か。ルーちゃんが、そうだったんですねー、と呑気なことを言っているが撃たれた身にもなってほしい。クリスさんに庇ってもらわなかったら死んでたぞ?
「そして、弓使いの場合はたまに『必中』を無意識に使ってしまい、『誤射《フレンドリーファイア》』を起こす者がいるのです。ちょうど先ほどのルミアがそのよい例です」
ルーちゃんが向こうでごめんなさいー、と笑顔で言っている。冗談じゃ済まない気もするけれど。
「スキルレベルいくつで『必中』は『誤射』しなくなるんですか?」
「さて? どうでしょう。スキルレベル 3 の同僚は未だに『誤射』する、と言っていましたので、最低でも 4 は必要でしょう」
うえぇ、先は長そうだ。
「うーん、でもこの弓使いやすいからこれにしますー」
「ありがとうございます。金貨 20 枚となります。矢は 20 本、サービスでおつけいたします」
げ、意外と高い。
「姉さま、ありがとうございます! 大事にします!」
「え? あ、うん。気に入ったものが見つかって良かったですね」
まだ大丈夫だけど、意外と手痛い出費だ。
「ありがとうございました。是非、また当店でお買い上げください」
私たちはこうして、武器屋を後にしたのだった。
──── あ、クリスさんに助けてもらったお礼を言ってない。後で言っておかなくちゃ。
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「エルムデンへ行かれるのでしたら、舟を使われるのが早いと思います」
「舟ですか?」
「ええ、ここリルンからクラウブレッツへ向かっていただき、そこからセムル川を下っていただくとエルムデンでございます。たしかクラウブレッツは今狩猟祭りの時期だったと思いますので、そちらをご観覧いただくのもよろしいかと存じます」
ヨハンナさんが大聖堂への帰り道でそう教えてくれた。そのままもと来た地下道を通って大聖堂に戻った私たちは、何食わぬ顔で馬車に乗って迎賓館へと戻った。
「しかし、まさかハスラングループの会頭が出てくるとは思いませんでした」
「そんなにすごい人なんですか?」
「はい。ハスラングループといえばこの国で一番大きな商会です。私たちがよく泊めてもらうホテルもあの商会の持ち物です」
「でも、お母さんの事を教えてくれたし、良い人だと思います!」
「そうですね……」
単に人気者の聖女様という偶像を利用したいだけな気もするけれど。って、斜に構えすぎかな?
「ともかく、まずはクラウブレッツに向かいましょう」
「「はい!」」
私たちは翌朝の馬車でリルンを旅立つのであった。
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「聖女様、ようこそクラウブレッツへおいでくださいました。私は当町の町長を務めておりますグーテン・モルゲンと申します」
「お出迎え頂きありがとうございます。フィーネ・アルジェンタータです。こちらはクリスティーナとルミアです。よろしくお願いします」
この国は大歓迎してくれてほとんど旅するのにお金がかからないのは嬉しい。
「おお、これはご丁寧にありがとうございます。ささ、どうぞこちらへ。お宿までご案内いたします」
「ありがとうございます。お世話になります」
私たちは促されてグーテンさんの用意した迎えの馬車に乗り込む。最初は遠慮や恐縮をしていたけれど、我ながら神経が図太くなったものだ。
「そちらがお噂のエルフの従者ルミア様ですな。さすがはハイエルフの血を受け継ぐ聖女様でございますな」
「ほぇ?」
グーテンさんに話を振られたルーちゃんが若干気の抜けた声を上げた。
「いえ、従者ではなく旅の仲間です。極北に住まう白銀のハイエルフの里を目指す連れ合いのようなものです」
「左様でございましたか。そうだ。エルフと言えば精霊と弓でございますな。実は、丁度明日より狩猟祭りが開催されるのですが、ルミア様もこれに参加なさってはいかがでしょう?」
「へ? あたしが?」
「はい。いかがでしょう? 折角お祭りの時期においでになられたのですから、見るよりも参加されたほうが楽しいと思いますよ?」
「うーん、姉さまどうしましょう?」
「ルーちゃんが参加したかったら良いですよ」
「えー、でもなぁ……」
「優勝商品は、我がクラウブレッツ特産の最高級牛肉 10kg で――」
「参加します!」
一瞬で食いついた。さすが食いしん坊ルーちゃん。ただ、知らない人に食べ物で釣られてホイホイ誘拐されないか少し心配ではある。
「あ、でもあたし弓が……」
「じゃあ、折角だし買いに行きましょう」
「おお! それでは当町随一の武器屋にご案内いたしましょう。おい、行き先を変更だ――」
そうして私たちは武器屋にやってきた。
「いらっしゃいませ。聖女様にご来店いただけるとは光栄でございます」
店主さんがもみ手をしながら私たちを迎えてくれる。
「ありがとうございます。この子の弓を見繕ってほしいのですけど」
「おお、お噂のエルフの従者様ですな。お任せください!」
どうやらルーちゃんもかなり有名になっているらしい。
「こちらのロング・ボウなどいかがでしょう? ユーの木を使って作られた最高級の逸品でございます」
「うーん、ちょっとこれは大きすぎてあたしじゃ引けないです」
「それでは、こちらのコンポジット・ボウはいかがでしょうか? ユーの木にブラッドバッファローの角、ビッグボアーの腱を組み合わせた逸品でございます」
「あ、これならいいかも。試射ってできますか?」
ルーちゃんが弦を引っ張りながら店主さんに尋ねる。
「もちろんでございます。裏に的を用意してございます」
お、どうやら気に入った弓が見つかったらしい。何だか私の知っている弓とは形が違う。弓って弓道のやつを想像してたけど、なんかくねくね曲がっていて弓の両端に角のようなものがついている、みたいな感じだ。
****
私たちは店主さんに連れられて射撃場にやってきた。裏庭に弓道場のように的が置いてある。
「こちらをどうぞ」
店主さんがルーちゃんに矢を渡す。
「ルミア、【弓術】のレベルはいくつだ?」
「え? 2 ですよ」
「……わかった」
うん? 何のやり取りですか?
何故か店主さんが柱の陰に隠れる。クリスさんも心なしか緊張している様子だ。
ええと? どういうこと?
「じゃ、撃ちまーす」
ルーちゃんが弓を引き絞る。パシンと小気味のいい音と共に放たれたは見事に的の真ん中に命中する。
「すごい! ルーちゃん、すごいじゃないですか!」
「えへへ。任せてください!」
もう一度弓を引き絞り、矢が放たれる。またしても見事に真ん中に命中する。すごい。さすがエルフだ。ルーちゃんは弓の天才なのかもしれない。
ルーちゃんがもう一度弓を引き絞る。
パシン
小気味よい音を立てて放たれた矢はまっすぐに私の顔面をめがけて飛んできた。
「!?」
そして目の前で矢が叩き落とされる。
──── #$%*!sdfg!!!?!?
「フィーネ様、危ないところでした。ルミア、立ち位置に気をつけろ!」
「あれぇ? この弓もダメみたいです」
クリスさんが叱っているが叱るポイントはそこか? それにルーちゃんの言っていることもわけがわからない。そもそも、何で斜め後ろにいる私のところに矢が飛んできた? 物理的におかしいでしょ?
「ルミア、それは弓がダメなんじゃなくて【弓術】のスキルレベルが足りないのに『必中』を使うからだ」
「ええ? なんですか? それ?」
私も知りたい。なんじゃそりゃ?
「何? 弓使いなのに弓技を知らないのか?」
「クリスさん。私にもわかるように教えてください」
「はい。フィーネ様。弓技というのは、【弓術】のスキルレベルを上げることで取得できる技です。フィーネ様の【回復魔法】に治癒魔法や解毒魔法があるのと同じです。そして、弓技は発動に必要な【弓術】のスキルレベルが決まっているのですが、スキルレベルが足りない状態で強引に発動すると、それなりの確率で『誤射』が発生し、近くにいる味方に飛んでいくのです」
「ええぇ」
店主さんが柱の陰に隠れたのはそういう事か。ルーちゃんが、そうだったんですねー、と呑気なことを言っているが撃たれた身にもなってほしい。クリスさんに庇ってもらわなかったら死んでたぞ?
「そして、弓使いの場合はたまに『必中』を無意識に使ってしまい、『誤射《フレンドリーファイア》』を起こす者がいるのです。ちょうど先ほどのルミアがそのよい例です」
ルーちゃんが向こうでごめんなさいー、と笑顔で言っている。冗談じゃ済まない気もするけれど。
「スキルレベルいくつで『必中』は『誤射』しなくなるんですか?」
「さて? どうでしょう。スキルレベル 3 の同僚は未だに『誤射』する、と言っていましたので、最低でも 4 は必要でしょう」
うえぇ、先は長そうだ。
「うーん、でもこの弓使いやすいからこれにしますー」
「ありがとうございます。金貨 20 枚となります。矢は 20 本、サービスでおつけいたします」
げ、意外と高い。
「姉さま、ありがとうございます! 大事にします!」
「え? あ、うん。気に入ったものが見つかって良かったですね」
まだ大丈夫だけど、意外と手痛い出費だ。
「ありがとうございました。是非、また当店でお買い上げください」
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