58 / 117
第58話 追放幼女、ますます噂をされる
しおりを挟む
それから経ったある日の午前中、王宮の洗濯場で下女たちが大量のリネンの洗濯をしながら雑談をしていた。
「ねえ、聞いた? あの噂」
「噂って、あの悪魔憑きの?」
「そうそう。怖いわよね~。父親がこーんな小さな自分の娘を乱暴して殺すなんて」
そう言って下女の一人は自分の太ももぐらいの高さを示した。当然のことではあるが、八歳のころのオリヴィアの身長はそれよりも遥かに高い。
「なんかね。その子、天才児だったらしいのよ」
「えっ? 天才? 貴族の子供が天才ってことは、魔力がすごいんでしょ?」
「多分ね」
「ならなんでそんな子を殺すわけ? 絶対偉くなるはずでしょ?」
「噂なんだけど、なんかその子って、前妻の子供らしいのよ」
「そうなの?」
下女たちの手がピタリと止まり、視線が彼女に一気に集中する。
「うん。それでね。後妻との間にできた子供に爵位を継がせたかったからなんじゃないかって」
「でも、だからってそんな小さい子に乱暴はしないんじゃない?」
「ほら、そこは悪魔憑きだからよ。普通の人がしないようなことをするのが悪魔憑きでしょ?」
「たしかにそうよね」
「でしょ? 司祭様も悪魔憑きで神罰を受けるって断言してたらしいし」
「そうなの?」
「うん。らしいよ」
「じゃあもしかして、サウスベリーって……」
「ね。近づかないほうがいいかも」
「あたし、親に手紙を出しておくわ。サウスベリーは危ないみたいって」
「あたしも」
そんな話をしていると、ベテラン風のメイドが怖い顔をしながら近づいてきた。
「ちょっと! あなたたち! 仕事は終わったの?」
「あっ!」
「はーい! 今やってます!」
「今日は午後から雨が降るかもしれないって言いましたよね!」
「わかってまーす」
下女たちは慌てて仕事を再開するのだった。
◆◇◆
その日の午後、ルディンハムは突然の土砂降りに見舞われた。市場で商品を広げていた行商人たちは大慌てで商品を片づけていく。
「ああ、まったく。なんでこの季節にこんな大雨が降るんだよ」
思わずそんな愚痴をこぼした行商人に、隣で片づけをしていた別の行商人が答える。
「そりゃあ、アレだろ? 悪魔憑きがこの国にいるからじゃないか?」
「は!? 悪魔憑きだって!?」
「なんだ、知らないのか? 有名な話だぞ」
「聞いたことないぞ。どういうことだ?」
行商人たちはテキパキと片づけながらも話を続ける。
「なんか、サウスベリー侯爵が悪魔憑きらしいんだよ。教会の司祭様も神罰を予言しているらしい」
「はあっ!? 本当か!?」
「ああ。なんでも幼い実の娘に乱暴をした挙句、それを隠蔽するためにめった刺しにして魔の森に捨てたらしい」
「うわぁ……」
「しかも、そのときの侯爵は全身血まみれになりながら高笑いをしていたらしいぞ」
あまりの衝撃に、片づけをする手が止まる。
「おいおい、商品が濡れちまうぞ」
「おっと! そうだった」
指摘された男はすぐに片づけを再開する。
「でも、それって本当なのか?」
「なんか、司祭様が言ってたんだってよ。何人ものお客さんがそう言ってたし、何より、いくつかの有力な商会がサウスベリー侯爵領を避け始めてるんだ」
「有力な商会?」
「ああ。たとえばハンプソン商会とか」
「ハンプソン商会? それってたしか……砂糖の?」
「そうそう。そのハンプソン商会だ。あそこがサウスポートの港を使っていたのは知ってるだろ?」
「そりゃあ、もちろん。そもそもサウスポートは国で一番の港なんだし、使わない手はないだろう? 設備も道も、一番整ってるのはあそこだしな」
「でも、今はもう使ってないらしいぜ」
「え? じゃあどこの港を使ってるんだ?」
「それが、テイルベリーってとこらしい」
「どこだ? それ?」
「南東のほうにある小さな男爵領の港らしい」
「へぇ。聞いたことないな」
「実際、結構遠いらしいぜ。ここに来るのにも、サウスポートからと比べると倍以上掛かるらしいぞ」
「なんだ。大損じゃないか。それでもわざわざサウスポートを避けるってことは……」
「そういうことなんじゃないか?」
「なるほどなぁ。サウスベリーには近づかないほうが良さそうだな」
「だろ? 俺もサウスベリーにはしばらく行かないからな。悪魔なんか、関わらないに越したことはないぜ」
「だな。異端審問とか、冗談じゃないな」
◆◇◆
一方その頃、サウスベリー侯爵領随一の港町であるサウスポートにサウスベリー侯爵の姿があった。
どうやら港の視察に来たのか、部下らしき男たちを連れながらまるまると太った腹を揺らしてのっしのっしと歩いている。
「ご覧のとおり、複数の商会を追い出してタークレイ商会用の倉庫スペースを確保しました」
「そうかそうか。ようやく取れた砂糖と香辛料の交易権だからな。たっぷりと儲けるんだぞ」
「はっ! お任せください。ただ、立退料をかなり支払いましたので……」
「そんなものはすぐにでも回収できるだろう。砂糖と香辛料だぞ?」
「それはそうですが、元々権益を持っていた商会は残っていますし……」
「サウスポート以上に便利な港などあるものか。陸送の距離が伸びてうちには価格で対抗できないといったのはお前だろうが」
「はい。それはそうですが……」
「なんだ? まだあるのか?」
「はい。商会の数が減ったために働き手が減りまして、様々な方面に影響が……」
「同じ仕事をさせればいいだろうが」
「ですが……」
「いいからきっちりやれ。あとはブライアンにでも聞いておけ」
「……かしこまりました」
するとサウスベリー侯爵は満足げな面持ちとなり、立ち並ぶレンガ造りの倉庫を見回すのだった。
「ねえ、聞いた? あの噂」
「噂って、あの悪魔憑きの?」
「そうそう。怖いわよね~。父親がこーんな小さな自分の娘を乱暴して殺すなんて」
そう言って下女の一人は自分の太ももぐらいの高さを示した。当然のことではあるが、八歳のころのオリヴィアの身長はそれよりも遥かに高い。
「なんかね。その子、天才児だったらしいのよ」
「えっ? 天才? 貴族の子供が天才ってことは、魔力がすごいんでしょ?」
「多分ね」
「ならなんでそんな子を殺すわけ? 絶対偉くなるはずでしょ?」
「噂なんだけど、なんかその子って、前妻の子供らしいのよ」
「そうなの?」
下女たちの手がピタリと止まり、視線が彼女に一気に集中する。
「うん。それでね。後妻との間にできた子供に爵位を継がせたかったからなんじゃないかって」
「でも、だからってそんな小さい子に乱暴はしないんじゃない?」
「ほら、そこは悪魔憑きだからよ。普通の人がしないようなことをするのが悪魔憑きでしょ?」
「たしかにそうよね」
「でしょ? 司祭様も悪魔憑きで神罰を受けるって断言してたらしいし」
「そうなの?」
「うん。らしいよ」
「じゃあもしかして、サウスベリーって……」
「ね。近づかないほうがいいかも」
「あたし、親に手紙を出しておくわ。サウスベリーは危ないみたいって」
「あたしも」
そんな話をしていると、ベテラン風のメイドが怖い顔をしながら近づいてきた。
「ちょっと! あなたたち! 仕事は終わったの?」
「あっ!」
「はーい! 今やってます!」
「今日は午後から雨が降るかもしれないって言いましたよね!」
「わかってまーす」
下女たちは慌てて仕事を再開するのだった。
◆◇◆
その日の午後、ルディンハムは突然の土砂降りに見舞われた。市場で商品を広げていた行商人たちは大慌てで商品を片づけていく。
「ああ、まったく。なんでこの季節にこんな大雨が降るんだよ」
思わずそんな愚痴をこぼした行商人に、隣で片づけをしていた別の行商人が答える。
「そりゃあ、アレだろ? 悪魔憑きがこの国にいるからじゃないか?」
「は!? 悪魔憑きだって!?」
「なんだ、知らないのか? 有名な話だぞ」
「聞いたことないぞ。どういうことだ?」
行商人たちはテキパキと片づけながらも話を続ける。
「なんか、サウスベリー侯爵が悪魔憑きらしいんだよ。教会の司祭様も神罰を予言しているらしい」
「はあっ!? 本当か!?」
「ああ。なんでも幼い実の娘に乱暴をした挙句、それを隠蔽するためにめった刺しにして魔の森に捨てたらしい」
「うわぁ……」
「しかも、そのときの侯爵は全身血まみれになりながら高笑いをしていたらしいぞ」
あまりの衝撃に、片づけをする手が止まる。
「おいおい、商品が濡れちまうぞ」
「おっと! そうだった」
指摘された男はすぐに片づけを再開する。
「でも、それって本当なのか?」
「なんか、司祭様が言ってたんだってよ。何人ものお客さんがそう言ってたし、何より、いくつかの有力な商会がサウスベリー侯爵領を避け始めてるんだ」
「有力な商会?」
「ああ。たとえばハンプソン商会とか」
「ハンプソン商会? それってたしか……砂糖の?」
「そうそう。そのハンプソン商会だ。あそこがサウスポートの港を使っていたのは知ってるだろ?」
「そりゃあ、もちろん。そもそもサウスポートは国で一番の港なんだし、使わない手はないだろう? 設備も道も、一番整ってるのはあそこだしな」
「でも、今はもう使ってないらしいぜ」
「え? じゃあどこの港を使ってるんだ?」
「それが、テイルベリーってとこらしい」
「どこだ? それ?」
「南東のほうにある小さな男爵領の港らしい」
「へぇ。聞いたことないな」
「実際、結構遠いらしいぜ。ここに来るのにも、サウスポートからと比べると倍以上掛かるらしいぞ」
「なんだ。大損じゃないか。それでもわざわざサウスポートを避けるってことは……」
「そういうことなんじゃないか?」
「なるほどなぁ。サウスベリーには近づかないほうが良さそうだな」
「だろ? 俺もサウスベリーにはしばらく行かないからな。悪魔なんか、関わらないに越したことはないぜ」
「だな。異端審問とか、冗談じゃないな」
◆◇◆
一方その頃、サウスベリー侯爵領随一の港町であるサウスポートにサウスベリー侯爵の姿があった。
どうやら港の視察に来たのか、部下らしき男たちを連れながらまるまると太った腹を揺らしてのっしのっしと歩いている。
「ご覧のとおり、複数の商会を追い出してタークレイ商会用の倉庫スペースを確保しました」
「そうかそうか。ようやく取れた砂糖と香辛料の交易権だからな。たっぷりと儲けるんだぞ」
「はっ! お任せください。ただ、立退料をかなり支払いましたので……」
「そんなものはすぐにでも回収できるだろう。砂糖と香辛料だぞ?」
「それはそうですが、元々権益を持っていた商会は残っていますし……」
「サウスポート以上に便利な港などあるものか。陸送の距離が伸びてうちには価格で対抗できないといったのはお前だろうが」
「はい。それはそうですが……」
「なんだ? まだあるのか?」
「はい。商会の数が減ったために働き手が減りまして、様々な方面に影響が……」
「同じ仕事をさせればいいだろうが」
「ですが……」
「いいからきっちりやれ。あとはブライアンにでも聞いておけ」
「……かしこまりました」
するとサウスベリー侯爵は満足げな面持ちとなり、立ち並ぶレンガ造りの倉庫を見回すのだった。
660
お気に入りに追加
2,274
あなたにおすすめの小説
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前

捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~
翡翠蓮
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる