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第一部 ディオンヌと仮面
エピローグ(エレノア視点)
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目を覚ましたアタシは、薄暗い部屋に座っていた。
見知らぬ、窓の鎧戸が閉じられた部屋。
「ていうか、これ何……?」
椅子の肘かけに、腕が固定されているじゃない。
座った状態で腰も縛られていて……。
監禁?
「たしか、アタシ……」
覚えているのは、ジョサイアと一緒にジョーデン侯爵の部屋に入ったところ。
ものすごい数の十字架が飾られていたわ。
あんなに信仰心のあるかたとは知らなかったから、驚いた。
たしかに、廊下の突き当たりに、高そうな宝石を十字架のように並べた仮面があったけど。
あれはかなりの逸品だと思うから、ジョサイアと結婚したらすぐに鑑定させなくっちゃ。
ええと、それで何だっけ。
死因を確認させるために、医者と一緒に遺体に近づいたアタシは――
あ、違う!
そう、遺体じゃなかった。
近づいたアタシのことを、ジョーデン侯爵がぎろりと見た。
本当に口から心臓が飛び出すかと思うくらい驚いたわ。
あんた死んだんじゃなかったわけ?
意味がわからなかった。
そして、ジョサイアが侯爵に向かって言ったの。
「父上、決戦の準備を」
アタシにその意味はわからなかったけど、侯爵はすぐにわかったみたい。
「助かる。記憶はないが生身は10年ぶりか。因縁を断つ日には、ふさわしいのかもしれんな」
生身って何。
なんでアタシを見るの?
そう思ったのを覚えている。
あ、それから、ジョサイアがアタシを後ろから抱きしめてくれたわ。
婚約したのに、触れ合うのは初めてだったから、すこし驚いたけど。
彼はそういうのは結婚してからのつもりだと思っていたから。
で、そのあと――
ジョーデン侯爵がアタシのほうに、寄ってきた……?
そのあたりで記憶が途切れている。
「首がかゆいわ」
アタシは急に、首筋が気になった。
怪我をしているのかもしれない。
手が自由ならすぐに触って確認できるのに。
あと、そう――
「お腹が空いた。早く血を飲ませて」
え?
今アタシ、何て言った……?
頭の中には、赤くとろりとした液体のイメージ。
これはワインなのかしら。
去年、16の誕生日で大人になった記念に、すこし飲ませてもらったわね。
でも、こんなに渇きを感じるほど、おいしかった記憶でもないのだけれど。
すこし大人になったということかしら。
「ねえジョサイア! どこにいるの? 早く自由にして!」
我慢できなくなり、大きな叫び声をあげると――
「やあエレノア。気がついたんだね」
扉を開けて、颯爽とジョサイアが入ってきたわ。
末娘のアタシが姉たちを大逆転するために婚約した、大切な大切な金づる。
筆頭貴族の侯爵夫人ともなれば、アタシのことを恥だ下品だとないがしろにしてきた両親にも、きっと認めてもらえるはず。
「ああ、ジョサイア……よかった。貴方が来てくれて」
「どうしたの? なんだかしおらしいね」
軽く答えた彼は、なんだか上機嫌に見える。
最近ずっと元気がなかったのに、急に絶好調になったみたい。
侯爵を継いでアタシと結婚するのが嬉しいのかな?
あれ?
でも、ジョーデン侯爵は生きていたわよね。
あれは夢ってこと?
「ジョサイアは侯爵になったの?」
「ああ、父上が亡くなって、今日からはぼくが侯爵だよ」
「やっぱりさっきのは夢だったのね! じゃあ、アタシ――」
そこで、ジョサイアに遅れてもうひとり入ってきた。
「紹介するよ。幼なじみのディオンヌ。昔から婚約していて、さっき結婚した」
は?
そこに立っているのは、使用人のディオンヌじゃない。
昔から婚約?
結婚?
何? いったい何なの?
ディオンヌはいつのまにか使用人の服から、ドレスに着替えている。
まるでそういう格好をするのが当たり前のような顔をして、ジョサイアの横で微笑んでいるのが当たり前のような顔をして、そこに立っている。
ただの没落令嬢の、使用人ふぜいが。
「何言ってるのよ。婚約者はアタシでしょ?」
「ディオンヌのほうがずっと早いから、きみとの婚約は無効だ」
「なっ……」
言葉を失うアタシを尻目に、ジョサイアは部屋を見回しはじめた。
「ここは母上の部屋だったんだ。その椅子の位置も、あのときのまま。きみには特別に、母上と同じ方法を試してあげよう。きみなんかでも母上にあやかれば、もしかしたら天国に行けるかもしれない」
言いながら、壁の操作盤をいじり、
「天窓はこれか」
彼が操作すると、頭上にある天窓の鎧戸がぱたりと開き、青空が広がった。
「もうすぐ正午だ。太陽が真上にくるよ」
すでにつま先のほうに光が射している。
薄暗かった部屋で肌寒さを感じていたアタシは、つま先からじんわりと――
「え、熱っ!」
慌てて足を引っ込めた。
真夏でもないのに、灼熱のような温度だったわ。
あんな陽射しを真上から浴びたら、全身が焼けてしまうかもしれない。
「ちょっとジョサイア。ごめんなさい、アタシ何か気に障ることした? 冗談やめてよ」
「冗談……冗談、か。父上は望んできみを招き入れたから仕方ないにしても、ディオンヌを巻き込んだのはよくなかった」
「あ、そのこと? ごめんなさい、幼なじみだったのね。他の使用人にすればよかったわ」
素直に謝ったアタシを、ジョサイアはじろりと見た。
まるで汚いものを見るような目で。
どうして……そんな目をするの……?
パパやママと同じに、アタシのことを軽蔑するの?
戸惑うアタシに彼は、
「ぼくの感情だけで決めるのはよそう。夫婦で話し合うことだ」
言って、ディオンヌを見た。
「ディオンヌ。きみはどうしたい? 父上たちが去り、ぼくたちは人間として生活することを選んだ。ここでひとりのヴァンパイアを野に放つことを、きみは許容できるかい?」
「そういう言い方はずるいわ。わたしにも感情で決めさせてくれない?」
「そうだね。じゃあ、きみはエレノアを許すかい?」
そう問われたディオンヌは――
かつて令嬢だったディオンヌは溜め息をついて幼なじみの侯爵を見つめ――
スカートの埃を、パンッと一度払った。
「わかった、そうしよう」
え?
返事がないのに、なんで納得するの?
ディオンヌはアタシを許すの? 許さないの?
ふたりは天窓を開け放ったまま、部屋を出て行った。
「どういうこと? ヴァンパイアがいるの? どこ? ねえちょっと、待ちなさいよ!」
しだいに太陽が真上に移動して……。
「熱い! ねえ! なんかアタシの身体、へんなんだけど!」
熱い熱い熱い。
何これ、肌が炭みたいになって……!
熱い熱い熱い。
熱い熱い熱い。
熱い熱い熱い熱い熱い熱いぃぃぃ!
―第一部・完―
見知らぬ、窓の鎧戸が閉じられた部屋。
「ていうか、これ何……?」
椅子の肘かけに、腕が固定されているじゃない。
座った状態で腰も縛られていて……。
監禁?
「たしか、アタシ……」
覚えているのは、ジョサイアと一緒にジョーデン侯爵の部屋に入ったところ。
ものすごい数の十字架が飾られていたわ。
あんなに信仰心のあるかたとは知らなかったから、驚いた。
たしかに、廊下の突き当たりに、高そうな宝石を十字架のように並べた仮面があったけど。
あれはかなりの逸品だと思うから、ジョサイアと結婚したらすぐに鑑定させなくっちゃ。
ええと、それで何だっけ。
死因を確認させるために、医者と一緒に遺体に近づいたアタシは――
あ、違う!
そう、遺体じゃなかった。
近づいたアタシのことを、ジョーデン侯爵がぎろりと見た。
本当に口から心臓が飛び出すかと思うくらい驚いたわ。
あんた死んだんじゃなかったわけ?
意味がわからなかった。
そして、ジョサイアが侯爵に向かって言ったの。
「父上、決戦の準備を」
アタシにその意味はわからなかったけど、侯爵はすぐにわかったみたい。
「助かる。記憶はないが生身は10年ぶりか。因縁を断つ日には、ふさわしいのかもしれんな」
生身って何。
なんでアタシを見るの?
そう思ったのを覚えている。
あ、それから、ジョサイアがアタシを後ろから抱きしめてくれたわ。
婚約したのに、触れ合うのは初めてだったから、すこし驚いたけど。
彼はそういうのは結婚してからのつもりだと思っていたから。
で、そのあと――
ジョーデン侯爵がアタシのほうに、寄ってきた……?
そのあたりで記憶が途切れている。
「首がかゆいわ」
アタシは急に、首筋が気になった。
怪我をしているのかもしれない。
手が自由ならすぐに触って確認できるのに。
あと、そう――
「お腹が空いた。早く血を飲ませて」
え?
今アタシ、何て言った……?
頭の中には、赤くとろりとした液体のイメージ。
これはワインなのかしら。
去年、16の誕生日で大人になった記念に、すこし飲ませてもらったわね。
でも、こんなに渇きを感じるほど、おいしかった記憶でもないのだけれど。
すこし大人になったということかしら。
「ねえジョサイア! どこにいるの? 早く自由にして!」
我慢できなくなり、大きな叫び声をあげると――
「やあエレノア。気がついたんだね」
扉を開けて、颯爽とジョサイアが入ってきたわ。
末娘のアタシが姉たちを大逆転するために婚約した、大切な大切な金づる。
筆頭貴族の侯爵夫人ともなれば、アタシのことを恥だ下品だとないがしろにしてきた両親にも、きっと認めてもらえるはず。
「ああ、ジョサイア……よかった。貴方が来てくれて」
「どうしたの? なんだかしおらしいね」
軽く答えた彼は、なんだか上機嫌に見える。
最近ずっと元気がなかったのに、急に絶好調になったみたい。
侯爵を継いでアタシと結婚するのが嬉しいのかな?
あれ?
でも、ジョーデン侯爵は生きていたわよね。
あれは夢ってこと?
「ジョサイアは侯爵になったの?」
「ああ、父上が亡くなって、今日からはぼくが侯爵だよ」
「やっぱりさっきのは夢だったのね! じゃあ、アタシ――」
そこで、ジョサイアに遅れてもうひとり入ってきた。
「紹介するよ。幼なじみのディオンヌ。昔から婚約していて、さっき結婚した」
は?
そこに立っているのは、使用人のディオンヌじゃない。
昔から婚約?
結婚?
何? いったい何なの?
ディオンヌはいつのまにか使用人の服から、ドレスに着替えている。
まるでそういう格好をするのが当たり前のような顔をして、ジョサイアの横で微笑んでいるのが当たり前のような顔をして、そこに立っている。
ただの没落令嬢の、使用人ふぜいが。
「何言ってるのよ。婚約者はアタシでしょ?」
「ディオンヌのほうがずっと早いから、きみとの婚約は無効だ」
「なっ……」
言葉を失うアタシを尻目に、ジョサイアは部屋を見回しはじめた。
「ここは母上の部屋だったんだ。その椅子の位置も、あのときのまま。きみには特別に、母上と同じ方法を試してあげよう。きみなんかでも母上にあやかれば、もしかしたら天国に行けるかもしれない」
言いながら、壁の操作盤をいじり、
「天窓はこれか」
彼が操作すると、頭上にある天窓の鎧戸がぱたりと開き、青空が広がった。
「もうすぐ正午だ。太陽が真上にくるよ」
すでにつま先のほうに光が射している。
薄暗かった部屋で肌寒さを感じていたアタシは、つま先からじんわりと――
「え、熱っ!」
慌てて足を引っ込めた。
真夏でもないのに、灼熱のような温度だったわ。
あんな陽射しを真上から浴びたら、全身が焼けてしまうかもしれない。
「ちょっとジョサイア。ごめんなさい、アタシ何か気に障ることした? 冗談やめてよ」
「冗談……冗談、か。父上は望んできみを招き入れたから仕方ないにしても、ディオンヌを巻き込んだのはよくなかった」
「あ、そのこと? ごめんなさい、幼なじみだったのね。他の使用人にすればよかったわ」
素直に謝ったアタシを、ジョサイアはじろりと見た。
まるで汚いものを見るような目で。
どうして……そんな目をするの……?
パパやママと同じに、アタシのことを軽蔑するの?
戸惑うアタシに彼は、
「ぼくの感情だけで決めるのはよそう。夫婦で話し合うことだ」
言って、ディオンヌを見た。
「ディオンヌ。きみはどうしたい? 父上たちが去り、ぼくたちは人間として生活することを選んだ。ここでひとりのヴァンパイアを野に放つことを、きみは許容できるかい?」
「そういう言い方はずるいわ。わたしにも感情で決めさせてくれない?」
「そうだね。じゃあ、きみはエレノアを許すかい?」
そう問われたディオンヌは――
かつて令嬢だったディオンヌは溜め息をついて幼なじみの侯爵を見つめ――
スカートの埃を、パンッと一度払った。
「わかった、そうしよう」
え?
返事がないのに、なんで納得するの?
ディオンヌはアタシを許すの? 許さないの?
ふたりは天窓を開け放ったまま、部屋を出て行った。
「どういうこと? ヴァンパイアがいるの? どこ? ねえちょっと、待ちなさいよ!」
しだいに太陽が真上に移動して……。
「熱い! ねえ! なんかアタシの身体、へんなんだけど!」
熱い熱い熱い。
何これ、肌が炭みたいになって……!
熱い熱い熱い。
熱い熱い熱い。
熱い熱い熱い熱い熱い熱いぃぃぃ!
―第一部・完―
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