淫靡な香りは常日頃から

綾崎暁都

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禁忌の華、燃ゆる夜

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 大正時代、文学界の一角で輝く沢崎征士郎さわざきせいしろうは、酒場で酔いつぶれたまま煙草をくゆらせていた。彼は文壇の寵児として知られ、批評家たちからも高い評価を得ていた。しかし、彼の内なる欲望と野心はまだ満たされていなかった。
 ある晩、雨が降りしきる中、沢崎は独りで闇夜を歩いていた。街灯の明かりがかすかに彼の姿を照らし出す中、彼は不意に一軒の洋館に目を留める。その建物は荒廃しているが、何かを感じさせるものがあった。
 好奇心に駆られ、沢崎は建物の扉をゆっくりと開ける。内部は薄暗く、妖しい雰囲気が漂っていた。彼は迷うことなく足を踏み入れ、廃墟のような部屋を進んでいく。
 すると、突然、彼の前に美しい女性が現れた。彼女の瞳は燃えるような情熱を宿しており、その姿はまるで禁断の果実のように魅力的だった。
「あなたが沢崎征士郎さんですか?」
 女性は微笑みながら尋ねた。
 驚きながらも、沢崎は頷いた。
「はい、そうです。私は沢崎征士郎です」
 女性はゆっくりと彼に近づき、耳元で囁いた。
「私はあなたの作品に魅了された存在です。私の名は鏡花と申します」
 鏡花の唇は彼の耳たぶに触れ、感触は彼の全身を電流のように走らせた。彼は身をよじらせ、瞳に激しい情念が宿った。
「私たちはここで、あなたの内なる欲望と創作の火花を燃やす夜を過ごしましょう」
 と鏡花は囁いた。
 沢崎の心は興奮と狂喜に包まれた。鏡花との禁断の関係、それは彼の創造力を刺激するものであり、彼の作品をさらに高めるものだと彼は確信した。
 二人は部屋の奥へと進んでいくと、鏡花は豪奢なベッドの上に身を横たえた。その姿はまるで花のように美しく、官能的な魅力に満ちていた。
 沢崎は鏡花の側に寄り添い、彼女の肌を指先でなぞった。その触れるたびに、鏡花から甘美な吐息が漏れた。
「私を見つめて、征士郎さん。私の中にある情熱と禁断の欲望をあなたの筆に込めてください」
 と鏡花は淫靡な声で囁いた。
 沢崎は身体が熱くなるのを感じながら、鏡花の瞳に見入った。彼女の魅力に抗うことはできず、彼の筆は燃えるように揺れ動いた。
鏡花の身体は花びらのように開かれ、沢崎の指はその奥へと侵入していった。快感が彼の全身を駆け巡り、彼は言葉を失った。彼の欲望は熱量を増し、炎のように燃え上がっていく。
 鏡花は沢崎の肌に舌を這わせ、愛撫を重ねた。その熱い感触は彼を絶頂へと導き、彼は快楽の波に身を任せた。
 熱い情熱の交わりの中で、沢崎は鏡花の姿を思い描きながら筆を振り下ろす。禁断の果実への渇望、肉欲と創造の融合が彼の心を震わせ、文字は彼の手に従って紙に刻まれていった。
 鏡花の身体は欲望に満ち、彼女の声は官能と共鳴した。彼らの交わりは時を超え、舞台の上で繰り広げられるような情熱的な展開を迎えた。
 その夜、禁忌の華が舞い散るような官能の世界は、沢崎の作品となって形を成した。それは一風変わった作風を纏い、禁断の快楽を描いた世界へと読者を誘うものだった。
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感想 2

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みんなの感想(2件)

シュリサワイツキ

隙間時間に読みに来ました!
様々なジャンルの話が詰め込まれていて飽きない内容になっていますね☆文章で情景を表現する事は大変難しいのにも関わらず、創造力、創作意欲の凄さに大変驚かされております!
まだ未読の小説も、ゆっくり読みに来させて頂きますね!執筆これからも頑張ってください!応援しております!

綾崎暁都
2023.08.06 綾崎暁都

しゅり沢樹さん、感想書いてくださり、ありがとうございます!😄

稚拙な内容だと思うのですが、それでも情景描写であったり、ただの性描写がある官能小説ってだけではないものを描けたらいいなと考えていたので、そう言ってもらえて、とても嬉しく思っています。

また引き続き読んで頂けると嬉しいです。どうか今後もよろしくお願いします!😊

解除
長門
2023.06.25 長門

官能小説、読むの初めてでドキドキしました(´⊙ω⊙`)
綾崎さんの小説を読んでいると、自分も書きたい衝動にかられます!(私のは官能系ではないけれど)
しかし、なかなかここまでの創作力がありませんです!

綾崎暁都
2023.06.26 綾崎暁都

長門さん、感想を書いてくださり、ありがとうございます!😄

僕自身、そんな大した創作力があるわけではないですよ。ちゃんとした長編小説を一冊分書きたいと思っても、プロローグとエピローグははっきり見えてても、その途中までの流れがどうしても上手く書けず、そこから先へ進まないとか、失敗ばかりです。

今回長編を書く体力はないけど、短編なら短編集という形なら、頑張って書いていけるのではないかという想いで、今短編の更新を頑張ってる最中です。今回は官能小説というジャンルですが、ただ官能小説というのでは芸が無いと思い、多少工夫はしてみました。メタファー的な表現だったり、いろいろ読者が考えさせられるように。

今後も短編官能小説集という形で、短編の更新頑張っていきますので、また読んで頂けると嬉しいです。この度は感想を書いてくださり、本当にありがとうございました!😊

解除

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