淫靡な香りは常日頃から

綾崎暁都

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乱れ髪の果実

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 煌く夕陽が、静かなる庭園に、微かな紅葉を照らし出す。風はそよそよと吹き、幻想的な美しさが空気中に漂う。
 庭園の一角には、古びた和風の家が佇んでいた。その扉は半開きで、そこから漏れる灯りが、まるで禁断の世界への招待状のように見えた。
 小さな身体を包む着物は、絹のようになめらかな質感を持ち、色鮮やかな柄が彩りを添えている。それはまるで深紅の夕陽を纏ったように、女の美しさを引き立てていた。
 その女は庭園に足を踏み入れると、静かに扉を閉め、鎖で確かめる。そして、中庭に構えられた露天風呂へと歩を進める。
 露天風呂の湯船は、湯気を立てながら湧き出ており、まるで神秘の泉のように思える。彼女はゆっくりと着物を脱ぎ、赤裸々な姿をさらけ出す。
 湯船に身を沈める瞬間、彼女は甘美な快感に溺れる。温かな湯が彼女の体を包み込み、疲れた心と体を癒していく。
 だが、それはまだ序章に過ぎなかった。彼女の体は次第に欲望に熱くなり、湯船を抜け出して庭園に一歩踏み出した。
 夜の闇が迫る中、彼女は自らの欲望に身を任せて庭園を彷徨う。彼女の心は禁断の果実を求めていた。
 やがて彼女は、庭園の一角に立つ大きな桜の木を見つける。その木の下に座り込み、深いため息をついた。
 すると、突如として男が彼女の目の前に現れる。彼は黒髪に端整な顔立ちを持ち、耽美な雰囲気をまとっていた。
 二人の目が交わる瞬間、彼女の胸には激しい鼓動が響き渡った。彼女は自分自身が忘れかけていた感情に身を委ねることを決意する。彼女は禁断の果実を手にする覚悟で、男の手を取った。
 彼は優しく微笑み、彼女を引き寄せると桜の木の下に座り込んだ。彼らの間には、官能の空気が漂い始めた。
 彼の指先が彼女の肌に触れると、電流が走るような快感が彼女を包み込んだ。彼の指は優しく彼女の首筋をなぞり、口づけが交わされる。
 禁断の果実の味は、彼女にとって未知の快楽へと導いた。彼女の身体は熱を帯び、欲望の炎に包まれていく。
 男性は彼女の身体を優しく撫で、その指先が花弁のように彼女の秘められた部分に触れた。快感は増していき、彼女の意識は曇り始めた。
 彼女は彼の腕の中で、大胆に身を任せた。彼の手に導かれながら、彼女は官能の頂点へと至っていく。
 桜の花が彼らを見守る中で、彼らは身も心も絡み合い、一体となっていく。愛撫の音と彼らの喘ぎ声が夜空に響き渡り、禁断の快楽が庭園に満ちていく。
 時が経ち、彼らの情熱は静まっていく。彼女は彼の腕の中で満足した微笑みを浮かべる。
 二人は桜の木の下で寄り添い、心地よい疲労感と満足感に包まれながら、庭園の静寂を楽しんだ。
 そして、庭園の扉が再び開く音が響く。彼らは互いに目を見つめ、微笑み合った後、そっと立ち上がった。
 禁断の果実を共有した彼らは、別れの時を迎える。庭園の出口で、彼らはお辞儀を交わし、別れの言葉を告げることなく、それぞれの道を歩き始めた
 この時の桜の花はとても青く、まさに青春という言葉にふさわしい色だった。たとえこれから辛い春が来ようとも、彼女の乱れた髪が風になびきながら、大胆な思い出を秘めて、新たな物語へと足を進めていく。
 そう、彼らは乱れた髪を、そして禁断の果実を求めて。
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