淫靡な香りは常日頃から

綾崎暁都

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常夏の女神は淫らに舞う

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 大学デビューに失敗し、退屈な大学生活を送っていたある日、商店街の福引きで無料宿泊券が当たった。それは航空券と食事代が全て付いているもので、南国の島への旅行だった。
 観光シーズンではなかったため、人の数は少なかった。俺はワクワクしながらビーチへと向かった。海が見たくてたまらなかったのだ。
 ビーチに着くと、そこにはまさに夢のような光景が広がっていた。全裸の美女が一人、海岸で踊っていたのだ。
 彼女は恐らく現地の娘だろう。黒髪のショートヘアでやや褐色の肌。明らかに外国人だった。彼女は俺に気づいていない様子で、快楽的なリズムに身を委ねていた。俺は彼女の美しさに圧倒され、ただただ見とれてしまった。
 彼女は俺と同じように一人でいるのだろうか。彼女と会話をすることはできるのだろうか。日本語しか話せない俺と、彼女の間には多分壁がある。
 それでも、俺は彼女のもとに近づいた。彼女は俺の存在に気づき、驚いた表情を浮かべた。しかし、俺が何も言わずにただ微笑むと、彼女も微笑んでくれた。
 お互いに言葉を交わすことはできないけれど、何故か不思議な共感が生まれた。彼女の踊りが語りかけてくるように感じた。
 俺は彼女に手を差し伸べ、彼女はそれを受け取ってくれた。手を繋いで、海へと向かった。
 海水が身体に触れる瞬間、彼女の小麦色の肌がより一層輝きを増したように見えた。彼女は海の中で自由に舞い、俺も彼女に続いた。
 泳ぎながら、俺は彼女の身体と心を感じ取った。彼女の表情や仕草から、彼女が何を求めているのかが伝わってきた。
 俺は彼女に寄り添い、彼女の身体を包み込むように泳いだ。互いの体温が交じり合い、心地よい感触が広がっていく。
 言葉はなくても、彼女との交流は深まるばかりだ。海の中で彼女と交わす触れ合いは、言葉以上の意味を持っていた。
 彼女の美しい瞳が俺を見つめると、何かを訴えかけているようだった。俺は彼女の願いを感じ取り、彼女の手を取って岸辺に戻った。
 ビーチに上がると、彼女は砂浜に寝そべり、太陽の光を浴びている姿があった。その姿はまるで女神のように美しく、欲望を湧き上がらせた。
 彼女の裸体が、細い砂粒と一体となって、まるで黄金のように輝いている。俺は彼女の隣に寝転がり、彼女の肌に触れることで彼女への想いを伝えた。
 時間の流れが意味を持たなくなった。我を忘れ、ただ彼女と一体となることに没頭した。欲望と愛情が渦巻き、俺たちを高みに導いていく。
 島の風は熱い吐息のように感じられた。それは二人だけの秘密の風。彼女の肌に触れるたびに、その熱さが俺の内側に広がっていった。
 彼女の身体は妖艶で、美しい曲線を描いていた。俺は彼女の身体を崇拝し、愛撫することで、彼女に与える快楽を極限まで高めた。
 彼女の体は火照り、彼女自身も俺に触れることで快感を得ていることが伝わってきた。彼女の喘ぎ声が波の音に混じり、島全体が彼女の舞台となった。
 互いに欲望を満たし、絶頂に至るまで何度も交わりながら、俺たちは淫らな舞を続けた。
 夜が訪れ、海岸には星々が輝いていた。彼女の肌は月明かりに照らされ、美しさが一層増した。彼女と寄り添い、俺は彼女を抱きしめた。
 言葉はなかったけれど、俺たちの交わした絆は言葉を超えたものだった。彼女は俺にとって、常夏の女神であり、彼女との一夜が俺の心に刻まれた美しい旅の記録として永遠に残り続けるだろう。退屈な日常という夜空にひっそりと輝く、一点の思い出の星として。
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