退魔の少女達

コロンド

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番外編

苦痛と快楽の拷問 4

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「はい、三分。あ、折角だからその足を拘束してる鞭、そのままにしておいて」

足を無理やり広げられ、閉じることもできないカナの前に、バーティスと入れ替わりマジェラがゆっくりと歩いてくる。

「う~わ、いたそ~。でも大丈夫。ここから先は快楽の時間だから……ね、退魔師さん」
「いっ……ぎぅ……っ、だめ……っ! 今は……ッ!」

――パチン。

マジェラが指を鳴らす。
その音が耳に響くのと同時に、カナの感覚は反転する。
まだ体の中に消えずに残り続けている暴力的な痛みの余韻が、全て官能的な快楽へと変換される。

「あっ――ひぃぐッ!? やだ、あっ……やっ、ひぁあああああああッ!?」

カナの顔は一瞬で真っ赤に紅潮し、体は途端に快楽の悲鳴を上げる。
そのまま体を不規則に震わせ、プシャ、プシャアアアッ、とショーツ越しに勢いよく潮を吹き上げた。
潮や愛液の入り混じった液体をぼたぼたと地面に零しながら、何度も何度も絶頂する。

(うそ……私……っ!)

快楽に耐える覚悟をするより早く、体が一瞬で絶頂に導かれてしまった。

「あははっ! すごいすごい、まだ何にもしてないのにイッちゃった!」
「ひがっ……あああ……っ!」

あれ程の激痛を一瞬で同じ分の快楽に変換される体験などもちろん初めてで、カナ自身もまだ自分の体に何が起きているのか理解できずにいた。
理解よりも早く快感で頭の中が満たされ、何も考えられない。

「さっきはギリギリのところでここ、責めてあげられなくてごめんねぇ……ずーっと、待ってたよね。今、たくさん虐めて上げるからねっ!」
「ひゃめっ……いぎぃいいッ!? ンぁああああッ!!」

まだ小刻みに絶頂が続いている中、ショーツ越しに膨れ上がったクリトリスを摘まれる。
今のカナはその体に触れなくても絶頂に至るほどの快楽で満たされているというのに、追い討ちをかけるようにマジェラはその膨れ上がった性感帯をグリグリと責め立てる。

「すごいすごい! まだまだたくさん出てくるよ! ビュービューって、あはは、エッチなパンツがびちょびちょだねぇ……でもまだ止めてあげないよ。えいっ、えいっ……くふふっ、ビクビクして可愛い……」

絶頂を繰り返すカナの姿を見て、マジェラは気持ちを昂ぶらせる。

「やっぱり退魔師ってのはみんなえっちなのかな? サクラって子も泣きながらびっくりするくらい潮吹きしてたからね~」
「――ッ! さ、サクラをどうしたの……っ!」

不意に出てきたサクラという名前に、カナは少しだけ冷静さを取り戻す。
そして嬌声をあげるのを我慢しながら、マジェラに問い詰めた。

「君と同じようにたくさん虐めてあげたよ~。あの子は2時間くらいはもったかな? でも最後の方はもう快楽と苦痛の違いも分からなくなってずっとビクンビクンってなってた。ふふっ、可愛かったな~」
「……ッ!」

カナは声にならない怒りの声を上げて、歯を食いしばる。
そんな怒りの表情で睨みつけてくる彼女の表情を、マジェラはうっとりとした表情で見つめていた。

「最初の方は声も上げずに耐えてたけど、最後の方は助けて~、カナせんぱ~いって叫んでたよ。君、あの子にすごく信頼されてたんだね。でも今はそのカナ先輩ですらこのざま。もっと耐えなよ、あの子はもっと我慢強く耐えてたよ」
「絶対に……殺してやる……」

普段は口にすることのない、直接的な殺意を込めた言葉。
どんな時でも常に冷静に物事を見据えるカナだったが、今は胸の内側から禍々しい感情が湧いてくる。

「あはは、怖い怖い。サクラって名前を出してから表情が変わったね。そんなにあの子のことが好きだったんだ………………いいこと思いついた。あの子の姿で犯されたら、カナ先輩はどうなっちゃうんだろうね~?」

そういうとマジェラの顔が霧に包まれたようにぼやけだす。
そして数秒後にはマジェラの顔が変化し、カナの見知った彼女の形に変わる。

「はーいカナ先輩。サクラですよ~。これからカナ先輩の気持ちいいところ、たくさん虐めてあげますからね~」
「……ッ! サクラはそんなこと、言わない……ッ!」

マジェラによる幻惑の力であることは明らか。
本物のサクラであるはずがない。

「カナ先輩のおっぱい、いい形してますよねっ」
「ん……あぁんっ!」

そんなことは分かりきっているが、サクラの顔をしたマジェラがカナの胸をブラ越しにそっと撫でた途端、体がビクンと跳ねて一際甘い声が漏れる。

「ふふ、さっきより明らかにさっきより心拍数上がってますよ? 偽物だって分かってても、この顔、この声で責められるとやっぱり感じちゃうんですかね、せ~んぱい」

心では必死に別人だと認識しようとしているのに、その顔もその声も記憶の中にあるサクラそのもの。
彼女のことを愚弄するかのようなその行いに怒りを感じるが、同時に愛おしい後輩に体を弄ばれる感覚に体は否応無く反応してしまう。

「ねぇ……キスしよ、先輩」
「んっ、やめっ……んむぅっ!?」

体の大きさまで模倣してるのか、小さい舌がカナの口内を責め尽くす。
一糸まとわぬサクラの姿をした幻影はキスをしながら、わずかに残ったカナの衣服を脱がしていく。
ぼろ切れのようになった制服を脱がされて、ブラとショーツも優しい手付きで脱がされて、カナは一糸纏わぬ姿にされる。
カナがサクラの幻影の体に視線を向けると、彼女も衣服は何一つつけていなかった。
そしてサクラの幻影は、まるで娼婦のように自身の小振りな胸をカナの体に押し当て抱きついてくる。

「ぎゅ~、先輩の体、あったか~い」

まるで暖かい毛布に包まれているような、快感とは違う心地よさ。
一瞬だけ、ずっとこの暖かさに包まれていたいと思ってしまった自分に、カナは嫌気がさす。
目の前にいる彼女はサクラを愚弄する偽物なのだから。

「ぐっ、さわ……るなぁ……っ! んぁあ……っ!」

サクラの幻影はクスクスと笑いながら、細い指先でカナの太ももや背筋に優しく触れる。
こんな責めで感じたくないと、カナはいやいやと首を振って抵抗する。

「んふっ……先輩ったら照れちゃって……可愛い……ふーっ」
「ふぁああっ!? 耳元で……囁くなぁ……っ!」

だが今のカナはもはや耳に息を吹きかけられるだけで、ビクビクと震えて感じてしまう。
認めたくはないが、サクラの幻影に責められるという行為がカナの性感を高めていた。

「ふふっ……もっと虐めてあげたいけど……」
「三分だ」

バーティスの声にハッとするのと同時に、指を鳴らす音が響く。

――パチン。

「――いぎッ!?」

まるで夢を見ている最中に冷水をかけられるかのような感覚。
体を包んでいた甘い感覚が、冷たく刺すような痛みに変わる。
目を見開いて辺りを見渡すと、すでにカナの体の周りには既に無数の鞭が宙を待っていた。
それはまるで餌を見据えてタイミングを見計らう蛇の大軍のよう。
三分が経過し自分の番が回ってきたことを確認すると、その無数の鞭はカナの体のいたるところに絡みつき、一気に締め上げた。

「あ”ッ!? あ”あ”ーーーーッ!!」

快楽の時間は終わり、次の苦痛の三分間が始まる。
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