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真・王女の淫魔 4
しおりを挟むサクラの絶叫が室内に響いた。
白目を剥き、壊れたように体を震わせる彼女を見てカナは走り出す。
「サクラッ!」
それがカナの動揺を誘う罠だと理解していても、走り出さずにはいられない。
戦いに集中するため、心を殺して見えないふりをするのも限界だった。
「よそ見しちゃだめなんだ~」
視界の端に映った触手を撃ち落とす。
だがそれと同時に右足に触手が絡みつく。
「しまっ――」
その触手を払いのけようと銃を足元に向けよとするが、今度はその腕を触手に掴まれる。
そのまま両手両足を絡め取られ、宙に吊りあげられる。
「くっ……」
なんとか触手を払いのけようと力を入れるが、ビクともしない。
「無理無理、そんな力じゃ振りほどけないよ」
宙に拘束されたカナを、リリンは下から眺めて笑う。
「私は生まれて間もなくて、分からないことがたくさんあるの。自分自身のこともほんとはよくわかってない。けどね、一つだけ間違いないことがあるんだよ」
リリンの右腕に細い触手がいくつも集まり、長い一本の触手へと形を変えていく。
「それはね、女の子の悲鳴が大好きってこと!」
その鞭のような触手がカナの右腹部に向けて叩きつけられる。
「うぁああッ!」
パァンと高い音が鳴り響き、カナはグッと体を硬直させる。
「ふふっ、思った通りのいい声! その声、もっともっと聞かせてよ!」
「んッ……あっ……ああぅッ!」
バチンバチンと耳につんざく音が室内に響く。
鞭のような触手が振るわれるたびに、衣服の一部が少しづつ破れていく。
今やカナが身に纏っているのはギリギリ衣服の形を保っている布切れだった。
「はぁ……あぁ……」
「息切れする姿も可愛いんだね。次はどんな風にいじめてあげようかなー?」
太い触手がリリンを持ち上げ、カナのそばまで主人を近づける。
うなだれたカナの頬に触れながら、リリンは次はどんな遊びをしようかと思案していた。
「…………ぎ……」
「ん、なぁに?」
何かを呟く声を拾い、リリンはカナの口元に顔を近づける。
「もう少し……みぎ……」
「ん……右……?」
言っていることの意味がわからず、リリンは小首をかしげる。
うなだれて真下を向いていたカナは、誰にも見えない位置でふっと笑みをこぼした。
「そう、その位置――」
バァンッ!
脳を直接振動させるかのような轟音が鳴り響く。
カナが顔を上げると、そこには頭が吹き飛んだリリンの姿があった。
手足を拘束されてもなお、カナは勝利を諦めてはいなかった。
手首だけを巧みに動かし、射程範囲にリリンをおびき寄せ、その頭部に銃弾を叩き込んだ。
「巫女様の……清浄なる精気を打ち込んだ…………これでもう、復活はできな……」
「――――――ハ」
「――ハハハハハ」
「アハハハハハハッ!」
小さな触手の一つ一つがリリンの頭部に集まり、元の形を新たに作り出していく。
高笑いするリリンの顔が眼前で新たに作り出されていく様を見て、カナの表情が硬く青ざめていく。
「それ、清浄なる精気って言うんでしょ? その攻撃を受けると、受けた場所から触手ちゃんが再生しなくなっちゃうんだよね。でも、なくなったものはまた新たな場所から作り直せばいい。顔だって……ほら、治っちゃった」
わずか数秒。
吹き飛んだリリンの首は、元あったものと遜色のない新たなものへと作り直されてしまった。
「そん……な……」
再生できなくとも、新たに作り直せばいい。
そんな理論がまかり通るなら、清浄なる精気の力を持ってしても目の前の淫魔を倒すことなどできない。
巫女の力を過信していたカナは、勝利につながる最後の手段が前提から崩れていたことに気づき絶望する。
「あはっ、あははははッ! カナちゃんって恐怖に歪んだ顔ってこんななんだー。すっごく可愛いね!」
「あっ」
頬を捉まれ無理やり引き寄せられる。
目の前にあるのは歪んだ笑みでこちらの心の奥を覗くかのようなリリンの視線。
その吸い込まれるような視線から、カナは目が離せなくなってしまう。
「でもさっきのはちょっとビックリしたなー、本当に死んじゃったかと思った! ねぇ、さっきみたいな奥の手、まだ持ってるの? ねぇ! ねぇねぇ!」
「う……ぐっ……」
何も言い返せない。
ただ嗚咽を堪えて唇を噛み締める。
「あはは、やっぱりもう何もないんだ。んーでも、その力は流石にちょっと危険すぎかな。没収ね」
「なにを……んッ!」
両手両足の締め付けがさらに強くなる。
その間にリリンはさらにカナに体を寄せ、密着してくる。
「ねぇ人は精気吸収されるとすっごく気持ちよくなっちゃうんでしょ? ……カナちゃんはどこからされるのがお好き? 口? おへそ? それとも……」
「んっ、や……めろ……」
リリンの指がカナ唇に触れ、へそに触れ、さらに下へと指が動いていく。
「私ね、カナちゃんのことすごく気に入っちゃったみたい。精気吸収して、私にあらがう力を全て奪われ完全敗北しちゃったカナちゃんをたくさんたくさん愛でて遊んであげるんだ」
「誰が……負けて……なんか……っ!? んんッ!?」
カナの体がビクンと跳ねる。
リリンにショーツをそっと撫でられ、嫌でも体が反応してしまう。
「ふふっ、敏感なんだ。ここから精気吸ってーって言うカナちゃんの声が聞こえてきたよ」
「……ッ! 言ってな――ひぁああッ!」
今度ショーツ越しに突起をつままれる。
「いいよ、強がれるのも今のうちなんだからね」
「うる……さ…………んっ、あ……ッ! ……い、いや……なんで……ッ!?」
「ん?」
様子のおかしいカナを見て、リリンは何が起きたのか戸惑う。
だが触れた手から感じる暖かい感覚が、すぐにその答えを教えてくれた。
「ん、あれー? カナちゃん、これなにー?」
「ぁ……ああっ…………なんで、いや……っ!」
カナの体が小刻みに震え、彼女の目元から一筋の涙がこぼれる。
ショーツを湿らせ、あふれた水が太ももを伝って流れていく。
「あーあ、お漏らししちゃったんだ……いーけないんだ」
「いや……いやぁ……っ!」
「あんなに強気にしてたのに。心の奥では怖くて怖くて仕方なかったんだね。ほんっと可愛いなー」
(止まれ……止まれ……っ!)
何度そう願っても、体は言うことを聞いてくれない。
「ほら、後輩のサクラちゃんもカナちゃんのお漏らしシーン見ててくれてるよ」
「――えっ」
顎を捕まれ無理やり首を動かされると、ちょうど正面に彼女の姿が見えた。
ツバキの体にもたれかかるようにして座り込んでいたサクラが、確かにこちらを見ていた。
「やめ……だめっ……見ないで……っ!」
みっともなく声を荒げてしまう。
表情までは見えなかったが、愛する後輩に痴態を見せてしまうこと、それだけはカナにとって耐えられないことだった。
「違うでしょ?」
そんなカナの耳元で、ズンと重くのしかかるような声でリリンが囁く。
「これからカナちゃんのもーっと可愛いところ、たくさん見せつけてあげるんでしょ?」
「いや……だぁッ!」
頬を涙で濡らしながら、両手両足を動かしてカナは必死にあらがう。
みっともない姿で意味のない抵抗をし続けた。
「ふぁああッ!?」
カナの一際甲高いが室内に響く。
リリンの指がショーツをめくり、カナの秘所へ入り込んでいた。
「あははっ、カナちゃんのナカ、もうぐっちゃぐちゃ。お楽しみはこれからなのにねー」
「ゆび……やめろぉ……っ」
「ふふっ、やめないよ。それじゃ、いただきまーす」
「んっ……ぐぅ……ッ!」
膣内に入り込んだリリンの指がグッと熱くなり――――精気吸収が始まる。
「――ひぐっ!? あっ……ああああああああッ!?」
それはまるで秘所から電流でも流されたかのような感覚。
刺激的な痺れに、勝手に体が踊りだす。
どれだけ否定しようとも、人はその感覚を快楽として受け止めてしまう。
「ひぁ……がっ、いああああッ!? イ……ッ、んぐぅうううッ!」
精気を奪われるのと同時に秘所から色んなものがあふれていく。
絶頂し、潮を吹き、また失禁する。
もうカナの秘所はぐちゃぐちゃで、もう自分の下半身がどうなっているのか分からない状態だった。
「……素敵な悲鳴、いや嬌声かな。ほらほら、大好きなサクラちゃんにカナちゃんのみっともない姿、たくさん見せてあげよ?」
「いや……っ、ああああッ! みない……で……ッ! ひぐぅッ……私の……うばわ、ないでぇえええッ!!」
継続的に続く痺れは、カナに一切の休息を与えない。
体をよがらせることに意味はなく、絶頂しようが止まりはしない。
「ううん、全部奪うよ。カナちゃんの精気も、プライドも、大事なものも……ねッ!」
リリンの親指が、カナの陰核を押しつぶす。
「い"い"――――っ!?」
秘所の奥、リリンの指先から感じるそれと同じ痺れが、突起の先端に押し付けられる。
「ン”ぁあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!?」
一際大きく絶頂し、あふれた潮がボタボタと地面に音を立て滴っていく。
強すぎる快感に頭が支配されて、もはやカナに羞恥を感じるほどの余裕さえ残っていない。
体を震わせ、絶叫をあげることしかできなくなったそれを、リリンは楽しそうに見つめていた。
「さーてカナちゃん、次はどこから吸われたい?」
「んぁ……あ……あぁ……っ」
もはやカナの瞳に生気は宿っていない。
それでもリリンの好奇心に終わりはなかった。
完全に戦意を失ったカナを次はどう料理するか、リリンは楽しげに笑いながらそれだけを考えていた。
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