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王女の淫魔 3
しおりを挟む「んっ……ああっ……んぁあ……ッ!」
サクラはまだ得も言えぬ快楽に打ち震えていた。
視線と声だけで強制的に絶頂してしまうあの快楽が、体の中に残って消え切らない。
体を内側から愛撫され、頭を直接犯されるようなあの感覚を思い出すだけで、また体がビクンと震える。
「んー、つまんない。つぎはあっちにしよー」
淫魔はサクラに興味を無くしたのか、背を向けて立ち去る。
そして淫魔が次に興味を示したのは、磔にされたカコだった。
カコはまだうつらうつらとしていて、意識を保てているかどうかも定かではない。
そんなカコの方へ、淫魔がゆったりとした足取りで近づいていく。
(まさか……次はカコちゃんを…………させ……ない……ッ!)
サクラは自分の右手に視線を向け、そこにまだナイフのように短い刀が握られていることを確認する。
どんなに追い詰められてもこの右手に握った武器だけは離さなかった。
だがサクラの体力ももう限界。
下半身は震えて言うことを聞かず、立ち上がることもできない。
それでも…………諦めない。
「カコ……ちゃんに……近づくな……ッ!」
サクラは、持っていたその武器を淫魔に向かって投げつけた。
「あうっ」
刀は淫魔の右肩辺りに刺さる。
直後、サクラの手から離れた刀は形を保てなくなり、霧散していく。
サクラのなけなしの精気で作り上げた、最後の武器が消える。
「いたい……」
泣きそうな声を上げながら、淫魔は刀が刺さった辺りをさする。
触手のような体でできた淫魔から血が出ることはなく、開いた傷口はすぐさま修復されていく。
それは淫魔からすれば擦り傷程度の怪我でしかない。
「うぅ、いたいよぉ……」
だが淫魔は子供のように腕で肩を押さえ続ける。
いや、それこそ生まれたばかりの淫魔だから当たり前なのかもしれない。
初めて受ける痛みに、動揺している。
そしてその感情はだんだんと怒りという別の感情に変わっていく。
「よくも……よくもぉ……ッ」
淫魔は振り返り、満身創痍のサクラを睨む。
まだ両足で歩くことにも慣れていない淫魔が、怒りをあらわにしてサクラに近づく。
「この………ッ!」
「う”ぁッ!?」
そして仰向けに倒れるサクラの腹部を足で押しつぶした。
「このッ! このッ! このぉッ!!」
「あ”ッ! んぐっ! ぎぃあ”あ”ッ!?」
何度も何度も、怒りに任せて淫魔はサクラの体を踏み潰す。
胸、太もも、顔。
いたるところを、上から下まで踏み潰す。
退魔師は自らの精気を操り、自身の身体能力を上げる力を持つが、今のサクラは精気の貯蔵がゼロの状態。
すなわち、一般的な女学生程度の身体能力しか持たない。
そんな体で淫魔からの暴力を受け続ける。
「がっ……お、おぇ……ッ」
口から血と胃液が混じった液体が逆流する。
一般人となんら変わりない体で、腹部を何度も踏み潰されたのだから
無理もない。
淫魔は身悶えるサクラの姿、その下半身を注視する。
「なんで……あし、ギュってしてるの……?」
「ぇう……あ……」
サクラは淫魔の攻撃を受けるため手で顔を覆い、膝を曲げ、股を締めて防御体制を取っていた。
まだ人間の構造をよく知らない淫魔は、サクラのその行動を疑問に思ったらしい。
淫魔は右手を前に出す。
すると、指の一本一本が触手のように伸び、サクラの右足に絡みつく。
「あ……いや……っ」
そしてサクラの右足を持ち上げる。
子供とは思えないほどの強力な力。
サクラの左足は地についたまま、腰がほんの少し宙に浮く。
「ここ……すごいびちゃびちゃ……」
淫魔の視線が、サクラの股に集中する。
幾度も絶頂や失禁を繰り返し、汚れきったホットパンツ。
淫魔は何のためらいもなく、そこを踏み潰す。
「――――がぁ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!」
部屋全体に響き渡る、甲高い悲鳴。
淫魔の口角が上がる。
「ここ……よわいんだ……えいっ、えいっ!」
「だぇええッ!! あぐぅッ! あがぁあッ!!?」
淫魔が踏みつけるたびに、悲痛な声を上げながらサクラはビクンビクンと体を何度も震わせる。
快楽と激痛の入り混じった感覚に、ただただ悶える。
掴まれた右足を振りほどこうと必死に足掻くも、まるで意味がない。
「ぐりぐり~~」
「~~~~ッ!? やめっ……あ”ぁ”う”ッ!? それッ、とめ――ッ、ン”ぃ”い”い”い”ッ!!?」
淫魔の怒りの感情は、次第に歓喜に変わっていく。
不機嫌に怒り散らした後、おもちゃを上げたら急に喜ぶ赤子と同じ。
淫魔は無様に泣き叫ぶサクラの姿を見て楽しんでいた。
――――このおもちゃはまだ遊べる。
きっとそう思ったのだろう。
「このぬのじゃま~、あっ、そうだ」
グリグリとホットパンツ越しにサクラを責めていた淫魔の足が形状を変え、いくつかの細い触手へと変わっていく。
その触手の一本一本が衣服の中に入って、サクラの体を直接撫で上げる。
「ひゃうぅッ!? そこは……っ、うくぅ……ッ!」
「あれ、なになに~? なんでさわってるだけなのに、そんなこえ……だすの?」
煽っている訳ではなく、単純に理解していないようだ。
そのまま淫魔はサクラの反応を探るように責めを続ける。
「ひぁ……あっ、んぁああぅッ!? や、やだっ、そこっ…………ンン~~~~ッ!」
そして少しずつ、学習していく。
太ももや股関節よりも、秘所の付近を触れる方がサクラはより強く体を震わせるということ。
強く締め上げるように責めると甲高い悲鳴が上がり、やさしく触手の先端で撫でるような動きをすると甘い嬌声が上げるということ。
淫魔はサクラの体を少しづつ理解していく。
(まずい……私の弱いところ……少しづつ、知られて……この、ままじゃ……)
サクラがそう思った直後――――
「――――い”ぅ”う”う”ッ!?」
不意に強い刺激が走る。
責めを続けていると、一本の触手がサクラの突起に触れ、その瞬間サクラの体がビクンと大きく跳ねる。
「ん~?」
不意の反応に、淫魔が小首をかしげる。
(だめッ、ここ弱いの知られたら……ッ!)
この淫魔はまだ、人体の仕組み、女性の性感帯、そういったものを一切知らない。
だからこそ、責め方には粗があった。
でももし、この淫魔がそういった知識を身につけてしまったら…………それはサクラにとって最悪のシナリオとなる。
「あ……ああ……っ」
サクラに恐怖に滲んだ声を漏らす。
クリトリスを中心に、輪を描くように触手が動き出す。
それはまるで蛇が獲物を捉えるときの動きのよう。
顔を上げると、淫魔はサクラの顔を見つめていた。
サクラの顔を見て、淫魔は不敵に微笑む。
「やめッ――――」
言い切る前に、細い触手がクリトリスを一気に締め上げる。
「――――ン”ぎぃッ!!? ン”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ッ!!」
急に訪れたあまりにも強すぎる刺激。
響き渡る絶叫。
強く体を痙攣させながら、絶頂する。
泣き叫びながら絶頂するサクラのその様を、淫魔はうっとりとした表情で見つめていた。
人を快楽の底に沈める喜び。
たった今、淫魔はその感覚を学習したのだ。
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