退魔の少女達

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苗床の部屋 [敗北ルート 3]

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「ふぁあああああッ!!?」

 サクラの体が強く跳ねる。
 それを見て、シエラはクスクスと笑う。

「また果てたのね。これで何度目かしら。もう自分が絶頂してるのかそうじゃないのか分からなくなってきてるんじゃない?」

 サクラの全身は触手で包まれていた。
 精気が枯渇した状態で触手に責められ続け、さらに精気を根こそぎ奪われる。
 そんな状態がもう數十分続いていた。

「んぁ……あ、あぐぅ……」

 精気を吸われるたびに触手は巨大化し、サクラから生まれた淫魔は今では産みの親よりも巨体になっていた。
 太い触手に全身を抑えられ、関節の一つとて自由に動かせない。

「ひっどい顔……まあ、当然かしら。もともと精気を散々吸われた後だったし、すっからかんの状態でさらに精気を奪われようとしているんだもの。並大抵の人間なら廃人化するわね」

 言いながら、シエラはサクラとは別の方向に歩き始めた。
 カツカツと鳴り響くヒールの甲高い足音は、サクラの隣にいる繋がれた彼女の前で止まる。
 シエラは屈みこんで、茶色に染められた彼女の髪を指に絡ませる。

「な……何を……!?」
「あなた……名前は確か…………ミサキ、だっけ?」
「……っ!」

 繋がれた彼女――――ミサキは一瞬、驚きを覚える。
 家畜同然の扱いをされているこの状況で、まさか目の前にいる白衣の女が自分の名前を理解しているとは思わなかった。
 だがミサキは歯を食いしばり何も答えない。
 彼女の中に残る、ほんの少しの抵抗心。
 そんな微かな反抗の意思など眼中にないのか、シエラはそのまま語り続けた。

「ミサキ、あなたは他の人よりも精気の貯蔵量が高いようね。ここに繋がれている彼女たちはみーんな頭壊れちゃってるのに、あなただけは正気を保っている」
「そ、それが、なんなの……?」

 本題を濁すシエラの語り方に、ミサキの表情は少しづつ固まっていく。
 つい先日まで普通に大学で学生生活を送っていたミサキ。
 彼女はこの場所に連れ来られた経緯すらよく覚えていない。
 そんな淫魔の存在すら知らなかったミサキは、未だに目の前で何が起きているのかを理解していない。
 彼女にできるのは、恐怖を隠すために虚勢を張ることぐらいだった。

「何を言っているのかよく分からないわよね、ごめんなさい。ただ、あなたは他の人より頑丈、とだけ理解してくれればいいわ」

 カチャン、と音がなる。

「え?」

 それはミサキの手錠が外れる音だった。
 シエラの意図が読めないミサキはキョトンとした顔をする。

「そんな頑丈なあなたに――――お願いがあるの」

 全身がゾクリと震える。
 何を言い出すのか、予測できない恐怖で心音が高鳴る。

「あなたを助けに来てくれたあの子。サクラって言うらしいんだけど、あの子このままじゃ死んじゃうわ」

 自分が主導していることにも関わらず、シエラはまるで人ごとのように話す。

「そしてサクラちゃんを今犯しているあの化け物はね、人の中にある精気っていう、あなたたちには見えないエネルギーを吸って餌にしているの。だからもしサクラちゃんを助けたいなら、サクラちゃんに精気を供給してあげないといけない。――――そう、あなたの精気を分けてあげるしかないのよ」
「そん、な……」

 無茶な話だ。
 いきなりそんなことを言われても、戸惑うだけ。

 とはいえ、他に何か選択肢があるだろうか。
 拘束を解かれたとはいえ、ミサキも疲弊しきっている。
 今この場から逃げ出したとして、外まで逃げ切れるビジョンは見れない。
 ミサキはもう一度サクラの顔を見る。

「ふぁ……ああっ!! やめ……ひうぅ……っ!」

 自分よりも小さなその体が触手に好き勝手に犯され続け、悲鳴のような嬌声をあげ続けている。

 絶望しかないこの部屋に入れられ、どれほどの時間が過ぎたかも分からない。
 そんな中、サクラは唯一ミサキを助けてくれようとしてくれた存在だった。

「やる……しか、ない……」

 彼女は決心する。
 この部屋の中で唯一希望があるとすれば、それはサクラの存在。
 その希望に彼女は賭けることにした。


 ***


「あ”……あ”ぁ……」

 サクラはよだれを垂らしながらだらしない声をあげる。
 何も考えないようとするのは本能的な回避行動。
 もはや抵抗できないこの状況では、抗おうとすればするほど体力を奪われてしまう。

「あ……な、に……?」

 そんなサクラの視界に、久しぶりに触手と天井以外のものが映る。
 繋がれていた彼女、ミサキ。
 ぼやけた視界でも彼女の申し訳なさそうな表情は読み取れた。

「ごめんね…………んッ」
「んむぅッ!?」

 急な出来事にサクラは大きく目を見開く。
 一切予測していなかった、彼女からの口付け。
 薄れかけていた意識が一気に覚醒する。
 首を振って拒否しようとするも、触手に頭を押さえられ抵抗できない。
 口の中に入ってくる舌の感触が甘く心地よい。

「ふむ、むぐぅうううううッ!!?」

 体を責める触手の暴力的な責めと、彼女の甘い舌責め。
 ぞわりと背筋が震え、それが全身に伝っていく。
 今までとは全く違う形の責めに、秘所の奥がぎゅっと熱くなり、それがそのまま体の外にへとあふれ出す。
 
 何が起きているのか一切理解できず、サクラはただただ一方的に送られてくる快楽を耐えるしかなかった。

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