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悪夢の淫魔 10
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「ほら、起きて、サクラ」
「……起きて、ます……眠ることは……できないん……です……」
「そんな顔をとろんとろんにさせて、もう壊れる一歩手前かな?」
「もう……壊れて、ます……」
「……はぁ、だめですよー、壊れたフリなんかしちゃ。ほら、次は私の一番敏感なところ、責めてあげますからね」
「いや……いやぁ……ッ!?」
こんなに辛い思いをしなければならないのなら、いっそのこと壊れてしまいたいとさえ思う。
何も考えられなくなるほど犯し尽くされて、それでもまだ足りないと彼女たちはサクラの不可侵の領域へと手を伸ばす。
「ひっ……ひぃ……っ!」
カナがショーツを優しくつまむだけでサクラは酷く怯える。
もうわかっているのだ、自分は彼女たちの責めに耐えられないと。
陰核を触られるだけで絶頂してしまうだろう。
秘所をかき混ぜられたら、かき混ぜられた分だけ絶頂してしまうだろう。
今までの責めを凌駕するほどの快楽に溺れてしまうのだろう。
その責めに耐えきる自信はない。
今度こそ、本当に精神が焼き切れてしまうかもしれない。
「あ、まって先輩」
「うん?」
ショーツの中に入り込んだカナの手がまさにそそり立った陰核を摘もうとしたその瞬間、偽のサクラがカナを止める。
「もういい加減、私がイク姿も見飽きたでしょう? だから次からはちょーっと趣向を変えて見ようと思いまして……」
そう言って偽のサクラは指をパチンと鳴らした。
また、一瞬ぐにゃりと頭がかき混ぜられるような感覚に襲われる。
何かをされた。
その実感だけはあるが、今度は体に何か異変があるわけでもない。
「な、何を……したの……ッ!?」
「ふふっ、私はサプライズがお好きな性格なので、内緒です」
片目をつむりながら偽のサクラは静かに笑う。
普段見慣れた自分の姿がとぼける様は妙に腹がたつ。
「さぁ、カナ先輩、もういいですよ。私の一番気持ちいところ、ぐっちょぐちょにいじめてあげて下さい」
「いいの? じゃあ触れるよ」
「あ……あ……っ!」
カナの手がサクラのショーツの内側に触れる。
秘所を少し外した股関節の内側辺りを円を書くように撫で上げていく。
「あ……ああっ!! いやっ、あああッ!!」
「あれ、もしかしてイっちゃう? まだじらしてるだけだよ? 周りをなぞってるだけだよ」
「あ……やだっ! ああっ!! 気持ちよく……なっちゃ……はぅうううッ!!?」
ーーイく。
ーーイってしまう。
まだ性感帯そのものは触られていないというのに、サクラは自分の体が高まるのを感じた。
全身が痙攣し、秘所の奥から愛液が溢れだす…………はずだった。
「ひぁ!? あ……え?」
「あらあら、今の私、随分間抜けそうな顔してますよ。イクと思ったのにイけなかった。そんな顔ですね」
したり顔で偽のサクラがサクラの顔を覗く。
「な……何が……?」
「オアズケの魔法……ですよ。今の私はイくことができないんです。……あはは、そんな泣きそうな顔しないでくださいよ。さっきまでもうイかせないで~~って嘆いてたじゃないですか」
「いや……それは……」
もう絶頂しなくてもいいというのは一見救いのように見えるが、そんなはずはない。
責め立てられる時の快楽そのものが消えるわけではない。
むしろ溜まりに溜まった快楽の吐き出し口がないということだ。
「へぇ、本当にイけないの? えいっ」
「あぇっ!?」
サクラが気を抜いていたその瞬間、今まで頑なに焦らしを続けていたカナの指がサクラの陰核を摘んだ。
「あっーー!? い゛ぎぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ッ!!?」
不意のその一撃にサクラの性感は一気に頂点まで高まる。
背筋から首筋にかけてビクンと跳ね上がり、全ての関節が反り上がるかのような感覚に襲われる。
(イく……ッ!? こんなの絶対にイく……ッ!! んあぁあッ!? ダメっ、イけないッ!? 何これ、体の震えが……っ! 止まらなぁああッ!!)
「ん゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!! 帰って、これな……あ゛ぁんッ!? 壊れるぅううッ!! イ゛かせてッ!! イ゛かせてぇええええええッ!!」
今までは絶頂により解放されていた体の自由が戻ってこない。
絶頂する寸前の強く痙攣する状態が延々と続く。
それは絶頂以上の快楽であり苦痛であった。
「あっはは、すごい! 私の体すっごいことになってるよ! イきたいよね? でもダメだよっ。もっともっとその体おかしくしちゃうからね!」
そう言って偽のサクラは反り上がったサクラの腹部に指で撫でる。
「ふがぁああッ!?」
その一撫でサクラは体勢を崩す。
しかし依然として痙攣は止まらない。
サクラ自身も、もう自分の体が尋常ではないことになっていることには気づいていた。
腰を突き上げ体を撼わすその様はまるで自ら犯されることを懇願している姿のよう。
無論本人にそのつもりは全くない。
快楽によがる体に意思が通じず、もはや自分の体を自分の意思で動かすことができないのだ。
「ほんと、サクラは面白い反応を見せてくれるなぁ。じゃあここからは、さらにハードに責めるよ、ほらっ!」
「あ゛ッ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!? 混ぜちゃい゛や゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」
カナがサクラの秘所を指でかき回すと、サクラは再び背骨が折れてしまいそうな程に強く反り上がる。
「いいですよー、おっぱいをもっと責めてくださいのポーズですね。はいはい分かりましたよっと」
「違あぁあああッ!! わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛ッ!!?」
胸の先端をつままれ、サクラは軟体動物のようにぐねぐねと体をよがらせる。
どんな動きをしたところで絶頂できない時点で快楽の逃げ場などないというのに。
***
失神、気を失う、そういった人間の状態は、自身を守るためのものなのだとサクラはこの世界で嫌という程思い知らされた。
もうサクラには狂乱する自分自身の嬌声しか聞こえない。
もしも同じような責めを現実世界で受ければ、もうとっくに気を失っていたことだろう。
声を上げる気力も喉の力も失っていたはずだ。
だが今のサクラはありとあらゆる場所を責められ快楽は溜まっていく一方で、一定以上の体力を失っているような感覚はなかった。
おそらくこの世界ではそれさえも許さないのだろう。
与えられる快楽を、最も享受しやすい状態で保たれる。
すなわち気を失うだけでなく、疲れ果てて動けなくなるような状態も許されない。
この世界にいる限りは、嫌でも喘ぎ、悶え、震え続けなければならないのだ。
「ふぁ……っ、あ……えっ? ここ……は?」
気づくとサクラを取り巻く世界の景色がまた変わっていた。
そこはサクラがよく知る小さな部屋。
薄手のカーテンから夕陽がこぼれ、部屋全体が朱色に染まっている。
部屋のベッドの上にサクラはしりもちをつくようにペタンと座っていた。
自分の部屋、いや正確には独り暮らしを始める前の実家の自分の部屋だった。
基本的に小綺麗に整った部屋だが、部屋の隅にある棚にはクレーンゲームの景品や友達から貰った人形などが所狭しと詰められている。
人形の視線一つ一つから、まるで部外者を睨むかのような刺々しい視線を感じる。
その視線にサクラは怯み、確かに今の自分はこの部屋に不釣り合いなのではないかと思ってしまう。
純粋だった自分が過ごしたこの部屋に、乱れきってしまった自分がいることがひどく申し訳ないような気がして、背徳感で押しつぶされそうなる。
「いやぁ……だめ、ここは……ッ!」
「へえ、ここがサクラの部屋か。真面目な部分とお茶目な部分が混在してる感じがして、すごくサクラっぽいね」
カナに左腕を捕まれ背筋がぞくりと跳ねる。
この部屋にカナがいるという光景そのものに違和感があり、そしてカナがこの部屋を見渡すだけで気恥ずかしい気持ちになる。
「せんぱい……お願い……ッ! ここは、ここでは……だめですッ!」
「だめ? 何がだめなの?」
「だから……その……この部屋では……ッ!」
「思い出の詰まった部屋だからこの部屋ではエッチなことされたくない! って私は思ってるのかもしれないけど、果たしてこれを見てもそう言えるのでしょうか?」
今度は右腕を偽のサクラに捕まれる。
そして偽のサクラはサクラの正面、ベッドの上に置かれたそれを見るように促す。
そこにあったのはサクラがまだ実家で暮らしていた時に家族で使っていたノートPC。
ディスプレイに映った動画が目に映った瞬間、サクラはビクンと飛び跳ね強く動揺する。
「そ、それはッ!? なんで……ッ!?」
その動画では一人の少女が、少し年上の二人の女性に手を引かれて歩いていた。
少女は焦りや不安を感じながらも、二人の女性の『大丈夫、大丈夫』という言葉を信じてとあるマンションの廊下を歩いていく。
「あらあら、可愛い女の子が何も知らずに二人のお姉さんに部屋へ連れて行かれてますね……何をされるんでしょうか?」
「あの子、まだこれから自分が何をされるか知らないみたいだね。腕や首筋を嫌らしく触られているのに、相手の他意に気づいてない。どうしたのサクラ? さっきから鼓動の音がどんどん早くなっていくよ」
「いや……違う……違うっ!!」
サクラはブンブンと首を降って何かを否定しようとするが、顎をカナに頭を偽のサクラに押さえられ、無理やり画面を見るように頭を固定される。
画面の中では少女がソファに座らされ、それを両側から二人の女性に挟まれ、体のあらゆるところを優しく触れられ嫌がる少女の姿があった。
「何が違うんですか? だってこれ、私が何十回と見た動画じゃないですか。そうそう、そういえば今の私、さっきよりまた少し体が小さくなってるの、気づいてます?」
「え……ま……まさか……」
サクラは自身の体に視線を落とす。
懐かしい寝間着姿に包まれた自分の体は、確かに先ほどの自分の姿よりさらに一回り小さい。
「ふふっ、あの日もこんな夕暮れ時でしたね。ノートPCを使えるのは親が外出してる時だけ。あの日、急にPCの画面が切り替わり、知らない動画が流れ始め、止め方も分からず、だけど……なぜだかその動画から目を離すこともできず……そして……」
「いやっ、言うなッ! 言うなぁああああッ!!」
小さな部屋に狂乱するサクラの声が響く。
それは誰にも言いたくない自分の秘密だからだ。
そんなサクラの耳元にカナ口を近づけ優しく囁く。
「初めての絶頂を迎えた……でしょ?」
「あ……あぁ……っ」
カナの口から紡がれたその言葉に、サクラはがくんと崩れる。
二人に支えられなければ立ち上がれないほどに、サクラの体から力が抜けてしまう。
「そうだよ、私はこの動画を見て、得体の知れないムズムズした感覚に襲われて、そして気づいたら……自分の胸やあそこに手が伸びていた、ですよね」
「違う……違うのぉ……っ」
「ふふっ、サクラは今までこの動画を見て、何度も何度も自慰行為をしてきたんだね。まさか女の子が女の子に責められる動画で初めてを迎えるなんて、ちょっと引くかも」
「あぁう……ご、ごめんな、さい……」
サクラはもう相手が夢の世界の偽物だと言うことすら分からなくなってしまったのか、申し訳ない気持ちで一杯になり、涙を流しながら謝罪の言葉を口にしてしまった。
カナはそんな涙の筋が残ったサクラの頬に優しくキスをする。
「大丈夫、サクラのことを嫌いになんかなったりしないよ。それにね、今回はいつもみたいに自分の手を動かす必要はないんだよ」
「……え?」
「私たちが、この動画の女の子と同じにしてあげますから」
知っている。
サクラはこの後の展開を知っている。
体の色々なところを弄られ火照りきった少女は、急に服の隙間から胸と秘所に同時に手を入れられ、ビクンと強く体をのけぞらせる。
『んあぁああッ!!?』
「んあぁああッ!!?」
サクラと動画の中の少女の声が重なって響く。
カナの手が腹部をなぞるようにサクラのボトムスの中へと侵入し、偽のサクラの手が服を捲り上げブラもつけていないサクラの胸に触れる。
動画の中の少女と同じ状況だった。
そしてその手は彼女たちの思いのままに動き始める。
『いやっ、やぁ……ッ! あぁんッ!!』
「ひあぁあッ!? いや、いやあああぁあッ!!」
動画の彼女たちが少女を責め始めると、カナや偽のサクラも同じようにサクラを責め立ててくる。
しかし、今の全身を鋭敏にされ、絶頂を禁止され快楽の逃げ場のないサクラは動画の中の少女以上に乱れ狂っていた。
(いやっ、そんな……ッ!? まさか……ッ!!)
「ふふっ、そうですよ。これは私が一番求めていたシチュエーション、ですよね? まさに夢の体験ですよ」
「サクラはこんなプレイを求めてたんだね。さぁ、今からあの動画のとろっとろに蕩けちゃった女の子と同じにしてあげるから、ね」
「いあぁああああああッ!!」
『いあぁああああああッ!!』
サクラと動画の中の少女の嬌声が再び重なり、室内に響いた。
「……起きて、ます……眠ることは……できないん……です……」
「そんな顔をとろんとろんにさせて、もう壊れる一歩手前かな?」
「もう……壊れて、ます……」
「……はぁ、だめですよー、壊れたフリなんかしちゃ。ほら、次は私の一番敏感なところ、責めてあげますからね」
「いや……いやぁ……ッ!?」
こんなに辛い思いをしなければならないのなら、いっそのこと壊れてしまいたいとさえ思う。
何も考えられなくなるほど犯し尽くされて、それでもまだ足りないと彼女たちはサクラの不可侵の領域へと手を伸ばす。
「ひっ……ひぃ……っ!」
カナがショーツを優しくつまむだけでサクラは酷く怯える。
もうわかっているのだ、自分は彼女たちの責めに耐えられないと。
陰核を触られるだけで絶頂してしまうだろう。
秘所をかき混ぜられたら、かき混ぜられた分だけ絶頂してしまうだろう。
今までの責めを凌駕するほどの快楽に溺れてしまうのだろう。
その責めに耐えきる自信はない。
今度こそ、本当に精神が焼き切れてしまうかもしれない。
「あ、まって先輩」
「うん?」
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「もういい加減、私がイク姿も見飽きたでしょう? だから次からはちょーっと趣向を変えて見ようと思いまして……」
そう言って偽のサクラは指をパチンと鳴らした。
また、一瞬ぐにゃりと頭がかき混ぜられるような感覚に襲われる。
何かをされた。
その実感だけはあるが、今度は体に何か異変があるわけでもない。
「な、何を……したの……ッ!?」
「ふふっ、私はサプライズがお好きな性格なので、内緒です」
片目をつむりながら偽のサクラは静かに笑う。
普段見慣れた自分の姿がとぼける様は妙に腹がたつ。
「さぁ、カナ先輩、もういいですよ。私の一番気持ちいところ、ぐっちょぐちょにいじめてあげて下さい」
「いいの? じゃあ触れるよ」
「あ……あ……っ!」
カナの手がサクラのショーツの内側に触れる。
秘所を少し外した股関節の内側辺りを円を書くように撫で上げていく。
「あ……ああっ!! いやっ、あああッ!!」
「あれ、もしかしてイっちゃう? まだじらしてるだけだよ? 周りをなぞってるだけだよ」
「あ……やだっ! ああっ!! 気持ちよく……なっちゃ……はぅうううッ!!?」
ーーイく。
ーーイってしまう。
まだ性感帯そのものは触られていないというのに、サクラは自分の体が高まるのを感じた。
全身が痙攣し、秘所の奥から愛液が溢れだす…………はずだった。
「ひぁ!? あ……え?」
「あらあら、今の私、随分間抜けそうな顔してますよ。イクと思ったのにイけなかった。そんな顔ですね」
したり顔で偽のサクラがサクラの顔を覗く。
「な……何が……?」
「オアズケの魔法……ですよ。今の私はイくことができないんです。……あはは、そんな泣きそうな顔しないでくださいよ。さっきまでもうイかせないで~~って嘆いてたじゃないですか」
「いや……それは……」
もう絶頂しなくてもいいというのは一見救いのように見えるが、そんなはずはない。
責め立てられる時の快楽そのものが消えるわけではない。
むしろ溜まりに溜まった快楽の吐き出し口がないということだ。
「へぇ、本当にイけないの? えいっ」
「あぇっ!?」
サクラが気を抜いていたその瞬間、今まで頑なに焦らしを続けていたカナの指がサクラの陰核を摘んだ。
「あっーー!? い゛ぎぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ッ!!?」
不意のその一撃にサクラの性感は一気に頂点まで高まる。
背筋から首筋にかけてビクンと跳ね上がり、全ての関節が反り上がるかのような感覚に襲われる。
(イく……ッ!? こんなの絶対にイく……ッ!! んあぁあッ!? ダメっ、イけないッ!? 何これ、体の震えが……っ! 止まらなぁああッ!!)
「ん゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!! 帰って、これな……あ゛ぁんッ!? 壊れるぅううッ!! イ゛かせてッ!! イ゛かせてぇええええええッ!!」
今までは絶頂により解放されていた体の自由が戻ってこない。
絶頂する寸前の強く痙攣する状態が延々と続く。
それは絶頂以上の快楽であり苦痛であった。
「あっはは、すごい! 私の体すっごいことになってるよ! イきたいよね? でもダメだよっ。もっともっとその体おかしくしちゃうからね!」
そう言って偽のサクラは反り上がったサクラの腹部に指で撫でる。
「ふがぁああッ!?」
その一撫でサクラは体勢を崩す。
しかし依然として痙攣は止まらない。
サクラ自身も、もう自分の体が尋常ではないことになっていることには気づいていた。
腰を突き上げ体を撼わすその様はまるで自ら犯されることを懇願している姿のよう。
無論本人にそのつもりは全くない。
快楽によがる体に意思が通じず、もはや自分の体を自分の意思で動かすことができないのだ。
「ほんと、サクラは面白い反応を見せてくれるなぁ。じゃあここからは、さらにハードに責めるよ、ほらっ!」
「あ゛ッ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!? 混ぜちゃい゛や゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」
カナがサクラの秘所を指でかき回すと、サクラは再び背骨が折れてしまいそうな程に強く反り上がる。
「いいですよー、おっぱいをもっと責めてくださいのポーズですね。はいはい分かりましたよっと」
「違あぁあああッ!! わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛ッ!!?」
胸の先端をつままれ、サクラは軟体動物のようにぐねぐねと体をよがらせる。
どんな動きをしたところで絶頂できない時点で快楽の逃げ場などないというのに。
***
失神、気を失う、そういった人間の状態は、自身を守るためのものなのだとサクラはこの世界で嫌という程思い知らされた。
もうサクラには狂乱する自分自身の嬌声しか聞こえない。
もしも同じような責めを現実世界で受ければ、もうとっくに気を失っていたことだろう。
声を上げる気力も喉の力も失っていたはずだ。
だが今のサクラはありとあらゆる場所を責められ快楽は溜まっていく一方で、一定以上の体力を失っているような感覚はなかった。
おそらくこの世界ではそれさえも許さないのだろう。
与えられる快楽を、最も享受しやすい状態で保たれる。
すなわち気を失うだけでなく、疲れ果てて動けなくなるような状態も許されない。
この世界にいる限りは、嫌でも喘ぎ、悶え、震え続けなければならないのだ。
「ふぁ……っ、あ……えっ? ここ……は?」
気づくとサクラを取り巻く世界の景色がまた変わっていた。
そこはサクラがよく知る小さな部屋。
薄手のカーテンから夕陽がこぼれ、部屋全体が朱色に染まっている。
部屋のベッドの上にサクラはしりもちをつくようにペタンと座っていた。
自分の部屋、いや正確には独り暮らしを始める前の実家の自分の部屋だった。
基本的に小綺麗に整った部屋だが、部屋の隅にある棚にはクレーンゲームの景品や友達から貰った人形などが所狭しと詰められている。
人形の視線一つ一つから、まるで部外者を睨むかのような刺々しい視線を感じる。
その視線にサクラは怯み、確かに今の自分はこの部屋に不釣り合いなのではないかと思ってしまう。
純粋だった自分が過ごしたこの部屋に、乱れきってしまった自分がいることがひどく申し訳ないような気がして、背徳感で押しつぶされそうなる。
「いやぁ……だめ、ここは……ッ!」
「へえ、ここがサクラの部屋か。真面目な部分とお茶目な部分が混在してる感じがして、すごくサクラっぽいね」
カナに左腕を捕まれ背筋がぞくりと跳ねる。
この部屋にカナがいるという光景そのものに違和感があり、そしてカナがこの部屋を見渡すだけで気恥ずかしい気持ちになる。
「せんぱい……お願い……ッ! ここは、ここでは……だめですッ!」
「だめ? 何がだめなの?」
「だから……その……この部屋では……ッ!」
「思い出の詰まった部屋だからこの部屋ではエッチなことされたくない! って私は思ってるのかもしれないけど、果たしてこれを見てもそう言えるのでしょうか?」
今度は右腕を偽のサクラに捕まれる。
そして偽のサクラはサクラの正面、ベッドの上に置かれたそれを見るように促す。
そこにあったのはサクラがまだ実家で暮らしていた時に家族で使っていたノートPC。
ディスプレイに映った動画が目に映った瞬間、サクラはビクンと飛び跳ね強く動揺する。
「そ、それはッ!? なんで……ッ!?」
その動画では一人の少女が、少し年上の二人の女性に手を引かれて歩いていた。
少女は焦りや不安を感じながらも、二人の女性の『大丈夫、大丈夫』という言葉を信じてとあるマンションの廊下を歩いていく。
「あらあら、可愛い女の子が何も知らずに二人のお姉さんに部屋へ連れて行かれてますね……何をされるんでしょうか?」
「あの子、まだこれから自分が何をされるか知らないみたいだね。腕や首筋を嫌らしく触られているのに、相手の他意に気づいてない。どうしたのサクラ? さっきから鼓動の音がどんどん早くなっていくよ」
「いや……違う……違うっ!!」
サクラはブンブンと首を降って何かを否定しようとするが、顎をカナに頭を偽のサクラに押さえられ、無理やり画面を見るように頭を固定される。
画面の中では少女がソファに座らされ、それを両側から二人の女性に挟まれ、体のあらゆるところを優しく触れられ嫌がる少女の姿があった。
「何が違うんですか? だってこれ、私が何十回と見た動画じゃないですか。そうそう、そういえば今の私、さっきよりまた少し体が小さくなってるの、気づいてます?」
「え……ま……まさか……」
サクラは自身の体に視線を落とす。
懐かしい寝間着姿に包まれた自分の体は、確かに先ほどの自分の姿よりさらに一回り小さい。
「ふふっ、あの日もこんな夕暮れ時でしたね。ノートPCを使えるのは親が外出してる時だけ。あの日、急にPCの画面が切り替わり、知らない動画が流れ始め、止め方も分からず、だけど……なぜだかその動画から目を離すこともできず……そして……」
「いやっ、言うなッ! 言うなぁああああッ!!」
小さな部屋に狂乱するサクラの声が響く。
それは誰にも言いたくない自分の秘密だからだ。
そんなサクラの耳元にカナ口を近づけ優しく囁く。
「初めての絶頂を迎えた……でしょ?」
「あ……あぁ……っ」
カナの口から紡がれたその言葉に、サクラはがくんと崩れる。
二人に支えられなければ立ち上がれないほどに、サクラの体から力が抜けてしまう。
「そうだよ、私はこの動画を見て、得体の知れないムズムズした感覚に襲われて、そして気づいたら……自分の胸やあそこに手が伸びていた、ですよね」
「違う……違うのぉ……っ」
「ふふっ、サクラは今までこの動画を見て、何度も何度も自慰行為をしてきたんだね。まさか女の子が女の子に責められる動画で初めてを迎えるなんて、ちょっと引くかも」
「あぁう……ご、ごめんな、さい……」
サクラはもう相手が夢の世界の偽物だと言うことすら分からなくなってしまったのか、申し訳ない気持ちで一杯になり、涙を流しながら謝罪の言葉を口にしてしまった。
カナはそんな涙の筋が残ったサクラの頬に優しくキスをする。
「大丈夫、サクラのことを嫌いになんかなったりしないよ。それにね、今回はいつもみたいに自分の手を動かす必要はないんだよ」
「……え?」
「私たちが、この動画の女の子と同じにしてあげますから」
知っている。
サクラはこの後の展開を知っている。
体の色々なところを弄られ火照りきった少女は、急に服の隙間から胸と秘所に同時に手を入れられ、ビクンと強く体をのけぞらせる。
『んあぁああッ!!?』
「んあぁああッ!!?」
サクラと動画の中の少女の声が重なって響く。
カナの手が腹部をなぞるようにサクラのボトムスの中へと侵入し、偽のサクラの手が服を捲り上げブラもつけていないサクラの胸に触れる。
動画の中の少女と同じ状況だった。
そしてその手は彼女たちの思いのままに動き始める。
『いやっ、やぁ……ッ! あぁんッ!!』
「ひあぁあッ!? いや、いやあああぁあッ!!」
動画の彼女たちが少女を責め始めると、カナや偽のサクラも同じようにサクラを責め立ててくる。
しかし、今の全身を鋭敏にされ、絶頂を禁止され快楽の逃げ場のないサクラは動画の中の少女以上に乱れ狂っていた。
(いやっ、そんな……ッ!? まさか……ッ!!)
「ふふっ、そうですよ。これは私が一番求めていたシチュエーション、ですよね? まさに夢の体験ですよ」
「サクラはこんなプレイを求めてたんだね。さぁ、今からあの動画のとろっとろに蕩けちゃった女の子と同じにしてあげるから、ね」
「いあぁああああああッ!!」
『いあぁああああああッ!!』
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