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寄生の淫魔 [敗北ルート 5]
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灼熱に焼かれるような夢を見た気がする。
その夢の中に自身の形はなく、熱く燃えるような苦しみだけが延々と続いた。
そして目覚めの時は急に訪れる。
冷や水を浴びせられたかのように、サクラの意識は一瞬で目覚めた。
ハッと目を開き辺りを見渡すと、目の前にイスに座った女性が五人。
場所は意識が途絶える前にいたあの研究室と同じ場所だろう。
自分の一糸纏わぬ姿も変わらず、それに加えて身体中から止めどなく汗が溢れていた。
それにしても彼女たちの様子がおかしい。
彼女たちは綺麗な姿勢で座り、ピクリとも動かない。
まるで人形になってしまったかのようで、その瞳に光はない。
ただその中心にいる人物だけは例外で、中央のイスに座る彼女は足を組み、まるで玉座に座る王のように、サクラを不敵な笑みで見下していた。
ミユキだ。
意識が途絶える直前、サクラの背筋に魔虫を埋め込んだ彼女。
後ろに目はついていないので直視することはできないが、サクラは自分の背筋に違和感があることに気づく。
あのときつけられた魔虫は未だサクラの首筋に張り付いているようだ。
「おはようございます、サクラちゃん」
「お前……は……ッ!」
怒りに任せて立ち上がろうとするサクラ。
「頭が高いですよ、ひれ伏しなさい」
「んッ!? あぅ……ッ!?」
しかし、ミユキのその一言でサクラの肩がグッと重くなり、まさに地面にひれ伏すような形になる。
最初は何者かに無理やり肩を押さえられたのかと思ったが、その感覚はない。
自分の体が勝手にそう動いたのだ。
そして隠そうともしない彼女の淫魔の気配を感じ、ようやくサクラは何が起こったのか、何をされたのかを確信する。
淫魔はミユキ一人だった。
後の四人はサクラ同様、寄生虫を埋め込まれた人間だ。
サクラの刀が通じなかったのも納得がいく。
そしてあの魔虫には寄生対象の体を無理やり動かす力、あるいはその意思すらも乗っ取る力があるようだ。
彼女たちの人間離れした力は、魔虫により無理やり引き出された力だったのだろう。
「ふふふ、バカなサクラちゃんもいい加減今の状況を理解したようですね」
「く……そ……ッ!」
「ではサクラちゃんに次の命令です。ーー自慰をしなさい」
「なっ……ぐっ……!?」
いきなり何を言い出すのかと困惑するが、すぐに体に異変が起こった。
頭がじんと熱くなる。
指先が自分の意思とは別に動き出す。
まるで自分の中に自分とは別の意思が入っていて、勝手に体を操作されるような感覚。
だがサクラは、自分の体を操るもう一つの意思に抗おうとする。
「この、程度で……ッ!!」
「……? おかしいですね、本来ならあの子たちみたいに思考の自由すらも全て奪えるはずなのに、どうして抵抗できるのでしょうか……? ん、いや……」
「私は……あなたの言う通りになんて…………ん……えっ?」
魔虫を寄生させてもなお抵抗を見せるサクラにミユキ一瞬険しい顔を見せたが、今のサクラの姿を見てその表情が変わる。
反抗の表情を見せたサクラだったが、その右手は自分の胸へと少しづつ近づいていく。
そして包むように自分の胸を掴み、親指と人差し指でその先端をつまんだ。
「んあぁあッ!?」
それは側から見えれば自分で自分の乳首を摘む、単なる自慰行為。
しかしそこに本人の意思は反映されていなかった。
頭では抵抗しているはずなのに、体が言うことを聞いてくれない。
その状況にサクラは混乱する。
事態の有様に先に理解したのはミユキの方だった。
「なるほど、意思の自由は退魔師の力でなんとか保っているようですけど、体の自由はもう抵抗しきれないということですか。でもそれは……意思を奪われることよりも残酷かもしれませんね。頭を支配されていれば、廃人のようにただ快楽を貪る人形になれたでしょうに。これでは自分の体にレイプされているのと一緒ですね。かわいそうに……」
「ふぁあッ! と、止まれッ……止まってぇ………くぅッ!」
サクラの腕は胸以外の場所も責めだす。
脳から伝う体への指示はもう完全に遮断されてしまったのか、体が全く言うことを聞かない。
自慰行為に見えるそれも、結局のところはそこに自分の意思がない以上、予測できない責めに通常の自慰行為以上の快楽を得てしまう。
腕だけではなく腰までも自由が奪われ、煽情的に開かれた股間に自分の手が伸びる。
そして自分の最も敏感な部分を自分の手に責められる。
「んあッ!? あうぅううううーーーーーーーーッ!!」
体を大きくビクビクと震わせ、ついには自分の手で絶頂へと導かれてしまった。
自分の体にレイプされる。
まさにその言葉通りの光景だった。
一際大きく痙攣したあと、サクラはその場に崩れ落ちる。
「ふふ、イっちゃいましたね。どうですか、自分に犯される気分は?」
「はっ……はっ……うる…………さい……」
「敵が淫魔だと気づいたら少し口が悪くなりましたね。それとも照れ隠しでしょうか?」
操られていたとはいえ、自らの手で絶頂に達してしまったサクラは耐えきれぬ羞恥に顔を真っ赤に紅潮させていた。
「あなたは私の命令から逃れることができない。踊れといえばあなたは死ぬまで踊り続け、死ねと言えばその場で自分の首を締めて死ぬでしょう。でもそんなの私の趣味じゃないです。それに体を完全に支配されたあなたは、本来は送ることができない命令すらもあなたの体に送ることができるんです」
「送ることが……できない、命令……?」
「そう。例えば、ーーーーイけ」
その言葉を聞いた瞬間頭がグッと熱くなる。
身体中がムズムズする感覚に襲われ、下半身が燃えるように熱くなる。
そしてーー。
「あ……ッ!? うそっ……あっ、あぁああーーーーーッ!!」
崩れ落ちたうつ伏せの態勢のまま、サクラは絶頂する。
言われた通りイったのだ。
何に触れるでもなく触れられるでもなく、ただ命令されただけ。
それだけでイってしまった。
それは本来あってはならない体への命令。
サクラに寄生した魔虫は、本来体の性感を刺激してようやく得られるであろうオーガズムをその過程を飛ばして無理やり実行することができる。
自慰行為すら必要ない。
イけと言われればイクのだ。
それが今のサクラの状態。
「あらあら、何が起こったかわからないって顔、してますね。じゃあもう一度分からせてあげましょう。イけ…………ふふっ、イけイけイけイけイけイけイけ~~~~ッ!!」
「あぐぅッ!? かはっ……あ、ああッ、ふぁうッ、んぁッ!! んあぁああ~~~~ッ!! 言うなぁッ!! 言うなぁああああぁああああーーーーッ!!」
命令は絶対。
イけと言われればその回数分だけイかなければならない。
連続的に唱えられた言葉の一つ一つにサクラの体は反応し、まるで体に爆竹でも入れられたかのように飛び跳ねるような痙攣を何度も何度も繰り返す。
ミユキは椅子に座ったまま、動くことなく言葉だけでサクラを完全に操っていた。
「すごいでしょう? こんな責め、初めてでしょう? でも、もっともっと高みに行ってみたいと思いませんか?」
サクラ震えながら首を横に振る。
だがミユキはそれを受け入れない。
「うんうん、じゃあサクラちゃんがもっともーっと高みへ行けるように、皆さんにも手伝ってもらいましょう! はいッ、皆さんお~きてッ!」
パンと手を叩くと、今まで人形のように微動だにしなかった四人がハッと目を覚ましたかのように動き出す。
10の瞳がサクラの体を突き刺す。
そして5つの口元がニヤリと同時に笑った。
その夢の中に自身の形はなく、熱く燃えるような苦しみだけが延々と続いた。
そして目覚めの時は急に訪れる。
冷や水を浴びせられたかのように、サクラの意識は一瞬で目覚めた。
ハッと目を開き辺りを見渡すと、目の前にイスに座った女性が五人。
場所は意識が途絶える前にいたあの研究室と同じ場所だろう。
自分の一糸纏わぬ姿も変わらず、それに加えて身体中から止めどなく汗が溢れていた。
それにしても彼女たちの様子がおかしい。
彼女たちは綺麗な姿勢で座り、ピクリとも動かない。
まるで人形になってしまったかのようで、その瞳に光はない。
ただその中心にいる人物だけは例外で、中央のイスに座る彼女は足を組み、まるで玉座に座る王のように、サクラを不敵な笑みで見下していた。
ミユキだ。
意識が途絶える直前、サクラの背筋に魔虫を埋め込んだ彼女。
後ろに目はついていないので直視することはできないが、サクラは自分の背筋に違和感があることに気づく。
あのときつけられた魔虫は未だサクラの首筋に張り付いているようだ。
「おはようございます、サクラちゃん」
「お前……は……ッ!」
怒りに任せて立ち上がろうとするサクラ。
「頭が高いですよ、ひれ伏しなさい」
「んッ!? あぅ……ッ!?」
しかし、ミユキのその一言でサクラの肩がグッと重くなり、まさに地面にひれ伏すような形になる。
最初は何者かに無理やり肩を押さえられたのかと思ったが、その感覚はない。
自分の体が勝手にそう動いたのだ。
そして隠そうともしない彼女の淫魔の気配を感じ、ようやくサクラは何が起こったのか、何をされたのかを確信する。
淫魔はミユキ一人だった。
後の四人はサクラ同様、寄生虫を埋め込まれた人間だ。
サクラの刀が通じなかったのも納得がいく。
そしてあの魔虫には寄生対象の体を無理やり動かす力、あるいはその意思すらも乗っ取る力があるようだ。
彼女たちの人間離れした力は、魔虫により無理やり引き出された力だったのだろう。
「ふふふ、バカなサクラちゃんもいい加減今の状況を理解したようですね」
「く……そ……ッ!」
「ではサクラちゃんに次の命令です。ーー自慰をしなさい」
「なっ……ぐっ……!?」
いきなり何を言い出すのかと困惑するが、すぐに体に異変が起こった。
頭がじんと熱くなる。
指先が自分の意思とは別に動き出す。
まるで自分の中に自分とは別の意思が入っていて、勝手に体を操作されるような感覚。
だがサクラは、自分の体を操るもう一つの意思に抗おうとする。
「この、程度で……ッ!!」
「……? おかしいですね、本来ならあの子たちみたいに思考の自由すらも全て奪えるはずなのに、どうして抵抗できるのでしょうか……? ん、いや……」
「私は……あなたの言う通りになんて…………ん……えっ?」
魔虫を寄生させてもなお抵抗を見せるサクラにミユキ一瞬険しい顔を見せたが、今のサクラの姿を見てその表情が変わる。
反抗の表情を見せたサクラだったが、その右手は自分の胸へと少しづつ近づいていく。
そして包むように自分の胸を掴み、親指と人差し指でその先端をつまんだ。
「んあぁあッ!?」
それは側から見えれば自分で自分の乳首を摘む、単なる自慰行為。
しかしそこに本人の意思は反映されていなかった。
頭では抵抗しているはずなのに、体が言うことを聞いてくれない。
その状況にサクラは混乱する。
事態の有様に先に理解したのはミユキの方だった。
「なるほど、意思の自由は退魔師の力でなんとか保っているようですけど、体の自由はもう抵抗しきれないということですか。でもそれは……意思を奪われることよりも残酷かもしれませんね。頭を支配されていれば、廃人のようにただ快楽を貪る人形になれたでしょうに。これでは自分の体にレイプされているのと一緒ですね。かわいそうに……」
「ふぁあッ! と、止まれッ……止まってぇ………くぅッ!」
サクラの腕は胸以外の場所も責めだす。
脳から伝う体への指示はもう完全に遮断されてしまったのか、体が全く言うことを聞かない。
自慰行為に見えるそれも、結局のところはそこに自分の意思がない以上、予測できない責めに通常の自慰行為以上の快楽を得てしまう。
腕だけではなく腰までも自由が奪われ、煽情的に開かれた股間に自分の手が伸びる。
そして自分の最も敏感な部分を自分の手に責められる。
「んあッ!? あうぅううううーーーーーーーーッ!!」
体を大きくビクビクと震わせ、ついには自分の手で絶頂へと導かれてしまった。
自分の体にレイプされる。
まさにその言葉通りの光景だった。
一際大きく痙攣したあと、サクラはその場に崩れ落ちる。
「ふふ、イっちゃいましたね。どうですか、自分に犯される気分は?」
「はっ……はっ……うる…………さい……」
「敵が淫魔だと気づいたら少し口が悪くなりましたね。それとも照れ隠しでしょうか?」
操られていたとはいえ、自らの手で絶頂に達してしまったサクラは耐えきれぬ羞恥に顔を真っ赤に紅潮させていた。
「あなたは私の命令から逃れることができない。踊れといえばあなたは死ぬまで踊り続け、死ねと言えばその場で自分の首を締めて死ぬでしょう。でもそんなの私の趣味じゃないです。それに体を完全に支配されたあなたは、本来は送ることができない命令すらもあなたの体に送ることができるんです」
「送ることが……できない、命令……?」
「そう。例えば、ーーーーイけ」
その言葉を聞いた瞬間頭がグッと熱くなる。
身体中がムズムズする感覚に襲われ、下半身が燃えるように熱くなる。
そしてーー。
「あ……ッ!? うそっ……あっ、あぁああーーーーーッ!!」
崩れ落ちたうつ伏せの態勢のまま、サクラは絶頂する。
言われた通りイったのだ。
何に触れるでもなく触れられるでもなく、ただ命令されただけ。
それだけでイってしまった。
それは本来あってはならない体への命令。
サクラに寄生した魔虫は、本来体の性感を刺激してようやく得られるであろうオーガズムをその過程を飛ばして無理やり実行することができる。
自慰行為すら必要ない。
イけと言われればイクのだ。
それが今のサクラの状態。
「あらあら、何が起こったかわからないって顔、してますね。じゃあもう一度分からせてあげましょう。イけ…………ふふっ、イけイけイけイけイけイけイけ~~~~ッ!!」
「あぐぅッ!? かはっ……あ、ああッ、ふぁうッ、んぁッ!! んあぁああ~~~~ッ!! 言うなぁッ!! 言うなぁああああぁああああーーーーッ!!」
命令は絶対。
イけと言われればその回数分だけイかなければならない。
連続的に唱えられた言葉の一つ一つにサクラの体は反応し、まるで体に爆竹でも入れられたかのように飛び跳ねるような痙攣を何度も何度も繰り返す。
ミユキは椅子に座ったまま、動くことなく言葉だけでサクラを完全に操っていた。
「すごいでしょう? こんな責め、初めてでしょう? でも、もっともっと高みに行ってみたいと思いませんか?」
サクラ震えながら首を横に振る。
だがミユキはそれを受け入れない。
「うんうん、じゃあサクラちゃんがもっともーっと高みへ行けるように、皆さんにも手伝ってもらいましょう! はいッ、皆さんお~きてッ!」
パンと手を叩くと、今まで人形のように微動だにしなかった四人がハッと目を覚ましたかのように動き出す。
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