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2章
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「ん~…」
ぐいーっと身体を伸ばす。
目覚めはスッキリ。
身体が軽くなったようにも感じる。
原因はひとつ。
覚えているだろうか。
ケイの過保護スキルを。
超再生
▷ 睡眠により身体の状態を癒す。身体的疲労、損傷が主。ただし気絶による睡眠は効果が薄い。
眠る前のケイは首を絞められていたわけで。
つまりほぼ死んだも同然で。
死にかけたケイではあるが、そのおかげかせいか耐性を手に入れた。
即死耐性、束縛耐性、気絶耐性。
復活に時間がかかったのはやはり気絶だったから。
「ケイくん!おはよぉ、目ぇ覚めたんだねぇ」
「?小さい…?」
ぱたぱたと軽い足音とともに部屋に入って来たのは魔王ことノア。
ケイの首を絞めた張本人であるが気にしない。
いちいち怯えていたらキリがないから。
それよりもなんだか…いや確実に小さい。
子どもだ。
子どもみたいじゃなくて子ども。
「……………いろいろあったんだよぉ」
ぶすりとふて腐った顔のノア。
何がいろいろあったのかは聞かないでおこう。
ノアを追いかけるようにまた走る音が聞こえる。
開きっぱなしの扉から入って来たのは見間違えるはずもない人だった。
「おい、ノア!!お前また…」
「あ……え…?」
怒り顔だった兄さんの顔が驚きに変わっていく。
当然ケイもまた、その顔を驚きに染めた。
「な、なんで…嘘…」
「目が、覚めたんだな」
目元を緩め優しげに微笑む兄さん。
その声、その姿。
ずっと聞きたかった。
ずっと会いたかった。
瞳いっぱいに涙が溢れる。
「にいさん…兄さんっ…!」
ベッドから転がり落ちるように駆け寄る。
ケイが手を伸ばすよりも先にマヤがその腕を掴む。
引き寄せ、抱き締める。
「迎えに来るのが遅くなってごめんな」
「ううん……」
嘘でも幻でもない。
本物の兄さんがここにいる。
もう離れまいとするかのようにぎゅうぎゅうとマヤにしがみつくケイ。
「ねーぇ、ボクもお兄ちゃんだよぉ?」
「俺が認めねぇ限りお前は他人だ」
「えぇ~…」
感動の再会のところ申し訳ないがここにはケイとマヤだけではないのだから自重してほしいノア。
というかあわよくば混ぜてほしい。
「もう、会えないかと、おもっ…」
ぐずぐずと泣きながらのケイ。
もう2度と会えなくて、会えないままなんだと思ってた。
「どこにいたって必ず見つける」
でも違った。
兄さんが、兄さんのおかげで、また会えた。
嬉しい。
こんなに嬉しいことはないほどに嬉しい。
「うぅ…にいさん…」
「これからもずっと一緒だ」
今までも、これからも、ずっと一緒。
兄さんがいればどこだって、何だって怖くない。
「…2人の世界に入らないでよぉ…」
寂しげなその声が2人に聞こえたかどうかはまた別の話。
ぐいーっと身体を伸ばす。
目覚めはスッキリ。
身体が軽くなったようにも感じる。
原因はひとつ。
覚えているだろうか。
ケイの過保護スキルを。
超再生
▷ 睡眠により身体の状態を癒す。身体的疲労、損傷が主。ただし気絶による睡眠は効果が薄い。
眠る前のケイは首を絞められていたわけで。
つまりほぼ死んだも同然で。
死にかけたケイではあるが、そのおかげかせいか耐性を手に入れた。
即死耐性、束縛耐性、気絶耐性。
復活に時間がかかったのはやはり気絶だったから。
「ケイくん!おはよぉ、目ぇ覚めたんだねぇ」
「?小さい…?」
ぱたぱたと軽い足音とともに部屋に入って来たのは魔王ことノア。
ケイの首を絞めた張本人であるが気にしない。
いちいち怯えていたらキリがないから。
それよりもなんだか…いや確実に小さい。
子どもだ。
子どもみたいじゃなくて子ども。
「……………いろいろあったんだよぉ」
ぶすりとふて腐った顔のノア。
何がいろいろあったのかは聞かないでおこう。
ノアを追いかけるようにまた走る音が聞こえる。
開きっぱなしの扉から入って来たのは見間違えるはずもない人だった。
「おい、ノア!!お前また…」
「あ……え…?」
怒り顔だった兄さんの顔が驚きに変わっていく。
当然ケイもまた、その顔を驚きに染めた。
「な、なんで…嘘…」
「目が、覚めたんだな」
目元を緩め優しげに微笑む兄さん。
その声、その姿。
ずっと聞きたかった。
ずっと会いたかった。
瞳いっぱいに涙が溢れる。
「にいさん…兄さんっ…!」
ベッドから転がり落ちるように駆け寄る。
ケイが手を伸ばすよりも先にマヤがその腕を掴む。
引き寄せ、抱き締める。
「迎えに来るのが遅くなってごめんな」
「ううん……」
嘘でも幻でもない。
本物の兄さんがここにいる。
もう離れまいとするかのようにぎゅうぎゅうとマヤにしがみつくケイ。
「ねーぇ、ボクもお兄ちゃんだよぉ?」
「俺が認めねぇ限りお前は他人だ」
「えぇ~…」
感動の再会のところ申し訳ないがここにはケイとマヤだけではないのだから自重してほしいノア。
というかあわよくば混ぜてほしい。
「もう、会えないかと、おもっ…」
ぐずぐずと泣きながらのケイ。
もう2度と会えなくて、会えないままなんだと思ってた。
「どこにいたって必ず見つける」
でも違った。
兄さんが、兄さんのおかげで、また会えた。
嬉しい。
こんなに嬉しいことはないほどに嬉しい。
「うぅ…にいさん…」
「これからもずっと一緒だ」
今までも、これからも、ずっと一緒。
兄さんがいればどこだって、何だって怖くない。
「…2人の世界に入らないでよぉ…」
寂しげなその声が2人に聞こえたかどうかはまた別の話。
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