弟、異世界転移する。

ツキコ

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2章

24

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「やっぱりもう少し魔法の勉強した方がよかったんじゃない?」

「んなの時間の無駄だろ」

ケイの下へ行こうとするマヤを止めるのは限界があったようだ。
一通り訓練で確認してみた結果、彼は確かに強い。
魔法はからっきし駄目だったが。

「シモンと同じくらいだったからね…」

「でもま、固有スキルが強力過ぎるからちょうどいいのかもな」

「えー!俺見せてもらってないですよ!?」

シモンがたまたまいない時にそれ確認をした。
マヤはゲーム感覚でステータス画面を出すのに苦労しない。
ステータス画面を開くだけで魔力が減るという発想がないため、魔力も減少しないという。

「ん。ほら」

「ありがとうございます!」



ーーーーーーーーーーーーーーー

名前:マヤ・ミヨシ(三好真也)
種族:人間
性別:♂
年齢:22
職業:なし

体力:49998/50000
魔力:100/100

適応属性:無

固有スキル▼
ガンつけ,タイマン,ステゴロ,カチコミ,抗争,強者,捨て身,守護者,一騎当千,創造,天啓

スキル:身体強化,身体硬化,魔力操作,気配察知,気配遮断,行動予測

加護:英雄の証,****

称号:弟命ブラコン,勇者

ーーーーーーーーーーーーーーー



「へえ~…んん?いち、じゅう……5万!?体力5万もあるんですか!!?」

参考までに言うとケイは3000。
騎士団平均は7000。
一般人が5000。

おおよそではあるが数値的にはその程度。
つまり一般人の10倍。

「俺も頑張れば10倍…5倍くらいは…」

「問題なのは固有スキルの効果がわからないことよね~」

「適応属性がないっていうのも珍しいですけどね」

「加護はなぜか伏せ字になってるしな」

マヤのステータス画面を見て各々が感想を言う。
魔力はそこら辺の子どもよりないがその体力はえげつない。
むしろ申し訳程度に魔力がある方が不思議だ。
固有スキルが自動発動のものばかりで助かったと思うべきだろう。

魔王城とやらにテンプレ勇者よろしく御一行で向かっている最中。
喋りながら進めるのは出現する魔物が彼らよりも遥かに雑魚だからだ。

それと喋っていないとマヤの機嫌がどんどん悪くなるからだ。
なんとか気を逸らさせていないと空気が悪い。

『異界の者よ』

前方で分かれ道をつくっている大樹の影から現れた獣。
それは明確な意図を持ってマヤに話しかけていた。

『あの子どもの下へ行くのだろう』

「狼…?」

形状、サイズともに狼らしい狼。
しかし普通の狼は話せたりなどしない。
やはりこの獣もまた魔物なのか。

「聖獣よ。ユリウスから聞いてはいたけどどうしてここに…」

その声が聞こえているのはマヤただ1人。
聖獣と聞いて納得するだけの風格がそれにはあった。

『一刻も早くあの子の下へ行かなくてはいけなくなった』

「恵のことだよな?どうして知っている」

『我の契約者だからだ。我の背に乗れば直ぐにケイの下へ連れて行く』

「…わかった。悪いけど、俺先に行くわ」

「は?」

「あっちょっとこら!待ちなさい!」

即決。
ちゃっかり契約していた聖獣ウルフ。
彼に連れられ単騎敵陣へと乗り込むこととなった。
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