開湯!異世界温泉『ふじの湯』 もらったスキルは『温泉』だった??!

西八萩 鐸磨

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54.冒険者とは

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後ろで説明を聞いていたところによると。


冒険者とは、自分のスキル、この場合剣や槍などといった武具を使ったり、体術、魔法等を使ったりして、植物採取や獣および魔獣の討伐、護衛任務など、さまざまな依頼を遂行し、達成することによって、報酬を得て、生活の糧とする職業の事を言うそうだ。

そして、冒険者ギルドとは、国とは独立した機関で、登録冒険者相互の協力のもと運営されている。

これは、商業ギルドと同じだ。

無論、その冒険者ギルドが置かれている国において、何らかの要請が国からあった場合には、優先して協力をすることになっているので、一定の便宜を当該国から受けているそうだ。

冒険者は基本的に、どこかの冒険者ギルドに登録して初めて、冒険者として認められるが、その立場を保証する権限と義務が冒険者ギルドにはある。

つまり、リンたちは練習として、冒険者のクエスト的なことはやっていたが、それだけでは冒険者といえないということだ。

商人については、ギルドに登録しなくても商売ができるので(登録前の俺みたいに)、ここはちょっと違う。

冒険者ギルドの業務としては、冒険者の登録・管理業務、各種依頼の受注・斡旋・依頼達成の確認業務、達成報酬の受取・引き渡し等の管理業務、冒険者の財産管理業務、冒険者のランク認定・管理業務、冒険者の育成業務、冒険者用施設の運営業務など、多岐にわたる。

ただし、商人・商隊の護衛任務は商業ギルドを通して発注される。


「説明は以上です」

ここで、別の職員さんが、何やら奥から持ってきて目の前の職員さんに手渡した。

受け取ったカードを、カウンターの上に置かれた機械のようなものに差し込む。

「では申し訳ありませんが、ネイサンさんから順番に、この魔道具の上に開いた右手を置いてください」

「は、はい」

俺が、商業ギルドでやったやつと一緒の機械か?

「はい、結構です。では、カードの方が出来てきましたので、こちら、お受け取りください」

光がおさまりカードを抜き取ると、にっこり笑ってネイサンに差し出した。

渡されたものは、俺が持っているギルドカードとそっくりのプラスチックとはちょっと違う材質で作られた、クレジットカードの様なものだった。

でも、色が違うな。

「では次の方・・ポールさん」

順に、魔道具に手を置いていく。

「最後に、ギルドカードの説明です」

4人にカードが行き渡ると、続けて説明が始まった。

まだあるのか・・そういえば、俺にはカードの説明は無かったな。


ギルドカードとは、冒険者ギルドが発行する、冒険者の身分を証明する登録証で、カード表面には、さっき記入した基本情報とランクが表示されている。

カード内部には冒険者本人のクエスト実績が記録されていて、この情報が自動的に集計され、カード表面のランクに反映される。

冒険者のランクとは、ギルドカードに自動的に表示されるランクについて、冒険者ギルドが認定することで確定する。

したがって、ギルドの認定前のランク表示については、仮ランクとなる。

ランクには、EからSまでの6段階があり、まれにSSランクとなった場合には、国王の承認のもと、ランクが確定する。

したがって、新規登録者の場合は、全てEランクとなる。

依頼を受ける場合には、依頼ごとに対象ランクが指定されており、当該ランクの上下1段階までが受注可能となっている。

冒険者同士が、パーティーを組むことができ、パーティー内の最上位ランク者のランクが、そのパーティーのランクとなり、同様に、当該ランクの上下1段階までが受注可能となっている。


「以上で、全てのご説明は終わりました。長い時間ありがとうございました」

「「「「こちらこそありがとうございました!」」」」

 リンたちは、深々と頭を下げる職員さんに、一斉にお礼を言っていた。
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