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40.2階はどんな感じ?

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廊下の突き当りの階段を昇ると、1階と同じように東側の廊下が奥へと続いている。

廊下の左手は窓、右手は3つの部屋が連なっている。

1番手前がお休み処で、ちょうど女湯の真上に当たり、広さはまんま同じ空間となっている。

2番目の真ん中の部屋は治療室で、真下は男湯だが、広さは1/3ほどだ。

ここは、建築中も途中から使っていたので、中の様子はよく分かっている。

ちなみに、仮設の外階段は非常口として残してもらった。

一番奥の3番目の部屋は、俺の事務室だ。

なぜ事務室が必要かというと・・。

今までの治療院は治療費は貰っていたものの、本当の相場に比べれば、俺のボランティアみたいなものだったので、目をつぶってくれていたらしいが、銭湯としてお金を取って営業していくなら商業ギルドってものに加入しなければならないそうだ。

これは、村長に銭湯について説明した時に、ちゃんと入浴料を取るようにすることを言われたのと、入浴の効能からすれば治療院も一体のものとして経営すべきだとアドバイスされたという経緯があったためだ。

そういうわけで、商業ギルドに入るなら事務室が必要ということになって、作ってもらったのがあの部屋だった。


「とりあえず、お休み処から見てみますね」

お休み処の入り口には、戸は無い。

大きめの間口の入り口が開いているだけだ。

だから、1階から上がってくると中が次第に見えてくるようになっている。

入り口から入ると、すぐに上がりかまちがあって、いわゆる小上がりになっている。

床は板張りになっており、壁は漆喰だ。

「すごく落ち着きますね」

本当は、畳じきにしたかったんだけど、無いものはしょうがない。

無垢の木の香りがいい感じなので、良しとしよう。

こちらも木製の平テーブルが、10卓ほど整然と並んでおり、それぞれにザイル婆さんの雑貨屋に発注した例のものが置いてある。

『ぽふ、ぽふ』

「これこれ!」

俺は四角い座布団を叩いて、感触を確かめる。

再現性バッチリだ!

「うん、ドンクさんこっちも完璧です!」

「はっはっは、そうだろう!」

ドンクさんが、鼻の穴をふくらませて胸を張る。


「じゃあ、最後は事務室ですね」

お休み処から出ると、廊下を奥へと進んでいった。


事務室の前まで来ると、今までのちょっと和風というか日本風?のとは違った、重厚目の扉が目に入ってきた。

治療室の入り口は、学校の保健室をイメージした引き戸にしていたので、余計に違いが目立つ。

俺は一旦ドンクさんの方を見て、うなずかれたのに頷き返し、その重い扉を押し開いた。


「うわっ!」

あまりの立派さに、俺は驚きの声をあげてしまった。

「な、なんですか?これは」

「いい感じだろ?」

マホガニーっぽい艶やかで渋い色目の木材で、壁も床もそして机や書棚に至るまで統一された室内。

椅子は革張りの立派なやつで、ソファーもやっぱり革張りのゴージャスなものだ。

「あの・・・気合入れすぎでは?」

「どうせ作るなら、徹底的にな!」

費用に対して、出来上がりが釣り合ってない気がするんだけど・・・。

「なにか心配しているようだが、な~に、これから銭湯入り放題で大丈夫だ!」

なるほどそういうことですか・・。

「・・まあいっか!これであとは、オープンするだけですね。ありがとうございました!!」

「おうよ!!」

俺は再び自慢げに胸を張る、ドンクさんたちに深々と頭を下げた。

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