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18.禁断の?!
しおりを挟むてなことをやっていると・・・。
ドンドンドン!
「マモルおにいさ~ん!」
突然、扉を叩く音が聞こえる。
あの声は・・ミミ!
ど、どうしよう。
「マモルおにいさんいるー?」
ガチャガチャ。
「あっ、ちょ、ちょっと待ってて!」
まずは、服を着ないと!
「入るよー!」
「あ!」
鍵するの忘れてた!!
「こんにちわー!今日おやすみって聞いたから、来ち・・あれ?」
「待ってって、言ったんだけど・・」
俺は、お湯を張ったタライの中に、かろうじてタオルで前を隠して棒立ちになって言った。
「マモルおにいさん、何やってんの?」
「いや、何って・・」
「お行水?」
行水はあるのか・・・ってそこじゃない!
「ま、まあそんな感じ?ちょっちょっと待ってね、いま服を着るから」
「えーいいなー!ミミも入ってもいい?」
「へ?」
そ、それはまずいっしょ!
5才とはいえ、女の子と一緒に風呂なんて!!
「えい!」
俺がうろたえている間に、ミミがパパッと服を脱いで、タライに入ってこようとする。
「お、おい!それはまずいっ・・!」
「わーい!いつもはお母さんと一緒に入ってるんだー!」
「だからって!」
バシャ!!
「あれ?」
「ど、どうした?」
両足を勢いよく入れてきたミミが、くりくり目玉をキョトンとさせて、首をかしげる。
「あったかい」
「え?」
「わー!あったか~い!!」
チャポン。
ミミが腰を下ろす。
「あったかくて、気持ちいい~~」
ミミは、両手でお湯をすくって満面の笑顔になる。
「ほらほら、マモルおにいさんも座って!」
「あ、ああ」
俺は言われるままに腰を下ろす。
「気持ちいいねー」
「そ、そうだな」
「なんでこの水あったかいの?」
「俺が魔法で温めたんだ」
「ふーん、すごいねー!ミミ、お行水は冷たいからあんまり好きじゃなかったんだー」
「そうなのか?」
「うん、でもこのお行水は、あったかくて気持ちいいから好きー!」
「よかったな。でもこれは、行水じゃなくて風呂って言うんだ」
「ふろー?」
「そう、お風呂だ」
「ミミ、おふろ大好きーー!」
バシャ!バシャ!
「おい、そんなにバシャバシャすると、床が濡れるだろ!」
「ハハハ、わーい!」
「あっ、おい、こら!」
「あれ?なんで串焼きがあるの?それにこれはお酒?」
しばらくタライの中ではしゃいでいると、ミミが俺の用意した数々を見つけた。
というか、今まで気づかないって、どんだけはしゃいでいたんだか・・。
「それはだな、風呂に入りながら食べたり飲んだりしようと・・」
「へー、ミミも食べていい?」
「ああ、いいぞ。でも夕飯が食べられなくなるとお母さんに叱られるから、1本だけな」
「うん、ありがとー!」
もぐもぐ・・。
「なんかおいしいねー!」
「だろ?・・そうだ、これでも飲みな」
俺は、予備のジョッキに冷たい水を生成してミミに渡した。
「ありがとー。くぴっ、くぴっ・・冷たくておいしーー!!」
ジョッキを両手に持って、冷水を飲んだミミがニカーッと笑う。
「あー楽しかった!」
「それはよかった」
タライの風呂を存分に満喫した俺たちは、服を着ると二人して特大の笑顔で笑い合った。
「ところで、ミミは何しに来たんだ?」
「あ!・・忘れてた!!」
「ん?」
「お母さんが、マモルおにいさんをお夕飯に連れてきなさいって!」
おいおい、早く言えよ。
なんだかんだ言って、もう夕方じゃないか!
「じゃあ、早く行こう」
「うん!」
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