10 / 98
10.お待ちかねの魔法
しおりを挟むいまなんか鳴ったよね?
例のやつ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
名前 マモル
種族 人族
年齢 25
レベル 1
体力 98/100
魔力 60/100
スキル 【温泉】
〈水魔法〉
水を生成し消滅することができる。
レベル1で最大1L
消費MP1(生成・消滅セットでも片方でも消費MP1)
〈火魔法〉
熱を操ることができる。
レベル1で1kgの水を最大36度に熱せられる熱を操れる。
消費MP1
〈土魔法〉
任意の鉱物を生成することができる。
レベル1で1種類最大1kg
消費MP10
〈回復魔法〉
あらゆる症状を癒すことができる。
レベル1で軽度の傷病の治癒
消費MP10
〈収納魔法〉
時間停止で物を収納できる。
生物不可。
レベル1で脱衣かご程度の容量
消費MP1
◇◇◇◇◇◇◇◇
「おお、ラッキー!」
「どうしたの?マモルおにいさん」
「ん?いや。なんでもない。ちょっと魔法を思い出したんだ」
「えーなんの魔法?」
「いまやって見せるから、その陰の方に行こう」
「うん」
これは、定番のチート臭プンプンなヤツだから一応念のためだ。
「じゃあ、いくよ?」
「うん!」
ミミが目を大きく見開いて、俺のことを凝視する。
「ストレージ」
俺は、両手に持っていた荷物をひとまとめに置くと、それに向かって詠唱した。
「わーー!!」
「・・・」
『ピコリン』
目の前の荷物の山が一瞬で消え、ミミが口に手をあてて驚く横で、俺はしばし呆けていた。
「ねえねえ、マモルおにいさん!荷物どこ行っちゃったの?」
「あ?ああ」
ミミに揺さぶられて、我にかえる。
そして、もう一度詠唱する。
「レストア ストレージ」
さっき仕舞った荷物が復元された。
「これが収納魔法だ。便利だろ?」
「すごーい!」
「このことは、ほかの人には内緒にな」
「なんでー?」
なんて説明したらいいんだろ。
「二人だけの秘密じゃダメか?」
「ん~・・・わかった!二人だけのヒミツー!」
「ありがとな」
俺はお礼を言って、ミミの頭を撫でた。
「「ぐ~~」」
その時、二人のお腹が同時に鳴った。
「お腹減ったな?」
「うん、すいた~」
「食堂とかあるか?」
「1こだけあるよー」
「じゃあ、そこに行こう」
「うん!」
俺はミミの案内で、食堂に向かった。
ん?なんか忘れてないか?
・・・ま、いいか。
「ここー」
ミミが指差す方に、確かに食堂があった。
「シンちゃん食堂・・」
ん~なかなか味がある名前だ。
「いらっしゃいませー」
俺たちが店に入ると、元気の良い声が出迎えてくれた。
恰幅のいいおばさんだった。
「空いている席に座ってちょうだい」
給仕をしながら、そう言ってくる。
昼時というのもあって、結構混んでいる。
俺たちは、窓際の角のテーブルに座った。
「おや、ミミちゃんじゃないか。お母さんは良くなったのかい?」
注文を取りにきた、おばさんが言った。
「うん!もうすっかり元気」
「そう、それは良かったねえ。風邪をこじらせたって聞いてたから心配してたんだよ」
おばさんは、ミミの頭を撫でた。
「あれ?こっちの人は初めて見る顔だねえ。新しいお父さんかい?」
ちょっとおばさん、そんな冗談言っていいの?
俺は、思わず固まってしまった。
「違うよー!マモルおにいさんだよ。お母さんの病気を治してくれたの!」
とりあえず、大丈夫そうだな。
「へー。あんた、薬師様か治療師様かい?」
「いえ、違いますけど・・・あっ、すいません。注文いいですか?」
「もちろん、いいわよ。なんにします?」
なんとか、話をそらせた。
「じゃあ、隣のテーブルのと同じ肉の焼いたものと、そっちのテーブルに出てる煮込み?ですかね、それと・・サラダなんてありますか?」
「サラダ?なんだいそれは?」
「え?あの、サラダって言えば、生野菜にドレッシングとか塩なんかがかかっている・・」
「野菜を生で食べるのかい?ドレッシングってのはなんだい?野菜なら、茹でたイモならあるけど」
「じゃあ、それで。あとパンもお願いします」
「あいよ」
サラダもドレッシングも無いのか・・。
生野菜が無いってどういうことだろう?
出てきた料理は、うまいことは旨いのだが、基本的に味付けが塩と香草類だけなので、正直物足りなかった。
肉自体は、旨味が強くて俺好みではあったんだけど。
昼飯を食べて店を出ると、ミミに村の中を案内してもらいながら、ミミの家に寄ったあと宿へと帰った。
「・・203号室」
部屋の鍵をもらい場所を説明された部屋に入ると、ベッドに倒れ込んだ。
「ふーー。なんか疲れたな」
初めてみる天井を見つめながら、呟いた。
ようやく、ひとりになれた気がする。
昨夜も村長の家の客室で、ひとりになってはいたけれど・・。
なんというか、自活しはじめたって感じかな?
「ファ~あ」
眠くなってきたな。
「夕飯まで一眠りでもするか」
0
お気に入りに追加
194
あなたにおすすめの小説
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
ゲームのモブに転生したと思ったら、チートスキルガン積みのバグキャラに!? 最強の勇者? 最凶の魔王? こっちは最驚の裸族だ、道を開けろ
阿弥陀乃トンマージ
ファンタジー
どこにでもいる平凡なサラリーマン「俺」は、長年勤めていたブラック企業をある日突然辞めた。
心は晴れやかだ。なんといってもその日は、昔から遊んでいる本格的ファンタジーRPGシリーズの新作、『レジェンドオブインフィニティ』の発売日であるからだ。
「俺」はゲームをプレイしようとするが、急に頭がふらついてゲーミングチェアから転げ落ちてしまう。目覚めた「俺」は驚く。自室の床ではなく、ゲームの世界の砂浜に倒れ込んでいたからである、全裸で。
「俺」のゲームの世界での快進撃が始まる……のだろうか⁉
異世界帰りの俺は、スキル『ゲート』で現実世界を楽しむ
十本スイ
ファンタジー
ある日、唐突にバスジャック犯に殺されてしまった少年――同本日六(どうもとひろく)。しかし目が覚めると、目の前には神と名乗る男がいて、『日本に戻してもらう』ことを条件に、異世界を救うことになった。そして二年後、見事条件をクリアした日六は、神の力で日本への帰還を果たした。しかし目の前には、日六を殺そうとするバスジャック犯が。しかし異世界で培った尋常ではないハイスペックな身体のお蔭で、今度は難なく取り押さえることができたのである。そうして日六は、待ち望んでいた平和な世界を堪能するのだが……。それまで自分が生きていた世界と、この世界の概念がおかしいことに気づく。そのきっかけは、友人である夜疋(やびき)しおんと、二人で下校していた時だった。突如見知らぬ連中に拉致され、その行き先が何故かしおんの自宅。そこで明かされるしおんの……いや、夜疋家の正体。そしてこの世界には、俺が知らなかった真実があることを知った時、再び神が俺の前に降臨し、すべての謎を紐解いてくれたのである。ここは……この世界は――――並行世界(パラレルワールド)だったのだ。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界ハーレム漫遊記
けんもも
ファンタジー
ある日、突然異世界に紛れ込んだ主人公。
異世界の知識が何もないまま、最初に出会った、兎族の美少女と旅をし、成長しながら、異世界転移物のお約束、主人公のチート能力によって、これまたお約束の、ハーレム状態になりながら、転生した異世界の謎を解明していきます。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる