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21.法技 眷属の使役! その2 南瞻部洲を守護 増長天
しおりを挟む「ふう。結構疲れるな、精神的に。」
ガンダちゃんとビーちゃんが去ったあと、俺は一旦気を取り直して、右手を構えた。
「विरूढक (増長天)!」
白い光の中から現れたのは、持国天と同じ赤ら顔。
右手を腰に当て、左手に戟を持っている。
全身はやはり革製の甲冑姿で、足下に邪鬼を踏みつける。
「そして、कुम्भाण्ड(鳩槃荼)!」
増長天の右目がひかる。
すると、にわかに暴風が巻き起こり、馬頭を持ち黒い肌をした人型の、身長3mはあろうかという大男が現れた。
革製の甲冑を着ている。
「続いて、प्रेत(薜茘多)!」
増長天の左目がひかり、そこから何かが出現する。
今度はやけに小さい。
3歳児くらいの身長で、裸だ。
お腹が異様に膨らんでいる。
性別は判らない。
「主殿、お呼び頂きありがたき幸せ。わたくし、増長天様の眷属、クンバダと申します。睡眠を操り、暴風を司っております。」
馬頭の大男が、片膝をついて、恭しく一礼する。
「ボクは、同じく増長天さまの眷属で、ヘレイタ。別名『餓鬼』とも呼ばれるけど、あんな食べてばかりいる奴らとは違うよ。人のあらゆる欲望を司るんだ。」
ヘレイタはそう言うと、ニカッと笑いピースサインをする。
・・ピースサイン流行っているのか?
「俺は、佐伯真魚。これからよろしくな。」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
「うん、よろしく!」
「で、さっそく何かお手伝いすることはございますかな?」
「いや、今日は顔合わせだけだから、また今度頼みたいことがあったら呼ぶよ。」
「承知いたしました。では、いずれまた!」
「ばいば~い。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
二組め終了しました~。
今回もお読みくださいまして有難うございました。
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