日高見の空舞う鷹と天翔る龍 異界転生編

4.成長

　

　今は、宝亀ほうき六年というらしい。


　－－－西暦何年かわかんないけど。


　ようやく喋れるようになってきた。


　でも、大人たちの前では「あー」とか「うー」とかだけにしている。


　誰もいない時に、思うように話す練習を一生懸命やっている。


　それから、ハイハイもできるようになってきた。




　
　そうそう、ここは讃岐さぬきの国らしい。讃岐ということは、さぬきうどんだから四国香川か。





　・・・・・・・はやく歩けるようになんないかな。


　
　二度目の人生、もどかしい・・・。




　
　３月になった。


　結構うまく歩けるようになってきた。早すぎかな？とも思ったが、父親も喜んでいるし良しとしよう。


　会話の方も、違和感ない感じでできるようになった。


　だがこれは、少々やりすぎだったみたいだ。


　父親は、天才だ！神童だ！と騒いで、周りの者も『貴物とうともの』と呼ぶようになってしまった。


　玉ちゃん－－－母親のこと－－－も、よく喋る俺にいつも満面の笑顔をくれる。

　
　乳母のおせんちゃんは、玉ちゃん以上に溺愛してくれる。ちょっと鬱陶しいときもあるけど。


　
　大人たちの会話の中に、頻繁に蝦夷えみしのことが出てくる。なんか、ここんとこ朝廷に逆らうことが多いらしい。

　そういえば、宝亀の乱て聞いたことがあるような・・・・。伊治呰麻呂これはりのあざまろ？だっけか？・・・忘れた。






　そういえば、このままただ成長すればいいんだっけか？


　転生って、たしかスキルとかチートとか、そういうのあったんじゃなかったっけ？


　『あめみな』も、あるようなこと言ってたような・・・・。


　どうやって確認すればいいのかな？


　えーと・・・・・。


　だいぶ昔に、１回だけやったことのあるゲームで、たしか・・・・・・・。




　・・・・・・す、す・・ステ・・ステイ？・・そうだ！『ステータス』だ！





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


　いよいよ、お決まりのやつ公開です？