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第一話
ようこそ、クソッたれな裏世界へ。
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「ハァッ.....!ハァッ...!」
晴天の空の下、俺は走らなければならなかった。
フルマラソンなんて軽いモノじゃない。
ズキズキと太股が焼けるように痛み、
すでに俺の体は限界を超えているようだった。
それでも俺は走り続けなければならない。
何故かと言うとーー
『ゴォァァアアァァァアアアッ!!』
ーー命の危機に瀕しているからだ。
(何なんだよコイツ...!)
木々が生い茂るジャングルの中、俺は壮絶なデッドヒートを繰り広げていた。
俺の後ろでは四足歩行の化け物がいるのだ、さっき見せてもらったデータベースで見たことも聞いたこともない型だから対処法もクソもないぜ、まったく。
いつも怒ってばかりのウチの妹みたいだな!
『ォォォォォアアアアアアァアアァアアッッ!!』
(って余計な事考えてる場合じゃねえ!)
なにぶん、昔から余計な事を無意識に考えてしまう性分でね。
今後ろで吠えているコイツは欠陥俺達の世界がプログラム化されて、そのプログラムのエラーから生まれたモノなんだと。
さて、
何故俺がこんな事を知っているのか。
それは、
「何をちんたら走っているのよッ!死にたいのッ!?」
それは今俺の前を走っている美少女から言われたからだ。
赤と青のオッドアイ。
流れるような銀髪のロングツインテール。
スラリと伸びた足に無駄のないカラダ。
何をしても男子から憎まれなさそうだ。
でも、
(そんな事言われて、そうそう納得出来るヤツなんかいるかっての...。)
確かに今人類は攻撃の『一切』効かない化け物に破滅の危機に陥っていた。
その正体はプログラム化された世界が生み出し、サイバー攻撃以外は一切受け付けないバグなのだと目の前の美少女は言う。
そりゃ現実の武器が効かないワケだ。
しかし『効かない』とはいうが、この少女によると今は攻撃が通る武器があるとかないとか。
どっちだよ。
そしてお前は何者なんだよ。
そんな事を考えながら振り返れば
(...うぇえっ!?)
不明なバグはもう間近まで迫ってきていた。
ギラギラと光る爪が大地を踏みしめるたびに俺の足を掠めている。
「ちょっと『ジェネシス』は何してるの!?...そんな事いいから早く送りなさいよ!こっちは命に関わってるのよ!?」
そして前では美少女がなにやらヘッドセットの無線機に怒鳴っている。
『ジェネシス』?
はて、
何処かで聞いたような...。
『ガッ』
「あっ。」
しまった。
フワリと身体が宙に浮く。
そして失われるバランス。
俺は無様にも木の根につまずいてしまった。
だから余計なことを考えるなとあれほど。
「ちょ、ちょっとあんた!?キャッ!?」
バランスを崩した俺は彼女を巻き込むような形で倒れてしまった。
(クソッ!)
急なことだったが、咄嗟に受け身をとることができた。
俺だって無駄に毎日走り回ってるワケじゃねえ。
だけど
「ーーッつぅ」
彼女は倒れたままだった。
晴天の空の下、俺は走らなければならなかった。
フルマラソンなんて軽いモノじゃない。
ズキズキと太股が焼けるように痛み、
すでに俺の体は限界を超えているようだった。
それでも俺は走り続けなければならない。
何故かと言うとーー
『ゴォァァアアァァァアアアッ!!』
ーー命の危機に瀕しているからだ。
(何なんだよコイツ...!)
木々が生い茂るジャングルの中、俺は壮絶なデッドヒートを繰り広げていた。
俺の後ろでは四足歩行の化け物がいるのだ、さっき見せてもらったデータベースで見たことも聞いたこともない型だから対処法もクソもないぜ、まったく。
いつも怒ってばかりのウチの妹みたいだな!
『ォォォォォアアアアアアァアアァアアッッ!!』
(って余計な事考えてる場合じゃねえ!)
なにぶん、昔から余計な事を無意識に考えてしまう性分でね。
今後ろで吠えているコイツは欠陥俺達の世界がプログラム化されて、そのプログラムのエラーから生まれたモノなんだと。
さて、
何故俺がこんな事を知っているのか。
それは、
「何をちんたら走っているのよッ!死にたいのッ!?」
それは今俺の前を走っている美少女から言われたからだ。
赤と青のオッドアイ。
流れるような銀髪のロングツインテール。
スラリと伸びた足に無駄のないカラダ。
何をしても男子から憎まれなさそうだ。
でも、
(そんな事言われて、そうそう納得出来るヤツなんかいるかっての...。)
確かに今人類は攻撃の『一切』効かない化け物に破滅の危機に陥っていた。
その正体はプログラム化された世界が生み出し、サイバー攻撃以外は一切受け付けないバグなのだと目の前の美少女は言う。
そりゃ現実の武器が効かないワケだ。
しかし『効かない』とはいうが、この少女によると今は攻撃が通る武器があるとかないとか。
どっちだよ。
そしてお前は何者なんだよ。
そんな事を考えながら振り返れば
(...うぇえっ!?)
不明なバグはもう間近まで迫ってきていた。
ギラギラと光る爪が大地を踏みしめるたびに俺の足を掠めている。
「ちょっと『ジェネシス』は何してるの!?...そんな事いいから早く送りなさいよ!こっちは命に関わってるのよ!?」
そして前では美少女がなにやらヘッドセットの無線機に怒鳴っている。
『ジェネシス』?
はて、
何処かで聞いたような...。
『ガッ』
「あっ。」
しまった。
フワリと身体が宙に浮く。
そして失われるバランス。
俺は無様にも木の根につまずいてしまった。
だから余計なことを考えるなとあれほど。
「ちょ、ちょっとあんた!?キャッ!?」
バランスを崩した俺は彼女を巻き込むような形で倒れてしまった。
(クソッ!)
急なことだったが、咄嗟に受け身をとることができた。
俺だって無駄に毎日走り回ってるワケじゃねえ。
だけど
「ーーッつぅ」
彼女は倒れたままだった。
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